社会課題と本気で向き合う!invox(インボックス)の自律を重視した働き方

新しい時代の企業の働き方やカルチャーを探るこの企画。今回は、経理業務を自動化するクラウドサービス『invox(インボックス)』を通じて、企業の業務効率化や社会問題の解決を目指す株式会社invoxにインタビューさせていただきました。

株式会社 invoxとは

株式会社invoxは、『invox』シリーズを開発・運営する企業です。

電子帳簿保存法の改正やインボイス制度のスタートなど時代の変化にも後押しされ、サービス開始から3年でシリーズ累計の利用社数が7,000社を突破し、会社としても急成長を遂げています。

加えて、幅広い業種・規模の企業の経理業務負担を軽減してきた株式会社invoxは、経理業務を効率化することで関わる人たちの時間の価値を高め、豊かな時間を増やすことを目指しています。

会社名 株式会社invox(インボックス)
住所 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル49F +OURS
事業内容 『invox』シリーズの開発・運営
設立 2019年02月
公式ページ https://deepwk.com/
働き方 フルリモートワーク

各企業がSDGsの視点から事業のあり方を見直しはじめているなかで、株式会社invoxはどう社会の課題に向き合っているのでしょうか。また、創業当時からフルリモートワークで運営している株式会社invoxの仕事の進め方や働き方にはどんな特徴があるのでしょうか。

取締役を務める光村さんと、カスタマーサクセスの山﨑さんに話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社Deepworkの取締役を務める光村さん

株式会社invox
取締役

光村さん

株式会社Deepworkのカスタマーサクセス担当山﨑さん

株式会社invox
カスタマーサクセス

山﨑さん

経理の仕事を効率化するサービス『invox』とは

編集部

最初に、invoxさんが開発・運営を手掛ける『invox』とはどんなサービスなのか教えてください。

光村さん

invoxは企業や個人事業主の方たちの経理業務を自動化する3つのクラウドサービスを提供しています。受け取った請求書の入力、支払、計上業務を自動化する『invox受取請求書』。また、請求書の発行から入金消込までを自動化する『invox発行請求書』、請求書に限らず国税関係の書類・電子取引情報を電子保存する『invox電子帳簿保存』というサービスを展開しています。

『invox』シリーズのサービス説明画像
invoxさんが提供する『invox』シリーズのサービス内容(採用サイトから引用)

『invox受取請求書』は請求書を紙で受け取った場合でも、メールに添付されたPDFで受け取った場合でも、99.9%正確に自動でデータ化し、会計システムへの計上や支払などの業務を効率化できるサービスです。『invox発行請求書』は、紙での発行やメールでの送付など、取引先からさまざまなフォーマットで求められる請求書発行業務を効率化できるサービスです。ただ請求書を発行するだけでなく、入金消込や売上計上まで自動化できるので、経理業務の負担を大幅に減らせます。

利用者目線に立ったサービスとプランで企業の経理業務負担を軽減!

編集部

他の会社で提供しているサービスと比べて、どのような強みがあるのでしょうか?

光村さん

『invox受取請求書』でお話しするとすれば、データ化にあたって精度優先かスピード優先かをお客様が選べるところが強みのひとつです。請求書をデータ化するには、大きく分けて「AI OCR」(AI技術を取り入れた文字認識機能)が自動でデータ化する方法と、「オペレータ」が人力でデータ化する方法の2つがあります。AI OCRだとスピードが速い反面、精度が若干劣ってしまいますし、オペレータによるデータ化は精度が高くても、スピードはAI OCRより遅くなってしまいます。

スピードと精度、どちらを重視したいかは状況によって異なります。データ化方法を状況に応じて柔軟に選択できるのが『invox受取請求書』の強みのひとつです。例えば、普段は精度を優先してAI OCRが請求書をデータ化した後にオペレータが内容を確認する設定にしてサービスを利用し、急いでいるときにはAI OCRだけでデータ化するスピードを重視した設定に変えられます。

『invox受取請求書』のサービスイメージ
▲高い制度で請求書内容をデータ化できるinvoxさんの『invox受取請求書』

編集部

実際にサービスを利用された方からの反応や評価はいかがですか?

光村さん

業務工数や繁忙期の残業時間が減らせたというお声をいただいています。他にもペーパーレス化やテレワークを進めるきっかけにもなっているようです。経理業務が効率化できた結果、月次決算の締めもスピーディーになり、経営判断のための情報がタイムリーにわかるようになったというお客様もいらっしゃいます。

また、コスト面でメリットを感じてくださるお客様も多いです。同じようなサービスと比べて料金を低く設定しているほか、月単位で契約ができるので、スモールスタートで電子帳簿保存法に対応できて良かったというお声もよくいただきます。

編集部

こんなにもお客様からの嬉しいお声をいただけると、業務に携わるメンバーとしてはとても励みになりますし、やりがいにもなりそうですね。また、電子帳簿保存法やインボイス制度など、時代の流れにあったサービスが提供できることで、社会貢献に携わっているという実感も得られそうです。

SDGsの視点で事業を展開!社会課題と本気で向き合う

invoxの社会貢献活動を説明する画像

編集部

invoxさんでは、『invox』で請求書1枚を処理するたびに1円をNPOに寄付しているそうですね。なぜそのような取り組みをされているのでしょうか?

光村さん

invox「事業のスパイスとして社会貢献があるのではなく、社会を良くするために事業がある」と考えているからです。当社ではNPOへの寄付だけでなく、私たちの提供するサービスで1人でも多くの方の「時間の密度を高め、価値ある時間を増やす」ことで、労働人口の減少やひとり親世帯の貧困問題など、社会課題の解決にも役立っていきたいと考えています。

編集部

『invox』は経理業務の効率化によって会社の生産性を向上させるサービスですが、それが持続可能な社会を創ることにつながっているということでしょうか?

光村さん

その通りです。私たちはまず、世の中から非効率をなくしたいという想いを持って事業を運営しています。『invox』のプランが月額980円(税別)からと安いのも、大企業だけでなく中小企業まで効率化を進めていただきたいからです。

世の中に便利なサービスはたくさんありますが、コストの問題から導入できるのが大企業に限られるケースは珍しくありません。けれど、日本の全企業数のうち99.7%が中小企業です。さらにそこで働く従業員は約3,200万人。実に日本で働く従業員の方の7割が中小企業に勤務していると言われています(※中小企業庁「2021年版 中小企業白書 小規模企業白書」)

日本の大部分を占める中小企業が効率化していかなければ、日本の効率化は進まないんです。だからこそ、価格をリーズナブルにすることで少しでも多くの企業で効率化が進み、価値ある時間を過ごせる人が増えてほしいと思っています。

株式会社Deepworkの取り組みを話す取締役の光村さん

編集部

なぜ、社会貢献や子どもの貧困率解消などに目を向けていらっしゃるのでしょうか?

光村さん

invoxはベンチャー企業ですが、意外と年齢層が高くて、自身が子どもを持つ親という立場の社員が非常にたくさんいます。だからこそ、子どもたちを取り巻く社会問題は、他人ごとではなくて自分ごととして捉えているメンバーが多いからということも理由のひとつです。

編集部

日本が抱える社会問題を事業を通じて解決し、事業が発展すればするほど社会にいい影響が与えられる、ポジティブな循環が生まれていますね!自分が携わる業務が、直接的にも間接的にも社会貢献に繋がっていくので、やっていて楽しいだろうなと想像しました。

invoxの働き方はリモートワークが当たり前

株式会社Deepworkのオンライン会議の様子
invoxさんではフルリモートワークですべての仕事を進めている

編集部

社内でも、働き方の効率化や従業員のみなさんの幸せを追求するために、何か取り組まれていることはありますか?

光村さん

invoxの働き方は、創業時からリモートワークが基本です。なぜかというと、地方で暮らしているというだけで就業機会や賃金に格差が生まれてしまっている状況を変えていきたいという想いがあるからです。

親の介護や子育てなど、地方で暮らさなければならない事情があるけれど、スキルや経験が豊富だったりやる気のある優秀な方はたくさんいらっしゃいます。この「優秀な人が場所や環境のせいで働けない」という状況を改善する手段のひとつがリモートワークだと考えています。

invoxでは職種に限らず日本全国で活躍できる

編集部

ポジションにもよるかもしれませんが、invoxで働くみなさんはどこに住んでいる方が多いのでしょうか?

光村さん

色々な場所から仕事をしています。関東が多いですが、九州や中国、四国、関西、東海などエリアもバラバラで、「日本地図にプロットしたインフォグラフィックを公開すると面白いかもしれない」と思うくらいですね。

編集部

エンジニア業務やオペレーション業務など、仕事内容や職種に限らずリモートワークができるのでしょうか?

光村さん

職種に限らずフルリモートワークが基本です。リアルな拠点としては請求書のスキャンを代行するセンターが静岡にあり、紙をスキャンしなければならないという特性上そこだけは出社が必要にはなりますが、それ以外は全社テレワークです。

「ムダ話歓迎」のオンライン会議でコミュニケーションを円滑化

編集部

フルリモートの場合、問題になりやすいのはコミュニケーションだと思います。invoxで工夫されていることがあれば教えてください。

光村さん

弊社は基本的に、オンラインミーティングやビジネスチャットでコミュニケーションを行っています。同席している山﨑も静岡に住んでいるので、リアルな話をしてもらいましょうか。

Deepworkでリモートワークをする山﨑さん
▲リモートワークで仕事をしている山﨑さん

山﨑さん

私は入社してまだ1年経ってないぐらいなのですが、毎朝チームでミーティングをしています。その日の各自の仕事内容や質問などをざっくばらんに話す時間で、お互いの業務内容を把握する上でも役立っています。

また夕方には「無駄話も歓迎」というスタンスでおしゃべりできるオンラインミーティングの時間があります。『四方山(よもやま)話*』を話す場所だから、という理由から私たちはこの時間を『よもやま』と呼んでいます。話すテーマは自由で、参加も任意です。私は、その日に何か話したいことがあれば参加するというスタンスで活用しています。
*四方山話:世間話や雑談、いろいろな話題・テーマの話のこと。

編集部

テレワークとは言え、お互いがコミュニケーションを取る機会も多いのですね。

山﨑さん

入社直後の研修もオンラインで行われました。あまり経験がない業界への転職で不安はありましたが、研修の後は、各自で内容を整理して商談の練習をしたり、ベテランの方の商談に同席したりして仕事を覚えていきました。

入社してから仕事に慣れるまでのフォローや研修は、今社内でも注力して整備しているところです。今で完成ではなく、もっとやりやすい環境づくりにどんどん取り組みたいと思っています。

編集部

実際にリアルで顔を合わせる機会もありますか?

光村さん

展示会などがあるときには、参加メンバーで集まる機会もありますね。不定期で近場に住んでいる人同士で食事をする会も開催しています。会っている回数は少ないかもしれませんが、普段の仕事でコミュニケーションが密なので、実際に会った回数よりも顔を合わせているような気がしています。

編集部

リモートワークでも、オンラインで顔を見ながらコミュニケーションを取る時間を積極的に作って、仕事がしやすい関係を築いているのですね。

管理より自律、組織より個を重視する企業カルチャー

編集部

invoxさんが大切にしている企業カルチャーや価値観にはどんなものがありますか?

光村さん

invoxでは、管理より自律を、組織よりも個を大切にしています。働いているメンバーも、自分で自分自身を管理しながら働ける人が多いですね。

私自身も「株式会社invoxの光村拓也」と考えるのではなく、「光村拓也が働く場所が株式会社invox」だと考えています。仕事とプライベートを分けて考えるのではなくて、いかに自分自身を最大化できるかをトータルで考えて行動しています。

山﨑さん

私も、スタートアップ企業ということで入社前は「結構ギラギラしているのかな」と思っていましたが、いい意味でその想いは裏切られました。年齢層も高いので仕事には熱く、でも自分の時間も大切にするという人が多いですね。とても居心地がいい組織です。

編集部

会社のビジョンに共感する方も多いのでしょうか?

山﨑さん

会社のビジョンに共感しているというところは、メンバー共通です。だからこそ、働き方も判断する際の価値基準も理解し合えているような気がします。

編集部

会社が一人ひとりの自律を尊重するからこそ、働く人も仕事と私生活をトータルで考えて自分らしく仕事をするカルチャーが根付いているのですね。

みんなが「お互い様」!心理的安全性が高いから子育てもしやすい

株式会社Deepwork取締役の光村さん
▲自身も、保育園や幼稚園の送迎を夫婦で分担しているinvoxの光村さん。

編集部

先ほど、実際に子どもを持つメンバーも多いとお話がありました。invoxさんが会社として、子育てのしやすさを実現するために取り組んでいることはありますか?

光村さん

明確な制度として設けているわけではありませんが、メンバー同士の理解もありますし、働き方の自由度も高いため、子育てと仕事の両立はしやすい環境です。

例えば私にも子どもが2人います。保育園と幼稚園の送り迎えは妻と当番制にしているので、日によって「9時から9時半の間はいません」とか、夕方も「迎えがあるので、17時から18時の間はいません」ということがしばしばあります。私だけでなく「家族の食事を作るので1時間抜けます」というメンバーもいますし、各自が当たり前のように勤務時間を調整できる社風です。

山﨑さん

「この時間は通院で離席します」などチャットで報告し合っていますし、カレンダーでチームメンバーの予定を共有しているので仕事もスムーズに進んでいます。

編集部

柔軟に判断できて、それに対する社内の理解もあるという点は魅力的ですね。

山﨑さん

私が転職をしようと思ったきっかけのひとつは、結婚と今後の子育てでした。会社に子育て支援制度があったとしても、それが使えるかどうかは別の話。周りの環境も含めて100%気持ちよく使えなければ意味がないと思います。

実は、もうすぐ私は産休に入るのですが、弊社で産休を取るのは私が第1号です。でも、不思議と不安はありません。人によっては産休実績がないことに不安を感じる方もいるかもしれませんが、invoxには周囲の理解も含めて安心できる空気があります。これは働いてみて初めて分かるものかもしれません。

むしろ、私が前例になって、これから産休・育休を利用される方たちがより使いやすい制度を考えていければいいかなと思っています。

上司もみな、子育て中ですので話がしやすいですよ。単純に「子育ては妻に任せます」というスタンスの男性が少ないので、理解が得られると確信しています。

編集部

会社や一緒に働く仲間からの理解が得られると確信できるからこそ、前例がなくても安心して産休・育休に入れる。これって、普段からの信頼関係がなければありえないのではないかと思います。フルリモートでありながら、これだけの人間関係が構築されていることには、正直驚きました。

仕事が楽しいと人生が楽しい!と思える人と働きたい

オフラインで交流会を開催しているDeepworkの社員の写真
▲仕事も家庭も人生の一部だと考え、仕事を楽しむ人が多いinvoxさん(採用サイトから引用)

編集部

企業の考え方から事業モデルまで、まさにSDGsな世界を実現しているinvoxさんですが、どのような方と共に働きたいと考えていらっしゃいますか?

光村さん

「仕事が楽しいと人生が楽しい」と思える人は、invoxで活躍できると思います。プライベートだけでなく、仕事も人生の一部です。1日の中でも多くの時間を割く仕事だからこそ、楽しみながらちゃんと成果をあげて価値ある仕事ができるってとても素晴らしいことです。

「仕事は仕事、家庭は家庭」と分けて考えるよりも、両方を最大化して、自分の人生を最大化するために仕事も楽しみたい人と一緒に働きたいですね。

編集部

地方からリモートワークをされている山﨑さんはいかがでしょうか?

山﨑さん

個人的には、地方で暮らしている方にもinvoxのことを知ってもらいたいです。私自身もそうでしたが、やってみたい仕事があったとしても「地方に住んでいるから頑張っても仕方がない。こういう仕事は東京の人がやることでしょ」と諦めてしまっているなら、そんなことはありません。

住む場所で諦めなくても、場所にとらわれずに働ける環境がinvoxにはあります。ぜひチャレンジしていただきたいですね!

編集部

時間や場所に縛られない働き方ができ、事業を通じて社会の課題解決にも貢献しているinvoxさんの仕事は、やりがいもあり達成感も得られそうでとても魅力的だと感じました。

本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社invoxhttps://deepwk.com/
採用ページ:https://www.green-japan.com/company/7648