企業の成長を支える若手の活躍やカルチャーなどを紹介するこの企画。今回はITを活用し、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「カウカモ」の企画・運営などを行う、株式会社ツクルバを取材しました。
株式会社ツクルバとは
株式会社ツクルバは、2011年にコワーキングスペース「co-ba shibuya」 の運営からスタートし、2015年には現在の主力事業である中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ )」をリリース。2019年には上場も果たしています。
カウカモは、“おしゃれなリノベーション物件”に特化してサービスを展開している点で、他社と差別化されています。
会社名 | 株式会社ツクルバ |
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住所 | 本社:東京都目黒区上目黒1-1-5 第二育良ビル2F 恵比寿オフィス:東京都渋谷区恵比寿4-3-14 恵比寿SSビル 7F |
事業内容 | ■不動産流通事業 ・中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」の企画・開発・運営 ・家を買いたい人と売りたい人のマッチングサービス「ウルカモ」の企画・開発・運営 ■不動産企画デザイン事業 ・不動産領域における新たな価値創造をミッションとし、シェアードワークプレイス「co-ba」等の運営、空間プロデュース(企画・デザイン・設計)を軸とした事業企画・開発 |
設立 | 2011年8月 |
公式ページ | https://tsukuruba.com/ |
今回は「カウカモ」を中心に、不動産仲介業において独自のポジションを築いている同社の事業内容や不動産エージェントの魅力、若手成長を支える人事制度、カルチャーなどについて、カウカモエージェントサービス部の山口さんと吉田さんにお話を伺いました。
中古・リノベーション市場で、理想の暮らしの実現に寄り添う「カウカモ」
▲公式サイトから引用
編集部
最初に、ツクルバさんの事業概要をお聞かせいただけますでしょうか?
山口さん
当社はミッションに「『場の発明』を通じて欲しい未来をつくる。」を掲げ、デザイン・ビジネス・テクノロジーをかけあわせた場のデザインを提供する企業です。
主な事業として、ITを活用した中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」を展開しています。
編集部
サービス開始から8年目を迎える「カウカモ」は、マイホームが欲しい方と家を売りたい方が集まるマーケットプレイス型のプラットフォームとして、利用者数が年々増加していると伺っております。こちらの事業について詳しく教えていただけますか?
山口さん
「カウカモ」は、「『一点もの』の住まいに出会う」をコンセプトとした中古・リノベーション住宅の流通プラットフォームで、一点ものである中古物件との出会いを通じて、理想の暮らしの実現をお手伝いするサービスです。
物件情報メディア(web/アプリ)の運営、エージェントサービス、リノベーションプランニングまで一気通貫で行っています。中古・リノベーション住宅との出会いから“買う・売る・つくる”まで幅広いニーズに応え、オンラインからオフラインまでシームレスにサポートできるのが特徴です。
現在(2023年6月時点)、カウカモの登録会員は40万人以上、年間利用者が250万人以上というサービスに育っています。
■「カウカモ」についてはこちら
https://cowcamo.jp/
▲「カウカモ」は、数ある中古・リノベーション住宅の中から理想の「一点もの」との出会いを提供。理想の暮らしの妄想から、不動産の購入、売却まで、すべてのプロセスを一貫してサポートしている。
山口さん
その中でも私が部長を務めるエージェントサービス部では、オフラインのお客様サービスを担当し物件の購入やリノベーションの実現を支援しています。
成約がゴールではなく、お客さまが理想の暮らしを実現できるようにサポートすることを大切にしています。
編集部
住宅購入は、思い描いたその瞬間から夢が無限に広がります。夢の段階から購入、住み替えまでをシームレスにサポートするカウカモは、理想の暮らしへの夢や想いをかたちにする場でもあるのですね。
カウンセリング重視のコンサル営業で、住まいに求める条件を明確化
編集部
カウカモで物件情報を読むと、写真が豊富で、持ち主のコメントがあったり街の情報まで載っていて、まるで内見したような気持ちになりました。
また、姉妹サイト「カウカモマガジン」では、理想の暮らし方をされている方を紹介するインタビュー記事を配信するなど、読み物としても楽しめる発信をされているのが印象的でした。
山口さん
ありがとうございます。魅力的な住まいとは、機能や意匠性だけではなく、街の特徴やマンションの管理体制など、さまざまな条件があります。カウカモはそれらを考慮した上で、お客様の数だけある “理想の暮らし” の実現をお手伝いをさせていただいています。
■「カウカモマガジン」についてはこちら
https://cowcamo.jp/magazine
編集部
不動産関連サービスを展開する企業は多数存在しますが、カウカモの特徴や強みとはどのようなものでしょう。
山口さん
不動産仲介業として、物件の紹介や内見の案内、契約などの一般的な業務はもちろん、お客様が理想の暮らしを叶えるまでのプロセスにコンサルタントとして併走して、サポートしていることがカウカモの特徴であり、強みです。
当社にいらっしゃるお客さまの多くは、欲しい物件や条件がハッキリ決まっておらず、物件購入に関心はあるが選択肢を絞れていなかったり、「購入自体をまだ迷っているので相談に乗ってほしい」という方も多いんです。
私たちエージェントは、お客様が叶えたい暮らしを実現するための要素を分解し、優先順位を伺いながら、条件整理をさせていただきます。
住まいを購入しようと思ったきっかけや、なぜこの物件が気になったのか、今のお住まいで課題になっていることは何か、などを具体的にお聞きし、お客様が住まいに求める条件を明確にすることが私たちエージェントの重要なミッションとなっています。
編集部
なるほど。単純に間取りや広さといった機能的なヒアリングではなく、カウカモのエージェントは、叶えたい暮らしを実現するためにはどのような方法がベストかといったアプローチをされているのですね。
山口さん
おっしゃる通りです。例えば、70平米の広さを条件とされたい場合、まず「なぜ70平米が必要なのか」、理想の間取り、各部屋の使い方のイメージなどを詳しく伺っていきます。同じ70平米でも、実現したい暮らしは違うはずなので。
その上で、お客さまのご希望に合わせて、街選びや物件選び、間取り、リノベーションのご提案をしていきます。
▲「カウカモ」では物件を選ぶ際、さまざまな角度からアプローチをすることで、理想の暮らしとの出会いをサポートしている
山口さん
当社はリノベーション物件を専門としているため、物件が個性的で多様です。物件にお客様の暮らしを合わせるのではなく、お客さまの理想の暮らしに合わせて、物件を選ぶ・デザインするという考え方を大切にしています。
編集部
住宅の購入は、多くの人にとって一生に一度の大きな買い物です。“理想の暮らしとは何か”を明確にするカウカモのようなアプローチがあれば、思い描く豊かな暮らしを実現することができそうです。
好調な業績の背景にある生産性と再現性を重視した取り組み
編集部
2011年に設立、2019年に上場を果たされたツクルバさんは、おしゃれなリノベーション物件の流通という領域で注目され、大きく飛躍されています。成長の要因はどこにあると思われますか?
山口さん
不動産・住宅領域の中でも、中古・リノベーションは成長市場であることが前提としてあります。政府も既存住宅の流通を推進し、新築に偏った市場を変える方針を打ち出しており、今後ますます拡大することが予想されます。
このような背景もあり、カウカモのプラットフォームGMVは2023年7月期第3四半期で前年同期比38%成長、売上総利益も前年同期比プラス37%を達成しています。
また、エージェント数も育成中のメンバーを除き、2023年7月期(第3四半期)で前年同期比11%の人員増となっており、組織が拡大フェーズにあることを実感しています。
編集部
成長市場とはいえ、企業成長の背景にはカウカモ独自の取り組みなどもあるかと思われます。2020年以降、社会情勢が不安定な中でも売上を伸ばし続けられたのは、どのような理由があるとお考えですか?
山口さん
社会情勢の影響を受け、従来のお客様対応から大幅な変更を余儀なくされた点は確かにありました。
しかし、オンラインツールを活用したことで、より円滑にコミュニケーションを図れるようになったことは大きな収穫です。例えば、お客様の仕事の都合上、対面では土日に限定されていたお打ち合わせが平日の夜でも可能になったことなどが挙げられます。
他にも、売買仲介に留まらず、その周辺の付帯サービスも充実してきています。お客さまが手軽に理想の住まいを実現できるよう「定額リノベーションサービス」を開始したり、セミナーやカウンセリング、購入後の保証にも力を入れています。
これまで以上にお客様との関係が密になったことで、成約件数の増加にもつながりました。
▲開放的な空間が広がるツクルバの恵比寿オフィス。所属や職能を超えたメンバーのつながりを大切にすることで、協働・共創を実現している
山口さん
カウカモが事業成長を続ける中、私たちエージェントとしては生産性と再現性を意識した組織運営をしています。新しいメンバーも早期に成長し、活躍できる組織を目指しています。
営業プロセスの「型化」と、マネジメントの強化が成長を後押し
編集部
エージェント数がどんどん増えているカウカモですが、カウカモエージェントサービス部の部長を務められている山口さんから見て、事業部における変化を感じられることはありますか?
山口さん
私が部長職に就いたときの規模はまだ小さく、前職で不動産仲介経験があり高いスキルを持つメンバーが中心でした。そのため、「お客様にどのような価値を与えるか」「契約件数の目標を達成するか」などを個人レベルで考え、実行できていました。
組織が拡大していく中で、不動産仲介未経験者の採用も増え、前職の経験値にバラツキが出てきたことから、個人が抱えていたノウハウをチームとして型にしていきました。今はある程度「カウカモのあるべきお客さま体験(接客フロー)」を型化できて、新規入社者の育成においても、この型を理解し実践できるような研修内容になっています。
また、メンバーが増えていく中で、マネジメントもシステム化していきました。個人の経験や勘に頼るのではなく、きちんと数字で見える化してプロセスを管理し、仮説を立ててマネジメントができるようにしていきました。こうしてマネジメントチーム自体が成熟していったことも、成長の要因のひとつかもしれません。
編集部
育成と組織づくりを同時に行い、さらにはスキルを持った方が続々とジョインしたことで、ますますの飛躍が期待できますね。
スキルのモデルチェンジをし、素直に吸収できるメンバーが活躍
▲ツクルバでは未経験者も含め、さまざまなバックグラウンドを持つ社員が活躍中
編集部
現在、カウカモで活躍している若手社員に共通する特徴などがあれば教えていただけますか?
山口さん
新しいことに意欲的にチャレンジをする人や、素直に物事を受け入れるメンバーが活躍しているように思います。当社のエージェント職に中途でジョインするメンバーを見ると、前職で成果を上げ、スキルアップとしてツクルバを選択する人も多く、経験によって裏付けられた自信を持って入社を決めています。
しかし、不動産取引という何千万円もの大きな金額を扱う仕事というのは、お客様との関係構築やお客様の価値観など、他の営業職種とは異なる部分も数多くあります。加えて、法令や資産性といった商材の難しさもあるため、前職での経験をそのまま活かすのではなく、スキルのモデルチェンジが求められます。
編集部
新たにカウカモエージェントとしてジョインされる方に求められるモデルチェンジとは、具体的にどういったことですか?
山口さん
現在の接客フローの型は、当社のエージェントのハイパフォーマーがやっていることを分解し、最善の方法でお客様に価値を提供できるようにしたものです。それを全エージェントが身につけることで、お客様に対し、良い接客、良い提案を安定して提供できると考えています。
それらをまずは素直に受け止め、インプットとアウトプットを繰り返しながら自分の中に落とし込んでいくことが、当社のエージェントには重要と思われます。
編集部
前職で培ったやり方を一度飲み込み、まっさらな状態でツクルバさんの営業プロセスの型を習得するというわけですね。
未経験者&若手の成長を支える充実の研修制度
編集部
次に、カウカモエージェントのマネジメント職で活躍されている方の前職や、平均年齢を教えてください。
吉田さん
さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが活躍する当社は、不動産仲介や新築ハウスメーカー営業のほか、ブライダル業界、アパレル業界、インテリア業界、法人営業の出身など不動産業界未経験者も多く在籍しています。
マネジメントレイヤーの平均年齢は34歳となっており、比較的若いメンバーで構成されているのが当社の特徴です。中には20代中頃で中途入社し、1年後にユニットリーダー、プレマネージャーを任されるなど、最短でマネジメントポジションに就くメンバーもいます。
編集部
とてもスピード感のあるキャリア形成ですね。それを可能としているカルチャー、制度などはありますか?
吉田さん
成長速度が速い要因としてはまず、先ほど山口から説明させていただいた営業プロセスの型化が挙げられます。不動産仲介は、1件1件の契約が複雑で時間がかかるため、数をこなして経験を積むとなると、ある程度の期間が必要となります。
それを補っているのが綿密に設計された営業プロセスの型です。業界初心者であっても、接客フローの型を理解し実践できることを目指す当社独自の研修プログラムを受けていくことで、スピーディな成長を実現できます。今は前職の経験値に合わせ、入社後2~4か月で独り立ちできるような研修になっています。
編集部
実際に研修を受けたメンバーからの感想などがあればぜひ、お聞かせください。
吉田さん
中途入社のメンバーのほとんどが、「研修がこんなに充実してるとは思わなかった」という感想を寄せています。カリキュラム含めかなり整備されている当社の研修プログラムは、専門的知識のインプットだけでなくアウトプットの機会もあるので、論理と実践を両方学ぶことができます。
また、オンラインの学習環境も整えているので、隙間時間を使った学習や、苦手なところを自主的に復習しやすくなっています。新規入社者だけでなく、意欲のある方がどんどん成長できる環境を整備しています。
編集部
効率的に知識を習得できる独自の研修プログラムによって、成長を促進されているのですね。
吉田さん
また、研修プログラムだけでなく、カルチャーとしても、助け合いや学び合いを推奨する雰囲気があります。
営業職の組織は、個人がしのぎを削って競い合っているイメージがありますが、カウカモでは、ノウハウシェアを積極的に行い苦手なところは得意な人から学んだり、お客さまの接客をチーム内で助け合ったり、成果を喜び合ったりする、温かい雰囲気もあります。
自分でキャリアを選択し、やりがいをもって働き続けられる環境づくりを進める
▲センスが光る株式会社ツクルバのエントランス。メンバーは志向性、強みを生かしながら、目指すキャリア形成に向け、日々業務にあたっている
編集部
事業部をまとめたり、メンバーの育成などがマネジメントポジションのお仕事かと思われます。マネジメントレイヤーで活躍するためのキャリアパスはどのようになっていますか?
吉田さん
当社のエージェント職では、本人の希望に合わせて「マネジメント」「ライフスタイリスト(スペシャリスト)」の2コースからキャリアを選択できるようになっています。マネジメント職を希望する方は、年齢に関係なくリーダーポジションを目指すことができます。
また、プレイヤーとしてお客様に向き合い続けていきたい方は、営業の最前線で働くスペシャリストのポジションを選ぶことができます。キャリアや志向性、強みを生かしながら、自分が目指すキャリアパスを描くことができます。
メンバーそれぞれが会社やチームが目指す方向と自身のキャリアビジョンをリンクさせ、自分らしく、やりがいをもって働けるよう努めています。
マネジメントもスペシャリストも、活躍を公平に評価する制度を策定中
編集部
カウカモエージェントでは、女性も多く活躍されていると伺っております。不動産営業で女性が多いのは珍しいと思いますが、女性活躍を支える制度などはありますか?
吉田さん
エージェント全体の約6割が女性という当社ですが、女性に特化した制度というものではなく、男女ともに活躍できる制度を設けています。希望者の育休取得率は100%で、2023年では男性4名、女性3名の育休取得実績があります。
また、先ほどキャリアを選択できるといった説明をさせていただいたのですが、マネジメントポジションに就いた方だけがキャリアアップを図れるのではなく、プレイヤーとして価値を発揮し続けていきたいという志向を持った方への評価制度を、報酬面も含めて現在検討しています。
編集部
性別や職種に縛られるのではなく、最も輝けるポジションを自分で選び、その活躍を公平に評価されているのですね。とても素晴らしいことだと感じます。
自己成長と顧客価値のバランス感覚を持った方を歓迎
編集部
中古・リノベーション、不動産・住宅領域という市場において、独自のポジションを築かれているカウカモですが、山口さん、吉田さんから見た御社の魅力や、やりがいを感じるエピソードなどがあれば、ぜひご紹介ください。
山口さん
入社当時から現在に至るまで一貫して変わらないのが、代表の村上をはじめとした経営のリーダーたちが定期的に社内外にメッセージを発信していることです。
自分たちがやっていることがどこにつながり、どんな未来を創造しているかといったビジョンをトップが考え、発信し続けることで、私たちは自分たちがいる立ち位置を見失うことなく、邁進することができます。
日々の業務の中では、目の前のお客様に集中していますが、四半期に1回の全社会などでは、もっと広い視野で事業の進捗を共有したり、目指す未来を再確認しています。このように、メンバー全員で方向性を常に同じくするツクルバのカルチャーが、私はとても好きです。
吉田さん
ツクルバが4社目のキャリアとなる私が日々感じるのは、変化のスピードがとても速いことです。ただ変わるのではなく、社会情勢やお客様ニーズの変化に、企業としてしっかり適応しながら進化していると感じます。
進化の過程には、正直大変なこともありますが、それにより組織・サービスの成長と、得られる自己成長に日々やりがいを感じます。
編集部
最後に、本記事を読んでカウカモエージェントとして働くことに興味を持った方や、転職を検討されている方へメッセージをお願いします。
山口さん
当社の事業は、自己成長や新しい分野へのチャレンジと、お客様への価値あるサービスの提供、この2つのバランスがとても重要です。どちらか一方に偏るのではなく、バランス感覚を持って対応できる方に適した仕事だと思います。
このような想いに共感いただき、挑戦してみたいという方はぜひ、気軽にお問い合わせください。ライフスタイルやライフステージに合わせて、自分らしく暮らせる住まいを手に入れ続けられる世界を、共に目指しましょう。
編集部
カウカモのエージェント職は、目標を叶えながら自分も成長できる仕事であることを、今回の取材を通して知ることができました。
また、営業の型の習得によって早く成長できる環境を用意するとともに、志向に合わせてキャリアを選択できることで、やりがいを持って働き続けることができる、素晴らしい環境だと思いました。
本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社ツクルバ:https://tsukuruba.com/company/
採用ページ:https://recruit.tsukuruba.com/