注目企業の躍進の理由や新しい働き方などについて、企業インタビューをしていくこの企画。今回は、クライアント企業のDX(デジタル変革)を支援するテクノロジーコンサルティング事業を手掛ける「株式会社デリバリーコンサルティング」にインタビューしました。
デジタル技術を活用して企業の課題を解決する「株式会社デリバリーコンサルティング」
株式会社デリバリーコンサルティングは、成熟した技術への深い理解に加え、最先端技術を組み合わせた様々なテクノロジーを活用して、クライアント企業の経営課題を解決するためのコンサルティングサービスを提供する企業です。
ITのプロフェッショナルとして、テクノロジー戦略の策定から設計・システム開発・内製可能な仕組みや体制構築、BI(ビジネスインテリジェンス)やデータ活用に関する戦略策定・データ基盤整備に関するコンサルティングサービスなどを提供しています。
2003年の設立以来、システム開発・保守・運用から、ITコンサルティング、データ活用・基盤整備などの領域へと事業を拡大してきました。2021年7月には東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)へ上場し、現在は200社を超える企業のデジタル変革を支援しています。
会社名 | 株式会社デリバリーコンサルティング |
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住所 | 東京都港区赤坂9-7-1ミッドタウン・タワー23F |
事業内容 | テクノロジーコンサルティング |
設立 | 2003年4月10日 |
公式ページ | https://www.deliv.co.jp/ |
20代と30代が全社員の約6割を占める、若手社員が多く在籍する会社です。経営理念やコアバリューをベースに体系化された人材育成プログラムを通して、各人のキャリアプランや現在のスキルセットに必要な教育を提供し、一社一社のクライアント企業、そして、社会の発展に貢献する優れたテクノロジーコンサルタントの育成に力を入れています。
今回は、株式会社デリバリーコンサルティングの黒川さん、奥山さん、初山さん、久保さんの4名に、若手社員が活躍できる研修・サポート体制、男女問わず希望するキャリアパスを描ける環境などについて尋ねました。
若手が活躍する会社。実際に参加しているプロジェクトとは
編集部
デリバリーコンサルティングさんでは、若手の方が多く活躍されています。若手社員のみなさんが活躍される環境などについてお伺いしたいと思うのですが、実例として初山さんのご経歴や現在のお仕事について簡単に教えてください。
初山さん
私は新卒で2020年に入社しました。最近では、製造業のお客様向けにERPシステムから会計システムへのデータ連携、および会計の見える化用のダッシュボードを構築するためのプロジェクトで、ETLツールを使ったデータ連携の機能を実装するための設計の作業を行っています。
編集部
プロジェクトの規模感はどれほどか教えていただけますか?
初山さん
私がこれまで参画したプロジェクトの中では比較的大きな規模のプロジェクトで、プロジェクト全体は20名程の人数規模になります。当社のメンバーは私を含めて3名で、その他様々な企業から各領域のプロフェッショナルが集まっています。
プロジェクト自体は1年以上続いていますが、私は約半年前から参画しています。
編集部
現在のプロジェクトで大変なことはありましたか?あればどう乗り越えたかを含めてご紹介いただきたいです。
初山さん
今回のプロジェクトでは、現在稼働しているシステムをクラウド環境へマイグレーション(移行)することが大きなポイントの一つなのですが、現行システムの設計書や資料を読み込み、理解する作業が大変で時間がかかっている状況にあります。
こういった場合でも、内容の理解をはじめ、作業の進め方、プロジェクト全体の状況を踏まえた優先順位やスピード感の考え方など、わからないことがあったら上司に連絡をして「ここはこういった考えで合っていますか」と逐一相談、確認を取れたことはありがたいです。
リモートでも気軽に質問できて、すぐに返答がある環境
編集部
リモート環境だと、すぐに質問ができなかったり、相手の状況が分からないので聞きづらかったりというお話をよく聞きます。この点について、御社はいかがでしょうか?
初山さん
シンプルな内容の場合は直接チャットで質問・相談し返信を待ちます。直接会話したほうが早い場合はチャットで「今お時間大丈夫ですか?」と連絡し、都合が合えばすぐに通話してコミュニケーションを取っています。上司が会議中などで会話できない場合は、別途会話する時間を確保してもらっています。
当社は、コロナ禍の前からチャットでのコミュニケーションが定着していましたし、全社員の予定表が共有されていることもあり、リモート環境でもある程度相手の状況がわかるので、チャットで声をかけやすい環境にあると思います。
また、当社はプロジェクト内の課題を解決しチームでお客様により高い価値を提供するために、クイックに相談、コミュニケーションをすることを推進していますので、社風や会社の雰囲気としても聞きづらいと思うことはありませんね。
久保さん
上司やプロジェクトメンバーのサポートが充実しているので、基本的に誰に聞いてもすぐレスポンスが返ってくる環境です。
リモートの場合でも、質問したらすぐに通話をして画面共有をしながら教えてくれます。分からないことや初めてのことで大変だったときも、周りの方のサポートを受けながら、進めることができました。そういったコミュニケーションしやすい環境や雰囲気は、どのプロジェクトにもあると思います。
メンター制度など、プロジェクト外でのサポート体制も充実
編集部
リモートであっても、またどの現場であっても気軽に質問や相談できる環境があるのですね。ほかに印象に残っている、役に立ったと感じるサポートなどはありますか?
久保さん
事業部長との1on1面談やメンター制度があって、プロジェクト外でのサポート体制も充実していると思います。
当社のメンター制度は自分の2〜3つ上の先輩が一対一で付いてくれて、2週間~1ヶ月に1回程度の頻度で面談してくれる仕組みで運用されています。
私には奥山さんがメンターについてくれました。メンターとの面談はプロジェクト内では話せないことや、社内でのことを相談できるのがありがたいですね。
初山さん
プロジェクトの合間やスケジュールに余裕がある時は、スキルアップや資格取得のための勉強に時間を割くこともできます。
プロジェクトでしっかりお客様にバリューを提供しながら、並行して自分のスキルアップのための勉強時間を確保する必要があるため大変な部分もありますが、個人的には自分の知識や技術を積めますし、楽しみながら仕事ができているので満足しています。
編集部
プロジェクト内外で相談してフィードバックを得られるので、成長機会が多くありそうだと感じました。
必須と任意の座学研修と、実践研修を組み合わせた教育体制
編集部
研修など御社の教育体制についてお聞きできればと思います。新入社員の方々は実際にプロジェクトに参加される前に研修を受けられるのでしょうか?
初山さん
新卒で入社したら、まず4〜6月の3ヶ月間にプログラミングやシステム開発などの「テクノロジーの基礎」やビジネスマナーなどの「社会人としての基礎知識」について研修を受けます。実際にプロジェクトに参加し始めたのは7月くらいからでした。
プロジェクトに参加した後は、OJTという形で先輩社員にサポートしてもらいながら、実際のプロジェクトでアウトプットを出すための作業の仕方や取り組みスタンスを身に付けたり、そのプロジェクトで使用するテクノロジーの習得、スキルアップを図ります。
黒川さん
デリバリーコンサルティングでは、座学での研修とOJTで実践型のスキルを培う教育プログラムを提供しています。
座学での研修は入社時研修のほかに「クラス別昇格研修」や「フォローアップ研修」があり、これらは受講必須の研修です。
また、自己学習のためのe-learning環境の提供や、自分の興味のある技術や新しい領域について手を動かしながらスキルを高める勉強会などの活動などもあります。個人の成長が会社の成長につながるので様々な学習機会を提供してもらっています。
研修は優秀な社員の行動特性・会社のバリューに基づいた内容
編集部
御社の研修の特徴などはありますか?
黒川さん
当社の教育プログラムは経営理念や共通の価値観、行動規範や、お客様に高い価値を提供するための行動特性である「コンピテンシー」に基づいて体系的に整理された内容となっています。
特に、当社のテクノロジーコンサルタントに最も重要なコンピテンシーである「DLC Value」はすべての研修のベースとなっています。
編集部
優秀な社員さんの行動特性をモデル化しているとのことですが、共通して見られる特性にはどんなものがありますか?
黒川さん
根底として「顧客を理解し、顧客にとってのベストを常に考える」「そのために必要な目的を設定し、目的に向かって何をやるのか、どうやるのかを論理的に整理し、結果を出す」という考え方がありますが、その中で当社の社風や雰囲気につながっているのは「Think Logical」「Talk Straight」「Pro-Active」というキーワードだと思います。
自分の作業の状況、検討結果などをお客様やメンバーなど必ず誰かに伝え、理解してもらう必要があるので、相手にわかってもらえるように論理的に整理することが必要ですし、チームとして会社として成果を出すために率直に意見を発信したり、主体的かつ積極的に業務に取り組む必要があります。
ただ、研修を受けるだけでこうした行動特性を身に付けるのは、一朝一夕にできることではないと思います。
日頃から意識して積極的に発言したり、質問したりする機会を増やしていくことで、徐々に慣れて身に付けていっていると感じます。
編集部
DLC Valueを重要視されているそうですが、業務のなかで根付いていると感じることはありますか?
黒川さん
そうですね。プロジェクトの中でDLC Valueを見返しながら業務することもありますし、私はよく上司とDLC Valueを見ながらすり合わせをしています。そういったときに組織としても個人としてもDLCValueの考え方が浸透していることを実感します。
個々で勉強会などに参加し、最新技術を取り入れていく
編集部
任意での研修はどういった内容で、どういう形で行われているのでしょうか?
黒川さん
e-learningには、プロジェクトマネジメントやビジネスインダストリ知識など「ビジネス系の講習」と、開発方法論やシステム基礎技術など「テクノロジー系の講習」があります。これらの中から、社員それぞれが個々に選んで受講する形です。
先ほども少し話に上がりましたが、プロジェクトとは別に、自分の業務に関連する新しい技術を研究したり勉強したりするチームもあり、四半期または半期ごとに各チームの成果を全社向けに発表しています。
研修や勉強会を通して自分だけでは網羅しきれない内容や理解しづらい技術、最新技術なども、どんどん情報収集し、身に付けていくことができます。
編集部
独学だけではなく、勉強会に参加することで最新技術やソリューションを効率的に取り入れることができていらっしゃるのですね。
早期に主任相当の役職に抜擢された女性社員の実例
編集部
デリバリーコンサルティングさんは若手社員さんが多いですが、男女比率はどれくらいでしょうか?
黒川さん
全体の女性社員の割合は27%ほどですが、若い年代は女性比率が比較的高く20代では女性社員が全体の約4割を占めています。
編集部
若手かつ女性である奥山さんにお話を伺いたいです。まず、ご経歴を簡単に教えていただけますか?
奥山さん
私は2019年に新卒で入社し、2022年にアーキテクトになりました。当社は役職の定義が他社と異なっており、アーキテクトは主任相当の役職となります。
編集部
入社して3〜4年で主任相当に抜擢されるのは早いことだと思うのですが、早くもその立場を任せられた理由はなんだとお考えですか?
奥山さん
プロジェクトの種類に恵まれたことが理由の一つにあると思っています。私はこれまでプログラミングやテストといった開発フェーズの工程より、要件整理や要件定義などの企画や計画を立てるフェーズのプロジェクトにアサインされることが多かったです。
最初は上司がお客様の課題を伺いながら要件を整理して、私は議事録や資料作成などの作業をしていたのですが、徐々に私が主体となってお客様と議論を進めたり、自分が判断してメンバーを統率したりする機会が増えていきました。そこで自分の役割を果たしたことを評価していただいたのだと思います。
社員の希望を汲んで、アサインするプロジェクトを検討する社風
編集部
参加するプロジェクトはご自身で選ぶことが可能なんですか?
奥山さん
基本的には案件の内容と社員のスキルセットを踏まえて最適なアサインメントを上司が決めます。けれども、評価面談や日々のコミュニケーションの中で「今後、こういうキャリアを築きたいです」という話をすれば、「こんなプロジェクトがあるけどやってみる?」と打診してくれるケースもあります。
編集部
奥山さんは企画側でのキャリアを考えられていたのでしょうか?
奥山さん
最初は設計やプログラミングなどの開発プロジェクトに携わりたいと話していて、たまたま人数の関係で企画側にアサインされたんです。でも、参加したプロジェクトで「とても勉強になる」と感じ、続けてこのプロジェクトに入りたいという旨をお話ししました。
ただ開発フェーズの業務にも携わりたいという思いはずっとあったので、その話は引き続き伝えていました。そして、実際にその意見を汲んでもらい、設計やプログラミングのメンバーとしてプロジェクトに参画することもできました。
社員が希望するキャリアパスや働き方を考慮したうえで、参画するプロジェクトの選定を進めてもらっていると実感しています。そういった点でも社員の希望を受け入れる風土がある会社だと感じます。
編集部
社員さんの意向を汲んでプロジェクトを決めていらっしゃるそうですが、こちらは会社としてどのような意図があるのでしょうか?
黒川さん
当社は性別や年齢問わず、本人が希望するキャリアにできるだけ寄り添う方針を持っています。
本人が特定の領域で実績を積み重ねスキルアップすることを希望しているのであれば、会社としてはそのキャリアプランが実現できるようなプロジェクトへの参画を検討していきますし、介護や育児をしながら引き続き自分ができる案件をやっていきたいということであれば、それがが実現できるプロジェクトや業務のやり方を一緒に検討していきます。
本人の意図や希望を尊重したキャリアを形成する機会を提供することを、意識して取り組んでいるのだと思います。なので、スキルアップしながら働く、ワーママでもキャリアを積んでいく、家族との時間を大切にしながら働く、など様々な働き方が可能だと思います。
産休・育休からの復帰率100%。育児との両立も可能な職場
編集部
「育児しながらも働ける」とのことですが、実際に産休・育休を経て今も働かれている社員さんは何名いらっしゃいますか?
黒川さん
5〜6名の方が産休・育休を経て今も働かれています。私は産休・育休が終わった後に転職してデリバリーコンサルティングに入社したのでカウントされていませんが、過去3年間での産休・育休からの復帰率は100%という実績があります。
編集部
産休・育休を取得された社員さんの、働き方などのエピソードを教えていただけますか?
黒川さん
7年ほど前に産休・育休を取得して、お子さんが1歳半になった頃に復職された方がいます。お子さんがまだ小学校低学年なので勤務形態は時短勤務ですが、業務内容は産休前と変わっていません。
編集部
育児などとの両立という観点から、働きやすさはどのように感じられていますか?
黒川さん
長時間働くことより、高い生産性でパフォーマンスを出すことのほうが評価されますので、残業は基本的には少ないですし、休暇も取得しやすく働きやすい環境だと思います。有休休暇を取得する際に理由を事細かに報告しなければならないとか、その内容によって休暇申請が却下されるといったことはありませんので、休暇を申請する際の心理的ハードルも高くないです。
また、子どもの急病といった家庭の事情などでお休みすることについても、柔軟に受け入れる環境が整っています。
編集部
若い方が多く、これから次々と結婚や出産、介護といったライフイベントを迎えられる社員さんが増えていくと思います。仕事と両立できる環境が整っていて、前例があるのは安心感に繋がるだろうと感じました。
IT全体を学び、経験を積みたい人にマッチする会社
編集部
最後に、この記事を読んで御社に興味を持たれた方々にメッセージをお願いします。
黒川さん
当社は、お客様のビジネス課題を見極め、テクノロジーで解決するための戦略策定を支援するコンサルティング案件や、要件定義・設計から開発、テスト、移行、導入までワンストップで対応する案件も多くあります。なので、幅広い領域で様々な経験を積みたいという方にはぴったりの会社です。
特に、新卒で入社したメンバーは大学時代にIT未経験でも当社で経験を重ね、優秀なITエンジニアとして活躍している例も多くありますので、「IT人材になりたい」という思いがある方は興味を持っていただけたら嬉しいです。
編集部
若手の方も、未経験の方も、充実した研修制度やサポート体制により一人のIT人材として活躍されている実績があります。
育児などとも両立ができる環境があるので、結婚・出産などによるキャリアの断絶に不安がある方も安心して働けるのではと思いました。
デリバリーコンサルティングさんで働きたいという思いがある方はぜひ公式ホームページなどをご覧になってはいかがでしょうか?
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社デリバリーコンサルティング:https://www.deliv.co.jp/
採用ページ:https://www.deliv.co.jp/recruit/