「楽しいチャレンジを生きる」イーソルのコアスピリットと柔軟な働き方

さまざまな企業の新しい働き方や求める人物像などをお伝えしていくこの企画。今回は組込みソフトウェアの開発を行うイーソル株式会社にお話を伺いました。

イーソル株式会社とは

イーソル株式会社は、組込みソフトウェア開発とエッジコンピューティング分野の世界的なリーディングカンパニーです。車載システムをはじめ、医療機器やデジタル家電、FA、人工衛星など、あらゆる組込みソフトウェアの開発を主軸として事業を展開しています。

会社名 イーソル株式会社
住所 東京都中野区本町1-32-2
ハーモニータワー(総合受付24階)
事業内容 ・コンピュータおよびその周辺機器のソフトウェアとハードウェアに関する研究開発・製造・販売
・上記に関する開発受託、技術者の派遣、コンサルティング業務
設立 1975年(昭和50年)5月
公式ページ https://www.esol.co.jp/
働き方 ・リモートワーク
・フレックス(コアタイムあり。11時~15時
※育児休業から復帰後の時短制度も含め、社員の希望に合わせて柔軟に対応

1975年の創業以来多くの実績を積み上げ、今や世界中で採用される組込みソフトウェアを開発するイーソル株式会社。一方で、「楽しいチャレンジを生きる」のコアスピリットを掲げ、社員の「働きやすさ」や「働きがい」を支える仕組みも整えているのが特徴です。

そんなイーソル株式会社の働き方や社内のカルチャーなどについて、人事課の間宮さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
イーソル株式会社人事課間宮啓太様

イーソル株式会社
管理統括部管理部人事課
人材採用グループ 採用担当

間宮 啓太さん

組込みソフトウェアを主軸に、ビジネス領域を拡大

イーソル株式会社の製品紹介
▲イーソルさんの自社開発製品の一例

編集部

まず、イーソルさんの事業内容を教えてください。

間宮さん

弊社の主軸事業は「組込みソフトウェア」の開発です。この組込みソフトウェアというのは、コンピュータで動くあらゆる機械に搭載されているソフトウェアのことを指します。

ソフトウェアの開発は「受託開発」と「自社製品開発」に分けられますが、イーソルでは長年培ってきたお客様との信頼関係をもとに多くの大手メーカーさんと受託開発の取引をしながらも、自社製品開発部門と、研究開発部門を持ち、最先端技術を取り入れ自社製品の開発を行っていることが強みです。

最近では特に、自動車に関するソフトウェアの開発、ロボットに関するソフトウェアの開発に力を入れています。

さらには組込みソフトウェアの領域だけではなく、スマートフォン向けアプリケーションやクラウド、通信などのビックデータを活用した領域においてもお客様からお問い合わせをいただいており、ビジネスの幅はどんどん広がってきている段階にあります。

編集部

自社の開発・研究部門で最先端技術をアップデートし続けているからこそ、評価の高い製品づくりができるんですね。またそこからさらに事業領域を広げられているということで、御社に入社すると活躍の場が多くありそうだなと感じました。

社外での評価多数の「働き方改革」

イーソル株式会社のコアスピリット
▲イーソル株式会社が掲げるコアスピリット「『楽しいチャレンジ』を生きる」(公式サイトから引用)

編集部

イーソルさんが取り組まれている「楽しい“働き方”チャレンジ」について、取り組みの内容や、取り組むようになったきっかけを教えてください。

間宮さん

2012年以降、“働き方”の見直しに焦点を当てて 「楽しいチャレンジ」 を続ける、 「楽しい“働き方”チャレンジプロジェクト」 (通称:THC) を、全社で推進してきました。THCは人材価値や社員満足度の向上により、 「楽しく勝ち続けられる」 社員・組織を作ることを目的とした取組みです。

THCでは、業務やコミュニケーションの改善を通して、生産性や付加価値を向上するための活動を続けてきました。取り組みを通じて、労働時間の削減と、業績の向上を同時に実現し、同時に社員の 「働きがい」 「働きやすさ」 も高まっています。

2023年4月時点で残業時間は10時間を切るところまで削減できており、その結果として、「働き方改革企業2019優秀賞」など、働きやすさへの取り組みについて社外から数々の評価を受けることができました。

編集部

制度を整えてそれで終わりではなく、社員同士がコミュニケーションを取りながら、実情に即した改革を進めていったんですね。こういった地道な積み重ねが、今のイーソルさんにつながっているのだということが良く分かりました。

社内外の信頼関係が可能にする「自由度の高い働き方」

イーソル株式会社のカフェスペース
▲リモート中心だが、出社したときにはカフェスペースなど居心地の良い環境が整備されている

編集部

イーソルさんにはエンジニアや営業などさまざまな職種の方がいらっしゃいますが、皆様どのような働き方をされているのでしょうか。

間宮さん

一言で言うと、かなり自由度が高い働き方です。重点を置いているのは「従業員の生産性を高めるための働き方」という点で、その実現のためにかなり柔軟に対応できる制度を設けています。

例えば弊社はリモートワーク中心なのですが、出社のルールについては各現場、各チームに任せています。チームによっては週に1度、曜日を決めて顔を合わせて会議をしているところもありますし、月1回のところもあります。エンジニアが実際の機器を使って動作確認をしなければならない場合は出社することもありますし、逆に出社の必要がなければすべてリモートで行っているチームもあります。

編集部

実機テストをしないといけないエンジニアの場合は、出社の頻度も増えるのでしょうか。

間宮さん

必ずしもそういうわけではなく、ケースによりますね。お客様から持ち帰りの許可が出るケースもありますし、会社のデスクトップ型のパソコンに自宅の会社専用パソコンからリモートアクセスしてテストができるケースもあります。

編集部

お客様から持ち帰りの許可が出るのは信頼関係が築けているからこそですね!また働き方の裁量がチームに大きいのも、会社として社員を信頼しているからこそだと思います。社内外での信頼関係がないとできない柔軟な働き方ですね。

育児休業からの復帰率100%!戻ってきたくなる職場のための工夫

編集部

イーソルさんではさまざまなライフステージの社員の方が働いていらっしゃると思いますが、育児休業や介護休業などのワークライフバランスをサポートする制度面についてはいかがでしょうか。

間宮さん

実はイーソルは育児休業からの復帰率が100%なんですよ。そこは人事として誇らしいポイントです。育児休業に入る前と戻ってきてからで仕事内容が変わらない場合もありますし、社員の家庭事情に合わせた仕事へアサインができているからこそ、「戻ってきたい」と思ってもらえているのではないかと思います。

また、個人の実情に合わせた働き方ができることも大きいと思います。例えばイーソルはフレックスタイム制を運用しており、コアタイムは11時から15時なのですが、その時間での就業が難しいとなった場合には変更することもできます。

フレックスタイム制度があることで、時短勤務制度を活用する必要がないくらい、かなり柔軟に対応できています。ただし、時短勤務制度ももちろん活用していただきたいと思い整備している制度ですので、希望がある場合には上長含めて相談しながら対応しています。

会社と社員をつなぐ「タウンミーティング」

イーソル株式会社の打ち合わせ風景
▲リモートワークが主流の中でも活発なコミュニケーション

編集部

イーソルさんはとてもコミュニケーションを大切にされていると思います。リモートワーク中心の働き方の中で、イーソルさんではコミュニケーションについてどのような工夫をされていますか?

間宮さん

おっしゃる通り、働き方への改革を始めたときにコミュニケーションをとても大切にやってきた土壌があったからこそ、リモートワークが多い今でもチャットツールやオンライン会議などを利用して細かいコミュニケーションを取ることができています。

また、それを支える仕組みとして、さまざまなコミュニケーションツールを用意しています。MicrosoftのTeamsやViva Engageなどのツールを活用して社員同士で興味のあるトピックスや気になった記事、読んでいる本などを積極的にみんなで伝え合って共有していますね。オープンなコミュニケーションをはかることができるのも、イーソルならではの魅力だと思います。

ただし、2018年に上場して以来、会社の方向性や経営層の考えが現場社員まで伝わりきらなくなってきてしまった面もあります。それを解消するために行っているのが、「タウンミーティング」という取り組みです。これは経営層や役員と社員がコミュニケーションを取れる参加型のミーティングで、2か月に1回くらいの頻度で実施しています。

その他にも、月に1回「イーソル通信」として社長のメッセージや最近のトピックス、新入社員の紹介などを全社配信しています。会社の情報を経営側から発信していく、というのは心がけているポイントです。

編集部

タウンミーティングは、入社したばかりの方ですと緊張してしまってなかなか質問が出づらいのかなと思ってしまうのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

間宮さん

それが、結構たくさん質問が来るんです。オンラインで実施するため、チャット形式で気軽に質問が出来るのもメリットとしてあると思います。

また、イーソルの文化として「頭ごなしに否定をしない」というのがあるんですね。まずは聞き入れて、その上で解決策や自分の意見を伝えるというのが全体的な社風としてあるため、新入社員も質問しやすい雰囲気になっているのではないかと思います。

編集部

なるほど。立ち位置に関係なくお互いを尊重する文化が根付いているのですね。

イーソルの評価軸は「チャレンジ」

イーソル株式会社の人事課社員の集合写真

編集部

イーソルさんの人事考課やキャリア開発への支援についても詳しくお聞かせください。

間宮さん

この部分は「楽しい“働き方”チャレンジ」にも含まれる重要なポイントです。弊社では福利厚生などの「働き方」のみに焦点を当てるのではなく、いかに自分の能力を発揮できるか、思い描くキャリアプランを実現できるかという「働きがい」にも焦点を当てて取り組んでいます。

まず前提として、イーソルではコアスピリットである「楽しいチャレンジを生きる」でも示されている通り「チャレンジしているか」を評価軸としています。個々人の年間の目標を設定する上でもチャレンジの視点は必ず組み込んでもらうようにしています。採用選考においても、人事考課においても、「チャレンジ」というのはキーワードですね。

編集部

その「チャレンジ」というのは、具体的な目標が会社から示されるのでしょうか。

間宮さん

目標設定は人それぞれ異なるため、会社から一律で示すことはありません。

具体的な評価制度を説明すると、イーソルでは勤続年数や年齢ではなく、社内資格(等級)を設け、1から10段階の社内資格ごとに設定された行動事例により評価を行います。長い歴史を持つ企業にありがちな年功序列というのは、イーソルには全くありません。

等級ごとに明確な基準を設けており、それを明文化して社内で公表しています。ただし「それをどう達成していくか」というアプローチに関しては、個人が希望するキャリアの方向性に応じて違ってくるため、具体的な行動目標については上長と話しながら設定していきます。

そのため、「チャレンジ」の内容も、個人個人が描く目標によって、どういうものになるのかが変わってくるということです。

キャリアプランは個人の希望を尊重

編集部

キャリアプランの立て方も、会社主導ではなく本人の希望を尊重するということでしょうか。

間宮さん

はい、キャリアプランは全くの自由です。例えばエンジニアですと「プロジェクトリーダーを経験し、その後管理職に就く」という、いわゆる“王道パターン”はありますが、個人の希望がそれと異なるのであれば必ずしもそれを辿る必要はありません。管理職を目指すのも、エキスパートとして自分の技術を突き詰めるのも、キャリアの方向性は本人の希望を尊重します。

エンジニアの会社にありがちな課題ですが、マネジメント側に立たないと給与面でも不利になるということがあります。しかしイーソルでは職位とは別に、細分化した「役割」を設けることで、個人が選び取れる道を増やしていけたらと考えています。例えばプロジェクト単位でチームをまとめていくようなスクラムマスター、または上流工程の領域で能力を発揮してもらうアーキテクトなどですね。

スペシャリスト的に技術を突き詰めていっても良いですし、複数の役割をこなせるようになっても良いというように多様な道を用意しているため、キャリアステップはかなり柔軟性が高いのではないかと思います。

編集部

一人ひとりの希望を尊重する制度になっているんですね。会社のキャリアプランが固まっているために、自分のやりたいことというよりはそこに合わせざるを得ない人も多いと思います。この柔軟な制度があるからこそ、イーソルさんの謳う「楽しいチャレンジを生きる」につながっているのだなと感じました。

意欲があれば、別の業務の幅を広げることも可能

編集部

イーソルさんは様々なプロジェクトを手掛けられていますが、入社した場合は複数のプロジェクトに関わっていくことになるのでしょうか。

間宮さん

イーソルでは、産業機械向けの組込みソフトウェア開発をする部署、医療機械向けの組込みソフトウェア開発をする部署、スマートフォン向けのアプリケーション開発をする部署といったように、技術ドメインごとに部署を分けています。

それぞれの部署の中でも複数のプロジェクトが進行していますが、基本的には、ある程度の期間はその一つの対象に対して開発を行い、技術を積み上げていっていただきます。

編集部

例えばC++を使っていた人がPythonにも興味があるとなったときに、転向することは可能なのでしょうか。

間宮さん

本人の考え方や会社のタイミングも加味した上で、キャリアの幅を広げていくことは可能です。

イーソルの社員はものづくりが好きで、新しい知識を吸収することに意欲的なエンジニアが揃っていることが魅力でもあります。一つのドメインで積み上げた経験があれば、そのノウハウを別の開発対象や言語でも活かすことができると思います。

編集部

専門性の高い分野であるが故に、別の言語に興味があっても転向するのは難しいのかなと思っていたのですが、それについても本人の希望をなるべく尊重してもらえるんですね。社員の方の学びへの意欲や能力を信用していることが伝わってきます。

未経験でも安心!3か月間たっぷり「いろは」を教え込む新人研修

編集部

イーソルさんの取り扱う分野はかなり専門性の高い領域かと思いますが、未経験者の応募も可能なのでしょうか。

間宮さん

専門性が高く、理系の人や経験者しか難しいのではないかと思われがちですが、実はイーソルの新卒採用では文系の方もたくさん採用しており、また毎年半数以上がプログラム未経験です。

新入社員研修は丸々3か月かけてプログラミングの基礎からチーム演習まで手厚く行っており、この機会にベースとなる知識をしっかりと身に着けていただくことができます。

編集部

プログラミングと聞くと経験者でないと難しいのかと思ってしまいますが、半数以上が未経験なのは驚きです!しっかりとした研修制度が整っているからこそできることですね。

特徴は「圧倒的な風通しの良さ」。誰でも意見を言いやすいフラットな環境

イーソル株式会社の打ち合わせ風景
▲フラットな雰囲気で意見を言えるイーソルさんの打ち合わせ

編集部

イーソルさんの、会社全体としての雰囲気を教えてください。

間宮さん

学びへの意欲が高い社員が多く、特に特許の取得などは法務課主導で進めています。勉強会なども多く行われていますね。

全体的な雰囲気としては、圧倒的に風通しの良い会社だと思います。先ほど「頭ごなしに否定しない文化がある」と言った通り、非常に意見が言いやすい雰囲気があります。

年功序列ではないというお話もしましたが、単に評価制度だけのことではなく、普段から「新入社員だから」「社歴が長いから」といった区別なく、フラットに意見を求められる環境です。

組織を縦横につなげるマネジメント体制がコミュニケーションを支える

編集部

イーソルさんでは部署ごとに異なる業務をしているとのことですが、それでも会社全体の風通しが良いというのは、タウンミーティングなどの機会を通じてコミュニケーションをはかることができているからなのでしょうか。

間宮さん

それもありますし、もう1つ、組織のマネジメント体制も大きく関わっていると思います。技術ドメインごとの部署の管理者とは別に、プロジェクトを横断的に管理するプロジェクトマネジャーがいるんです。そのプロジェクトマネジャーは社員の評価をするマネジメント業務ではなく、プロジェクトを円滑に進めていくための各種の役割を担っています。

イーソルでは常時70から100程のプロジェクトが動いており、プロジェクトマネジャーはこの複数のプロジェクトを管理していることから、さまざまな社員とコミュニケーションを取っています。部署を管理するマネジャーが縦軸だとすると、プロジェクトを管理するマネジャーは横軸というイメージです。

この縦横の管理体制があるからこそ、全社的なコミュニケーションが円滑になり、風通しの良さにもつながっているのではないかと思います。

「オーナーシップ=主体性」が採用のカギ

イーソル株式会社人事課間宮啓太様

編集部

ここまでいろいろとお話をお伺いしましたが、改めてイーソルさんが求めている人物像を教えていただけますでしょうか。

間宮さん

「オーナーシップ」を発揮できる方を、弊社では求めています。オーナーシップというのは、わかりやすく言うと「主体性」です。自分に与えられた仕事を一生懸命やるのは社会人として当たり前のことで、それにプラスして他部署のことや、他の人が取り組んでいることについても自分事として捉えられることが望ましいです。

意見を言いやすい環境が整っていると言いましたが、それだけに現状に甘んじたり、気後れしたりすることなくどんどん意見を出していく「チャレンジ」の姿勢が求められています。日々の業務の中での改善点や自分の気づきを積極的に発信しながら、他の人たちも巻き込んで物事を前に進めていけるような主体性を発揮できる方がイーソルにぴったりだと思っています。

逆にイーソルに向いていないのは、与えられた仕事をそのままやっていくタイプの方です。開発の仕事というのは上流工程で要件が決まり、それに合わせて設計・開発・テストするという性質もありますが、その中でももっと改良の余地はないか思考を続け、それを発信できるタイプの方が活躍できると思います。

経験や文系・理系などを問わず幅広い人材を歓迎

編集部

最後に、イーソルさんから求職者に向けてのメッセージがあればお聞かせください。

間宮さん

イーソルの中心業務は組込みソフトウェアの開発ですが、最初にお話した通りスマートフォン向けアプリケーションの開発やクラウドに関わる開発など、業務の幅が広がってきています。また、キャリア形成やキャリアステップに関してはかなり柔軟性があり自由度も高い会社です。

何かしら興味に合致した分野はプロジェクト化されていると思いますし、そのプロジェクトに関わることができるチャンスも大いにあると思っています。幅広いエンジニアの方にイーソルに興味を持っていただけると嬉しいです。

私たちにはチャレンジを推奨する風土があり、新人研修も充実しています。未経験、文系・理系に関わらず安心して飛び込んでいただければと思います。

編集部

多様な業務があり、さらには「楽しいチャレンジ」を応援してくれるイーソルさんだからこそ、たくさんの活躍の場がありそうですね。

本日はありがとうございました!

■取材協力
イーソル株式会社:https://www.esol.co.jp/
採用ページ:https://www.esol.co.jp/recruit/