最先端テクノロジーで「1」を「10」に。ワントゥーテンの若手が躍動する働き方

先進的な働き方や特色あるカルチャーを掲げる企業を紹介するこの企画。今回は、XRやAI等の先端技術で社会課題の解決に取り組むクリエイティブコンサルティング企業「株式会社ワントゥーテン」を取材しました。

株式会社ワントゥーテンとは

ワントゥーテンでは、デジタル技術を使ったサービス開発や体験コンテンツの制作を行っています。その中で、日本の伝統文化やスポーツをアップデートするプロジェクトや、デジタルツインとAIエージェントの総合ソリューションの開発などにも取り組んでいます。実績は国内にとどまらず、海外でも成功を収めています。

会社名株式会社ワントゥーテン
住所京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地COCON烏丸4階
事業内容デジタルコンテンツの企画、制作
設立2009年7月
公式ページhttps://www.1-10.com/
働き方リモート勤務、フレックス制度採用

社内には、職域を横断して社員同士が情報を交換する文化が根付き、他職種出身者でも活躍できるサポート体制も整っています。また、空き時間を活用して興味のある開発や勉強に打ち込める制度も設けられています。

今回は、そんなワントゥーテンの事業推進部に所属するビジネスプロデューサーの鈴木貴子さんと、アカウントコンサルティングの花井晶子さんに、会社の事業内容や魅力、カルチャーについてお話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
ワントゥーテン事業推進部の鈴木貴子さん

株式会社ワントゥーテン
事業推進部
ビジネスプロデューサー

鈴木 貴子さん

ワントゥーテン事業推進部のアバター姿の花井晶子さん

株式会社ワントゥーテン
アカウントコンサルティング

花井 晶子さん

AI、XRなどの最先端技術で社会や企業の課題を解決

ワントゥーテンが企画した没入型アート体験イベント「二条城夜会」
▲ワントゥーテンが企画した世界遺産・元離宮二条城での「夜会」。二条城がライトアップや床へのプロジェクションマッピングで幻想的に彩られている

編集部

まず最初に、ワントゥーテンさんの事業内容をお聞かせいただけますでしょうか?

花井さん

クリエイティブコンサルティング会社であるワントゥーテンは、本社を構える京都と東京の2拠点で業務を行っています。DXや地方創生、インバウンド、SDGsといった社会課題、クライアントの課題を解決するためにさまざまなデジタルの知見を用い、独自のコンテンツやソリューション、プラットフォームを提供しています。

「1→10」と書いてワントゥーテンと読むのですが、我々が得意とするのは、既存のコンテンツの魅力が「1」だとしたら、そこにデジタルの付加価値を加えて「10」にすることです。特に、AIやVRをはじめとしたXRは、現在のように世間に流行する前から先進的に活用していたので、業界でも最新の知見を持っていると自負しています。

編集部

具体的には、どのようなプロジェクトを手掛けてこられたのですか?

花井さん

自社事業の一つに「JAPANESQUE PROJECT(ジャパネスクプロジェクト)」があります。日本文化の「1」に、先端テクノロジーを掛け合わせて「10」とするべく、企業様や行政様と一緒にナイトタイムエコノミーやインバウンドといった課題に向き合っています。

これまでの企画では、日本の旧跡・名跡で飲食と掛け合わせながらライトアップやプロジェクションマッピングなどでカスタマイズする「夜会」というイベントコンテンツや、金魚すくいや花火など日本各地の伝統文化・伝統の遊びにデジタル技術を加えて新しい体験をつくりだす「縁日」、デジタルアートや最新MR技術と日本文化を融合させた体験施設「出島」などがありました。

また、パラスポーツを多くの人に知ってもらうことを目的に、競技にデジタルの要素を加えた「CYBER SPORTS(サイバースポーツ)」というプロジェクトも展開してきました。

ワントゥーテンが開発した「CYBER WHEEL X」
▲ワントゥーテンが開発した「CYBER WHEEL X」

花井さん

「CYBER SPORTS」には、パラスポーツのボッチャにセンサーやプロジェクションマッピング、LED演出を加えた「CYBER BOCCIA(サイバーボッチャ)」、車いす型VRレーサー「CYBER WHEEL X(サイバーウィルエックス)」などがあります。

編集部

鮮やかな演出が本当に素敵ですね。デジタル技術によりイベントや文化、競技の魅力がより一層引き出されているように感じます。

海外の大型イベントからIoT文具の開発まで。デジタル技術を多分野へ展開

編集部

クライアントの課題を解決するという受託事業は、どのようなものを手掛けているのでしょうか?

花井さん

元々はウェブサイト制作会社として始まったことから、Webコンテンツの制作やPRを受託しつつ、映像やハードウェアの制作もしています。シンガポールやバンコクといった海外へも展開していて、シンガポールのセントーサ島ではビーチ約400mにプロジェクションマッピングを敷設しました。

ワントゥーテンがセントーサ島で展開した「MAGICAL SHORES at SILOSO」
▲ワントゥーテンがセントーサ島で展開した「MAGICAL SHORES at SILOSO」。鮮やかな光や霧の演出、砂浜のライトインタラクションなどにより、イマーシブな空間を体験できる(公式サイトより引用)

花井さん

ここでは、より多くの地元住民に訪れてもらいたいという要望を受けていたので、毎夜、演出が変わる環境AIを弊社で開発しました。流れる音や映像が、その日の天候や人の密度に応じて変化し、別の日の同じ時間に来ても、毎回異なる演出が楽しめるような仕組みにしたんです。

他にも、ドバイ万博日本館のデジタルシフト施策の企画製作や、大阪・関西万博のデザインシステムを担当させていただいたりもしました。

ワントゥーテンがサポートした2020年ドバイ国際博覧会の日本館の展示
▲2020年ドバイ国際博覧会で日本が出展した「日本館」の展示。ワントゥーテンは、バーチャル日本館およびパビリオンのデジタルシフト施策を担当した

花井さん

ハードウェアの制作で言うと、コクヨさんが発売しているIoT文具「しゅくだいやる気ペン」のプロトタイプの開発に参画しました。鉛筆に装着するアタッチメントで子どもの筆記量を計測し、それをアプリで可視化できる仕組みです。

以上のように、業務内容は多岐にわたり、デジタルの知見を使う分野は一通り関わっています。クライアントが伝えにくいこと、表現しにくいことを我々がデジタル技術で具体化するイメージを持って事業に臨んでいます。

メタバースでデジタルとリアルを融合させ生活をより豊かに

編集部

ワントゥーテンさんが今、力を入れている事業の一つとして「QURIOS(キュリオス)」という取り組みがあると聞きました。詳しくお聞かせくださいますでしょうか?

鈴木さん

QURIOSは、ワントゥーテンが次世代型メタバースとして独自に開発したソリューションです。2025年の大阪・関西万博でも注目されているように、弊社もデジタルとリアルの融合、メタバースの活用でより豊かな生活の実現を図っています。

ワントゥーテンが開発した統合ソリューション「QURIOS」のイメージ
▲ワントゥーテンが開発した「QURIOS」。リアル参加者とバーチャル参加者がアバターを介して交流できる

鈴木さん

QURIOSを利用し、位置情報を共有する仕組みを使うと、リアル空間で参加している人と、バーチャル空間で参加している人が、同じ場所で互いの姿を確認しながらコミュニケーションを取れるようになります。

この技術を応用すれば、社会課題についてバーチャル側でシミュレーションし、リアル側にフィードバックすることもできます。そこにAIを絡ませることで、シミュレーションの精度を上げたり、人ができない分野をまかなったりすることも可能です。そうして、よりよい生活の実現、リアルの拡張を目指していきます。

職域を横断したコミュニケーションで情報を綿密に共有

ワントゥーテンのオフィス内観

編集部

非常に魅力的な事業を手掛けているワントゥーテンさんですが、様々な専門性を持ったスタッフが同居する、職域を横断したコミュニケーションが根付いているそうですね。

鈴木さん

私は、今ほど紹介したQURIOSの事業担当を務めているのですが、所属するチームのメンバーには、開発に携わるエンジニアやデザイナーが多く入っています。

他社だと外注などを介する場合もあると思うのですが、弊社はプロジェクトに携わる多職種のメンバーが一堂に会しているので、職種をまたいだ疑問があっても、隣にいる人に声をかければすぐに回答が返ってくるような環境です。専門的な回答を瞬時に得られることから、仕事にスピード感があり、とても進めやすいです。

花井さん

営業側としては、弊社の提案一つ一つにはそれぞれ特色があると感じています。ベースがありつつもクライアントの企業様ごとにカスタマイズしたり、オーダーに応じた提案をしたりできるんです。

私達も「この企業様には、こんな仕様にした方がいいよね」といったアイデアを出すこともありますが、そういった話も社内のエンジニアをはじめ、異なる部署の人たちとフランクに意見を交換しながら進められます。そこから生まれるレスポンスの速さが、お客様がリピーターとなってくれていることに繋がっている印象があります。

編集部

事業部、エンジニア、デザイナーといった職種間の垣根が低く、情報共有がしやすい空気があるんですね。

鈴木さん

そうですね。ミーティングにも社員は積極的に参加しています。10分でも20分でも情報を共有した方が早い話については、社内ですぐミーティングを開催しています。新しい分野にチャレンジするケースだと、関連する知見を集めた勉強会もよく実施します。お互いに分からないことを積極的に聞き合える環境にありますね。

編集部

職種による考え方や違いなどからコミュニケーションの壁を感じることはないのでしょうか?

鈴木さん

それは感じません。こちらは技術的なことは分からないので積極的に聞かせてもらいます。逆に、エンジニアサイドからは「それをクライアントに提案するには、どう進めたらいいですか」と質問されることもよくあります。びっくりするくらい前のめりですね。

柔軟な勤務時間の調整でプライベートを確保

ワントゥーテンのオフィス内観

編集部

ワントゥーテンさんの社員の方々はどのような働き方をしているのでしょうか?

鈴木さん

今は、1週間のうち、3日間が在宅、2日間が出社となっています。フレックス制度も採用しているので、例えば「昨日は22時まで働いたから今朝はゆっくり出勤して、夜も早めに終わろう」といったこともできます。

私は、ワントゥーテンで働く以前は「仕事を優先しながら、プライベートの時間をどう確保するか」という考え方だったんです。でもこの会社では「今週は、プライベートの時間もこれだけ確保したいから、こう働こう」という逆算ができるようになりました。これまでの働き方と比べると、充実度がすごく増しましたね。

編集部

具体的に、以前はできてなかったことができるようになった事例があれば教えてください。

鈴木さん

私は、もともと好きなのもあるのですが、仕事に役立てるためにもゆっくりゲームで遊びたいとか、動画をひたすら見たいとか、色々やりたいことがあるのですが、前職では家に帰ったら21時くらいで、お風呂に入ったらその日は他に何もできず、翌日また遅くまで仕事をするという生活でした。

ワントゥーテンでは、さきほどお伝えしたように、働き過ぎた次の日や週は仕事を早く切り上げて、19時には帰宅できます。在宅勤務では通勤時間もなく、18時で仕事が終わればそれ以降は自由です。そうしてつくった時間で、仕事終わりのコミュニケーションもできるし、家でひたすらゲームをすることもできるようになりました。

編集部

花井さんはいかがでしょうか?

花井さん

夜にジムに通えるし、勤務中の中抜けもできます。自己管理さえできていれば、一定の自由があると感じています。

編集部

社員に裁量のある働き方が実現しているのですね。

鈴木さん

社内のみんなが集まる定例ミーティングには出席する必要がありますが、スーパーフレックスに近い働き方になっていますね。営業なら、日中はクライアント向けにスケジュールを空けて、その前後で勤務時間をうまく調整しています。

編集部

出産や子育てを経て働かれている社員さんもいると思いますが、産休・育休の取り方や、時短勤務についてはどのようになっていますか?

鈴木さん

弊社では女性はもちろん、男性でも仕事を早めに切り上げて子どものお迎えに行ったり、休みを取って家族との時間をしっかり作ったりと、うまくやりくりしていると思いますね。みんながそのようにサポートしています。いい意味で男女の分け隔てもないと感じますね。

編集部

年齢や性別に関わらず、安心して伸び伸びと働ける環境が整っているのですね。

他職種出身者も活躍。手厚いサポート体制が根付く

編集部

ワントゥーテンさんではさまざまな職種出身の方々が活躍していると聞きました。鈴木さん、花井さんの入社の経緯を伺ってもよろしいでしょうか?

鈴木さん

私はゲームが好きで、メタバースにすごく興味があったんです。入社以前は別業種で事業推進の仕事に当たっていたので、それをメタバース業界で役立てたいと思い、入社を決めました。

編集部

現在はビジネスプロデューサーという責任ある立場を任されていると思うのですが、そこに至るまでの道のりはどのようなものだったのでしょうか?

鈴木さん

苦労はありましたが、エンジニアさんやデザイナーさんが全面的にサポートしてくれたのが大きかったです。入社当初から新規事業の立ち上げに関わり、右往左往しながらリリースまでこぎつけていました。

そんな中でエンジニアさんやデザイナーさんは、受けた仕事をこなすだけでなく、プラスアルファのアイデアを出してくれました。それが、私が持っていない視野を補ってくれたり、より知識を深めさせてくれたりしました。おかげで成果を出してこられたと感じています。

編集部

周囲の方々が非常に協力的なのですね。花井さんはいかがですか?

花井さん

私は前職ではどちらかというと既存のもの、サービスとして確立しているものを販売する営業をやってきました。一方、ワントゥーテンでは、既存のものをさらにより良くする提案をしていく側面が強く、プロトタイプや新たな事業の提案もできるイメージがありました。その知見を得ることで、私の営業スキルもさらに伸ばせる会社だと思い、入社しました。

編集部

ワントゥーテンさんではご自身がより成長できると感じたのですね。入社後、どのような努力をしてきたのでしょうか?

花井さん

私が入社した時期は出社がほぼない状況だったので、誰に仕事を教わればいいか分からなかった部分は、率直に言うとありました。

同じ部署の人にはいろいろ質問できましたが、他部署に関わる分野では誰に聞いたらいいか分からないし、ゼロからテキストで学ぶ必要もあって、すごくハードでした。そういった最初の苦労はありましたが、そこが一旦クリアになると仕事が軌道に乗った感覚はありました。

なので、自ら情報を収集し、学び、周囲に追いついていこうとする姿勢は必要だと感じます。それさえあれば、エンジニアや上司も協力的な人が本当に多いので、遠慮せずにわからないことを訊ねていけば成長していけるはずです。

興味ある開発を会社公認で。若手活躍を促す「シード」制度

編集部

ワントゥーテンさんには、若手が活躍できるような環境や制度はありますか?

鈴木さん

弊社には、プロジェクト以外の時間を活用して、各個人の興味がある開発や勉強に会社公認で取り組める「シード」という制度があります。それを利用して、若手のエンジニアやデザイナーが、それぞれのやりたいことを具現化したり、事業部側にどんどん意見を出したりしています。

1→10 lab(ワンテンラボ)」という会社のブログがあるのですが、そこではシードから生まれたアイデアも含め、社員が研究したり、実装したりした技術をまとめて紹介しています。自分の好きなもの、形にしたものを、「ワントゥーテンの誰々」というより「個人」が考案したものとして、社外の多くの人たちに伝えられます。

もちろん、社内でも発表会やプレゼンができます。個々が勝手にいろいろ試してみる感覚で知識もたまっていくので、面白い取り組みだと感じています。

編集部

それはモチベーションが上がりそうですね。若手で管理職のようなポジションに就く方もいるのでしょうか?

鈴木さん

30代前半でチームリーダーやマネージャーに就いている社員はいます。ただそれ以前に、プロジェクトチームに入ったら、自分の領域のプロとしてチームを動かしていくこともあります。入社してすぐに自分の意見を言いながら周りを巻き込み、プロジェクトが形になる様子を見ることができます。そこでは肩書きや役職は関係ありません。

編集部

若手の方々も、早々に力を試すことができるのですね。モチベーションが高く自発的に動ける方にとっては、すごく適している環境だと感じました。

■「1→10 lab(ワンテンラボ)」はこちら!
https://labs.1-10.com/

チャレンジ精神旺盛な人材を歓迎

ワントゥーテン事業推進部の鈴木貴子さん(右)とアバター姿の花井晶子さん

編集部

最後に、ワントゥーテンさんに興味を持った読者の方にメッセージをいただいてもよろしいですか?

鈴木さん

会社の行動指針には、代表の口癖でもある「それっておもしろいの?」というキーワードがあり、それに共感している社員が多いと感じています。さきほどお伝えしたように、私もメタバースに興味があって入社しましたが、最初はなんの知識も経験もありませんでした。それでも今、事業の推進を任せてもらっています。

チャレンジ精神のある方にはすごく向いていて、楽しめる会社だと感じます。職種を越えたサポートも充実しているので、助けをもらいながらも果敢にチャレンジしてほしいと思います。

編集部

社員の皆さんが社会をより魅力的にしていこうという心構えを持ち、積極的に挑戦していく姿勢があることが強く伝わってきました。本日はありがとうございました!

■取材協力
株式会社ワントゥーテン:https://www.1-10.com/
採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/1-10design