サマンサ・ホームステージングを支える女性メンバーの多様な働き方と「感謝」の姿勢とは

企業の成長を支える女性活躍にスポットを当て、成長理由を探るこの企画。今回は不動産売却のための空間演出サービス「ホームステージング」の普及を目指す、株式会社サマンサ・ホームステージングを取材しました。

株式会社サマンサ・ホームステージングは、2011年創業のホームステージング専門会社です。「ホームステージング」とは、一戸建てやマンションなどの不動産を、「ここに住みたい」と思ってもらえるような空間にコーディネートする、販促支援サービスです。

何もない殺風景な空室や、生活感漂う部屋を、魅力的に演出する適切なホームステージングにより、反響や内覧の増加、決断の後押し、早期成約、値下げ防止などの効果が期待できます。

ホームステージングを日本のスタンダードにすることをミッションに掲げる株式会社サマンサ・ホームステージングは、これまで日本全国で年間約11,000件の空間を演出。首都圏や関西を中心に事業規模が急成長しています。

そこで今回は、その成長要因を探るべく、取締役兼社長室室長の立石さんにお話を伺いました。

本日お話を伺った方
株式会社サマンサ・ホームステージング取締役兼社長室室長の立石さん

株式会社サマンサ・ホームステージング
取締役兼社長室室長

立石さん

「ホームステージング」を日本のスタンダードにすることが使命

株式会社サマンサ・ホームステージングが提供する「空室ホームステージング」サービスイメージ

編集部

日本ではまだそれほど認知されていない「ホームステージング」ですが、ホームステージングの実情や、サマンサ・ホームステージングさんの強みについてお聞かせください。

立石さん

ご指摘いただいた通り、ホームステージングやホームステージャー(※)は日本ではまだ認知度が低く、不動産マーケティング手法としても浸透していないのが現状です。私たちはホームステージングを日本で当たり前の言葉にまで浸透させることを使命とし、事業を展開しています。
(※)ホームステージャー:不動産売却や賃貸をする際に、物件の魅力を最大限に引き出すことを目的に、家具や小物を使って空間のインテリア演出を行う専門家

家具やインテリア用品の小売大手や、通販カタログを運営する企業などがホームステージング業界に参入するなど徐々に同業が増えているなか、当社の最大の強みは、空室物件のみならず、居住中の住まいにもホームステージングによる「魅せる」空間演出ができることです。

当社同様に、居住中のホームステージングを請け負う企業様も存在しますが、本業から枝分かれをした状態で参入していることがほとんどです。ホームステージングが本業ということも当社の強みの1つです。

編集部

ホームステージングという考えが生まれた背景、歴史についてもお聞かせいただけますでしょうか。

立石さん

1970年代頃からアメリカを中心に広がったホームステージングの背景には、欧米では、中古物件の販売・購入が日本よりも盛んであることが関係していると思われます。欧米の場合、日本とは異なり、築年数と共に建物の価値が上がります。そのため、家はライフステージに合わせて住み替えるのがスタンダードとなっています。

一度購入した家を終の住処として20年、30年と住み続ける価値観は希薄で、そういった生活文化もホームステージングの定着につながったと思われます。

編集部

中古物件を購入する場合、日本では生活イメージがわかない空っぽの状態で内覧することがほとんどですが、ホームステージングをすることで、新生活のイメージが具体化されるというわけですね。

居住中でもOK。売却をスピーディーにするホームステージング

株式会社サマンサ・ホームステージングのオフィス内にあるカフェスペース

編集部

サマンサ・ホームステージングさんが提供するホームステージングの最大のメリットはどこにあると思われますか?

立石さん

最大のメリットは、スピーディーな売却です。例えば、居住中の住まいを売却したいと考えた場合、当たり前のことですが撮影した写真には生活感が出てしまいますよね。キッチンが煩雑だったり、クローゼットの洋服の整理整頓ができてなかったりなど、そのままでは生活感のある空間ばかりに目がいってしまい、日当たりや間取り、動線など、物件本来の良さが伝わりにくくなります。

お持ちのインテリア小物をお借りしてモデルルームのように飾り付けをするホームステージングをすることで、生活感を抑えながら“お部屋をスッキリさせましょう”とするのが当社の「居住中ホームステージング」です。内覧の方に新しい生活をイメージしていただくことで、早期売却をサポートします。

編集部

居住中の住まいをホームステージングする際のポイントを教えていただけますか?

立石さん

居住中の場合、生活感を無くし写真映えさせることを目的としてます。本棚の本の高さを揃えたり、テーブルの上にあるものを本来の場所に戻したりなど、いわゆる“お片付け”を行った後、ご自宅にあるものや、私どものホームステージャーが持参した小さなグリーンでコーディネートをし、整理整頓が行き届いたおしゃれな空間をプロのカメラマンが撮影します。

大きな可能性を秘めた専門職「ホームステージャー」

編集部

まさにホームステージングのパイオニアと言えるサマンサ・ホームステージングさんですが、その成長を支えているのがホームステージャーをはじめとしたスタッフのみなさんだと思われます。ホームステージャーの仕事内容について教えていただけますでしょうか。

立石さん

ホームステージングは、物件をモデルルームのように演出することですが、ただ片付けて飾り付ければいいというわけではなく、魅力を引き出すための専門的な知識と技術が必要です。プロのホームステージャーによるホームステージングを施した物件と、そうでない物件では、売却までのスピードはもちろん、販売価格にも差が出るといわれています。

ホームステージャーという職業は、知名度こそまだ低いものの、今後、既存物件の売買が活発になるであろうと予想される日本においても、欠かせない存在となりつつあります。

編集部

ホームステージャーとして活躍するための教育制度はありますか?

立石さん

当社では「ホームステージャー」の育成に力を入れており、ショールームでの作業練習や動画講習など、さまざまな研修プログラムを用意しています。

また、教育を専門に行う部門は、ホームステージャーの教育・研修や、新入社員の雇い入れ研修からオンボードまでのメンター的役割を担います。この部門があることで、初心者でも安心して活躍することができ、品質向上やビジョンの浸透を実現しています。

子育て世代も活躍。多様な働き方ができるサマンサ・ホームステージング

株式会社サマンサ・ホームステージングの経営会議の様子
▲経営会議はオフィス勤務・リモートワークのハイブリッドで実施している

編集部

サマンサ・ホームステージングさんでは、どのような方がホームステージャーとして活躍されているのでしょうか。

立石さん

創業当時は子育て中のママが多く、子供を保育園に送り、お迎えまでの時間に仕事をするといった、隙間時間で働くスタッフが多かったように思います。「フルタイムはまだ無理だけれど、ちょっと仕事がしたい」というニーズに対し、先駆的な取り組みをしたのが当社だと自負しています。

時代の流れと共にライフスタイルが多様化し、フルタイムで働きたい方が増えている昨今、そのニーズにも、ホームステージャーという仕事がうまくはまったと分析します。

代表の大西が社員によく話すのは、「日本のGDPを上げる」という目標です。GDPを上げるためには、働く人や、得られる収入が増え、使うお金が多いという循環が基本になります。多様な働き方ができ、仲間が増えたことに日本経済への貢献ができているように感じています。

全国からのジョインOK!柔軟な働き方を選択できる環境

株式会社サマンサ・ホームステージングのオフィス

編集部

多様な働き方に対し、サマンサ・ホームステージングさんでは会社としてどのように対応されているのでしょう。

立石さん

当社には時短勤務や在宅勤務など、さまざまな働き方をしているメンバーも多く、在宅勤務の社員は全国からジョインしています。入社当初は出社勤務だったけれど、家庭の事情で実家での在宅に切り替えるといったライフステージの変化に合わせた働き方の変更について申し出があった際も相談に応じています。

社員の9割が女性ということもあり、子供の面倒をみながら在宅勤務をする文化が根強く、夕方の子供のお迎えの時間に中抜けをし、その後、1日の仕上げに仕事を再開するケースもあります。

また、組織の一体感を失わないため、月1回の経営会議は経営メンバーだけではなく社員ならだれでも自由に参加できるオープンディスカッション形式を採用しています。東京本社の会議室とSlackハドルを組み合わせたハイブリッドで開催しているので、全国から社員が参加しています。

編集部

働きたいというニーズに対し、さまざまな働き方の選択肢を与えることで、メンバーは柔軟な働き方ができるというわけですね。

サマンサ・ホームステージングの笑顔と感謝があふれた社風

笑顔で話す株式会社サマンサ・ホームステージングのメンバー

編集部

次に、サマンサ・ホームステージングさんの社風について伺います。会社の雰囲気など、どのように感じていますか?

立石さん

勤務形態に左右されることなくそれぞれに自分の仕事を真剣にやる雰囲気がすごくあると感じます。

また、笑顔が絶えないことも特徴のひとつです。当社がビジョンに掲げる「人の役に立ち、世間の役に立ち、自らの力になる」という考えも浸透していると思います。質問をされたら仕事の手を止めて応じたり、誰かが困っていたらすぐに手を差し伸べるなど、社として徹底しています。

編集部

在宅勤務が多くなると、社員間のコミュニケーションが希薄になりがちですが、工夫されていることはありますか?

立石さん

地方に移住して完全リモートで働く社員には、ご家族に負担をかけない範囲(月1回程度)で宿泊付きで本社勤務してもらっています。また、普段のコミュニケーションはSlack上で行ったり、WEB会議や電話などオンラインのツールをうまく使いながら積極的にコミュニケーションを取るようにしています。

この他にも、ランチ代を会社が補助して、他部署とのシャッフルランチ会開催を応援したり代表の大西がおいしいお菓子を探しては差し入れしてくれることも、円滑なコミュニケーションにつながっていると感じます。みんなが真剣に打ち込んでくれるからこそ、上の者が“おふざけ”を持ち込んでくる朗らかな雰囲気を作り出せるのかもしれません。

“ありがとう”を直接伝える社内イベント「感謝祭」

編集部

これまでのお話から、風通しの良いフラットな社風であることが伺えるサマンサ・ホームステージングさんでは、社内イベントなどは開催されているのでしょうか。

立石さん

年に一度、全国各地で働いているスタッフに、メールや電話ではなく直接感謝の気持ちを伝えるために全国のスタッフが一堂に会する、感謝祭というパーティを行っています。

感謝祭では、日頃は顔を合わせることの少ない社員からスタッフへの感謝の気持ちを直接伝えたり、スタッフ同士の交流の場となったり、終始笑顔が満ち溢れていました。

また、感謝祭を通じてスタッフのご家族やお子さんに会社の雰囲気やスタッフに対する当社の姿勢へのご理解や安心をしていただくことも大切にしています。このような取り組みを通し、女性活躍や、女性の社会進出につなげていきたいと考えています。

“あったらいいよね”の、実現に向けて取り組む「横断プロジェクト」

株式会社サマンサ・ホームステージングが自社開発したホームステージング専用フレグランス
▲自社開発のホームステージング専用フレグランス。営業やバックオフィス、デザイナー、広報など、あらゆる人材がスキルセットを活かして効率的な開発を実現。

編集部

サマンサ・ホームステージングさんのビジョンである、「人の役に立ち、世間の役に立ち、自らの力になる」という考えを体現しているエピソードなどがあればぜひ、お聞かせください。

立石さん

雑談の中で生まれた「こういうことがあったんだけど、何かに活かせないかな?」というような提案を、実現に向けて取り組む「横断プロジェクト」が挙げられます。写真の「ホームステージング専用フレグランス」の開発もそうですが、最近ではお片付けと社会貢献を同時に実現する「古着deワクチンまごころプロジェクト」に参画しました。

古着を回収して専用回収袋で送ると、1袋につきポリオワクチン5本が世界のこどもたちに寄付されるというこのプロジェクトへの参画は、「服を処分したいけれど、フリマアプリに出したり古着屋さんに持って行ったりするのは面倒だし、世の中に対して何か役に立つことはできないかな?」という雑談から実現しました。

居住中ホームステージングを利用されるお客様には、引っ越しを機に荷物の整理をされる方が多くいらっしゃいます。「古着deワクチンまごころプロジェクト」をご案内することで社会貢献をしながら不要な衣類を処分することができます。このような取り組みを通じて持続可能な社会の実現に向けた活動を積極的に展開しています。

編集部

ホームステージングを通じて、引っ越しや整理・整頓などの暮らしをサポートするサマンサ・ホームステージングさんならではの取り組みと言えますね。

サマンサ・ホームステージングから読者へのメッセージ

編集部

最後に、読者の方にメッセージをお願いいたします。

立石さん

サマンサ・ホームステージングは、大切にしているビジョン「人の役に立ち、世間の役に立ち、自らの力になる」のもと、ホームステージングのリーディングカンパニーとして「ホームステージングを、日本のスタンダード」にすべく日々奮闘しています。

私たちが実際にどのように働いているか知りたいという方がいらっしゃったら、会社の雰囲気をお伝えするブログも公開していますので、是非ご覧ください!

■サマンサ・ホームステージングのブログはこちら(公式サイト内)
https://samantha-hs.com/useful/category/homestaging-blog/

わたしたちと一緒に成長し、輝き続けたい方のご応募をお待ちしております!

編集部

ブログを拝見すると、メンバーの皆様のキャリアを含めた体験談やオフィスの日常がわかるので、会社のカルチャーが知りたいという方はすごく参考になると思います。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

株式会社サマンサ・ホームステージングの基本情報

住所 東京都江東区富岡1丁目12-8 アサヒビル 2階(東京本社)
事業内容 ホームステージング業務、撮影、引越及びリフォームなどの梱包開梱業務、各種物販及びリサイクル業務等
設立 2011年8月
働き方 オフィス勤務、完全フルリモート、ハイブリッド勤務(出社+リモートワーク)、時短勤務などから選択
※部署によって選択範囲が変わります
公式ページ https://samantha-hs.com/
採用ページ https://samantha-hs.com/recruit/