若年層のキャリアを支援する3Backsの「誰一人取り残さない」文化

成長企業や若手の活躍が目覚ましい企業を紹介していくこの企画。今回は、若年層のキャリア再生事業を通じて、学歴や職歴、境遇に関係なくキャリアアップできる社会の実現を目指す、株式会社3Backs(スリーバックス)をご紹介します。

株式会社3Backsとは?

株式会社3Backsのロゴと若手メンバーたち

日本では「学歴が良ければ良いほど、いい仕事ができる」という考えがいまだに根強く、非大卒やフリーターの若者たちがキャリアの壁を感じている現状があります。

そこで、株式会社3Backsは「学歴職歴・境遇に関係なくキャリアアップ可能な社会の実現」をミッションとし、10代~20代の若年層に対してさまざまなキャリア支援プロジェクトを展開しています。

プロジェクトの1つ「リバラボインターン」は中卒・高卒・フリーター・第二新卒の若者らのキャリア再生を実現するため、自社で2年間のインターンシップ行い、その後の転職を支援しています。

2つ目のプロジェクトである「リバジョブ」では、学歴や職歴が低くても、大手企業や成長企業で就業し実績を積み重ねて正規雇用切替えを実現する、着実なキャリアアップを支援するキャリア派遣サービスを展開しています。

会社名 株式会社3Backs
住所 東京都渋谷区千駄ヶ谷2-9-6 バルビゾン3番館B1
事業内容 ◾️中高卒フリーターの若者の総合キャリア支援事業【リバラボ】
・中高卒フリーターの若者向けジョブ型インターン事業【リバラボインターンシップ】
・中高卒フリーターの若者向け人材紹介事業【リバラボ転職】
・中高卒フリーターの若者向けキャリア派遣事業【リバジョブ】
・中高卒フリーター向けWebマガジン【リバラボマガジン】
設立 2009年11月26日
公式ページ http://3backs.com/

「ヒト」を起点に社会課題を解決する株式会社3Backsは、SDGsの掲げる17の分野においてさまざまな角度からアプローチをしています。また、若年層の育成を事業としていることから、社内には若手社員がスピード成長する土壌があります。

今回は、専務取締役の鈴木さん、活躍する20代社員の芝田さんと中野さんに、事業や若手活躍の理由などを伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社3Backs専務取締役の鈴木亮平さん

株式会社3Backs
専務取締役 HR本部本部長

鈴木 亮平さん

株式会社3BacksHR部部長の芝田雄哉さん

株式会社3Backs
HR部 部長

芝田 雄哉さん

株式会社3BacksHR部の中野碧さん

株式会社3Backs
HR部CA課

中野 碧さん

学歴や職歴の壁を感じている若年層のキャリアを支援

株式会社3Backsのメンバーたち
▲3Backsさんは若年層のキャリアを支援しながら、メンバー自身も一緒に成長している

編集部

3Backsさんは「リバラボ」の名称でさまざまな事業を行っていらっしゃいます。「リバラボ」はどのような課題を解決する事業なのでしょうか?

鈴木さん

「リバラボ」がメインターゲットにしているのは、10代後半から20代前半の学歴や職歴に自信のない若年層です。今、非大卒やフリーターの人は、毎年全国で50万人生まれていると言われています。その人のうち、18~29歳の数は800万人以上います。日本では学歴社会が根強く残っており、チャンスにあふれる若年層の活躍が限られていることが課題となっているのです。

そこで、私たちは彼らのキャリア形成やなりたい姿を応援するような事業を行っています。リバラボは「REBIRTH LAB(リバースラボ)」の略で、若年層のキャリア再生プロジェクトと呼んでいますが、私たち自身も若者と一緒に成長しながら支援しています。また、若年層のキャリア支援は、社会や企業における人材不足の課題解決にもつながると考えています。

編集部

「リバラボ」では具体的にどのような支援を行うのでしょうか?

鈴木さん

2017年にスタートした「リバラボインターン」は2年間のインターンシップを行い、転職を支援するプロジェクトです。大手企業でも活躍できる人材に生まれ変わることを目指し、インターンシップ中は営業職などの実務に就いてもらいます。インターン生は月に30人程度採用し、これまでにのべ数百人を育成してきました。

この「リバラボインターン」での実績を活かし、現在、力を入れているのが「リバジョブ」というキャリア派遣事業です。

ローキャリア層がハイキャリアを目指せるキャリア派遣「リバジョブ」

「リバジョブ」のホームページ
▲若年層の理想のキャリアを促進する「リバラボジョブス」(公式サイトより引用)

編集部

「リバジョブ」を始めた背景や特徴を教えていただけますか?

鈴木さん

「リバラボインターン」では訪問営業などの実務を行っていましたが、対面営業が難しくなった社会情勢をふまえ、新たなキャリア支援の形として生まれたのが「リバジョブ」です。

学歴職歴がないと大手や上場企業、成長ベンチャーへ入ることが難しい…というのが今の実情ですが、派遣という形をとることで大手企業や上場企業などで就業実績を唯一積むことができます。

若者と話をすると希望条件に「正社員であること」「福利厚生が良いこと」を挙げる人は多いのですが、それらが叶っても、入社後に別の理由で辞めてしまうこともあります。例えば、会社の環境や仕事内容とのミスマッチなどが理由です。

そこで「リバジョブ」では派遣という形で、若者がその仕事や職場をよく知り、どんなスキルが必要かをリアルに実感し、仕事の実績を積んでもらう機会を提供します。

「リバジョブ」では、例えばインバウンド営業を3ヵ月経験した若者が、次のチャレンジとしてアウトバウンド営業をやってみることができます。通常はこのようなキャリアを積むためには、1社を退職して転職するか、1社に長く勤めてジョブローテーションの機会を待つしかありません。しかし、「リバジョブ」では短期間でキャリアの実績を積むことができます。

編集部

自分に合う仕事や環境を見つけるための選択肢が増えるということですね?

鈴木さん

はい。若者が実際に働いてみて自分に合う仕事だと感じた場合、弊社から派遣先企業に転職や転籍ができるよう働きかけを行います。弊社は派遣事業ではなく、若年層のキャリアの応援がメイン事業ですので、ここは他の派遣会社とは異なる「リバジョブ」ならではの特徴だと言えます。

一方、企業側にも「若年層を採用できない」「採用できても、定着率が低い」といった悩みがあり、ありがたいことに「リバジョブ」を通して出会った若者を「ぜひ採用したい」と言ってもらえることもあります。

「リバジョブ」は新しい取り組みのため、まだ実績は数十名規模です。ですが、企業に転籍した後の離職者はゼロなんですよ。

編集部

若い方がしっかり職場に定着してるのですね。「リバジョブ」を利用した方からはどのような反応や声が聞かれますか?

鈴木さん

高卒や大学中退などで学歴に自信のない人からすると、なかなか相手にされないような大手企業に入ることができるケースもあり、「頑張っていきます」「自分のキャリアが見える化されました」という声が挙がります。

もちろん、最初からやりたい仕事に就けないケースもあります。しかし、働く中で成長を遂げ、「今、やりたかったクリエイティブ職に就けています」「営業の実績を上げて、今はリーダーポジションを任されています」「収入がこれだけ上がりました」と報告してくれる人もいます。このような声を聞くと、その方の一番最初を知っている者としてはとても嬉しいです。

「誰一人取り残さない」をキーワードにSDGs目標に取り組む

笑顔で写真におさまる株式会社3Backsのメンバーたち
▲3Backsさんは「誰一人取り残さない」をキーワードにSDGsの様々な目標に取り組んでいる

編集部

3Backsさんは「質の高い教育をみんなに」「働きがいも経済成長も」「ジェンダー平等を実現しよう」などSDGsのさまざまな目標を掲げ、事業を推進していらっしゃいます。会社としての想いをお聞かせください。

鈴木さん

3Backsは「ヒトと向き合い、ヒトを起点に、社会課題を解決する」と言う経営理念のもと、良質な経験や教育の提供に取り組んでいます。サステナビリティに配慮し、誠実で責任のある事業活動を、ヒトを通じて貢献していきたいと考えています。

「リバラボ」の事業は、学歴社会の中で活躍の場を得られていない若年層の支援ですので、SDGsの「Leave No One Behind(誰一人取り残さない)」という考え方に合致しています。そこで、ホームページでもSDGs目標への貢献を掲げています。

編集部

人の支援を通じて社会課題の解決に取り組む3Backsさんは、今の日本社会の中で「誰一人取り残さない」ことを宣言していらっしゃるのですね。

株式会社3BacksのミッションとSDGs目標への取り組み
▲3Backsさんが掲げるミッションとSDGs目標への取り組み(公式サイトより)

大学中退や短期離職を経験した代表が起業

株式会社3Backsのオフィス内観
▲3Backsさんのオフィス内観

編集部

「誰一人取り残さない」という考え方や、「学歴職歴・境遇に関係なくキャリアアップ可能な社会の実現」というミッションは、3Backsさんの創業の経緯にも関わるのかと思います。代表の起業背景についても教えていただけますか?

鈴木さん

代表の三浦(代表取締役の三浦尚記さん)は大学を中退し、社会人としても早期離職を経験し、家業を継ぐことにも抵抗を感じていたため、職歴を築けずにいました。その後、自分で会社を興し、自分と同じように大学をドロップアウトした人やキャリアが短い人たちと一緒に仕事を始めたところ、学歴や経歴に関係なく、経験を積めば大手企業にも転職できるくらいのキャリアを築けることに気づきました。

そこで、中卒や高卒、大学中退などの若手人材を再生するプロジェクト「リバラボ」が誕生しました。

編集部

三浦さんが、働くために必要なのは学歴や経歴ではなく、経験だと実感されたことが、「リバラボ」開始のきっかけだったのですね。

鈴木さん

私たちは、過去がだめでも、自分自身と環境が変われば、「なりたいものになれる」可能性はある、と考えています。

そのため、「リバラボ」では選考時点で、その人が「どんな目的で働くのか」「どうなりたいのか」といったキャリアビジョンを一緒に考えます。選考段階から若者1人ひとりに担当者を付け、10時間くらいをかけてじっくり面談をしていきます。

編集部

「リバラボ」では選考の段階から、人の育成や教育が始まっているのですね。

入社4年目で部長に。スピード成長する20代社員たち

インタビューに答える株式会社3Backsの芝田さん
▲毎年のように昇進し、新しいことにチャレンジしている若手メンバー芝田さん

編集部

ここからは3Backsさんで働く若手社員の活躍についてお聞きしたいと思います。まずは芝田さんからご自身の経験をお聞かせいただけますか?

芝田さん

2019年6月に3Backsに入社し、人事部で面接官やダイレクトリクルーティングの仕事を担当しました。実績を認めてもらったことで、1年目で主任に、2年目で係長に就き、部下を持つ機会に恵まれました。その半年後には課長代理に昇進し、3年目には事業責任者として会社の立ち上げも経験しました。4年目の現在は人事部の責任者を務めています。

編集部

毎年のように昇進したり、新しいことにチャレンジされているのですね。ご自身が成長できた要因はどこにあるとお考えですか?

芝田さん

実は私は大学卒業後に就職した1社目を、3ヵ月で辞めてしまいました。でも、3Backsで今まで辞めずにいられるのは、1つは年2回の評価制度にのっとって目標と振り返りをしっかりやってきたこと、もう1つは上長たちが自分に対して真摯に向き合ってくれたことがあります。

私自身は入社した頃は本当にどうしようもないやつだったと思うのですが、上司たちが毎日というくらいの頻度で時間を作って向き合ってくれました。失敗することや、うまくいかなくて叱られることもありましたが、最終的にはどうやって良くしていくかを考える場でした。そこで、自分もその期待に応えてしっかりやっていこうという気持ちになりました。

編集部

「リバラボ」の事業でも1人ひとりに向き合う姿勢が伺えましたが、社内メンバーに対しても上長が向き合う環境があるのですね。

芝田さん

そうですね。「誰一人取り残さない」という考え方のもと、向き合ってもらえたと感じます。このくらい時間をかけて向き合わないと、人は変わらないんですね。逆を言えば、時間をかけて向き合うことで、人は変われると思います。私自身がそうだったので、今、仕事の中でも人と向き合うことは意識しています。

3Backsでは入社前からキャリアの作戦会議を行う

株式会社3Backsの若手メンバーの2人
▲3Backsさんでイキイキと働く中野さん(左)と同期の若手メンバー

編集部

中野さんは入社1年目とお聞きしましたが、3Backsさんの「人に向き合う文化」を感じていらっしゃいますか?

中野さん

はい。入社前の面接から感じました。先ほど、「リバラボ」の応募者とは1人10時間くらいかけて面談するという話がありましたが、私は目的がぼやっとしていたので、もっともっと時間をかけてもらいました。面接以外にも、キャリアの作戦会議のような形で、私を知る時間を作ってくれました。

編集部

入社前からキャリアの作戦会議をされたのですね。そこでは、どんなお話をされましたか?

中野さん

私も今は人事職をしていますが、元々は人事職志望ではなく、エンジニア職志望でこの会社に応募しました。前職はホテルマンでしたので、完全に未経験での応募です。そのため、なぜエンジニアを目指したいのかという動機を掘り下げるところから始まり、小学校からの人生や背景をすべて聞き出してもらいました。

振り返ってみると、私自身は小学校1年生から塾に入れてもらい、親からは「教員になりなさい」と言われ続け、その道をたどってきました。波風の立たない人生でしたが、自分で目標やなりたい姿を考えてこなかったため、「こんな功績を残してきた」とか「これには自信がある」とか言えることがまったくありませんでした。

つまり、「自分が何者でもないこと」を教えてくれたのがこの会社でした。未経験からのエンジニア転職でしたので、他社さんであればこの「何者でもない私」は選考過程で不採用になることが多く、実際に30社くらいの書類選考に落ちました。しかし、「何者でもない自分」を最後まで見捨てないでいてくれたのが、3Backsでした。

編集部

入社前からじっくりと向き合ってもらえた経験は、今のお仕事でもモチベーションになっていますか?

中野さん

はい。入社前からキャリアビジョンが築けたことで、自分がやっている業務が自分の人生の何につながっていくのか、どんな自分になるためにやっているのかが明確なので、仕事はとても充実しています。

3Backsに入って感じるのは、「できるよ、できるよ」と人の背中を押すことだけではなく、人のできていないところまで目を向ける文化です。できないところを誰よりも見てくれる会社ですし、できるようになるまで時間を割いてくれます。

今、学歴や職歴に自信がない方たちと接していると、自分で天井を決めてしまっている方や、できないと決めてしまっている方も多いです。しかし、それは違うんだよということを、私も時間をかけて向き合いながら伝えていきたいです。

編集部

先ほど「何者でもない自分」からスタートしたというお話がありましたが、中野さんは仕事を通じて今は「何者かになれそうな手ごたえ」を感じていらっしゃいますか?

中野さん

なれそうです。いや、「なる」と決めています。「なる」と決めているので、あとは先輩や上司の助言をもらいながら、積極的に何者かになりにいくだけです。

編集部

力強い言葉をいただきました!3Backsさんが事業においても社内の人材育成においても大切にされていることが伝わってきました。

株式会社3Backsメンバーの仕事風景
▲3Backsさんでは「できないところ」も含め、1人ひとりに向き合う文化がある

年齢・性別・学歴は関係なし。「やり切る覚悟」のある人を求む

株式会社3Backsの若手メンバーたちの仕事風景
▲3Backsさんでは20代の若手がたくさん活躍している

編集部

3Backsさんはこれからの成長フェーズに向けて各ポジションで採用を強化されています。最後に鈴木さんから、こんな方に来てほしいというメッセージをいただけますか?

鈴木さん

代表の三浦は大学中退や早期離職で藻掻いた1人ですが、今は180名を超える従業員を抱える組織のトップを務めています。私自身も大学を途中で辞めてしまった1人ですが、今はこのような役回りをさせてもらっています。つまり、最初は「何者でもない自分」であっても、可能性は無限です。

必要なのは、やり切る覚悟です。自分が望むことをやり切るぞという覚悟です。高い望みを実現するためには、そのプロセスで環境や変化に適応し、自分自身が成長することが大事になってきます。この成長を支えるのが弊社の役割です。

低学歴や年齢や性別は関係ありません。やり切る覚悟を持ってきてほしいです。やり切る覚悟があれば、とんでもない野望でも達成できます。

編集部

熱いメッセージをありがとうございました。

3Backsさんは20代の若手が多数活躍する環境のため、社員同士の距離が近く、オープンなコミュニケーションが図られているようです。また、芝田さんや中野さんのようにスピード成長する若手社員もたくさんおられます。

成長中の会社とともに、自分自身も成長したいと考えている方は、ぜひ採用ページをご覧ください。

鈴木さん、芝田さん、中野さん、本日はありがとうございました!

■取材協力
株式会社3Backs:http://3backs.com/
採用ページ:http://3backs.com/recruit/