離婚をし、シングルマザーになるとすぐに突きつけられるのが「収入」の問題です。とにかく仕事に就いてお金を稼がなくては生活できません。
離婚を考えている人も、シングルマザーになってからの就活・転職について、こんな疑問や不安がありませんか?
「シングルマザーでも正社員になれる?」
「どんな資格があれば就職に有利?」
「シンママで子育てと仕事の両立、どんな仕事が向いているの?」
シングルマザーの仕事探しは前途多難・・・かもしれませんが、ひとつずつ不安や疑問を解決して、就活を成功させたいですね。
- 最初に、毎月必要な生活費を算出しよう
- 子供の預け先があるか確認しよう
- シンママの育児に理解がある職場を探そう
ひとりで頑張ってしまいがちなシンママたちの参考になればと思います。
シングルマザーの仕事探しで重要なポイント3つ
暮らすのに必要なお金=収入の条件
ここを1番最初に決めておかないと、あとから「この仕事じゃ生活していけない!」という自体に陥ってしまいます。
シングルマザーの仕事探しでは、まず「いくら稼がなくてはならないか」の生活費を計算することからスタートしましょう。
今現在シングルマザーで仕事を探している人、離婚を考えているが母子家庭になってからの生活が不安という人も、客観的にいくら収入が必要かをしっかり把握することが大事です。
では、3つのポイントをさらに詳しく説明します。
①毎月必要な生活費を算出
なぜ、必要な生活費をまず計算するべきかと言うと、生活費=最低限必要な収入が、シンママの仕事探しにとても重要な条件となるからです。
もし月に20万の手取りが必要なのに就職後の収入が15万収入なら、毎月5万円の赤字です。笑い話のようですが、今まで家計をつけていなかった家庭の場合は、毎月の正確な支出額を意外と把握しきれてないケースも多いのです。
現在の「支出」と「収入」を書き出そう
「ウチは毎月どれくらいの収入があれば最低限暮らしていけるのか」を知るためには、『出ていくお金(支出)』と『入ってくるお金(収入)』を漏れなく正確に書き出すことから始めます。
★支出の例
- 1ヶ月の食費・住居費・光熱費等の生活費
- 保険料やマンションの更新費用など
- 最低限の貯蓄
★収入の例
- 養育費
- 児童手当・児童扶養手当
忘れがちですが、生命保険やアパートやマンションの更新費用、車をもっているなら車検の費用、さらに冠婚葬祭やいざという時のために最低限の貯蓄なども「出ていくお金」として計上します。離婚前の生活費からおおよその目安をつけると良いでしょう。
同時に、養育費や手当金など、貰える予定の収入も書き出しておきます。
「必要な収入の金額」を計算してみよう
あなたとお子さんの生活費(支出)は出ましたか?
ではモデルケースを例にして、どれくらいの収入が必要か実際に計算していきましょう。
母ひとり子ひとり(小学生1年生)で養育費はなしの場合、児童手当・児童扶養手当はいくら貰えるのでしょうか?
★児童手当の額
児童の年齢 | 児童手当の額 |
---|---|
3歳未満 | 一律15,000円 |
3歳以上〜小学校修了前 | 10,000円 第三子以降は15,000円 |
中学生 | 一律10,000円 |
児童手当とは:中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している人を対象に支給。所得制限はあるが、収入額の目安は子どもひとりで約830万以上。制限以上の収入でも月額5,000円は支給。
★児童扶養手当の額 令和3年4月〜
手当月額 | |
---|---|
全額支給 所得制限160万円 |
42,370円 |
一部支給 所得制限365万円 |
42,360円~ |
児童扶養手当とは:ひとり親家庭を対象とし、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童がいる場合に支給される。
参考:厚生労働省「児童扶養手当」
例えばですが、以下の条件で働いているとします。
時給1,000円×8時間
1ヵ月20日間働く
単純計算ですが、1ヵ月で16万円の収入、年間にすると192万円の年収となります。
年間192万は児童扶養手当の全額支給の所得制限を超えていますから、一部支給になります。児童扶養手当の計算シミュレーションを利用すると簡単に月額ができます。
この場合だと、児童扶養手当は37,990円です。つまり以下の金額が支給されます。
児童手当10,000円+児童扶養手当37,990円=47,990円
もし月々の生活費が20万だとすれば、約48,000円を引いて152,000円が最低限必要な手取り月給の目安です。
つまり手取り152,000円以上の仕事であれば、「せっかく就職したのにお金が足りない。もっと収入がいいところへと転職」という失敗をを繰り返すことはなくなります。
もう1つ気をつけるべきことは、求人情報で提示される金額が手取り額ではないという点です。当然ですが、税金や年金・健康保険料などを差し引いた金額が手取り金額となります。また派遣の場合は交通費が支給されない求人も多いため、交通費も考えて金額設定する必要があります。
ちなみに、児童扶養手当は条件によっては6年目以降は減額される場合があります。いずれにしても、最低限必要な月給の目安を知り、それをある程度上回る年収を得られるよう、仕事探しをするのがベストです。
参考:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(厚生労働省)
大学卒業までに必要な平均的教育費
子育ては長い道のりです。今すぐに必要ではないかも知れませんが、支出として先々の教育費のことも頭に置いておきましょう。
年齢があがるにつれ、教育費はふくらみます。実際に子どもが幼稚園から大学を卒業するまでにかかる教育費を見てみます。
すべて公立 幼稚園・小学校・中学校・高校・大学 |
約780万円 |
---|---|
幼稚園・小学校・中学まで公立 高校・大学は私立 |
約1,100万円 |
すべて私立 幼稚園・小学校・中学校・高校・大学 |
約2,200万円 |
教育費って、こうして見ると本当に高いですね・・・。
すべて公立というのは、大学は国立に行くという前提ですから、誰にでもあてはまるとはいきません。それでも、ひとりの子どもに約1,000万円ものお金が必要です。
高校や大学から私立に進学が多いと思いますが、平均教育費は1,500万円です。
しかもこれらの金額には、例えば子どものサッカー教室とか、スイミングとか、英語といった習い事のお金、中学に入ったらかかる部活の費用、スマホ代など含まれていません。
教育費も含む「子ども費」はとにかく大変な金額です。
教育費の準備としては、次の2つが基本です。
- 学資保険で貯める
- 児童手当を全額貯蓄する
ですがいずれも、シングルマザーの家庭にとってはかなり厳しいですね。
もちろん母子家庭向けの支援策はありますが、いずれにしても、教育費を貯めていく心づもりで、それも含めて「希望の年収・月給額」を考えたいところです。
②子供の預け先があるか
シングルマザーは子どもが小学校低学年くらいまでは、まず子どもの預け先がないと働けません。
お子さんが小学校入学前までは、保育園に預けるのが一般的です。
しかしご存知の通り、希望通りに保育園に入れるかはわかりません。認可保育園にすんなり入れればいいですが(母子家庭は優先的に入りやすいとは言われます)、場合によっては認可外の保育園や預かり施設を検討することになります。
最近では幼稚園の預かり保育を利用して、ほぼフルタイムで働くことも可能です。ただし幼稚園によって、預かり保育の時間はかなり差があります。
母子家庭にとっては、近くに子どもを見てもらえる身内がいれば一番安心ですが、そうでなければ、子どもが小さいうちはとにかくどこかへ預けなくては働けません。
自治体や役所には預け先や保育園・幼稚園などの情報が集まっています。一度相談してみるといいですね。
③シンママの育児に理解がある職場を探す
シングルマザーは、ひとりで子育てと仕事の両方をこなします。シンママの大変な状況を理解してくれる「働きやすい職場」のポイントは次の通りです。
- 子どもの病気や学校行事等で休みが取りやすい
- 残業がない・少ない
- シングルマザー歓迎の職場
- シンママ・似たような境遇の女性が働いている
子どもが小さいうちは、すぐに体調を壊し、風邪などでも数日休むことが多いです。このような突発的な出来事でも、比較的休みが取りやすい職場を選びましょう。できれば残業がない、もしくは少ない職場がベストです。
職場にある程度の人数がいて、なおかつ皆が似たような業務を請け負っている場合、突然ひとりが休んでも大きな支障はないですよね。例えば、コールセンターとか、工場のライン作業、通販会社の商品ピッキング・梱包、複数で行う入力業務のような部署です。
また既にシングルマザーが働いていたり、シンママ歓迎だったり、ひとり親家庭の就労に理解のある職場も探せばあります。
同じような境遇の同僚がいれば、お互いに休みをカバーしたり、トラブル時に助け合う、協力し合うこともしやすいです。先輩シンママが同じ職場にいるのは、とても心強いと思います。
- ひとりが休むと業務に支障が出やすい職種
- 人数が少なく休みが取りづらい
- 急な残業や予定変更が多い仕事
- 出張や就労時間外での仕事(接待)がある場合
販売や接客業は特に人数が少ない職場だと、ひとりが休むとそもそも業務が成り立たないところがあります。
どうしても急な休みが多くなりがちなシンママは、周囲に気を遣うことになります。また職場も度重なる欠勤に対応しきれません。
「ひとりで子育てして大変なのはわかるけど、これだけ休まれてしまうと周囲もカバーしきれないんだよね」
こんな言葉をかけられ、退職せざるを得なかったというシンママの体験談は珍しくありません。
残業が多いとか、土日の予定を急に入れられてしまうような職場も難しいですね。
収入がよくても、出張があるとか、夜に取引先と食事会がてら打ち合わせが入るといった環境も、子どもの預け先を考えるとシンママには難しいかなと思います。
後半にはシングルマザーが働きやすい職種のランキングを載せています。シンママの仕事探しの参考にしてください。
正社員とパート(バイト・派遣など)、どちらを選ぶべき?
正社員 | パート | |
---|---|---|
メリット |
・給料が良い ・雇用が安定している ・認可保育園の入所優先度が高い |
・時間の融通が利きやすい ・残業もほとんどない ・子育てを優先しやすい |
デメリット |
・就職が難しい ・急な休みやシフト変更が難しい ・子育てを優先しにくい |
・給料が少ない ・認可保育園の入所優先度が低い ・雇用が不安定 |
シングルマザーといっても、それぞれ状況が違います。一概に正社員がいい、パートがいいとは断言はできません。
正社員とパートのメリット・デメリットを把握した上で、自分の環境を踏まえてどちらがいいか判断するのがベストですね。
ただ以下のようなことを考えると、長い目で見たときに正社員のほうがメリットは大きいと思います。
- 子どもの教育費が大きく負担になってくること
- いずれ老後資金についても考えなくてはならないこと
- 社会保険や福利厚生のメリットが大きいこと
- 安定した雇用で生活の不安なく過ごせること
正社員を目指すつもりで、紹介予定派遣が可能な求人を探してみると良いかも知れませんね。
働き方は、子どもの成長にあわせて変えていくという方法もあります。例えば最初はパートで、小学校4年生くらいで留守番もできるようになったら正社員を目指すような形ですね。
シングルマザーはライフプランを考え、パートでも正社員に結びつく職種を選ぶとか、スキルや資格、経験を身につけて、30代から40代になっても正社員採用の道が開けるよう、準備しておくと安心です。
シングルマザーでも正社員で働けるのか
就職しているシングルマザーの雇用形態
厚生労働省によるひとり親世帯の調査報告を見ると、母子家庭で就労しているシングルマザーの雇用は「正社員」と「パート・アルバイト」が、ほぼ同じくらいの割合です。
ところが正社員とパートでは、収入がまるで違いますし、安定した雇用という面でも差があります。シングルマザーは、両極端の働き方に分かれていますね。
こちらの調査では年齢が様々ですから、子どもが小さいうちは、もう少しパートや派遣社員の割合が多いと思います。
ちなみに、父子家庭の場合、70%近くが正社員、20%弱が自営業ですから、収入としては安定していることがわかります。
ひきかえ、母子家庭のシングルマザーは結局、半数以上が「非正社員」です。データを見るだけでも、シンママが正社員として就職する難しさがわかります。
ずっと働いていた会社なら正社員として働くことはできる
これまで継続的に働いてきた会社なら、離婚してもシングルマザーになってもそのまま正社員として雇用されるでしょう。
それまでの経験や勤続年数から会社も信頼を持っているし、必要とされていれば、子育てとの両立でも融通がきくことが多いですね。
もし今正社員として働いていて「離婚」を考えているなら、現時点では退職をしないほうが良いということです。
実際に離婚して、育児との両立を考えて転職するにしても、正社員からブランクなしでの転職活動が有利です。
出産後ブランクがあり復職する場合、正社員採用は厳しい道のり
結婚後または出産を機に仕事を辞め、育児期間中のブランクがある場合は、ブランクが長ければ長いほど正社員としての就職は難しくなります。
シングルマザーはどうしても会社を休みがちで、責任ある業務を任せきれないと考える企業が多いです。「シンママは雇用しづらい」というのが企業の本音です。
企業側からすれば、人間性もわからず、会社にどれだけ貢献してくれるかも未知数のシングルマザーをすぐに正社員として採用するリスクを避けたいのです。
ましてやブランクがある再就職となると、スキルや経験、資格といった企業が求める条件を満たしていないと、シングルマザーはなかなか正社員として採用されないのが現実です。
現実的に考える「シングルマザーの働き方」とは
- アルバイト
- 派遣社員
- 契約社員
アピールできる資格やスキルがなく、さらにブランクもあるシングルマザーは、最初の雇用でいきなり正社員を目指すのは大変です。とはいえ、一家の大黒柱でもあるシンママは、働き、稼がなくてはなりません。
現実に目を向けて、それならばバイトや派遣社員といった働き方も検討しましょう。
働きながら経験やスキルを身につけ、その間に資格取得も行えば、正社員登用の道も広がっていきます。
将来やりたい仕事につながるアルバイトや派遣先、少しでも高い時給、スキルや資格取得に協力的な会社など、希望や条件に合うところを探すのがポイントです。
派遣とアルバイト・パートの違いについても理解しておくとよいでしょう。
シングルマザーが正社員として就職するための2つのコツ
①資格があれば就職しやすい仕事を選ぶ
資格が必要で、なおかつ人手不足の職業であれば、正社員として採用されやすいです。
具体的には次のような資格を取得すれば、一気に正社員への道が切り開けます。
- 看護師
- 医療事務
- 保育士
- 介護福祉士
- ホームヘルパー
- 助産師
もちろん医療事務にしろ介護福祉士にしろ、資格の取得は大変です。でもシングルマザーは自分ひとりの稼ぎで子どもを育てていかなくてはなりません。大変でも、資格を取得することは、のちのち大きな武器になるはずです。
資格があれば、正社員になりやすいだけでなく、給料もアップします。このことを考えれば、これからでも資格取得を目指すことを視野に入れましょう。
「母子家庭自立支援給付金事業」はご存知ですか?資格取得の間、生活費を援助してもらえます。国の支援・自治体の援助などを存分に活用して下さい。
②「紹介予定派遣」を利用する
紹介予定派遣とは、一定期間派遣社員として働いた後、派遣先企業と労働者双方が合意したら企業に直接雇用される制度です。
紹介予定派遣として採用された場合、最初に「直接雇用になった時の待遇」「労働条件」が提示されます。そして派遣期間終了後に合意が出来れば、その契約に従って直接雇用となります。
シングルマザーが正社員を目指す場合、紹介予定派遣として、正社員や契約社員、アルバイトなどの直接雇用で働く前提の働き方を選択肢として検討するのもよいでしょう。
アルバイト・派遣・契約社員ならどれを選ぶべき?
働き方 | メリット |
---|---|
アルバイト |
・採用されやすい ・シフトや勤務日など融通が効く |
派遣社員 |
・すぐに仕事が見つかる ・アルバイトより時給が高い ・残業がない職場を選べる ・子どもの長期休みなどにあわせて働く日程を調整できる ・派遣会社が仕事探しから業務までサポート |
契約社員 |
・月給は正社員なみ ・長期にわたって働ける ・勤務先企業の直接雇用 ・福利厚生や社会保険制度もある場合が多い |
働き方 | デメリット |
---|---|
アルバイト |
・時給が安い ・不安定な雇用 |
派遣社員 |
・希望どおりの派遣先があるとは限らない ・派遣会社によりフォロー体制に差がある |
契約社員 |
・ボーナスなどは基本的にない ・業務内容は正社員同様で残業もあり ・契約が打ち切られる不安定さはある |
アルバイト・派遣社員・契約社員、それぞれにメリットとデメリットがあります。
シングルマザーにとってのメリットで考えると、アルバイトは勤務時間がかなり自由に決められる、融通が効く点が挙げられます。
アルバイトほどではありませんが、派遣社員も、例えば子どもの夏休み期間は短時間のシフトで働けるところ、それ以外は時給のよいところ、といったように希望に合わせて働き方や勤務先を調整できます。しかも派遣社員は、バイトよりも時給が高い点が魅力です。
契約社員は安定した長期雇用がメリットですね。
さて、シンママとしては、やはり「子育てしながら働きやすくお金も稼げる」のが理想的です。派遣の場合、時給が1,300円といのは珍しくありません。派遣で週5日、8時間働けば、月にして22万円以上の収入が得られます。
また大手の派遣会社なら、社会保険の加入や福利厚生も利用できます。何より、仕事探しから始まって、就労中に万が一トラブルがあっても、派遣会社がフォローしてくれる安心感もあります。
資格を持ち、企業に必要とされ、さまざまな希望が通るような会社に正社員として採用されるのが理想的ですが、シングルマザーの働き方としては、派遣社員からスタートするのが現実的と言えます。
シングルマザーが働きやすい職種ランキング
希望別のおすすめ職種ランキングを紹介します。
子どもと過ごす時間の確保を第一に考えるか、なるべく多くの収入を得るか、ライフスタイルやそれぞれの事情と照らし合わせて、ランキングを参考にして下さいね。
①子育てメイン(時短・平日のみ勤務)
「子育てメイン」の職種トップ7
①コールセンター(人材不足で採用されやすい)
- 求人数が多いので仕事に就きやすい
- 女性中心の職場で同じ立場の人も多い、シンママへの理解が高く働きやすい
- 比較的時給が高い
- 特別な資格もいらない
- 正社員での求人はほとんどなく、派遣社員としての就業が1番多い
コールセンターは常に人材不足で採用されやすいメリットがあります。
また時給も高めですし、シフト勤務が可能で、シングルマザーにとっては働きやすい職場です。ただし、「ボスキャラ女性がいて面倒」「ノルマがあると大変」といった声もあります。
コールセンターは、正社員より派遣社員の雇用が非常に多いので、大手の派遣会社に登録するのがポイントです。
②介護職(短時間でもOK)
- 短時間でもOKの職場が多い
- 特別な資格や経験がなくても大丈夫
- 労働条件がハードな場合がある
介護業界も常に人手不足です。大手の場合は「週に2日でも、短時間でもいいから」と日程や時間など、シンママの希望がすんなり通ることも。
ただし、介護関係は労働条件がハードなところも多いだけに、自分で調べて探すよりも派遣会社を通じて見つけてもらうほうがお勧めです。
いざという時、派遣会社に間に入ってもらい、条件についての交渉やトラブル時にフォローしてもらえるほうが安心です。
③ヤクルトレディ(専用の保育所が隣接)
- 専用の保育所が隣接
- 預け先を考えずにすぐに働き始められる
- 出来高制
小さいお子さんを持つママたちに人気のヤクルトレディです。
保育園が見つからない人も、専用の保育所が隣接してあるのですぐに働き始められます。出来高制で収入が決まるので、営業が苦手な人には難しい面もあります。
逆にいえばコミュニケーションに自信がある人は、短時間でも一定以上の収入が得られるということですね。
④事務職(PCが使えればOK)
- デスクワークのため体力に自信がない人もOK
- 基本的なパソコン操作ができれば特に資格は必要ない
- 職場の規模は様々なので業務内容等の確認は必要
事務職も比較的求人数は多くあります。ただ、事務職といっても幅広く、例えば人数が少ない職場だと急な休みに対応してもらえないことも。
事務職で仕事を探す場合は、派遣会社に登録し、企業規模や職場の人員、業務内容等を把握した上で決めたほうが安心です。
事務職は継続して働いてもらいたい企業が多いので、派遣として働きながら経験を身につければ、正社員登用も多い職種です。
⑤スーパーのレジ打ち(接客業で誰でも始めやすい)
- 誰でも始めやすい仕事
- 女性が多く、シンママへの理解も高い
- シフト制なので時間の融通が利きやすい
スーパーのレジ打ちは、最近では自動精算の機械が多く、特に苦労なく始めやすい仕事です。女性が多く、シンママへの理解も高いので働きやすい職場です。
また、シフト制で時間の融通もきく点も子育てとの両立がしやすいですね。
⑥軽作業・製造業スタッフ(覚えることが少ない)
- 覚えることが少なく始めやすい
- シフト制で時間の融通が利きやすい
- 人と接する仕事が苦手な人でもOK
軽作業や製造業の仕事は、比較的手順が簡単で覚えやすいので、誰でも始めやすいです。シフト制が多く、子どもの予定にあわせて働く日を決められるのもシンママにとっては助かります。
製造業スタッフは、接客業のように人と接する仕事ではないので、ひとりで黙々と仕事をしたいタイプにも向いています。
⑦家事代行サービス(掃除や料理など得意の人は◎)
- 料理・掃除・買い物など家事の代行を行う
- 事前に研修を行う会社が多いので家事が苦手でもできる
- 比較的時給はよいが会社によって差がある
- 地方では仕事を探しにくい
家事代行サービスは共働き家庭が増えている今、需要のある仕事です。専門のクリーニングサービスのような技術はいりません。事前に研修を行う会社が多いので、家事や掃除の手順は学べます。
時給がわりと高めですが、ただ会社によって差があり、またどの程度の家事ができるか(例えば作り置きの料理が作れると時給が高くなるといったように)にもよります。
家事代行サービスが浸透しているのは都心部のみで、地方ではそもそも家事代行を行っている会社も少ないため、仕事が探しにくいのがネックです。
②できるだけたくさん稼ぎたい(高時給の仕事)
「高時給」の職種トップ4
①コールセンター(時給1,500円前後)
- 時給1,500円前後と高い
- シフトの入れ方によって高い月収を得られる
- 電話ロールプレイングやタイピングなどの研修あり
都心部では、コールセンターの時給は1,200円から1,500円とかなり高めです。
離職率が高いため、常に人員を募集しているので採用されやすいメリットもあります。研修で電話の応答やマニュアルにそった対応ができるよう学ぶので、特別な資格や知識はいりません。
週5日8時間勤務であれば、月給は20万円から25万円が見込めます。コールセンターといっても、簡単な商品説明からクレームの対応、販売促進など内容がかなり違い、中には厳しい現場もあります。
時給だけで決めるのではなく、業務内容を必ず確認しましょう。派遣会社を通したほうが時給は高い傾向があります。
②介護職(ばらつきがあるが高め)
- 時給にバラツキがあるが需要が多いので高めの傾向
- 夜間業務は特に時給が高い
- 資格があると時給がアップする
介護職はさまざまな分野があります。例えば訪問介護職は平均時給が1,400円前後と高め、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格があると高い時給が貰えます。
ただし勤務先によって時給にかなり差があること、また労働内容も大きく違うので、より良い条件で高い収入を得るには事前によく職務内容と勤務先についてリサーチするのが大切です。
介護職も派遣会社をはさんだ方がトラブルが少なく、また時給も高いことが多いです。
③家事代行サービス(時給1,000円から)
- 時給1,000円〜2,000円と幅広い
- 料理や子どもの見守り・ペットケアなどオプションができると時給がアップ
- 自分でスケジューリングができる
家事代行は特別な資格もいらず、すぐに始められる仕事です。一般的な清掃業務は時給が低いのに対して、家事代行(簡単な掃除・片付け・洗濯・食事の準備など)は場合によっては時給が2,000円代とかなり高くなっています。
需要が高いのに人材が足りていない「料理ができる(作り置きなど)」「シッターと家事の両方を行う」「ペットケア」「収納アドバイザー&収納整理を行う」といった作業ができると、高い時給が期待できます。
毎日、同じ勤務先へ行くのではなく、家事代行を頼む家を回るので、比較的自由に仕事を受注し、日程を調整することができます。
個人個人をマッチングする家事代行サービスのサイトが増えていますが、トラブル時の対応などで問題も起きているので、登録する会社選びには充分注意して下さい。
④保険の外交員(営業力次第で高収入も)
- 営業努力次第で高収入がのぞめる
- 会社によっては時給プラスαの成績報酬がある
保険の外交員は何よりも営業の成果次第で高い時給が得られます。時給だけでなく、ノルマの達成や営業成績によりプラスαの収入を得られることも多いので、積極的・行動的で営業に自信がある人なら正社員以上の収入を得ることも可能です。
知っておこう!子供の預け先一覧
まだ小さな子どもがいるシングルマザーが働く場合、子どもの預け先がなければ働けません。ここからは、幼児(未就学児)・児童(主に小学生)に分けて、お子さんの預け先を紹介します。
幼児の預け先など
0歳児から未就学児のための預かり施設について、料金や預かり時間などをまとめました。
幼児の預け先一覧(預かり時間・特徴など)
施設 | 預かり時間 |
---|---|
認可保育園 | 8:30〜18:00前後 延長でも19時程度 |
認可外保育園 | 施設によるが延長保育あり 夜間OKあり |
幼稚園 | 通常9:00〜14:00前後 延長保育があれば 16時〜18時のお迎えが多い 朝(登園時間前)の預かりは 行っていない幼稚園が多い |
認定こども園 | 1号認定:9:00~14:00ごろ 2号3号認定:7:30分~18:00 |
病児保育施設 | 通常の保育園とほぼ同じだが 延長はない場合が多い |
ファミリーサポートセンター | 応相談 |
シルバー人材センター | 応相談 |
ベビーシッター | 自由 |
ベビーホテル | 24時間保育 |
施設 | 備考 |
---|---|
認可保育園 | 国が定めた基準をクリアー 都道府県知事による認定 |
認可外保育園 | 特色のある教育機関からベビーホテル まで様々な保育施設がある |
幼稚園 | 幼稚園により、延長保育の 内容や条件が違う |
認定こども園 | 幼稚園の幼児教育に 保育園の機能をプラス 1号:幼稚園のみ・就労の必要なし 2号3号:就労していること 施設・自治体により差がある |
病児保育施設 | 病気の治りかけ時など 保育園では無理な場合でも 預かってもらえる クリニック併設・施設型と自宅訪問で シッターサービス型がある |
ファミリーサポートセンター | 民間の一般家庭で 研修等をうけて認定される 自宅で子どもを預かる他 保育園への送迎なども頼める |
シルバー人材センター | ファミリサポートとほぼ同じ 短時間・単発など預かり条件は様々 |
ベビーシッター | 事前登録が必要 好きな時間にお願いして自宅で 子どもを見てもらえる |
ベビーホテル | 夜間預かりもしてくれる |
幼児の預け先一覧(料金)
施設 | 料金 |
---|---|
認可保育園 | 目安:30,000円〜50,000円/月 |
認可外保育園 | 目安:50,000円〜100,000円/月 |
幼稚園 | 100円〜1,000円/1回の延長保育 |
認定こども園 | 目安:5,000円〜70,000円 |
病児保育施設 | 1日3,000円前後 / 1日5,000円〜20,000円 |
ファミリーサポートセンター | 自治体から援助がある場合も |
シルバー人材センター | 自治体から援助がある場合も |
ベビーシッター | 1,500円〜3,000円/時間 |
ベビーホテル | 目安:50,000円〜100,000円/月 |
施設 | 備考 |
---|---|
認可保育園 | 所得と子どもの年齢によって違う |
認可外保育園 | 施設によって違う |
幼稚園 | 幼稚園によって料金システムが大きく違う |
認定こども園 | 認定区分(1号・2号3号)によって料金が違う 所得により違う |
病児保育施設 | 施設型 / 訪問看護型 |
ファミリーサポートセンター | 自治体から援助がある場合も |
シルバー人材センター | 自治体から援助がある場合も |
ベビーシッター | シッター会社・個人などでかなり差がある |
ベビーホテル | 地域・時間帯・子どもの年齢によってかなり違う |
幼児教育・保育の無償化について
幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラスの子供たち、 住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスまでの子供たちの利用料が無料になる措置が令和元年10月よりスタートしました。
詳しい情報についてはこちらをご覧ください。
幼児の預け先としては、第一に認可保育園が挙げられます。保活アプリや検索サイトはざっくり確認するのに便利ですが、保活について一番わかりやすいのは地域の役所・自治体の相談窓口です。
認可保育園にせよ認可外保育園にせよ、各施設・自治体によって入園条件は大きく違うので、まとまった情報がある役所で相談するのが先決です。
どこに預けるかによって、費用も大きく違ってきます。それによって必要な収入も変わります。シングルマザーにとって大変なのは、保活をしながら就活をしなくてはならないことです。
ひとまず夫の収入があるとか、協力があるのと違って、これらをひとりでこなさなくてはなりません。
離婚すると何でもひとりで抱えてしまいがちです。自治体はもちろんですが、身内や友だち、様々な人の手を借り、愚痴を聞いてもらったり相談したり、母子だけで先行きが見えない不安を抱え込まないようにして下さいね。
児童の預け先施設など
小学校入学以降の子ども向け、預け先施設についてです。
児童の預け先一覧
施設 | 料金目安 |
---|---|
公立学童 | 4,000円〜7,000円/月 |
民間学童 | 20,000円〜100,000円/月 |
施設 | 特徴 |
---|---|
公立学童 | 放課後〜18時前後 学校内・児童館などで開催 |
民間学童 | 放課後〜延長あり 夕飯用意や20時前後の延長あり 学習プログラムやカリキュラムが豊富 送迎あり |
よく小1の壁といわれるのが、小学校に入ってからの「放課後の過ごし方」です。
学校が終わってから母親が帰宅するまで、子どもがひとりになってしまうので、誰かに見てもらわなくてはなりません。
親が働いている場合、小学生の多くは学童で過ごします。公立の学童は料金が安く、シングルマザーにとってはとても助かります。ただし人数制限があったり、小3まで・小4までといった条件もあります。
またお迎え時間は18時前後で延長がない場合が多いので、残業がある職場だと難しいですね。
学童のお迎えに間に合わない家庭では、公立学童にプラスして、ファミリーサポートでお迎えとママが帰宅するまでの1〜2時間を見てもらうパターンが多いです。
いっぽう民間の学童はかなり自由がきき、勉強のサポートもしっかりしているメリットがあります。家まで送ってくれたり、夕飯も出してくれたり、延長保育も20時までOKだったりと至れり尽くせりです。しかし、民間学童は料金が高いのがネックです。
子どもも小学校2年くらいから「学童つまらない」「行きたくない」と言い出すケースもよくあります。小学生なら家で過ごす時のルールを作り、カギの施錠などを含めて練習させれば、留守番もできるようになります。
派遣やアルバイトで、一般的な時短勤務のように16時終業で調整ができれば、小学校低学年でも学童に入らずに留守番という方法も検討できます。
いずれにしても小学生になると、子どもの自我も芽生えてくるので、本人の希望や意思をきちんと聞いてあげたいですね。
求職中のシングルマザーのよくある悩み、疑問
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「これから離婚を考えているが、シングルマザーになっても仕事に就けるか?」
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「離婚→シングルマザーでも仕事にはもちろん就けます。」
シンママでも、ブランクがあっても仕事は探せます。ただし、最初から希望どおりの職種に就けるかは、また別の問題です。
資格があったり専門職だったりすれば、比較的早くに正社員採用もあり得ますが、それでもシングルマザーである、子どもがいるということが就活のネックになるのが現実です。
離婚を考えているなら、この時点から仕事探しをスタートさせておきましょう。将来的な目標をたて、それにむかって、できるだけ充分な収入を得られるように、なおかつ子どもを淋しい思いをさせずにすむように、準備しておくのがベストです。
できれば離婚までに、自分名義の貯蓄を少しでも作っておくと安心です。
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「在宅ワークという選択肢はあり?」
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「在宅ワークで高収入は難しい」
現在も働いていて、在宅での受注が見込まれるのならいいのですが、実際には在宅ワークでいきなり生活費すべてを賄える収入を得るのは厳しいです。
アフィリエイターで「月に50万稼いだ!」なんていう書き込みをよく見かけます。ちなみにアフィリエイトだけで食べていける人はひと握りです。
実際には収入ゼロというアフィリエイターの方が多いですよ。クラウドソーシングで仕事を探すのも、副業ならともかく、収入のアテにはできません。
最近はリモート勤務やテレワークも普及しており、週1〜2日の出勤、残りは在宅勤務OKといった職場も増えているので、在宅ワークと限定せずに様々な働き方を検討したほうがいいと思います。
それでももし在宅ワークを始めたいという人は、以下の記事を参考にしてみてください。
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「シングルマザーの求職で役に立つ(仕事に就きやすい)資格ってある?」
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「シングルマザーの就活に役立つ資格トップ3」
看護師や薬剤師といった資格なら大変役立つと思います。とはいえ、こうした国家資格は簡単に取得できません。現実的には以下のような資格を取得すれば、就活に役立つでしょう。
事務職の資格
- 簿記→経理事務は時給が高め
- TOEIC等→英語での応対ができる、事務ができると時給の高い職が多い
- 医療事務→時給も高く需要も多い
その他の資格
- ホームヘルパー→介護職で好条件の仕事を選べるようになる
- 保育士→国家資格の中では取りやすい、求人も多い
- ネイリスト技能検定→シフト勤務で働ける、将来独立もできる
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「仕事に育児にと忙しくて、料理や掃除まで手が回らない。みんなどうしてる?」
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「手抜きです!!!」
料理や掃除を家事代行や家政婦さんに頼むという方法もありますが、一般的にシングルマザーは経済的な余裕がないので難しいと思います。それに少しでも子どものために貯金もしたいですよね。
ズバリ、料理にせよ掃除にせよ、頑張りすぎないことです。シングルマザーに限らず、働くお母さんの多くが、夕飯はスーパーのお総菜を使ったりコンビニ総菜で一品足したりしています。最近は材料がカットされて炒めるだけのセットや、ふりかけるだけの調味料もたくさん出ているので、どんどん手抜きしましょう!
掃除も、神経質にならなくても大丈夫。頑張りすぎてママが体調を崩したら、他に頼れないシングルマザーにとっては大変なことです。
それから、子どもにどんどんお手伝いをさせましょう。小さいうちから食べたものはキッチンに運ぶ、テーブルを拭く、洗濯物を自分でしまうといったことをさせ、小学生にもなったらトイレ掃除や洗濯物をとりこんで畳んでしまうといったことも、できるようになります。