独自のブランディングで規模拡大。株式会社エレファントストーンに聞く成長の理由

企業が展開する事業やその成長、若手社員の活躍についてお話を聞く本企画。今回は多岐にわたる映像制作と広告運用の事業を展開している株式会社エレファントストーンを取材しました。

「想い」を映像として象り、磨き、輝かせる株式会社エレファントストーン

株式会社エレファントストーンは、主に企業を対象としたブランディングムービーや商品・サービスの紹介映像のほか、テレビCM、SNSのドラマなど様々なタイプの映像制作を手掛けています。

ただ良い映像をつくるだけではなく、お客様の伝えようとする「想い」を正確に理解し表現することで、お客様に心から喜んでもらえる「株式会社エレファントストーンだからこそ」の映像づくりを実現しようとしています。

会社名株式会社エレファントストーン
住所東京都渋谷区猿楽町2-1
アベニューサイド代官山3 4F・5F
事業内容・映像制作
・広告運用
設立2011年4月
公式ページhttps://elephantstone.net/

今回は株式会社エレファントストーンの事業や若手社員の活躍ぶりや採用のポイントについて、経営戦略室 ブランドマネジメント課 マネージャーの秋山真衣さんにインタビューしました。

本日お話を伺った方
株式会社エレファントストーンで経営戦略室ブランドマネジメント課マネージャーを務める秋山真衣さん

株式会社エレファントストーン
経営戦略室 ブランドマネジメント課
マネージャー

秋山 真衣さん

単なる映像制作ではない。ときにはボードゲームも使用して「想い」を象る

株式会社エレファントストーンのオフィス5階受付に社員が2人並んでいる様子

編集部

まず最初に、エレファントストーンさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

秋山さん

私たちは「お客様に寄り添う」映像制作をしています。大手人材会社の採用動画や有名サッカーチームのブランディングムービー、独立行政法人のPR動画などをはじめ、様々な業種のお客様から依頼をいただき、あらゆる手法でお客様の「想い」や「魅力」を伝える映像を制作しています。

「寄り添う」とは、お客様の要望をすべて受け止めるということではなく、お客様の「想い」を「理解し、最適化し、胸を張って輝いてもらう」ということです。

編集部

具体的には、どのようなことなのでしょうか。

秋山さん

エレファントストーンは、4つのサービスを駆使して映像をつくっています。

例えば伴走型ブランディング映像制作サービス「ROOT」では、お客様の「想い」を根底から理解するために、弊社がオリジナルで開発したボードゲームを使用します。お客様と一緒にお客様のDNAや価値観を探り、魅力を再発見する、そこから映像化を進め、ブランディングに昇華させています。

私たちは、お客様が自社や自社のサービスに誇りを抱き、胸を張って語れる「想い」や「共感」があってこそ、本来のブランディングが実現するのだと考えています。

株式会社エレファントストーンの公式サイト内の事業内容に関するページ
▲エレファントストーンが大切にしている想い(公式サイトより引用)

編集部

お客様と一緒に、お客様の「想い」を表現する映像をつくっていらっしゃるのですね。4つのサービスには、ほかにどのようなものがあるのですか。

秋山さん

社内約50名のクリエイターと約150社のパートナーネットワークを駆使してどんなジャンルにもクオリティ高く対応できる「ヨリゾウ」と、コストメリットやスピード感を重視するお客様向けに、AIとアジアリソースを用いて短期間・低予算でもクオリティを諦めない「ヒトテマ」があります。

また、つくった映像を広告として運用する「OTAKEBI」というサービスも展開しており、映像を用いた広告運用のご提案から実施・分析・改善まで、任せていただいています。

予算感や規模感にかかわらず、どのサービスにおいてもお客様の「想い」をカタチにすることにこだわっています。

編集部

エレファントストーンさんのサービスには、お客様の「想い」をどのように表現していくのかに対するこだわりがあるのですね。

リブランディングを経て、さらにお客様に寄り添える存在に

株式会社エレファントストーンのオフィス5階にあるライブラリースペースで調べ物をする社員
▲オフィス5階にあるライブラリースペース。ノウハウ蓄積のため、映像制作やマーケティングに関する本を常備している

編集部

エレファントストーンさんの組織の中で、近年のトピックはございますか。

秋山さん

実は、弊社は10周年を迎えてリブランディングを行いました。誰もが自身のスマホで映像をつくれる時代になり、市場のニーズが変わり、私たちの組織体制が徐々に変化する中で「私たちが提供しているサービス・価値とは何だろう」と立ち返って考えたんです。

そこで、エレファントストーンは「映像づくりをしている会社」ではなく「映像づくりを通して誇りをつくっていく会社」へ、映像制作会社からプライディングカンパニーへと進化しました。映像が持つ可能性をさらに追及し、映像の力で「誇りを持ち、胸を張って生きる人」を増やしていこうとしています。

今まさに、そこへ向けて本格始動しようとしているところなんです。

編集部

リブランディングによって業務などは変化したのでしょうか。

秋山さん

映像をつくって終わりではなく、お客様が「届けたい」と思っている人に映像を届けるところまでサポートをしていく「OTAKEBI」のサービスは、リブランディングをきっかけにスタートしたものなんです。

また、「ROOT」「ヨリゾウ」「ヒトテマ」という特徴的なサービスの名前も、リブランディングの際に誕生しました。

編集部

リブランディングによってエレファントストーンさんの大切にしている想いが明確になり、お客様への訴求がはっきりしたのですね。インパクトあるサービス名により、御社の価値観や考え方が、お客様に伝わりやすいように思いました。

クライアントの6割以上はリピーター。メンバー数も10倍に拡大して成長中

株式会社エレファントストーンのオフィス4階にある執務室

編集部

エレファントストーンさんは、設立の頃よりずいぶん企業規模が拡大しているとお伺いしました。

秋山さん

はい。ここ6年でメンバーの数は10倍くらいになりました。設立6年目までは6名の組織でしたが、現在は約60名のメンバーがいます。売り上げもずっと右肩上がりなんです。

成長を続けてこられた理由としては、シンプルに映像の市場規模が拡大し続けているということと、私たちが創業間もない頃から、信頼と実績を積み上げてきた結果だと思います。

弊社のお客様の約6割はリピーターです。一度接点を持ったお客様が、改めて新規の案件をくださったり、新規のお客様をご紹介くださったりするケースが多くあります。

編集部

以前にお取引の経験があるお客様が、ずっと信頼してくださっているのは嬉しいことですね。

秋山さん

市場が拡大するにつれて、お客様のニーズは多様化しました。予算の幅は広がり、お客様が制作したい映像は様々で、最近では映像表現や制作した映像の活用方法などについてもご相談いただく機会が増えているように感じます。

多種多様なお客様の想いに、エレファントストーンとしてどう応えることができるだろうか。そう考えながら、市場やニーズと向き合い、対応できるような体制を整えてきました。このようなことも、現在の成長・規模感につながっていると思います。

編集部

エレファントストーンさんが順調に社員数を増やし事業を拡大しているのは、市場にもお客様にも柔軟に対応する姿勢があったからこそなのですね。

行動や成果で評価。入社1年半でリーダー職になった若手も

株式会社エレファントストーンのオフィス5階にあるファミレスのような席で打ち合わせをする2人
▲オフィス5階にあるファミレスのような席。カジュアルな打ち合わせやお昼時に使用することが多い

編集部

エレファントストーンさんで働くスタッフのうち、20代・30代の若手の方はどれくらいの割合でいらっしゃいますか。

秋山さん

スタッフの9割以上が20代・30代です。40代・50代もいますがあまり多くはないです。代表は40代半ばで、マネージャーたちは30代半ばが多いですね。

編集部

若手のメンバーで構成されている会社といっても過言ではありませんね。

秋山さん

若手の中には、入社して1年半でリーダーの役職に就いている20代のスタッフもいます。彼女は映像の編集を担当するエディター職で、すごく成長して評価されていますね。

なぜそんなに早くキャリアアップしているのかというと、彼女が自分から考えて動いているからだと思います。例えばお客様に対して、映像の提案をする際には「このお客様だったら、こういう表現がいいんじゃないか」とお客様により寄り添いながらさまざまな方向性のアイデアを出すなど、彼女の仕事ぶりにはクリエイターとしてのプロ意識を感じます。

編集部

エレファントストーンさんには、年齢や社歴に関係なく、行動や成果で社員を評価し大きな役割を任せていく文化が根付いているのですね。

OJT、1on1ミーティング、チームごとの振り返りで若手を育成

株式会社エレファントストーンでマーケターメンバーとして広告運用サービスOTAKEBI事業を担当しているスタッフ

編集部

20代・30代の方が多い社内で、若手の育成はどのように行っているのですか。

秋山さん

入社後はスムーズに職場に慣れてもらえるように、OJTや1on1でどんどん現場を知ってもらえる制度を採り入れています。特に新卒の場合は社員1人に対して1人の先輩がつくので質問もしやすいと思います。

編集部

1on1はどのような形で実施されているのでしょうか。

秋山さん

OJTの先輩社員とであったり、マネージャーとであったり、定期的に実施しています。日頃感じている「難しいな」ということや課題を解消できる場になっています。

チームごとに、一つの案件が終わるタイミングで振り返りのミーティングをしているところもあります。「もっと良くできたはず」と思える事例をチーム内でシェアして次に活かせるようにしています。

編集部

先輩やリーダー、マネージャーがすぐ近くにいてフォローしてもらえる体制なのですね。入社間もない方、経験の浅い若手の方も安心ですね。

エレファントストーン独自の評価制度で、理念を体現しながらキャリアアップ

株式会社エレファントストーンのメンバーたちが業務を進める様子


編集部

エレファントストーンさんでは、どのように社員の皆様を評価されているのでしょうか。

秋山さん

弊社では、主に行動指針の体現度とグレード別スキル、目標達成度によって評価しています。行動指針は弊社が理念として掲げているもので、それらを実際の業務の中で行えているかどうかが評価の対象となります。経験や訓練を積む必要がある方は「スターター」というグレードからスタートするのですが、行動指針の体現度で評価される割合が高くなっています。

「スターター」として評価がされると、一人前に仕事ができる「クリエイター」として、自ら課題を発掘し解決をはかることができるか、またチームの目標達成に貢献できるか、更に上のグレードになると「マネージャー」としてチームの人材マネジメントや会社に貢献できる「勝ち続けるチーム」をつくることができるかどうかなどが評価の対象となっていきます。

編集部

入社間もない新人の方には、エレファントストーンさんの理念をしっかり浸透させていくことが大事なのですね。

秋山さん

理念に沿った行動指針を体現できていれば仕事への向き合い方の軸ができるので、しっかり評価されますし、自然とスキルも上がっていくと思います。2〜3年くらいで「クリエイター」に昇格するメンバーもいますね。

編集部

行動指針には、御社の皆様が実践されている「お客様との向き合い方」「仕事への取り組み方」などが盛り込まれているのですね。新人の方が仕事で何か迷ったときには、心強い道しるべになるのではないかと感じました。

クリエイターの貢献度を可視化する評価制度「パオン制度」で一人ひとりが強みを発揮

編集部

エレファントストーンさんにはクリエイターの方のための評価制度があると伺いましたが、どのようなものでしょうか?

秋山さん

これは「パオン制度」といって、クリエイティブな業務に従事するメンバーが独自のパオン通貨(※)を使って業務を発注し合うものです。仕事をすれば通貨が貯まるので、自分がどれだけ仕事に貢献したのかが目に見えて分かるシステムです。
(※)エレファントストーンという社名にちなんだ通貨の名称

これまでサポート的な業務をしていた新人スタッフの貢献度も可視化されるほか、クリエイターが自身の価値を意識するきっかけにもなっています。

編集部

世の中ではクリエイターの評価が曖昧になりがちだと聞くことがありましたが、これであれば、正確・平等に評価してもらえそうですね。

秋山さん

先ほどお話した通り、この他に行動指針やグレード別の評価もあるのですが、パオン制度は評価が数値としてきっちり分かるので、今まで感覚的な評価に頼っていた各メンバーのスキルや強みの貢献度を成果として可視化することができるようになりました。「自分のやったことの成果を実感できるようになった」というスタッフが多くいます。

この制度は、エレファントストーンの中で、クリエイターの一人ひとりが強みを発揮しながら、チームや会社に貢献できる仕組みなんです。制度導入後は社内で自分の作風、実績、好きなことなどをアピールする文化が生まれました。

そうした個性の発信が、案件を受注した際の「この映像ならあのスキルを持っている〇〇さんにお願いしよう」「△△さん、こういう映像好きって言ってたから声をかけてみよう」という適材適所でのアサインに繋がっています。

案件成功のためにはその分野に知見があるクリエイターのアサインが重要ですし、クリエイター自身も得意な仕事を受注できるので好循環が生まれているのではないでしょうか。パオン制度により、メンバーたちの成長を後押しできると思っています。

編集部

エレファントストーンさんは、ほかにも制度や取り組みが充実していて、合理的にクリエイティブの作業を進めるためにCRM(顧客管理システム)の導入や、セミナーや勉強会への参加を補助する「自己啓発支援制度・社内勉強会」などでクリエイターの成長をサポートされていますね。その手厚さに驚きました。

クリエイティブに携わるメンバーが好きなのは映画や音楽の話

株式会社エレファントストーンの撮影メンバーたちがならんでいる様子
▲活躍中の若手ディレクター(機材は一部を社内に揃えている)

編集部

社内の雰囲気はどのような感じなのでしょうか。

秋山さん

メリハリがありますね。各メンバー、業務に集中していることもあれば、業務上のコミュニケーションをとっていることも多いなという印象です。穏やかなメンバーばかりなので、社内の雰囲気はとても良いと思います。もちろん、フリースペースでの休憩中などは会話を楽しんでいますよ。

月に一度会議があって、そのあとに立食パーティーを開催しています。行きたいメンバーだけが参加する任意制なのですが、それでも普段はあまり話せないメンバーとも気軽に交流できるので、毎回多くのメンバーが参加しています。

編集部

オンとオフがはっきりしている職場だと、仕事に集中できそうですね。

秋山さん

カルチャー的な部分でいうと、サブカル感があるのかもしれません。クリエイティブに携わるメンバーが多いこともあり、映画とか音楽の話で盛り上がっている場面は多いですね。

編集部

なるほど。映画や音楽、ネットを含めたカルチャーなどさまざまなコンテンツに詳しい方が多そうで、オフのときは会話を楽しまれているのだなと感じました!

変革期を迎えるエレファントストーンは「共に会社をつくってくれる人」を歓迎

株式会社エレファントストーンで経営戦略室ブランドマネジメント課マネージャーを務める秋山真衣さん
▲採用のポイントや一緒に働きたい方の人物像を語ってくれた秋山さん

編集部

採用の時に重視しているポイントを教えていただけますか。

秋山さん

エレファントストーンはまさに今、第2創業期ともいえるようなタイミングを迎えています。ベンチャーですし「変化がある」ことを楽しめる方、これから私たちと一緒に会社をつくってくださる方かどうかを意識して採用に臨んでいます。

編集部

中途採用で入社した方がマネージャーや管理職に昇格することは可能ですか。

秋山さん

組織のバランスやタイミングにもよりますが、可能性は十分あります。私もそうですし、私より少し先輩の社員も中途で入社し、今はマネージャー職を任されています。

編集部

新卒の方も、中途の方も活躍されているのですね。最後に、現在転職を考えている方に向けてメッセージをお願いします。

秋山さん

エレファントストーンは、ここ6年ほどで規模を拡大してきただけでなく、映像制作会社という枠組みを超えたプライディングカンパニー(映像を通してお客様の誇りを創る会社)として、さらなる飛躍に向けて動き出しています。これからどんどん成長していきます。プライディングカンパニーという名のもと「誇りをつくっていく会社」としてより一層発展していきます。

「自分で映像がつくりたい」「自分のスキルを伸ばしたい」という気持ち以上に、「お客様のために何ができるだろう」「より良い組織・会社にしていこう」と考えてくださるような方と、エレファントストーンの第2章をつくっていけたらと思っています。

編集部

変革期のエレファントストーンさんで働く皆様、またこれから入社する方は、会社が成長していく過程をリアルに実感できそうですね。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社エレファントストーン:https://elephantstone.net/
採用ページ:https://elephantstone.net/recruit