メンバーは日本全国に在住。世界のカルチャーを変える「コミュニティオ」の働き方

さまざまな企業の新しい働き方や魅力的な取り組みを紹介していくこの企画。今回は、Teamsと連携して感謝を送り合うツールである「TeamSticker(チームステッカー)」を展開する株式会社コミュニティオを取材させていただきました。

リモートワークにおいてもより良いチームづくりができるよう組織コミュニケーションを科学して生み出したチームステッカーは、名だたる大企業に続々と導入されています。コミュニティオの事業戦略や、日本全国どこからでも勤務できるというフルリモートの勤務形態などについてお話をうかがいました。

株式会社コミュニティオとは

株式会社コミュニティオは、エンゲージメントとウェルビーイングを向上させる「TeamSticker(チームステッカー)」を開発・運営している会社です。チームステッカーを広めていくことで、日本、そしてゆくゆくは世界の大企業のカルチャーをより良くしていくことを目指しています。

会社名 株式会社コミュニティオ(Communitio Corporation)
住所 東京都中央区八重洲1丁目5-20 東京建物八重洲さくら通りビル1F
事業内容 エンゲージメントとウェルビーイングを向上させる「TeamSticker(チームステッカー)」の開発・運営
設立 2019年3月19日
公式ページ https://communitio.jp/

代表取締役の嶋田健作さんに、コミュニティオの事業戦略やフルリモートワークであるメンバーたちの働き方、コミュニケーションでの工夫、採用にあたって求める人物像などについてお話をうかがいました。

本日お話を伺った方
株式会社コミュニティオ 代表取締役 嶋田健作さん

株式会社コミュニティオ 代表取締役

嶋田健作さん

数々の企業がコミュニティオのサービスを導入するワケ

株式会社コミュニティオの開発プロダクト「チームステッカー」の説明画像

編集部

まず、コミュニティオさんが開発している「チームステッカー」について教えてください。

嶋田さん

チームステッカーは、業務中のふとした感謝や称賛、感情をあらわすステッカーをつけたメッセージを送り合うことでより良いチームをつくり、エンゲージメントやウェルビーイングを向上させるサービスです。Microsoft Teamsと簡単に連携でき、特別な感謝などを伝える時には「ピアギフト」というデジタルギフトも贈ることができ、普段なかなか伝えられていない気持ちを伝え、感謝・称賛の文化を高め合えるのが特徴です。

編集部

どのようなきっかけで、チームステッカーを開発しようとお考えになったのでしょうか。

嶋田さん

元々は社内通貨サービスを提供していたんですが、そのときに、実は大きな企業様はコミュニケーションに起因する悩みを抱えていることが多いのだということを感じました。例えば、「会社や同僚のために役に立っている」と実感した体験がなく、「自分の価値を見出だせず働くのが苦しい」という若い方がいらっしゃるような場合ですね。

若い方は、ソーシャルアプリなどで友達から「いいね!」とすぐにフィードバックが返ってきたり、人といいものをシェアし合ったりという体験になれているかと思います。しかし、就職すると企業によっては査定が半年や1年間に1回しかなく、自分の仕事に対してフィードバックが頻繁には貰えない、自分の貢献がわかりづらいといった環境に置かれることも多くあるかもしれません。

そうした現状をなんとかできないかという企業の悩みに向き合った結果、従業員のエンゲージメントを向上させたり、社内・チーム内のコミュニケーションを改善できないかということで、チームステッカーの開発に至りました。

編集部

企業の悩みに寄り添ったサービスを展開されているんですね。時代とともにコミュニケーションのあり方や個人の価値観が変化すると思いますので、大企業を含め数々の会社様に導入されているのもうなづけます。

感謝と賞賛を贈ってエンゲージメントを高める「チームステッカー」

編集部

多くの大企業様が導入されているチームステッカーについて、よりくわしくお話を聞かせていただけますか?

嶋田さん

チームステッカーは、もっと会社を楽しくするために、コミュニケーションの改善や認知、レコグニション、つまり「私はあなたに感謝している、すごいと思っている」ということを伝える次世代型サンクスカードアプリです。感謝と称賛をおくり合うことで信頼を高め、「チームを強くしていきましょう、従業員エンゲージメントを高めましょう」という目的で生まれました。

簡単にまとめると、『いいチームは「ありがとう」と「いいね」から』キャッチフレーズに表されています。当初はデジタルギフトはなかったのですが、今は、「PeerGift(ピアギフト)」といってデジタルギフトをプラスしてメッセージを贈ることができる機能もできました。

ピアギフトで贈るデジタルギフトは自分では使えないので、「それなら誰かお世話になった人に贈ろう」という感じで、日頃お世話になっている人や、特別な感謝を伝えたい人と贈り合うことができます。

チャットだけだと、ついサンクスカードやお礼の言葉を贈るタイミングを逃してしまいがちです。そこにギフトが付くことで、「今月、お世話になった人に送ろう」「今まで言い出せなかったけれど、本当は感謝しています」とお中元やお歳暮のような使い方をする方が多くいらっしゃいます。

結果、感謝のメッセージやギフトを贈る人が増え、利用後の満足度調査もすごく上がったので、サンクスカードとして多くの企業様に展開しているという流れになります。

企業の期待に応えたMicrosoft Teamsとの連携

編集部

ほかにもサンクスカードツールを展開する競合他社があるなか、大企業が次々とコミュニティオさんのツールを導入しているのはどうしてなのでしょうか。

嶋田さん

チームステッカーはWebでも使えますが、大企業の方々が多く利用されているMicrosoft Teams内のアプリとして違和感なくシームレスに利用できるのが強みです。そのため、Teamsを利用する多くの企業からお問い合わせをいただいたり、導入していただいたりしています。

編集部

実際に社内運用ベースに乗せることを考えたときに、利用している企業が多いTeamsと連携させられるというのは大きなポイントですよね。

嶋田さん

日本ではTeamsのアプリをつくっているところが少なかったんですが、やはりお客さまから「Teams上で使えるようにしてほしい」という声が多くありました。Teamsはビデオチャットもできる、普通のテキストチャットもできる、Officeアプリも使えるという、リモートワークツールの決定版のようなものですよね。

大企業の方はTeamsを使っているケースが多いので、確実にニーズがあると思い、その上で動くサービスを弊社で開発しました。

楽しく働ける世界をつくることがコミュニティオの原点

株式会社コミュニティオ代表取締役・嶋田健作さん

編集部

先ほど、元々は社内通貨サービスを提供していたとおっしゃっていました。設立してから急速な速さでここまで成長された経緯を教えていただけますか。

嶋田さん

弊社は、株式会社オルトプラスというゲーム会社のR&D部門が独立してできた会社です。2019年の設立で、最初はブロックチェーン技術を使った社内通貨サービスを提供するフィンテック企業でした。フィンテックというのは金融(Finance)と技術(Technology)からできた造語で、要するに金融とIT技術を組み合わせた新しい金融サービスのことです。

編集部

R&Dということは研究開発ですよね。ゲーム会社の研究開発から金融サービスで独立するというのは、少し不思議な気がします。

嶋田さん

私はライブドアという会社にいたのですが、その後、いくつかの会社の代表などを勤める中で、業績に固執し部下を叱咤激励することも多々ありました。ただひたすらに仕事をする中で業績は伸びたのですが、ふとしたときに「自分の子供や大切な人を喜んで入社させたい環境であるか」という疑問を抱いてしまい、もっとよい会社作りができたのではないかと反省することもありました。

根性や気合ではなく、スポーツみたいに楽しみながらチームで切磋琢磨し、高みを目指せるような会社をつくりたいと思うようになりました。

そのような経験を踏まえ、オルトプラスでCTOをやりながらR&D部門を兼任していて生まれたのが社内通貨システムです。毎日の仕事にゲームの要素を入れて、会社に出社したらポイントをもらえ、そのポイントでお菓子を買えたり、誰かにポイントをあげたり、「会社に行くのが楽しくてしょうがない!」という世界を作ろうと思って誕生したのが最初のサービスでした。

すべての人が楽しく働ける世界を作るというテーマのもと、福利厚生のような文脈で社内通貨サービスを提供したのがコミュニティオの始まりですが、そこから企業様の多くがコミュニケーションに改善点を感じているという事実を知り、サービス改善を続けていって現在のサービスに形がかわりました。

編集部

楽しく働ける世界をつくるという理念は最初から変わっておらず、その中で多くの企業が抱える問題を解決するためにチームステッカーを開発されたということですね。

日本全国どこに住んでいてもOKなフルリモート制

編集部

全国の企業のコミュニケーションの改善や従業員のエンゲージメント向上に取り組んでいるコミュニティオさんご自身は、現在どのような体制でどのような業務形態をとっているのかお教えいただけますか?

嶋田さん

2019年と2021年に資金調達をして、現時点(2023年1月)では従業員は総勢10名です。正社員の他は副業や業務委託という体制をとっています。採用は日本全国どこからでもやっていて、どこに住んでいてもOKというスタイルでやっています。

現在、東京23区内に住んでいるメンバーは1人だけで、あとは北は北海道から南は福岡までバラバラの地域に暮らしています。フルリモートなら、どこに住んでいても、通勤時間はゼロじゃないですか。だから、弊社に入ってくるのは朝の時間を多く時間を使いたい子育て世代の方、家事分担をしている方、独身で自由な働き方を満喫している方などが多いですね。

編集部

フレックスタイムは、コアタイムが決まっているスタイルですか?

嶋田さん

一応、コアタイムは12時から16時としています。午前中に用事があるという方もいれば、早めに上がって子どものお迎えに行きたいというメンバーもいるので、そこは自由に設定できる感じです。コアタイムを設定しているのはすごくシンプルな理由で、コアタイムがないとなかなか有給を取る機会がないからですね。

フルリモート環境で組織コミュニケーションを図るには

編集部

「フルリモートなだけに、コミュニケーションでここを工夫している!」という点はありますか?

嶋田さん

細かいコミュニケーションのルールは設定しています。他のメンバーの発信に対して必ずリアクションをすることや、毎朝の朝礼で自分のやった仕事の報告は必ず共有することなどですね。また、朝礼では持ち回りで仕事と関係ない雑談を発表してもらっています。

雑談をするのは、各メンバーの人となりや仕事とは異なる「余白」を知る機会を設けるためです。昔は全員で雑談をしていたのですが、それだと朝から1時間ぐらい雑談をすることになるので(笑)、持ち回りという形にしています。

それから、弊社は組織コミュニケーションを科学する会社なので、みんなの人柄や趣味嗜好などを共有するカリキュラムがあります。今はなかなか全社ミーティングが開催できずにいるのですが、初期メンバーとは全社ミーティング時にそうしたワークショップを行いました。

「この人はこういうことが嫌なんだ」「こういうことが嬉しいことなんだ」という背景を知らずにコミュニケーションをすると、知らず知らずのうちにぶつかってしまうことも起こり得ます。以前であれば飲み会などで身の上話を聞きあったものですが、リモートワークではそういったお互いの背景を知るアクションを取らなくてはいけません。

編集部

メンバーの皆さんで一斉に集まる機会はあるのですか?

嶋田さん

例えば、人事業務支援の商談専門展であるHR EXPOなどの大きなイベントに出るときには、日本全国からメンバーが集まります。この間のイベントではみんなが集まってビラ配りなどの顧客対応をして、それぞれの家に帰っていきました。普段はビデオ会議なので、実際に会ったら思ったより背が大きかった、小さかったというような感想が従業員間で飛び交っていましたね。

ただ、営業同士はお客さまのイベント参加などで会うことがあるのですが、エンジニアなどにはなかなか会う機会がありません。今後は年に1回ぐらい、合宿で全社ミーティングをするような機会も作りたいと思っています。

編集部

事業内容と関連して、コミュニティオさんの社内でもコミュニケーションにおいてはいろいろと工夫されているのですね。フルリモートだとなかなか難しい面もあると思いますが、仕組みとして雑談を取り入れてお互いのことを知り合えるのはすごく良いと思います。

コミュニティオの世界観に共感できる人を募集

株式会社コミュニティオ代表取締役・嶋田健作さんがTVでチームステッカーを紹介する様子

編集部

コミュニティオさんに合う人物像、求めている人物像とは、どのような方なのでしょうか?

嶋田さん

求めている人物としては、弊社がめざす世界観が好きか、というのが一番大事かなと思います。先ほど、「弊社は組織コミュニケーションを科学する会社」だと申し上げました。コミュニケーションを大事にして、わかり合い高めあおうとすることは、人類的に進んだ考え方だと私は思っているんです。

我々は思いつきで事業を展開しているわけではなく、アカデミックな後ろ盾などを研究しながらやっている部分があります。例えば、英国の人類学者ロビン・ダンバーの提唱したダンバー数というのがあって、人間は150人ぐらいを超えるとうまくコミュニケーションをとれなくなるともいわれています。社長が「これをやろう」と指示しても同じ方向をむけない人が出てくるのも、ちょうどそのダンバー数を超えたところからだと言われています。

個人が認知できるコミュニケーション数を超えてしまった大企業に対して、どうやって同じ目標に向かう文化形成、認知や協力を育んでいくかというのが我々のテーマです。実は我々はそういったアカデミックな論文を一生懸命読んだり、大学の教授などと一緒に議論したりしながら事業を進めています。

例えば、「仕事の現場に『ありがとう』なんて、生ぬるい感情を持ち込むな」「仕事はもっとストイックなものだ」とおっしゃる方がいらっしゃるのですが、ストイックなコミュニケーションで仕事をするのも短期的には良いのですが、長期的にはやはりチームで協力しながら課題に取り組んだ方が大きな成果を得られるのではないかと思います。

高い目標に向かって戦っていかなければいけない時に、互いの協力や貢献に「ありがとう」「いいね」と伝え合うことが、このチームで挑戦したいという気持ちや、チームの一員としてのやりがい、信頼を醸成し、強いチームを作っていくのだと思います。

ですから、人間の可能性をきちんと信じ、相互にわかり合いながら、より高みを目指していくのに、コミュニケーションは必要なことだと思える素直で柔らかい心を持った人というのが、弊社にはフィットすると思います。

編集部

コミュニティオさんのそうした考え方に共感できるかというのは、根幹であり一番大事な部分ですね。そういう人物に当てはまるかどうかというのは、面接でどうやって見抜かれているんですか。

嶋田さん

やはりコミュニケーションをして、ご経歴とかも含めて適性があるかというのを会話の中で見させていただくことですね。こうした世界観は嫌な人は嫌だと思いますし、嫌だと感じているだろうなというのはお話をしているとなんとなく感じます。

再現性と高い目標意識を持っている人と一緒に歩いていきたい

編集部

その他には、採用時に応募される方に対してどのような素質を求めていらっしゃいますか?

嶋田さん

一緒に仕事をする上で、あるといいなと思うのは再現性です。自分がやった仕事を誰かに伝えたときに、同じ成果を出せるようにできるのかどうかというのは気にしています。自分がなぜうまくいったのかを客観的に自分で分析でき、それを正しく伝えられる、いきあたりばったりではなくちゃんと考えて再現性を持ってお仕事に取り組めるということができるのがベターです。

そして最後に、高い成果に向かって一緒に歩いていけるかというところを見ます。弊社はスタートアップというフェーズですから、メンバーに対しても高い目標を課して、ともに成長していくことを求めています。

例えば、お客さまは大企業の方が多いのでセキュリティはとても厳しく、また導入にあたってのコミュニケーションという面でも色々な方への対応が必要です。目標としている上場まで、これから大変なことも待っていると思います。

そこを乗り越えていくために、先ほどお伝えしたような人間性の良さみたいなものを求める反面、高い成果・目標にチームとして向かっていけるか、目標意識を持てるかという点も見ています。

編集部

高い目標に対して調整しつつ、コミットもできて、当然ですけれど結果も出せるというプロ意識を持った方ということですね。

世界中の企業のカルチャーをともに変えていきましょう!

編集部

最後に、コミュニティオさんに興味を持った方に向けてメッセージをお願いします。

嶋田さん

弊社は企業の方々に「日本企業がさらに活性化するようなサービス」を目指して展開しています。そのため、お客様は規模の大きなエンタープライズ企業なんですね。ですから、そういったエンタープライズ企業にいた経験がある方というのはすごくマッチしています。

弊社のメンバーの半分ぐらいは、大手企業の経験もある方だったりもします。それぞれの能力を活かして、クライアントのコミュニケーションの改善やチームワーク向上を通して、業績・パフォーマンスの向上、そして、その会社の文化をもっとより良く変えていこうという野心的なことをしています。

いつか我々が日本企業の、日本経済の立て直しに少しでも寄与できればいいと思っていますし、我々のサービスはTeams上などで展開しているので海外からの引き合いも少なくありません。今後、我々のサービスも海外に打って出ようかと考えています。

日本企業を、ひいては世界中の企業のカルチャーを改善していくことに興味があるという人であれば、我が社は大いにチャレンジできる良い土台ではないかなと思っています。そういったことに興味がある方は、ぜひコミュニティオのドアをノックしてもらえると嬉しいです。

編集部

コミュニティオさんの野望に共感して一緒に歩んでいきたいという方を求めているということですね。本日はありがとうございました!

■取材協力

株式会社コミュニティオ:https://communitio.jp/
採用ページ:https://communitio.jp/recruit