印刷事業の拡大を目指す株式会社DPSの「創業35年目の成長戦略」に迫る

新規事業の創出などを通じて成長を目指す企業を紹介する本企画。今回は、創業35年の節目を迎え、更なる飛躍に向けて歩み出した印刷会社「DPS株式会社」をインタビューしました。

DPS株式会社とは

1988年創業のDPS株式会社は、中央区・港区・千代田区を中心に印刷事業を展開しており、大手企業の販促物の印刷を通じて培った高い技術力に定評があります。

また、東京都内の印刷会社としては珍しい「オフィスに併設された印刷所」を運営しており、顧客の要望をスピーディーに印刷物に反映できるのが特徴です。

会社名 DPS株式会社
住所 東京都中央区新川2-21-15
事業内容 ・オフセット印刷事業
・オンデマンド印刷事業
設立 1988年6月
公式ページ https://dps-japan.jp/

DPS株式会社は、創業35年を迎えたタイミングで、2028年の上場を目指すベンチャー企業の一員となりました。これを新たなスタートと位置付け、少部数の印刷物に対応するオンデマンド事業部を立ち上げるなど、成長への取り組みを加速させています。

今回は、代表取締役社長の竹田修久さんに、今後の成長戦略や社内カルチャーについてお話しいただきました。

本日お話を伺った方
DPS株式会社の代表取締役社長 竹田修久さん

DPS株式会社
代表取締役社長

竹田 修久さん

オンデマンド印刷に参入。更なる成長に向けたDPSの戦略とは

DPS株式会社の公式サイトに掲載された事業説明
▲DPS株式会社は、「その思いをその先へ」を理念に中央区・港区・千代田区を中心に印刷事業を行う。(公式サイトから引用)

編集部

まず最初に、DPSさんの事業内容について教えてください。

竹田さん

弊社は、1988年に「ダイシン印刷サービス」として創業して以来、中央区・港区・千代田区を中心に印刷事業を展開しています。

「その思いをその先へ」という理念のもと、販促用パンフレットなどの商業印刷や、名刺や封筒といった事務用品の制作をしており、これまでのお取引件数は11万件以上にのぼります。

編集部

DPSさんは、2023年6月に社名を変更したばかりだと伺いました。

竹田さん

はい。創業35年を迎えた2023年6月、2028年の上場を目指すベンチャー企業「株式会社CREVAS GROUP」の一員になりました。これに合わせて社名を「DPS株式会社」に変更し、新たなスタートを切りました。

編集部

新たなスタートに伴い、事業内容に変化はありましたか?

竹田さん

創業以来、販促のためのカタログやパンフレット、チラシなどのオフセット印刷(※)を行ってきましたが、新たに、少ない部数の印刷に短納期で対応するオンデマンド事業部を立ち上げました。
(※)平版印刷の一種で、写真や色を忠実に再現できることや、短時間で大量に印刷できる特徴を持つ

「20ページの冊子を50部だけ印刷したい」といった少部数のニーズは多いのですが、これまでは弊社で対応することが難しく、協力会社さんにお願いしていました。今回新たな事業部を立ち上げたことで、こうしたニーズにもお応えできるようになり、今後はオフセット印刷とオンデマンド印刷の両輪で成長を目指したいと考えています。

編集部

オンデマンド印刷では、個人の方の印刷依頼も受けるのでしょうか?

竹田さん

はい。個人様のご依頼にもお応えしていますし、大規模な法人様であっても、事業部のイベントで使うためのパネルやポスターを1、2枚だけ作ってほしいといった少部数の要望は多いので、あらゆるニーズを取り込みたいと思っています。

大手企業の販促物で培った「技術力」に自信あり

DPS株式会社の印刷所のようす
▲DPS株式会社は、大手企業の販促物の制作で培った技術力が強み。(公式サイトから引用)

編集部

DPSさんの印刷サービスには、どのような強みがありますか?

竹田さん

私たちは、大手の広告代理店様が担当する有名企業の販促物の印刷を引き受けることが多く、それによって培った高い技術力があります。

編集部

クオリティが求められるような印刷物を多く手がけることで、技術力を磨いてきたのですね。

竹田さん

はい。タレントさんや商品の写真をチラシなどに使用する場合、イメージを損なわないために細かい部分まで厳しくチェックする必要があります。「工場を訪れて、印刷しているところを直接確認したい」と言うお客様も多く、満足いただける出来になるまで調整を繰り返すこともあります。

このような厳しい要望にもしっかりと対応してきたことが、私たちの技術力につながっています。

編集部

35年間で培った技術とノウハウは、新しくスタートしたオンデマンド事業にも活用できそうですね。

オフィスと工場が一体なので顧客の要望を印刷物に反映しやすい

株式会社DPSのオフィス外観
▲DPS株式会社は、営業所と印刷工場がワンフロアに入居する。(公式サイトから引用)

編集部

技術力の高さ以外にも、特徴があれば教えてください。

竹田さん

弊社は、都内の印刷会社としては珍しく、工場とオフィスが一体化した事業所を構えています。これにより、営業担当がお客様からいただいた声を、印刷オペレーターにしっかりと伝え、満足度の高い印刷物を作ることができます。

編集部

営業部門と印刷部門がうまく連携しているのですね。具体的な事例がありましたら、教えていただけますか?

竹田さん

弊社が手がける印刷サービスのひとつに、食器への転写プリントがあります。例えばキャラクターの顔がプリントされたコップの場合、直接コップに印刷しているわけではなく、まず特殊な紙にキャラクターの顔を印刷し、それをコップに巻きつけ、高温で焼き付けています。

特殊な紙に印刷する技術は意外と難しく、コップが出来上がった時にイメージ通りの仕上がりになるように試行錯誤を繰り返さなくてはなりません。こんな時、印刷現場と営業の連携体制があると、試作品に対するお客様のフィードバックを、すぐに次の試作品に反映させることができるので、とても効率的です。

編集部

営業と印刷所が離れていると、タイムラグや認識の違いが生じる可能性がありますが、DPSさんのように一体化していれば、そのような心配もありませんね。

竹田さん

はい。お客様の声がスピーディーかつダイレクトに印刷現場に伝わるので、その度にインクの濃度を下げたり、水の量を調整したりしながら、決められた期間内に満足いただけるものを仕上げることができます。

デジタルにはない「紙の魅力」で需要を取り込む

株式会社DPSが手がける印刷物のイメージ
▲DPS株式会社は、チラシから名刺まで幅広い種類の印刷物を手がける。(公式サイトから引用)

編集部

デジタル社会になるにつれてペーパーレス化が進み、印刷業界に逆風が吹いているとも言われます。DPSさんは、こうした時代にさらなる成長を目指すにあたって、考えている戦略はありますか?

竹田さん

おっしゃる通り、印刷業界が置かれている状況は、以前と比べると良いとは言えないと思っています。しかし、私自身は、紙がなくなることはないと思っています。

デジタルはデジタルで便利な部分がたくさんありますが、場合によっては紙に印刷されたものの方が見やすかったり、分かりやすかったりすることもあります。どちらかではなく、共存していくものだと思います。

編集部

紙であることの良さは、どのような場合に発揮されると思いますか?

竹田さん

デジタルで入ってくる情報というのは、自分が興味を持ち能動的に選択したものに偏りがちですが、紙には「ふとした瞬間の出会い」があります。

ふらっと立ち寄ったお店で手にしたパンフレットから新しい世界が開けたり、本をパラパラとめくって素敵な言葉に出会ったりできるのは、紙だからこその利点ではないでしょうか。

編集部

印刷をはじめとする紙の業界には、アイデア次第でまだ可能性があるということですね。

竹田さん

はい。それに加えて、新型コロナウイルスの影響が落ち着いたことによる需要の回復も実感しています。

対面でコミュニケーションする機会が増えると、印刷物を渡す場面も増えてきます。弊社でも、イベントや商談の際にちょっとしたパンフレットを渡したいというお客様からのご依頼が増えており、順調に業績が拡大しています。

従業員には仕事を通じて成長できる環境を提供

編集部

オンデマンド事業部を立ち上げ、企業成長を目指すうえで、採用の拡大も考えているのでしょうか?

竹田さん

はい。現在、弊社には9人のメンバーがいますが、栃木県宇都宮市にフランチャイズの印刷店を出店するため新しく数名を採用しており、合わせると13名ほどの組織になる見通しです。

現状維持という守りの姿勢ではなく、成長し続けたいと考えているので、今後も必要に応じて採用を行う予定です。

編集部

従業員の育成については、どのように考えていますか?

竹田さん

できることが一つひとつ増えて成長を実感してもらえるような、丁寧な育成を行いたいです。

従業員を預かる以上は、DPSでの仕事を通じてスキルや知識を身につけてほしいと思っています。弊社をキャリアアップの踏み台にしてもらっても構わないので、どこへ行っても活躍できるような市場価値の高い人材に成長してくれたら嬉しいです。

編集部

インターンの受け入れについては検討していますか?

竹田さん

現在のところ予定していませんが、今後、受け入れる機会があれば学生さんに有意義な経験を提供できるように全力でサポートしたいと思います。

困った時はチームワークで解決するDPSのカルチャー

編集部

DPSさんの社内の雰囲気や、メンバーの特徴について教えてください。

竹田さん

弊社の従業員には、真面目でしっかり仕事と向き合う人が多いと感じています。

仕事柄、職人気質の人が多く、普段は黙々と業務に集中しているのですが、トラブルや困ったことが起きた時はチームワークを発揮し、みんなで力を合わせて解決しています。

編集部

助け合う風土があると、これから新しく入るメンバーも分からないことを気軽に聞くことができますね。CREVAS GROUPさんの一員になったことによる意識の変化はありますか?

竹田さん

はい。私も含めて、みんなのマインドが前向きに変わったと感じます。CREVAS GROUPから弊社に出向で来ているメンバーもいるので、2028年の上場というグループ全体の目標を意識し、それを達成するためにDPSとしてどのような戦略を描くべきかについて常に考えています。

編集部

全員が「会社を成長させたい」という共通の思いを持ち、これまで以上に一丸となって仕事に取り組んでいるのですね。

未経験の方も歓迎。DPSが求めるのは成長意欲のある挑戦者

DPS株式会社の代表取締役社長 竹田修久さん
▲DPS株式会社の竹田社長は、成長意欲のある人にはどんどん活躍の機会を提供したいと話す。(公式サイトから引用)

編集部

最後に、DPSさんで働くことに興味を持つ読者の方に、求める人物像やメッセージをお伝えいただけますか?

竹田さん

「成長したい」という思いを持っている方と、ぜひ一緒にお仕事をしたいと思っています。そのような意欲をお持ちの方には、私達も最大限の協力をし、成長する機会をどんどん提供します。

積極的に事業を拡大するつもりなので、今後は採用活動も本格的に行う予定です。フランチャイズで複数の印刷所を出店する計画があるので、店長やエリアマネジャーなどのポジションを担っていただける方も必要になってきます。

手を挙げていただければ、何かしら活躍いただける場所を提供できると思いますので、印刷を通じてお客様の思いを「具現化」するために、一緒に挑戦していただける方をお待ちしています。

編集部

印刷業界で働いた経験がない人でも、DPSさんのお仕事に興味があれば採用のチャンスがあるのでしょうか?

竹田さん

はい。弊社のメンバーがしっかり育成しますので、未経験でも全く問題ありません。印刷に関わりたい方だけでなく、店舗の運営に興味がある方も歓迎します。

編集部

新規事業でさらなる飛躍を目指すDPSさんは、会社の成長と自身の成長の両方を感じながら働ける場所だと感じました。

本日は、ありがとうございました。

■取材協力
DPS株式会社:https://dps-japan.jp/
採用ページ:https://en-gage.net/dps-japan_saiyo/