株式会社コーセーの社員が語る「商品企画の醍醐味」と「海外勤務も可能なキャリアの自由度」

若手社員が生き生きとしている会社に、その背景にある制度や取り組みをお聞きしていくこの企画。今回は、言わずと知れた大手化粧品メーカー、株式会社コーセーに話を伺いました。

同社は、現在、『コスメデコルテ』『雪肌精』『ヴィセ』など35のブランドを保有し、68の国と地域で展開しています。化粧品専門店、百貨店、量販店、ドラッグストアなど、さまざまな流通チャネルでお客さまに化粧品をお届けしています。

また、近年は「世界で存在感のある、究極の高ロイヤルティ企業」を目指して、新たな「お客さまづくり」のキーワードに、グローバル(Global)・ジェンダー(Gender)・ジェネレーション(Generation)のそれぞれの頭文字をとった3Gをテーマに、性別や年齢に捉われず、より幅広い人々に寄り添いながら顧客の創造に取り組んでいます。

そんな同社ではさまざまな職種の社員が裁量を持って活躍しており、重要なプロジェクトで大きな成果をあげているのだそう。

そこで今回は、コンシューマーブランド事業部で商品企画を担当する藤田さんと、コーセートラベルリテール株式会社で海外免税営業を担当する宮本さんにインタビューし、社員が活躍できる環境や、その事例などについて教えていただきました(2024年7月のインタビュー時点)。

本日お話を伺った方
株式会社コーセーコンシューマーブランド事業部の藤田麻友香さん

株式会社コーセー
コンシューマーブランド事業部
商品企画担当

藤田麻友香さん

コーセートラベルリテール株式会社営業部の宮本貴哉さん

コーセートラベルリテール株式会社
営業部トラベルリテール営業課
海外免税営業担当

宮本貴哉さん

『ヴィセ』ブランドの商品企画を一手に担う藤田さん

株式会社コーセーで商品企画を担当する藤田さん

編集部

藤田さんは中途でコーセーさんに入社されたと伺っていますが、入社のきっかけや現在担当されているお仕事についてお聞かせください。

藤田さん

私は2018年に新卒で広告系の会社に入社し、2020年の8月にコーセーへ転職しました。社会人としては今年(取材した2024年時点)で7年目になります。

もともと化粧品に興味があったので、化粧品の事業会社で仕事がしたいという想いを持っていました。特にコーセーの商品は母も私も大好きでよく使っていましたし、品質面での信頼も高く魅力的だったので、応募してみることにしたんです。

最初は宣伝系の職種に応募したのですが、面接を受ける段階で「商品企画の方が向いてそうだ」と提案してくださって、ぜひチャレンジしてみたいと思い入社を決めました。

現在はコンシューマーブランド事業部の商品企画課に所属していて、ドラッグストアなどで販売している『ヴィセ』というブランドの商品企画を担当しています。

編集部

『ヴィセ』を担当しているチームのメンバーは何人くらいいるのでしょうか?

藤田さん

実際に商品をお届けするまでには開発、研究、設計、生産、宣伝などさまざまな部門のメンバーが関わりますが、商品企画に関しては、上司やメンバーのサポートをもらいながら私が担当者として全てを切り盛りしています。

入社したときに「こんな大きなブランドを私が全て受け持つなんて」と驚きましたが、裁量を持ってブランドを作り上げることができることにとてもやりがいを感じています。

作りたいものにとことんこだわった商品が大ヒット!社長賞を受賞

株式会社コーセーの藤田さんが社長賞を受賞した際、全社に向けて事例を発表したときの様子
▲藤田さんは社長賞を受賞した際、全社に向けて事例を発表した

編集部

これまでのお仕事の中で印象的だったものがあればご紹介いただけますか?

藤田さん

『ヴィセ』の「ネンマクフェイク ルージュ」というリップの商品企画を担当したのですが、有り難いことに大きな反響をいただきました。コロナ禍で低迷していたリップの実績回復に寄与したことが評価されて、社長賞をいただくこともできました。

長い時間をかけてチーム一丸となってさまざまな壁を乗り越えながらやり遂げた商品だったので、本当に嬉しかったですね。自分が作りたいものを実現することができましたし、それが会社の実績に貢献できたということが何より嬉しかったです。

編集部

どのような困難があったのか、具体的なエピソードを教えてください。

藤田さん

商品を開発するにあたり、まず研究所でサンプルを作って感触などを確かめるのですが、工場で量産テストをしたときに、理想とする品質の実現に苦労しました。

工場の方や、間に立ってくれている研究所の方や商品開発部の方と一緒に何度も何度も調整を繰り返し、100本以上ものサンプルを確認して、ようやく目標の品質に到達することができました。

また、商品名が決定するまでにも長い道のりがありました。私はどうしても「ネンマクフェイク ルージュ」というネーミングにしたかったのですが、決裁で承認を得るのは簡単ではありませんでした。

編集部

商品名にはどのようなこだわりがあったのでしょうか?

藤田さん

「ネンマクフェイク ルージュ」の"ネンマク”は、”粘膜”です。唇の粘膜色に近い色のリップがトレンドになっていたので、そこから発想を得てこの商品を開発しました。

ネーミングが直接的すぎるのではないかということで何度も再検討となりましたが、直接的な単語を入れたほうがコンセプトがお客さまにしっかりと伝わるのではないかと思っていましたし、インパクトも十分あると思ったので、どうしてもこのネーミングにこだわりたかったんです。

編集部

どのようにしてこだわった商品名を実現させたのでしょうか?

藤田さん

何度も再検討にはなりましたが、意見を一蹴されたわけではありませんでした。「なぜそれが良いのか」という根拠を示してほしいということだと思いましたので、しっかりとコンセプトを整理したうえで粘り強く説明を繰り返しました。

私自身も商品コンセプトをより深く考える機会になりましたし、とても良い経験だったと思っています。

自ら手を挙げて海外部門へ。世界を相手に活躍する宮本さん

株式会社コーセーの海外部門で活躍する宮本さん

編集部

宮本さんは2011年に新卒でコーセーさんに入社されて、現在入社14年目だと伺っています(取材した2024年7月時点)。入社されたきっかけやこれまでのキャリアについて教えていただけますか?

宮本さん

私は幼少期にアメリカに住んでいた経験があるのですが、そのとき日本のプロダクトが現地で購入できたり、認知されているのが非常に印象的でした。こうした経験から自分の国のものを海外に届けられるような仕事をしたいと思うようになり、それが実現できるような会社を希望していました。その中でコーセーとご縁があり、入社することになりました。

入社後4年間は日本のドラッグストアの営業窓口を担当していたのですが、やはりグローバルな仕事に携わりたいという想いがあり、社内の人材公募制度で手を挙げて国際事業を担当する部署に異動しました。中国でのブランドの立ち上げや東南アジアのECの立ち上げなどの仕事を経て、今はコーセートラベルリテール株式会社の営業部門に所属しています。

コーセートラベルリテール株式会社は、免税領域を強化するために2020年に設立された会社で、国内外の空港などにある免税店や機内販売、アメニティー事業を担っている会社です。私はそこで海外免税を担当していて、世界各国の免税店を相手とする営業の仕事をさせていただいています。

欧州戦略強化の流れの中で、パリ五輪に向けた肝入りプロジェクトを推進

パリの百貨店「ラ・サマリテーヌ」の外観と『コスメデコルテ』のカウンター
▲パリ五輪に向けたプロジェクトと関連して、有名百貨店にも販売拠点を開いた

編集部

これまで担当されたお仕事の中で印象に残っているものを教えていただけますか?

宮本さん

コーセートラベルリテール株式会社に異動してすぐ、2024年にパリで開催されたオリンピック・パラリンピックに向けて、ルーブル美術館の近くにある免税店に『コスメデコルテ』を導入するという大きなプロジェクトを担当しました。

2023年の夏頃から動き出して11月にコスメデコルテのカウンターをオープンするに至ったのですが、これがなかなか骨の折れるプロジェクトで、記憶に残る仕事になりました。

編集部

どのようなところが大変だったのでしょうか?

宮本さん

コーセーの製品は日本や中国などでは高い知名度がありますが、欧米ではまだアジアほど認知されていません。

それまでブランドがあまり認知されていない状態から商品の魅力を伝えて商談を進めるという経験がありませんでしたし、会社としてもあまりノウハウがないところだったので、かなり試行錯誤しながら進めていったという感じでしたね。

会社として欧州戦略を強化していこうという流れの中でこのプロジェクトがスタートしたので、責任やプレッシャーも大きかったと記憶しています。

編集部

どのようなことを工夫してプロジェクトを成功に導いたのでしょうか?

宮本さん

グローバルビジネスにおいてはスピード感が重視されますので、プロジェクト推進者である私が悩んで止まっているわけにはいきません。常に「積極性とスピード感」を意識していました。

「重要な商談には双方の決裁権限を持つ方に出てもらう」「上司からの指摘にはすぐに代替案を提案する」など、とにかく早く前に進めるように頭をフル回転させていました。

また、先方への提案内容をまとめる際には、コーセートラベルリテールの会社内の企画部門等からアイデアをもらいました。「こういう演出がいいのではないか」と「このアイテムをもっと前面に出した方がいいのではないか」「欧州の人には香水が刺さるのではないか」など、たくさんの意見をいただけたことで、私一人ではできないような提案が完成したと感じています。

編集部

無事にカウンターをオープンすることができて、どのように感じましたか?

宮本さん

責任も大きかったですが、30代半ばの私にこのような重要プロジェクトを任せてくれたことが本当に嬉しかったですし、大きなやりがいを感じました。

コーセーは社員の希望ややる気を尊重し、キャリア形成を支援する

株式会社コーセーの宮本さんと藤田さん

編集部

宮本さん、藤田さんの目から見たコーセーさんの魅力について教えてください。

宮本さん

コーセーは、社員1人ひとりのやる気を大切にしてくれる会社ですし、やりたいことが叶いやすい会社だと思っています。もちろん能力が伴っている必要はありますが、「こういう仕事がしたい」「こういうものを作りたい」ということを発信していればそのやる気を尊重してくれます。

編集部

やりたいことを後押ししてくれるような制度があれば教えてください。

宮本さん

社員全員が対象の制度としては、年に1回、上長と面談をして現在の自分の仕事の状況や将来のビジョンを伝える「自己申告制度」というものがあります。100%希望が叶えられるわけではありませんが、会社がしっかりと受け止めてくれているというのは多くの社員が感じているところなのではないかと思います。

希望者が利用できる制度としては、自分が行きたい部署に手を挙げることができる「人材公募制度」もあります。年に1回募集があり、選考を突破すれば希望の部署への異動を実現することが可能です。

編集部

宮本さんはこの人材公募制度を活用してグローバルな仕事を担当されるようになったんですよね?

宮本さん

はい。入社前から、得意な英語を活かして海外の部門で働きたいという想いがありましたので、手を挙げました。

私の場合、人材公募制度で異動を叶えたあとその部門の語学留学制度を利用し、1年間上海に語学留学をさせてもらいました。中国語を習得して仕事に活かしたいという目的で手を挙げたのですが、いろいろな国の方々との人脈もできましたし、海外のマーケットに関する理解も深まったので、語学力以上の成果が得られたと感じています。

編集部

入社3年目の藤田さんの目線でも、希望を叶えやすい環境があると思いますか?

藤田さん

希望をしっかり聞いてくれるというのは私も日々感じています。また、ただ希望を聞くだけでなく、一人ひとりをよく見て、適材適所を考えてキャリアをサポートしてくれているとも感じています。

転職の面接の際にも、定型的な質問だけでなく、私のパーソナリティや化粧品に対する想いをすごく丁寧に引き出してくれたというのがとても印象的でした。緊張して上手く話せない私に対して「藤田さんのことをよく知りたいから落ち着いて喋ってね」とおっしゃってくださったのも本当に嬉しかったですね。

最終的には、選考を受けていた宣伝系の仕事よりも商品企画の方を提案してくださって、今、とてもやりがいを持って仕事をさせていただいています。

優しくて話しやすい人が多い。若手にとっても居心地が良い職場

株式会社コーセーで商品企画を担当する藤田さん

編集部

ほかにも、コーセーさんの魅力について教えてください。

宮本さん

やはり働いている「人」が魅力的だと思います。1人ひとり個性がありつつも、変に飾らずに優しくて、とてもやわらかい雰囲気を出しているんですよね。部署や年齢、ポジションに関係なく意見を言い合えますし、業務外の雑談も和やかに行われていますよ。

フリーアドレス制を採用しているので、普段から気軽に席を移動して相談したり意見を交わしたりしています。

藤田さん

私も同じで、本当に人が魅力的だと思います。以前勤めていた会社が体育会系の雰囲気だったので、いい意味で大きな違いを感じています。中途で入った私にもとても話しやすい雰囲気を作ってくれて、とても居心地が良いと感じています。

編集部

とても雰囲気が良い職場なのですね。こうした会社の雰囲気も、藤田さんや宮本さんのような社員が生き生きと働ける要因の一つなのではないかと感じました。

藤田さん

おっしゃるとおりだと思います。先ほどお話した『ネンマク フェイクルージュ』の商品開発の仕事でも、理想の感触を実現するために何度も研究所の方に再調整をお願いしたので心苦しく感じることもあったのですが、「一緒にいいものを作ろう」と言っていつも快く引き受けてくださって本当に助けられました。周囲の皆さんにはいつも本当に感謝しています。

コーセーはチャレンジングな仕事に前向きな方を歓迎!

株式会社コーセーの宮本さんと藤田さん

編集部

最後に、採用に関するメッセージをお願いします。どのような方がコーセーさんにフィットすると思いますか?

藤田さん

私は、化粧品がとても好きでコーセーに入社しました。同じように化粧品が好きな方にとっては、長い歴史があるこの会社で働けるということは大きなやりがいにつながるのではないでしょうか。自分が作った商品が店頭に並んでいるのを見ると感動しますし、身近な人やSNSなどから「使ってみたらとてもよかった」という声が届くと、本当に嬉しいですよ。

また、大きな会社なので仕事の規模も大きいですし、若手でも裁量をもって働くことができます。その分責任は大きいですが、チャレンジングな仕事に前向きに取り組める方にはとても良い職場なのではないかと思います。

宮本さん

コーセーは、日本を含めてアジアでは認知度が高いブランドですが、欧米をはじめとして、まだまだ開拓の予知がある地域が残っています。

グローバル領域でワクワクする仕事に挑戦してみたいという方にとっても魅力的な会社なのではないかと思いますので、興味がある方は応募してみていただければと思います。

編集部

ありがとうございます。インタビューをとおして、コーセーさんには年齢関係なく責任のある仕事にチャレンジできる環境があるということがよくわかりました。

本日は貴重なお話をたくさんお聞かせいただき、ありがとうございました!

株式会社コーセーの基本情報

住所 東京都中央区日本橋3-6-2
事業内容 化粧品の製造販売
設立 1946年
公式ページ https://corp.kose.co.jp/ja/
採用ページ https://www.kose.co.jp/company/
ja/recruit/