転職で直接応募のメリット・デメリット|転職エージェントとの比較も解説

転職エージェント、転職サイト・アプリ、スカウトサービスなど、転職活動で使えるサービスはたくさんあります。

そんな中、わざわざ直接応募をすることにメリットはあるのでしょうか?

今回は、転職時における直接応募のメリット・デメリットや、直接応募が有利になるケースについて解説していきます。

直接応募のメリット

まずは、直接応募のメリットについて解説します。

具体的には、以下の3つです。

  • 熱意が伝わりやすい
  • 企業にとって採用コストがかからない分、選考で有利になる場合がある
  • 自由に応募できる

    (1)熱意が伝わりやすい

    直接応募の1つ目のメリットとしては、「熱意が伝わりやすい」という点です。

    直接応募は自ら求人情報を集めて応募する必要があるため、転職エージェント経由の応募に比べて求職者側にも手間がかかります。

    それにもかかわらず、あえて直接応募をしてきたということは、採用担当者によっては「入社意欲が高い」との評価につながることもあり、熱意が伝わりやすいとも言えます。

    また、直接応募の場合には、面接の日程調整なども含めて、求職者が採用担当者と直接やり取りをすることになります。その際、電話やメールでの対応が良ければ、好印象を持ってもらえることがあり、多少なりとも選考過程においてプラスになる可能性もあるでしょう。

    (2)企業にとって採用コストがかからない分、選考で有利になる

    直接応募の2つ目のメリットとしては、「採用コストがかからない分、選考で有利になる」という点です。

    企業が転職エージェント経由で人を採用した場合、紹介料(内定者の理論年収の35%前後)が発生します。一方、直接応募の人を採用した場合、費用はかかりません。そのため、場合によっては、採用コストを節約できる直接応募の方が、選考過程で有利になることがあるのです。

    例えば、同じようなスキル・経歴の持ち主であるAさんとBさんが、下記の方法で同時に応募してきたと仮定しましょう。

    • Aさん ⇒ 転職エージェント経由での応募
    • Bさん ⇒ 直接応募

    企業にとって採用コストがかからない分、選考で有利になる

    このケースにおいては、わざわざ紹介料を払ってAさんを採用することにメリットは見出しづらいです。年収を仮に500万円とすると、紹介料は175万円にも上ります。多くの企業がBさんを採用するでしょう。

    もちろん、採用コストだけで最終的な採否が決まるわけではありません。とはいえ、直接応募であれば企業側に採用コストがかからないため、その点が選考において有利に働くこともあるでしょう。

    (3)自由に応募できる

    直接応募の3つ目のメリットとしては、「自由に応募できる」という点です。

    自由に応募できる

    転職エージェント経由で応募する場合には、基本的にその転職エージェント会社が取り扱っている求人にしか応募ができません。

    また、転職エージェントが保有している求人であったとしても、必ずしも応募できるとは限りません。転職エージェント経由で求人に応募しようとしても、エージェントサイドから「企業側が求める条件に適していない」と判断された場合には、応募を断られるケースがあるからです。

    しかし、直接応募であればそのような制約はなく、企業が求人を出していれば自由に応募ができます。自由に応募ができれば、自分の理想とする企業に就職できる確率も高まります。

    直接応募のデメリット

    続いて、直接応募のデメリットについて解説します。

    具体的には、以下の3つです。

    • 書類選考が通りにくい
    • 面接対策を立てづらい
    • 全て一人で完結させる必要がある

      (1)書類選考が通りにくい

      直接応募の1つ目のデメリットとしては、「書類選考が通りにくい」という点です。

      転職エージェント経由での応募は、企業と求職者の間にエージェントが入って、必要に応じて推薦状を作成してくれるなど、求職者の書類選考通過の後押しをしてくれます。

      しかし直接応募の場合は、求職者が直接企業に対して応募する形になるので、企業の求める人材像とよほどマッチしていなければ、面接まで進むのは難しいと言えます。

      特に、ホームページなどの採用ページでの募集は通年採用、いわゆる「急ぎで人材が欲しいわけではないが、いい人がいれば採用したい」というスタンスでの募集が多いため、書類選考の通過率はかなり低い傾向があります。

      (2)面接対策を立てづらい

      直接応募の2つ目のデメリットとしては、「面接対策を立てづらい」という点です。

      転職エージェント経由で応募すると、場合によっては、応募先企業に合わせた個別の面接対策を共有してもらえることがあります。

      というのも、転職エージェントは企業の人事部とつながりがあり、「面接でどんなことが聞かれるのか」「どんな人物が好まれるか」といった情報を握っているケースも多いからです。

      しかし直接応募の場合には、転職エージェントを経由しないため、そういった情報は入手できません

      もちろん、事前情報がなくても採用の可能性は十分にあります。とはいえ、対策が立てづらい分、面接のプレッシャーも大きくなるでしょう。

      (3)全て一人で完結させる必要がある

      直接応募の3つ目のデメリットとしては、「全て一人で完結させる必要がある」という点です。

      転職エージェント経由の応募の場合は、面接の日程調整から条件交渉まで担当のエージェントが代行してくれます。

      しかし直接応募の場合は、これらを全て自己責任で完結させなければなりません。

      働きながら転職活動をしている人は、現職の業務との調整に苦労することも多く、スケジュール調整は慎重に進める必要があります。

      さらに、内定後の条件交渉や入社日の調整といった交渉事はトラブルも発生しやすく、事前にしっかりと準備をして交渉に臨む必要があるでしょう。

      直接応募or転職エージェントが有利になるケース

      直接応募or転職エージェントが有利になるケース

      「直接応募が有利になるケース」と「転職エージェント経由の応募が有利になるケース」をご紹介します。

      必ずしも全てのケースがこのパターンに当てはまるわけではありませんが、1つの参考としてみてください。

      なお、1つの企業に対して、直接応募と転職エージェント経由の応募の両方からアプローチするのは、やめたほうがいいです。企業に手間を煩わせる結果となってしまい、印象がよくありません。

      直接応募が有利 転職エージェント経由が有利
      • ベンチャー企業への応募
      • 比較的新しい企業への応募
      • 大企業への応募
      • 人気企業への応募

      直接応募が有利になるケース

      直接応募が有利になるケースとしては、以下のものが挙げられます。

      • ベンチャー企業への応募
      • 比較的新しい企業への応募

        これらの企業は、あまり採用にコストをかけられないことが多く、直接応募の方が優遇される可能性が高いと言えます。

        仮に企業側の求める条件を満たしていない場合であったとしても、熱意をアピールできれば、採用される可能性も十分にあります。

        転職エージェント経由の応募が有利になるケース

        転職エージェント経由の応募が有利になるケースとしては、以下のものが挙げられます。

        • 大企業への応募
        • 人気企業への応募

          これらの企業はふだんから応募が殺到するため、採用担当者の負担を減らす目的で、転職エージェントを利用しているケースが多いです。

          このような企業に直接応募をしても、そもそも採用担当者に余裕がなく、しっかりと選考してもらえない可能性が高いでしょう。

          直接応募に比べれば、採用担当者の目にも留まりやすくなるため、転職エージェント経由で応募した方が有利と言えます。

          転職エージェントと直接応募の併用がおすすめ

          転職エージェントと直接応募の併用がおすすめ

          今回は、転職時における直接応募のメリット・デメリットについて解説しました。

          ▼直接応募のメリット・デメリット

          メリット デメリット
          • 熱意が伝わりやすい
          • 企業にとって採用コストがかからない分、選考で有利になる
          • 自由に応募できる
          • 書類選考が通りにくい
          • 面接対策を立てづらい
          • 全て一人で完結させる必要がある

          直接応募にはいくつかメリットがありますが、直接応募だけで転職活動を完結させるとなると負担は大きいです。

          基本的には転職エージェントやスカウトサービスなどと併用しながら、転職活動を進めるのが効率的と言えます。

          「この企業には絶対に行きたい!」という企業を見つけた場合のみ、直接応募してみることをおすすめします。