入社2年目で新規事業の責任者に。株式会社ASNOVAが足場を通して広げる新たな可能性とは

若手社員の活躍が著しい成長企業を特集するこの企画。今回は仮設機材の足場レンタル事業等を行う株式会社ASNOVAにインタビューを行いました。

足場のレンタルビジネスを通じて循環型社会の実現を目指す株式会社ASNOVA

株式会社ASNOVAは、「くさび緊結式足場」と呼ばれる足場を中心に、仮設機材のレンタル・販売サービスを提供する企業です。

近年、マンションの老朽化やリフォーム需要の増加、自然災害の増加に伴う足場需要は増加しています。株式会社ASNOVAでは足場レンタル事業や中古機材の買取・販売を通じてこうした需要に応えるとともに、資源を繰り返し「再利用」するビジネスモデルにより、循環型社会の実現を目指しています。

また、建築業界・足場業界では人材の高齢化や人手不足も課題となっています。株式会社ASNOVAではパルクール(※)チームとのコラボレーションや、自社オウンドメディアでの発信など、さまざまな機会を通じて幅広い層に足場の魅力を訴求しています。
(※)パルクール:「走る」「跳ぶ」「登る」など、移動を中心にしたアクションでより心身を鍛える方法で、近年はスポーツ化している。

会社名 株式会社ASNOVA
住所 愛知県名古屋市中村区平池町四丁目60番地の12グローバルゲート26階
事業内容 足場レンタル事業
設立 2013年12月24日
上場市場 2022年4月:名古屋証券取引所ネクスト市場(9223)
公式ページ https://www.asnova.co.jp/
index.html

今回は設立10期目で新規上場を実現した株式会社ASNOVAの成長を支える事業の強みや、パーパスに込められた思い、そして若手社員活躍の背景などについて、人事部部長の藤原さんにお話をお伺いしました。

本日お話を伺った方
株式会社ASNOVA人事部部長藤原亮さん

株式会社ASNOVA
人事部部長

藤原 亮さん

需要に応えた足場レンタル事業により、業績は順調に拡大

株式会社ASNOVAの機材センター

編集部

まずはASNOVAさんの事業内容を簡単にご説明いただけますか?

藤原さん

ASNOVAでは、主にくさび緊結式足場という足場のレンタル事業を展開しています。以前は低層住宅工事用の足場として多く使用されていましたが、徐々に大きな物件でも使われるようになってきており、近年では中高層建築、マンションの改修工事などで使用されることが増えています。

従来は工事に関わる事業者の方は足場を購入して保有する方式が一般的であったため、ASNOVAが2013年に創業した当時、レンタル事業はほとんどありませんでした。しかし住宅1棟分のリフォームを行うために足場を購入するとなると、材料代だけで100万円を軽く超えてしまいます。

また購入した足場を長期的に保有するには、保管場所の賃料、管理による人件費、破損・老朽化による維持費などさまざまな費用が必要となります。

ASNOVAのレンタル事業は、そういったお客様の抱える課題の解決に寄与するものです。そのため、非常に多くの引き合いをいただき、11期目を迎える現在に至るまで順調に業績を伸ばすことができています。

会社の成長フェーズに合わせパーパスを策定。イベントなどを通じた対外的な発信にも注力

株式会社ASNOVAの掲げるパーパス
▲ASNOVAさんの掲げるパーパス(公式サイトから引用)

編集部

ASNOVAさんでは特徴的なパーパスを打ち出していらっしゃいますが、このパーパスに込められた思いや、パーパスを策定された意図を教えていただけますでしょうか。

藤原さん

ASNOVAでは『「カセツ」の力で、社会に明日の場を創りだす。』というパーパスを掲げています。古代エジプトのピラミッド、日本の奈良の都の寺院など、歴史を振り返っても足場の存在は欠かせません。

我々はそんな足場を、「新しいものを生みだす、新しいものへ生まれ変わらせる挑戦の足がかり、支える拠りどころ」と捉えています。「仮説」を立て、それを「仮設」で検証する、この2つのカセツを繰り返しながら、「明日の新たな価値を生み出す場=ASNOVA(明日の場)」を創り出していきたい、というのがパーパスに込められた思いです。

ASNOVAは、2022年4月に名古屋証券取引所ネクスト市場へ新規上場しました。会社の成長フェーズに合わせ、我々が取り組む事業の社会的な意義を社内外に周知していく必要があると考え、このパーパスを策定しました。

パーパスの策定の他にも、若い世代も含めた幅広い方への情報発信やイベントの開催などにも取り組んでいます。建設足場を用いてアスレチックを建設したパルクールイベントの実施もそのひとつです。またオウンドメディア『カケルバ』を立ち上げ、ASNOVAの挑戦を伝えています。

もちろん一朝一夕に認知度を高められるわけではありませんが、メディアなども巻き込みながらASNOVAの存在を少しずつ世の中に向けて発信しているところです。

継続的な成長の背景にある強みは「圧倒的な足場の量」と「利用のしやすさ」

編集部

先ほど業績について少し触れていただきましたが、ASNOVAさんでは創業以来順調に売上を拡大されているのでしょうか。

藤原さん

そうですね。コロナ禍の時期はどうしても売上が下がってしまったのですが、それでも、2020年3月期の売上高2,724百万円に対してマイナス5億円程度の下げ幅にとどめることができました。そこからまた順調に回復していき、今期の着地予想は3,857百万円となっています(取材は2023年9月)。

編集部

コロナ禍という社会的要因があっても大きく影響を受けず、さらに回復後もどんどん順調に売上を伸ばされているんですね。ASNOVAさんがお客様に選ばれる強みというのはどういうところにあるのでしょうか?

藤原さん

ASNOVAの大きな強みとしては、くさび緊結式足場に関してASNOVAが圧倒的な量を持っているところにあると思います。急なご依頼にも即日対応できるという「いつでも借りられる」体制があるのもASNOVAならではのメリットです。

加えて、少数でのレンタルにも1本単位から対応しています。必要な量をすぐにレンタルできるからこそ、多くの企業様に選んでいただいていると考えています。

事業領域を広げながら顧客の輪も拡大!社会問題の解決にも寄与する新規事業を実施

編集部

ASNOVAさんでは足場レンタル事業を軸に、多角的な事業展開でお客様の輪を広げていらっしゃる印象があります。具体的にどのような取り組みをされているのかお伺いしてもよろしいでしょうか?

藤原さん

ひとつには、『ASNOVA STATION』というASNOVAの営業所・機材センターがない地域でも足場材をレンタルできるサービスがあります。

パートナー企業の協力によって、ASNOVAが網羅できていないエリアにレンタルサービスを展開し、足場施工業者が対応できる仕事の量を増やすことができます。そういう意味で、ASNOVAの顧客層の裾野を広げるだけでなく、業界の活性化につながるサービスとなっているのではないでしょうか。

さらにこのサービスは、足場業界に新たな雇用を生むという側面も有しています。足場の仕事はどうしても年齢に制限が出てしまう部分がありますが、高齢により現場に出ることはできなくなったけれど、レンタル事業ならできるという職人さんは少なくありません。そういう職人の方のセカンドキャリアの可能性を広げることができるのではないかと思っています。

編集部

なるほど。ASNOVAさんではECサイトも立ち上げられていますが、こちらはどのようなものなのでしょうか。

藤原さん

ECサイト「ASNOVA市場」は足場の買取・販売を行う、一般の方でも足場が購入しやすいサイトです。ASNOVAのお客様の中には「中古の足場を買い取ってほしい」というニーズを持つ方も多くいらっしゃるため、それを買い受ける仕組みをつくる意味で立ち上げました。

不要な機材を買い取り、鋼材価格の高騰などで困っている方に中古機材を安価に提供できるため、循環型社会の実現に寄与できるものとなっています。

編集部

ECサイトは一般の方でも足場の購入がしやすいものとのことですが、ASNOVAさんの足場レンタル事業は企業様だけでなく一般・個人の方も対象とされているのでしょうか?

藤原さん

これまでは企業に向けたレンタルに特化してきましたが、今後は個人向けにもレンタル事業を広げていく方針です。先日は、学校の文化祭で使用する目的でレンタルされたお客様もいました。足場という高額なものの貸し出しとなるため、どうしても契約方法が煩雑になるなどの課題はあるのですが、契約方法の簡易化などの工夫をしながら、お客様の幅を拡大しています。

編集部

ASNOVAさんでは、事業領域とともにお客様の層も広げていっているんですね。新たな事業が、職人の方の雇用や循環型社会への寄与など、社会課題の解決にも寄与するものになっているのも印象的だと感じました。

若手社員多数活躍!社員の学びと挑戦を支える人事制度“ASNOVA WAY”

株式会社ASNOVAの人事制度「ASNOVA WAY」
▲ASNOVAさん独自の人事制度「ASNOVA WAY」

編集部

建築業界、足場業界では高齢化や人材不足も課題になっていますが、ASNOVAさんでは多くの若手社員の方が活躍されていますよね。若手社員の成長や活躍を後押しする制度としてはどのようなものがあるのでしょうか。

藤原さん

ASNOVAでは「ASNOVA WAY」という人事制度で社員の幅広いキャリアプランを支援しています。

ASNOVA WAYは、“習慣”がテーマの「リベラルアーツ」や“変化”がテーマの教育プログラム「AMP!」、“知識”がテーマの「ASNOVA Recurrent」、“挑戦”がテーマの「ASNOVA Challenge System」など、6つの軸で成り立っています。

ASNOVA WAYの人事制度は、広く多角的に学びを得ながら、新たな挑戦の後押しもできる内容です。この制度を通じて社員の成長を促し、長くASNOVAで活躍していってもらえたらと思っています。

株式会社ASNOVAの各制度の概要

編集部

「ASNOVA WAY」の中でも、特に若手社員の活躍を後押しする制度はありますか?

藤原さん

2021年から始まった「ASNOVA Challenge System」は、所属や役職を問わず、新規事業の責任者に立候補できる制度です。その制度を利用し、入社2年目の女性社員が、一般ユーザーと足場施工業者のマッチングサービス「ASNOVA倶楽部」という新規事業の責任者候補となりました。今、事業化に向けて挑戦しているところです。

また「AMP!」は会社の新規事業の責任者を育てるための社内教育プログラムです。今年度含めてこれまでに3回実施しており、新規事業立案や、ファシリテーション能力向上のための体験プログラムを実施しています。こちらも部署、入社年次などに関係なく、広く参加できるため、若手社員の学びの場にもなっています。

編集部

新規事業のあり方を学べる場と、新規事業の責任者を立候補式にする制度の両面から、社員の方の成長と活躍を支えているんですね。年齢などに関係なく、すべての社員の方に等しく機会があることで、若手社員の方の活躍が生まれているのだということが伝わりました。

株式会社ASNOVAの社内教育プログラム「AMP!」の様子
▲社内教育プログラム「AMP!」の様子

「リベラルアーツ」「ASNOVA Recurrent」で社員の主体的な学びも支える

編集部

「ASNOVA WAY」の軸となっている「リベラルアーツ」「ASNOVA Recurrent」についても教えてください。

藤原さん

「リベラルアーツ」は、毎月1冊社員に本を送る制度です。本を読むことで、社員の方に普段接する機会の少ない一般教養を身に付けてもらうことを目的としています。ただし「絶対に読んで」というものではなく、あくまで本を読む習慣をプレゼントする、という思いで始まった制度となっています。

また「ASNOVA Recurrent」は、会社が費用を負担し、外部機関での学びを受けられるものです。私自身も現在MBA取得に向けて大学院で学んでいますし、他にも税理士試験の勉強をしていたり、英会話を学んでいたりする者がいます。

会社で活躍してもらうために活かせそうなことであれば内容は問いませんし、もちろん年齢も関係ありません。やる気があっていろいろなことに挑戦したい人を、会社としてさまざまな角度からサポートしています。

「真面目だけど軽やか」なASNOVAの社内カルチャー

株式会社ASNOVAの合宿「カタルバ」の様子
▲多様なメンバーでさまざまなテーマについて語る合宿「カタルバ」

編集部

ASNOVAさんの社内カルチャーについても伺います。ASNOVAさんにはどのような雰囲気のメンバーが多いと感じますか?

藤原さん

ASNOVAには、すごく一生懸命に仕事に取り組む真面目な社員が多いなという印象です。かといって頑固で融通がきかないわけではありません。

真面目でありながら、パーパスの「カセツ」に表されるように、新たな領域への取り組みに、自由に、軽やかに挑戦する柔軟さも併せ持っているのがASNOVAの特徴だと思います。

1泊2日で語り合う「KATARUVA(カタルバ)」が生む社員同士の意見交流

編集部

ASNOVAさんでは、社員の方同士の交流機会もありますか?

藤原さん

ASNOVAでは「KATARUVA(カタルバ)」という1泊2日の合宿を定期的に開催しています。年間4回ペースで実施していますね。

編集部

年4回というと結構な頻度ですよね。いわゆる全社研修とは異なるのでしょうか?

藤原さん

カタルバは複数の部署から代表者1~2名が参加し、合計10名程度でいろいろなテーマについて語り合うための合宿です。部署だけでなく年齢や性別も偏らないように、多様性を重視してメンバーを選抜しています。

既存事業の拡大や人事制度、新規事業などを考えていく上で、いろいろな角度から意見を言い合い、会社としての成長につなげていくというのが合宿の目的です。合宿という普段の仕事の場所とは違う環境で、多様な価値観を持つメンバー同士で話し合うことで、新たな価値ある意見が生まれる場となっています。

会社としてコミュニケーションの機会を大切にしつつ、個人の価値観も尊重

株式会社ASNOVAの社員総会の様子

編集部

カタルバ以外にも、社員同士のコミュニケーションの機会はありますか?

藤原さん

先日初めて全社的な社員総会を実施しました。コロナ禍でどうしても社員同士のコミュニケーションが希薄になってしまった部分もありますが、徐々にコミュニケーションの場も復活させていきたいと思っています。

その他にも、新入社員の歓迎会は必ず実施していますし、部署ごとの飲み会も年4回まで会社が補助を出しています。個人的に、休みの日にゴルフに行く人など、交流している社員もいるようですよ。

ただしそこについては個人の価値観もあるので、付き合いを強制するような空気はありません。オフィシャルの交流機会も確保しつつ、社員同士の付き合いについては個々の希望に応じてできるような環境になっていますね。

ASNOVAは「積極性を持ち会社とともに成長していける人」を歓迎

株式会社ASNOVAのオフィス内観

編集部

最後に、採用にあたりASNOVAさんが求める人物像を教えてください。

藤原さん

ASNOVAでは、指示待ちでなく主体的に動いていける積極性を持った人がフィットします。会社としてもいろいろな成長機会を整えているため、会社を利用して、そして会社とともにどんどんと成長していけるような意欲のある方はASNOVAで活躍できると思います。

部署による部分はありますが、基本的に建築業界、足場業界未経験であってもご活躍いただけます。興味を持った方はぜひお問い合わせください。

編集部

足場レンタルを軸に次々と可能性を切り拓いている株式会社ASNOVAさんであれば、意欲を持って新しいことに挑戦していける環境があると思います。

本日はお忙しい中、ありがとうございました!

■取材協力
株式会社ASNOVA:https://www.asnova.co.jp/index.html
採用ページ:https://recruit.jobcan.jp/asnova
ASNOVA公式オウンドメディア「カケルバ」:https://www.asnova.co.jp/kakeruba/index.html