未経験から専門学校の事務員として働きたい場合、どのような点を意識して求人を探せばいいのでしょうか。今回は、以下の4点について解説していきます。
- 未経験から専門学校の事務員の仕事に就く方法
- 未経験OKの求人の探し方
- 専門学校の事務員を目指すために勉強しておきたいこと
- 専門学校の事務員のキャリアプラン
なお、前の記事では、専門学校の事務員の仕事内容ややりがい、お給料、向いている人物像などについて詳しくお伺いしました。
専門学校の事務員として8年働いた経験のある木村さんに話を聞きながら説明していきます。
こんにちは。私も別業種から未経験で専門学校の事務員に転職をしました。みなさんのお役に立てればと思います。
専門学校の事務員の求人に多い雇用形態&求人例
専門学校の事務員で多い雇用形態は何でしょうか?
複数の求人情報をチェックすると、正社員の募集が多い印象ですね。その次が契約社員や派遣社員です。少ないですが、アルバイトの求人もチラホラ見かけます。
専門学校の事務員で多い正社員の求人例
専門学校の事務員で多い正社員の求人ですが、まずは実際の求人例を見てみましょう。
- 給与:月収17万円以上 ※経験やスキルを考慮
- 手当・待遇:通勤手当・社保完備・残業手当
- 勤務時間:8:30~17:00 ※残業なし
▼業務内容の例
- 学生、来客対応
- 電話対応
- 申込み対応
- 証明書発行
- 入学希望者に対する学校説明
▼条件
- 基本的なパソコンスキルがある人
- コミュニケーションがスムーズに取れる人
- 事務経験がある人
正社員の求人を探す際に転職エージェントを利用される方は、下記の記事が参考になります。
派遣社員の求人例
派遣社員の給与は時給制です。実働8時間で正社員と同様の業務内容であるケースが多いです。
- 給与:時給1,200~1,700円
- 手当・待遇:交通費支給・残業手当
- 勤務時間:9:00~17:00
▼業務内容
- 電話対応
- 学生、来客対応
- 申請書類作成
- オープンキャンパスなどのイベント準備
▼条件
- 社会人経験のある人
- 未経験者歓迎
派遣社員を考えている方へ、評判の良い派遣会社をまとめた下記の記事が参考になります。
アルバイトの求人例
アルバイト求人の時給は学校によって大きく異なりますが、派遣社員より安くなる傾向が高いです。
- 給与:1,000円以上
- 手当・待遇:交通費支給
- 勤務時間:9:00~17:00(実働7時間、休憩1時間)/週2日からOK
▼業務内容
- 窓口対応
- 電話対応
- データ入力
▼条件
- 主婦歓迎
- 人と接するのが好きな人
- パソコンでデータ入力ができる人
専門学校の事務員の求人情報はさまざまな媒体で探す必要がある
専門学校の事務員は求人数が多くないため、ハローワーク、インターネットの求人・転職サイト、派遣サイトなど、複数のサービスを利用しましょう。気になる専門学校があればWebサイトの求人情報を直接チェックします。
アルバイトよりも正社員や派遣社員の方が求人数は多いため、物怖じせずにどんどんチャレンジしていきましょう。
「求人ボックス」はさまざまなサイトの求人情報がチェックできるサービスです。正社員、派遣社員、アルバイトの情報を一気に検索できます。
未経験から専門学校の事務員になるために求人探しで意識したい点
専門学校の事務員は、未経験でも就職できますか?
もちろんです!むしろ、いろいろある職種の中では、専門学校の事務員は未経験からでも目指しやすいと思います。
求められる最終学歴は学校の専門分野で異なる
専門学校の事務員で求められる最終学歴は、学校の専門分野で異なります。
例)
- 予備校や医療系の専門学校は4大卒以上
- 服飾やデザイン系は専門学校卒以上
条件に最終学歴を設けていないケースも多いです。むしろ、社会人としての常識やマナー、基本的なパソコンスキルを重視している学校もあります。
求められるスキルや資格は特にありません。未経験からでも資質があれば十分、正社員を狙えますよ。
また、卒業生がそのまま事務員として勤めるケースもあります。母校で募集をしていないか聞いてみるのもアリです。
学校によっては専門的な知識やスキルが必要になる
専門スキルは必要ないケースが多いですが、学校の専門分野によっては特殊スキルを求められる場合もあります。
日本語学校の場合
日本語学校の学生は、日本語を話せない外国人たちが主です。日本語学校の窓口業務では、さまざまな国の人たちとのコミュニケーションが発生するため、語学力が必要になります。
日本語学校の窓口業務例
- ビザの更新手続き
- アルバイト斡旋
- 生活サポート
求められる語学例
- 英語
- フランス語
- 中国語
- 韓国語
日常会話レベルからTOEIC800点以上までと、求められるレベルは業務内容や学校で異なります。
自分の好きな分野の専門学校を探してみるのがポイント
学生相手の窓口業務を行う場合、「学校の専門分野に関して興味があるか」を求められる場合があります。働く側としても、自分が好きな分野に携われた方が仕事も楽しくなります。
よくある専門学校の分野を紹介しますので、求人を探す際の参考にしてみてください。
分野 | 分類 |
---|---|
教養 | 語学、通訳など |
医療 | 看護、理学、歯科衛生など |
農業 | 農業、畜産、バイオテクノロジーなど |
衛生 | 美容、利用、調理、栄養など |
社会福祉 | 介護福祉、社会福祉、保育、幼児教育など |
商業実務 | 簿記、秘書、観光など |
服飾 | 和洋裁、ファッションビジネスなど |
文化 | 音楽、演劇、映画など |
未経験から専門学校の事務員になるために身に付けたいスキルと活かせる経験
未経験からでも正社員を目指しやすいのは良いことですね。
そうですね。ただ、専門学校の事務員の求人数はそこまで多くないので、応募が集中して競争率が高くなる可能性はありますよね。
それは困りますね~…
正社員になるために、専門学校の事務員として身に付けておきたいスキルや活かせる経験などを紹介しましょう。
身に付けておきたい基本的なスキル
多くの専門学校で求められるのは、パソコンスキルとビジネスマナーの2点です。その他のスキルも抑えておきたいところです。
▼パソコンスキル(タッチタイピングなど)
事務経験がない人、普段パソコンを使わない人は、基本的なパソコン操作のスキルを身に付けておきましょう。
入力スピードはそこまで速くなくても大丈夫です。まずは、手元を見ないで打てるようになりましょう。インターネットの練習サイト「e-typing」がおすすめです。
▼メールの送受信
ToやCC、BCCの意味や件名の書き方など、メールの送受信に関するマナーを覚えておきましょう。
ちなみに、
- Toは、要件を伝える相手のアドレスを記載する部分
- CCは、メールの内容を参考として確認して欲しい相手のアドレスを記載する部分
- BCCは、面識のない相手に一定送信する場合に、それぞれのアドレスを記載する部分
です。
▼ExcelやWordの基本操作
書類作成やデータ入力では、決まったフォーマットを使用するケースがほとんどです。難しい操作は覚えなくても良いので、ExcelやWordへの入力、フォントの変更、簡単な表の作り方など、基本操作を覚えましょう。
Excelのおすすめ本 | |
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Wordのおすすめ本 |
▼ビジネスマナー・身に付けておきたいマナーなど
専門学校の事務員は学生や保護者、来客などの対応を行うため、社会人としてのマナーは必須です。
- 電話マナー
- 来客対応マナー
- 敬語の使い方
専門学校の事務員には、社会人の基本スキルが必要ですね。
役立つ前職の経験
未経験でも専門学校の事務員に活かせる「前職の経験」を紹介していきましょう。
事務職・オフィスワーク全般
一般事務、経理事務、総務事務など、事務職の経験がある人は、すでにオフィスワークの基本を身に付けています。細かい実務内容は違っても、パソコン業務や電話、来客対応など大まかな業務は似ています。
実際の応募条件でも「事務経験がある人歓迎」となっているケースは多いですよ。
接客・販売(コミュニケーション力)
さまざまな人とのコミュニケーションが必要になるのが専門学校の事務員です。学校によっては、教職員が仕事をしやすいようにサポートをする業務もあります。
一方、接客・販売はさまざまな年代の人と接する仕事です。相手に対する気づかいやサービス精神が必須の職種です。
接客・販売でコミュニケーションスキルを磨いた人は、専門学校の事務員としても十分その能力を発揮できるでしょう。
専門学校の事務員としてキャリアアップする2つの方法
専門学校の事務員ってどうすればお給料が上がるのでしょうか?
一般的に、1つの学校の事務員数は少ないんです。同じ職場で昇進を目指すよりは、より給与の高い学校に転職する方が早いでしょうね。
規模の大きい専門学校に事務員として転職する
専門学校の収入は、生徒さんが払う学費が主です。学生数の多い専門学校なら、その分、給与も高くなりやすいです。
ただ、専門学校の事務員の給与は手取り20万円前後のケースが多く、転職をしたからといって給与が大幅UPするとは限りません。
給与以外にも福利厚生や各種手当など、雇用条件を全体的にチェックするのがおすすめですね。
国公立の学校の事務員を目指す
専門学校ではなく、国立や公立の学校事務職員を目指す方法もあります。1つの学校に事務職員1人という学校が多いので、求人数や競争率は高くなるでしょう。
しかし、国公立の学校なら雇用の安定性が期待できます。国立と公立の学校事務職員になるための方法を、それぞれ説明していきましょう。
国立の場合
国立の学校で働くには、国立大学法人等が実施する試験を受ける必要があります。全国7つの地域で実施されており、この試験にパスすると国立学校で働けるようになります。
ちなみに、国立の学校は独立行政法人です。国立学校で働く職員は国家公務員ではありません。一般企業と同様に、労働基準法が適用される立場です。
しかし、平成16年に法人化する前は、国立学校の職員は国家公務員でした。国家公務員ではなくなってからも、みなし公務員として国家公務員と同じような待遇が期待できます。
受験する試験の分野によって、学校事務や附属病院での医療支援業務などが可能になります。
公立の場合
公立の学校事務職員になるには、地方公務員採用試験の受験が必要です。試験科目は筆記試験や適性試験、論作分、面接などです。
市区町村で給与は代わりますが、長く続けるほど給与が高くなる傾向にあります。詳しい情報は、各市区町村のWebサイトでチェックしてみましょう。
未経験からでも応募可能!専門学校の事務員の求人を探してみよう
木村さん:「専門学校の事務職員は、学生の成長を間近に感じることができる仕事です。自分が好きな分野を扱う学校なら、さらに仕事が楽しくなるのではないでしょうか。」
事務員の経験があれば、国公立の学校事務職員も目指しやすくなるのではないでしょうか?
専門学校の事務員は、社会人としての常識やマナー、パソコンスキルが身に付く仕事です。未経験からでも十分応募できますので、ぜひ求人情報をチェックしてみてくださいね。
実際に専門学校の事務職に就いている木村さんが解説した下記の記事も参考になります。