Webマーケティングの仕事とは?Webマーケターを目指したい人へ

WEBマーケターとは?多様な仕事内容ややりがいを解説

この記事は「Webマーケター」という職業に興味がある人に向けて、詳しい職種と仕事内容について紹介をしていきます。

未経験からWebマーケターを目指したい方に向けて、学び方に関する情報も解説します。

この記事の筆者

株式会社ネクストレベル

編集部 白崎 萌

Webデザイナーを経験後、株式会社ネクストレベルでWebマーケターとして10年にわたりSEO・LPO・広告運用などを幅広く経験。現在は4つのWebメディアの編集長を務める。(インタビュー記事はこちら

Webマーケターとは?

Webマーケターとは?

Webマーケターとは、インターネットを利用したマーケティングを専門的に行う職業です。

▼マーケティングとは・・・?

マーケティングは、価値あるプロダクトを提供するための活動・仕組みである。すなわち「顧客・クライアント・パートナー・社会にとって価値あるものを、創り伝え届け交換するための、様々な活動・プロセス・組織」がマーケティングと呼ばれる
Wikipediaより引用

噛み砕いて伝えると、WEBを使って商品やサービスを告知する仕事ですね。

そして、WEBマーケティングはプロモーションを打つ集客だけにとどまらず、そこから成約を増やし利益を上げていく収益化まで担当していくことがほとんどです。

Webマーケターのやりがい

自分がマーケティングを担当した商品やサービスが世の中に浸透していくことが一番のやりがいです。

また、マーケティングの成果は売上件数や金額、集客した人数といった形で、具体的な数字で見ることができます。よって、自分が関わった仕事の結果を数字というわかりやすい形で見ることができるため、目標設定と達成を繰り返しやすい職種でもあります。目標を達成することにやりがいを感じるといった声も多くあります。

Webマーケターに向いている人

Webマーケターに向いている人の特徴は以下です。

  • 利用者、消費者の気持ちを考えられる
  • 数字に強い
  • 目標を達成するためにコツコツ動くことができる
  • 新しいアイデアなど自ら考えて提案することができる
  • 慎重でミスをしない工夫ができる

Webマーケティングの仕事はPDCAをきちんと回していくコツコツとした仕事です。その中に自分なりのアイデアや工夫を入れて、消費者により刺さる広告やコンテンツを見つけ、成果につなげていきます。

そのため、数字に強く慎重に考えられる論理的思考が重要になり、その中に相手の気持ちを考えたり新しいアイデアを出したりといった、感情的な思考も必要です。

Webマーケターの職種一覧

Webマーケターの中でも、担当する媒体や集客方法によって職種(仕事内容)が分かれていきます。特に、会社自体もWEBマーケティング事業に特化したものが多く、ほとんどのWebマーケターは特定領域のプロフェッショナルとしてキャリア形成をしていく場合が多いです。

以下は一般的にWEBマーケと呼ばれる範囲でざっくりと職種を分けてみたものです。(拡大しながら見てみてください。)
Webマーケターの種類をざっくりと図解

職種の一覧を見ると下記のような分類になります。

名称 簡単に解説
広告運用コンサルタント WEB周りの広告を出稿して運用する仕事
コンテンツマーケティング担当 WEB上で掲載する記事などコンテンツの設計や作成をする仕事
SEO担当 検索エンジンでの集客を増やす仕事
LPO担当 ランディングページ(LP)からの成約(CV)や収益を伸ばす仕事
SNSマーケター(広告運用) SNSへの広告出稿・運用をする仕事
SNS運用担当 SNSへ投稿するコンテンツ作成や設計をする仕事
データアナリスト・戦略 アクセス解析などさまざまなデータを分析して戦略を立てる仕事
セールスライター 成約(CV)を増やすことに特化した文章を書く仕事
メールマーケター メール配信を活用して成約(CV)を増やしていく仕事

上記はインハウス(自社案件)か代理店か(代行運用)コンサルティングか(支援)によって、多少変わってきます。

役割や職種に関しては、会社の事業領域によって定義が違ってきます。また、複数の領域を併任してざっくりWebマーケターとしているところもあれば、プロフェッショナル職として独立しているところもあります。

Webマーケターの仕事内容

どの職種でもWebマーケターとしてやることの大枠は同じで、この5つのステップです。

1:企画や戦略を立てる
2:コンテンツを作る
3:コンテンツを配信・出稿する
4:データを分析する
5:収益を伸ばす

5つのステップ

究極を言えば、上記の5つを1人でできる人が最強のWebマーケターです。会社によって上記を横割りしているところもあれば、縦割りしているところもあり、スキルアップを望むなら縦割りでやっている会社で働くことをおすすめします。

ちなみに、私はSEOメディア運営というフィールド上で上記の1〜5番全てを担当するディレクターポジションで仕事をしています。

共通して必要とされるWebマーケターのスキルとは

以下の4つはどこの会社でも共通して必要とされやすいスキルです。

  • 専門用語をもとに会話していける知識
  • 収支の計算やシミュレーションをする力(計算力)
  • アクセス解析を読む力(分析力)
  • 分かりやすく報告やレポートを作る力(まとめる力)
  • ユーザーニーズを捉えて提案する力(企画力)

WEBマーケティングは専門用語がすごく多く、実際の会議やレポートで非常に多く使われます。しかもこれが、見ただけで想像もできないようなものが多いです。

例えばこんな用語。IMP、CVR、CPM、CTR、ROAS、CPA、EPC、CPC、ROI、LTV、ARPU…。

一つだけ解説してみると、「ROAS」とは、広告の費用対効果を表す指標で、売上高÷広告費用×100(%)で求めます。要は広告に対して赤字か黒字かを見ていく指標なのです。

共通して必要とされるWebマーケターのスキルとは

こんな感じで仕事の指示が進んでいくので、専門用語の意味をきちんと覚えて、計算ができるようになるまではかなり勉強が必要です。

webマーケティングは業界・業種・領域が広い

webを使ったマーケティングという目線で言えば、取り入れていない会社を探す方が難しいほど。そのため、業界でみるとかなり多岐にわたります。

これは転職時の求人情報を読み解く際にとても重要になってきます。どのような事業をしていて、どのような領域の仕事内容になるのかをきちんと理解し、自分がやりたい仕事に当てはまっているかを確認する作業を必ず挟むことをおすすめします。

本記事の後半では、経験者の私が求人情報を読み解き解説している例を紹介しているので、参考にしてみてください。

では、特に大きな分類である2つの職種について詳しく説明していきます。

Webマーケター具体的な職種について

では、ここからはWEBマーケターの中でも細かい職種について解説していきます。

広告運用コンサルタント

Webマーケター「広告運用コンサルタント」とは?

広告運用担当(広告運用コンサルタント)とは、WEB上の広告出稿を行う職業です。

Webマーケターとしての勤め先として一番多いのが広告代理店で、クライアントの商品やサービスの広告をネット上の様々な場所へ出し、運用していきます。

WEB広告にもいくつもの種類があり、代表的なのはこの4種類です。

  • 検索連動型広告(Google・Yahoo)
  • ディスプレイ広告(Google・Yahoo)
  • 動画広告(YouTube・TikTok)
  • SNS広告(Facebook・Instagram・Twitter)

それぞれにノウハウや知識が必要となるため、勉強する領域は多いです。また、InstagramやTikTokの広告がスタートしたのが直近の3~5年ほどであるように、新しい広告プラットフォームが出てくる業界のため、常に世の中の人々がWEBをどのように利用しているかを知っていくことも必要です。

Webマーケター「広告運用コンサルタント」とは?

WEB広告を見たことがない人はいないと思います。日本中にいる人たちに自分が関わった広告を届けていき、その広告をきっかけに人々が商品を購入をしてくれると考えると、やりがいを感じませんか?

広告運用コンサルタントの仕事内容

広告運用コンサルタントは下記のようなPDCAをガッツリと回していく仕事スタイルです。

  1. 予算配分やチャネル設計など、マーケティング戦略の作成
  2. 各チャネルに合わせてのクリエイティブの企画と作成
  3. 出稿作業
  4. 広告運用
  5. データ分析とレポーティング
  6. 改善をしながら4番と5番を繰り返す。

戦略設計では商品や商材の特徴を理解し、どんな人にどのようにアプローチをしていけば売れるかを考えていくため、アイデア勝負でもあります。

また、クリエイティブ企画についてもアートディレクターやデザイナーと一緒に相談しながら進めていくため、どのように広告が届いていくかをイメージする想像力も必要です。

一方で、出稿や運用、データ分析になるとアイデアや想像力のような右脳的な作業とは打って変わって、ミスをせずに丁寧に調整をし、広告費を抑えながらたくさんの人にアプローチしていく、左脳的な仕事です。

未経験から始まるキャリアプランなら、出稿や運用、レポーティングなどの仕事からキャリアをスタートし、その後企画や戦略作成などの上流工程に領域を広げていくケースが多いでしょう。

クライアントによっては数千万単位の予算を動かしています。「広告予算の設定を間違えて、10分で10万円も消化してしまった」「土日に広告が止まってしまって休みでも対応に追われた」といったこともゼロではなく、気を張る必要があるのも事実です。

広告運用コンサルタントの給料・年収イメージ

今回はITやWEBのに強い転職サイトである、Greenで求人数の検索をしてきました。

まず、Greenで”広告運用”のワードに入れて、給与別に絞り込みをしたところ、以下のような分布になっていました。(2023年5月時点)
広告運用コンサルタントの給料イメージ

上記を見ると、500〜600万円前後を最大値としている求人が多いようで、700万円以上の求人から件数が減り始めています。とはいえ、中には720万〜1200万などハイクラスも公開求人として存在しているため、どのようなスキルがあれば給与が上がっていくかの参考になりそうです。

広告運用コンサルタントの勤務地は東京に集中している

広告代理店の場合はクライアントとの打ち合わせなどもあるためか、求人のほとんどが東京都内でした。経験者であればリモートワークができるかもしれませんが、地方都市で広告運用のWebマーケター職を探すのはかなり難しいといえます。

広告運用コンサルタントの勤務地は東京に集中している
(2023年5月時点)

広告運用コンサルタントは未経験から目指せる?

「広告運用 未経験 歓迎」で求人検索をかけたところ、187企業が求人を出していました。ただし、そのうちの161企業は東京での求人となるため、未経験から広告運用でのWebマーケターを目指すのであれば、都内での転職は必須かもしれません。

Webマーケター自体が新しい職業のため、学生時代に学ぶことはほとんどありません。ただ、専門用語や覚えるべき基礎知識が多いため、仕事を担当するには学習自体は必要です。100%の未経験だとポテンシャル採用となり、狭き門となりそうですが、以下のような自己努力は大きくプラスに働いていくと思います。

  1. 自分で広告を出稿してみる
  2. 専門用語などをネットで調べ覚えておく
  3. Webマーケターの育成スクールに通う
  4. さまざまなジャンルのWEB広告をみて改善ポイントを考えてみる
  5. マーケティングの基礎的な学習を行う

スクールについては転職支援が含まれているものもありますので、どうしても転職を決めたいと思うならば、スクールの利用も検討してみてください。

SNSマーケター

Webマーケターの種類3「SNSマーケター」とは

SNSマーケティングはその名の通り、SNSを活用してマーケティングを行う仕事です。新しい職業であり、領域で言えば広告運用コンサルタントと同じのため、SNS広告も併任しているケースが多いです。

とはいえ、SNSマーケティングに興味がある人も多いため、少しだけ領域を広げて解説しますね。SNSマーケティングの中でも色々な領域があり、例えばこのようなものも。

  • 会社の公式アカウントを運用してブランディング
  • SNS広告を通じてマーケティング
  • インフルエンサーなどを活用してマーケティングをしてもらう

先に解説した広告運用と通じるところもあれば、コンテンツマーケティングに通じるところもあります。また、プロモーション会社のような動きをすることもあり、非常に多彩です。

対象のSNSはInstagram、Twitter、TikTok、YouTube、LINE、Facebookとさまざまですが、もちろん新しい流行SNSが出て来ればそれに合わせてフィールドも変わっていきます。

事業で言えば以下のような内容です。

SNS広告運用 SNSへの広告出稿と運営を行う
コンサルティング 分析とアドバイス、企画立案のみを行う
運用代行 実際にコンテンツを作る実務まで担当し、運用全般を行う。
自社運営 自社ブランディングのためにSNSでマーケティングをする
インフルエンサーマーケ インフルエンサーをキャストとしてマーケティングを行う。

特に自社運営やインフルエンサーマーケはブランディングやPRの色も強いです。コンセプト設定からターゲティング、コンテンツ企画、実際のコンテンツ制作、場合によってはキャストのアサインから、視聴者・ファンとの交流、イベント企画、リスク管理…。とかなり壮大なプロジェクトになっていきます。

ここまでくるともはや”WEBマーケティング”という領域からはみ出した部分も多く、エンタメ×マーケティング×PR企画のようなイメージになっていきます。

ここは本当に新しい領域なので、学んで転職・資格を取って転職というわけにはいきません。これらの事業をやっている会社も新しく、若いです。

ちなみに、ITに強い転職サイトであるGreenで、「SNSマーケター 未経験」で検索をすると640の企業が出てきます。SNS以外の広告との併任もありますが、求人数だけでみるとかなり多いため、未経験からスタートできるチャンスも十分あります。

Webマーケターはどんな会社で働くの?実際の求人例から分析

Webマーケターの仕事内容について詳しく解説をしてきましたが、実際の求人例や企業情報を見ながら、どのような事業・仕事なのかの企業分析を一緒にやっていきましょう!

インハウス広告運用の求人例

自社商品をインターネットを中心に販売している会社で、ECやメーカーに分類される会社です。

北の達人コーポレーションは全てのWEBマーケティングをインハウス化していて、マーケット調査から商品開発、プロモーション、カスタマーサポートまで全て一気通貫で自社で行なっているそうです。

働き方や仕事内容の詳しいお話はこちらでも読めます。

WEB広告運用担当の求人例は以下のとおり。(2023年5月時点)

勤務地:東京都
給与:456万円〜
未経験:未経験歓迎
仕事内容:リスティング広告やディスプレイ広告の運用、データ分析、クリエイティブチームと連携してのキャンペーン企画や進行

こちらから求人を確認できます。

業界経験者の私が面白いと思ったポイントは、以下の一文ですね!未経験者にはどういうことだろう?と疑問に思うかもしれません。


”当社の広告運用はただ広告出稿するだけではなく、各WEBメディア(Google、Facebook、Yahoo!、Twitter等)のAIのアルゴリズムを読み解き、分析し、その結果に基づいた広告運用をしていきます。”
求人広告より引用

広告というのは安く出稿し、たくさんクリックしてもらい、成約につなげるというサイクルがあります。そして、「安く出稿すること」「たくさんクリックしてもらうこと」の攻略には、出稿をする媒体(Google、Facebook、Yahoo!、Twitter等)がどのようなロジック(=AIのアルゴリズム)で広告を表示しているかの分析も重要です。

ただ広告を出稿するだけでは、誰に、何回くらい、どの広告が、何時に、どんなタイミングで表示されているかわからず、コントロールもできません。ここのアルゴリズムを読み解き、より購入してくれる可能性が高い人に広告を届けるための調整をしているのではないかと推測しました。

上記により、代理店での広告運用より、高度な分析力や論理的思考力がある人材が歓迎され、活躍できるような会社だと思います。

求人内に「当社のWebマーケターは平均IQが138」との記載があり納得。ここからもより複雑な仕組みの理解と攻略をして成果を上げる広告運用に携われ、さらに未経験でも地頭があれば採用される可能性あり。と私がもし求職者の立場だったらチャレンジしてみたいと感じる会社です。

【広告代理店】大手クライアントと一緒に仕事ができる求人例

総合的な広告代理店のアドウェイズは規模も大きく、ツール化を活用した効率的な広告運用が強みの会社です。有名なクライアントも多く、かつネットワークも大きいためより多くの人の目に入る広告に携われる会社です。

取り扱っている商材の範囲がすごく広く、ゲーム・マンガ・金融・人材・エンタメ・EC…といろいろなジャンルの広告に携われるのは広告代理店の面白さだと思います。

▼経験者のアド運用ストラテジスト(2023年5月時点)

勤務地:東京都
給与:420万円〜
未経験:NG
仕事内容:Google Ads、Yahoo広告、各種SNSなどの広告設計と運用

▼未経験から応募できるマーケコンサルタント

勤務地:東京都
給与:420万円〜
未経験:未経験OK
仕事内容:運用型広告のプランニングや分析

働き方についてはこちらの記事で紹介しています。

【Web広告コンサルタント】未経験からチャレンジできる求人例

バレットグループ株式会社は主にアフィリエイト広告の代理店(ASP)をメイン事業としている会社です。平均年齢30歳、最年少マネージャーが24歳と若い世代が活躍しているのが特徴。入社2年目で年収800万の部長職、入社4年目で年収1500万円の取締役と年功序列ではなく、結果でスピード昇格も可能とのこと、本気でスキルアップしたい人にとっては良い環境だと感じます。

さらに詳しい情報はこちらで読めます。

実際の求人例も見てみます。

▼未経験歓迎のWEB広告コンサルタントの求人例(2023年5月時点)

勤務地:東京都
給与:300万円〜800万
未経験:未経験OK
仕事内容:アフィエイト広告の代理店業務全般

担当クライアント数は30〜50社とたくさんの企業と関わり合いながら、アフィリエイト広告の成果を上げていくのが役割です。売上規模は年間で100億円以上とのことで、大きな金額を扱った実務経験ができるのも代理店だからこそです。

私も日々アフィリエイト広告の代理店さんとやりとりさせてもらっていますが、クライアント&メディアと一緒に3社で成果を上げていくため、提案力や交渉力がアップする環境だと思います。WEBマーケの中でも営業に近しい職種なので、営業経験があったり、人と関わることが好きな人には向いていると感じます。

未経験からWebマーケターになる方法

未経験からWebマーケターを目指すには

ここまで仕事内容と求人情報から多角的にWebマーケターという職業について解説をしてきました。この記事を読んでいる方はおそらく、未経験からWebマーケターを目指す方がほとんどではないかなと思います。

そこで、Webマーケターになる道のようなものをいくつか紹介します。

WEBマーケティングを学んで転職をする

一つ目はWEBマーケティングを学べるスクールに入り、転職支援を受けながら実現していく方法です。この方法は今までの経歴や年齢は問いません。

特に求人を紹介してくれるスクールであれば、授業の中で実際の案件をもらうことができたり、就職先の紹介もしてくれるため、未経験からでも転職成功率は高くなると思います。

WEBマーケティングを学べるスクールについては別の記事で詳しくまとめているため、入学を検討したい場合は、こちらの記事も併せて読んでみてください。

職種だけをチェンジして転職活動をする

スクールに通うことなく転職をしたい場合、業界を変えずに職種を変える方法がおすすめです。

というのも、WEBマーケティングは何かを売るために行うものですから、扱う商品やサービスの知識が必要不可欠です。どのようなユーザーに好まれるのか、ユーザーはどのような流れで商品の購入に至るのか、商材の特徴や優れている点は何か、ライバル商品との差別化はどこにあるのか…。

こうした内容はマーケティングの基礎の部分に当たるのですが、業界が同じであれば上記のような知識はすでにインプットされているため、WEBマーケティング独自の知識だけ覚えればすぐに戦力になれるわけです。

例えば、コスメのECショップでカスタマーサクセスとしてお客様の対応をしていた場合、同じくコスメのECショップの広告運用担当であれば、未経験でも採用したい企業は多いはずです。

なぜなら、実際にお客さんがどのような動機で購入し、どんな悩みを持っていて、どんな不明点を持っていたかのノウハウがあるため、その知識を広告運用での企画やキャンペーン立案、LP改善に活かせるからです。

こうした前職の知識を活かした転職であれば、全くの未経験よりも有利に転職を進められますし、今までの経験を活かして活躍できる方が自分としても嬉しいですよね。

同じ業種でのWebマーケターの求人を探すなら、転職エージェントに紹介してもらう方法とスカウトを待つ方法の両軸で転職活動を進めるとスムーズです。

転職エージェントであれば自分で求人を探さなくても提案をしてくれますし、スカウトであれば企業側から声をかけてくれるため、すぐに面接に進み話が早く進むケースが多いです。

現役Webマーケターが回答するQ&A

最後に、本編では触れてこなかったけど、未経験の方は気になるだろうなと思われる内容を、経験者の私が回答していこうと思います。

WebマーケターとWEBディレクターは何が違うの?

解釈は様々だと思いますが、私個人としては「売上を伸ばす役割があるかどうか」だと考えています。Webマーケターも一部はディレクション業務があるため、ディレクターのような動きもします。ですが、ディレクターは依頼者が作りたいクリエイティブ要望に応えるための企画や進行が主な役割で、Webマーケターは依頼者の成約を増やすための企画や進行が役割です。

例えると、成功するために戦略を練るのがWebマーケターです。軍師的な役割をしますね。一方で、制作を進めていくのがディレクターなので、みんなを束ねて推し進める武将のような役割です。

Webマーケターになるために有利な資格はある?

ないです!資格があっても就職や転職にはほぼ役に立ちません。

理由は簡単で、資格として学ぶ知識は実践ではあまり役に立たないからです。というのも、WEBマーケティングの世界は1年どころか半年でも大きく変化をしていく業界です。資格試験を作っている間にもうその情報は一歩遅れた情報になってしまうので、資格は取らなくて良いです。

それよりも、未経験の場合はポテンシャルが重要です。会社ごとに求められる素質は違いますが、どこの会社でも必要とされるのは、コミュニケーション能力や自分で考える思考力、データが何を表しどのように改善するかを考える論理的思考力です。

もし、資格を取るならば統計学やデータ分析などの方が役に立つのではと思います。

Webマーケターのキャリアプランや将来性は?

私の考えとしては、運用・制作・データ分析の一部業務はAIが担当するようになると思っています。AIができない範囲は、ユーザーのニーズを捉えて世の中にない企画を立てるクリエイティブの範囲だと思っています。

そういった意味で、単に「運用」だけをするコンサルタントは淘汰されていく可能性が高いです。そこを考えると、企画段階から関われるような実務経験を積んでいくことが、将来のキャリア形成にプラスになっていくと思います。

また、特定のジャンルだけでなく、どのような商材でも売るための戦略を立てられるマーケターになれば、フリーランスとしての独立や転職しての年収アップを目指すことができます。

エンジニアのように工程が明確に分かれているわけではないため、一気通貫で業務を進められる経験を意識して仕事選びをしていくと良いかなと思います。

キャリアプランとして以下のパターンがあります。マーケティングの中で上位職では、CMO(最高マーケティング責任者)があります。Webマーケティングはあくまでデジタルマーケティングの中での一つしかないため、領域を広げていきマーケティングのプロになるのも道の一つです。

具体的には以下のようなキャリアプランが考えられます。

  1. 自社内でキャリアアップを目指していく
  2. 転職をしながらマーケティングの幅を広げていく
  3. 規模の大きな事業会社へ転職する
  4. より規模の大きいコンサルティング会社へ転職する
  5. フリーランスや起業をする

Webマーケターからフリーランスや独立は可能?

領域によっては可能です。

WEBマーケティング領域でフリーランサーになりやすいのは以下です。

  • クリエイティブやコンテンツ制作全般
  • コンサルタントとして分析とアドバイス

制作であればコンテンツやクリエイティブ1本あたりでの収益。コンサルタントであれば月額契約をするケースが多いです。また、最近はWEBマーケをインハウスをしている会社への業務委託案件なども増えてきていると思います。

Webマーケターはリモートワークやテレワークはできる?

インハウスのWebマーケターであれば十分に可能です。

広告代理店の場合、クライアント側が会って話したいと言われれば会いに行かなくてはいけないので、フルリモートはなかなか難しいかもしれません。また、クライアントがいる場合はコミュニケーションを取るために勤務時間もある程度合わせなくてはいけない場合もあります。

働きやすさでいえば、インハウスWebマーケターの方が自由がききやすいと思います。

以上、Webマーケターについてどこよりも濃く解説してきました。これから目指す方の参考になれば幸いです。