編集部の加藤です!
言葉どおり「データをパソコンに入力する」のがデータ入力の仕事です。
事務職の一種でもありますが、データ入力は常に求人の多い職種です。今回はデータ入力の仕事について解説します。
データ入力のお仕事とは?業務の幅が広いのが特徴
データ入力の仕事について説明します。
- ExcelやWordでデータを入力
- 独自のシステムへのデータ入力
- 入力したデータの確認・照合・校正
- ファイリングや資料整理
そもそも「データ」が意味する範疇がとても広いので、何を入力するかは企業や業種によってさまざまに違います。
- 名簿や名刺を確認し顧客情報を入力
- アンケート回答の結果
- 売上伝票のデータ入力
- 音声データの書き起こし
- 紙の注文書などのデータ入力
一般的には元となる資料を見ながら、パソコンでデータを入力します。決まったひな形や入力用のフォーマットが用意されているところも多いですね。
これらのフォーマットをまとめて、さらにひとつの資料や合計データの作成をすることもあります。
さらにExcelやAccessを使用し、入力したものをデータ化する作業が含まれることもあります。
企業によって、データ入力だけを行う場合と、一般的な事務の仕事もする、コールセンターのように電話対応をしながらデータ入力をするなど、データ入力といえども業務の幅は広いのが特徴です。
補足:データ入力と一般事務の違い
求人情報では「データ入力を含む一般事務」といった記載がよく見られます。
これはデータ入力の仕事が主流だが、たとえば電話の対応や接客、ファイリングや備品管理といった業務全般もこなすことが期待されます。
つまり一般事務との境界線は明確にはありません。
ただ「データ入力専門」となっている場合は、大量のデータを扱い、入力が必要なために専門職として募集しているケースになります。
一般事務であるOA事務の解説は以下を参考にしてください。
データ入力の仕事が無くなることはなさそう
データ入力の将来性について説明します!
将来的には「紙の書類」がなくなるのでデータ入力もなくなるのでは?という声も聞かれますが、データ入力は紙だけでなくデジタル資料が元となることも多いです。
たとえばクラウドソーシングで1,000人にアンケートし、戻ってきた回答をみて、性別・年齢・回答を決まったフォーマットに入力するといったことです。
あるいはPDFの資料から必要事項を抜き出してデータ入力をする業務もあります。
パソコンにデータをインプットする作業はあらゆる業種において必要な仕事ですから、将来もデータ入力の仕事が全くなくなるといったことはないでしょう。
AIがこうした作業に取って代わる未来がないとは断言しませんが、いずれにしてもまだまだデータ入力の業務は人手を必要としています。
データ入力は事務職でのキャリアアップにつながる
- 営業事務
- 経理事務
- 英文事務
- 秘書・プログラマーなどをめざす
- フリーランスになる
データ入力はPC操作の基本です。速く正確にタッチタイピングができる人は、資料作成などの処理も速いわけですから、事務職のキャリアアップにつながります。
データ入力からめざすキャリアアップとして第一に考えられるのは、専門の事務職です。
たとえば経理事務、営業事務、英文事務、貿易事務などですね。
データ入力で鍛えたタイピングスキル、PCスキルを土台とし、簿記の知識を身に付ければ経理事務へとキャリアアップできます。
語学力を活かし、英文事務や貿易事務へとステップアップすれば、さらに高い収入を得られるでしょう。
また文字入力が早ければ、いろいろなキャリアチェンジに活かせます。
プログラマーをめざすならタッチタイピングができればスキルの習得に役立つでしょうし、秘書になるにも議事録や資料を素早く作成できることは強みになります。
データ入力のスピードと正確性に自信があれば、フリーランスとして業務委託も可能です。
データ入力はフリーランス・在宅ワークにすることができる
独立 | ★★★★☆ |
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事務所を構えるような独立は別として、フリーランスとして在宅ワークでも案件を受注しやすいのがデータ入力の仕事です。
家にPCとオフィス系ソフトがあれば受注できます。データ入力の業務委託は多くあります。
ただし、データ入力自体は請け負う案件として決して報酬は高くありません。
スピードに自信があれば、効率良く仕事ができ、報酬を得られますが、納期に間に合わせるために徹夜をするようでは大変です。
データ入力での独立自体は可能ですが、生計を立てるほどの収入を得るのはなかなか難しいでしょう。
他の在宅ワークができる仕事を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
データ入力は求人多数!転職はしやすい
転職 | ★★★★★ |
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データ入力の求人はたくさんあり、転職はしやすい職種です。
ただ、正社員で「データ入力専門」とするのは少なく、ほとんどが事務職としての採用です。つまり、データ入力もできて、その他の細々とした事務作業も行うことになるでしょう。
一般的にデータ入力を専門とする場合には、派遣やパートでの採用が多いです。
パートとしてまずは簡単なデータ入力の仕事をし、その後は派遣社員で働きながらスキルアップ支援を利用して、ExcelやAccessなどを学んで正社員をめざすこともできます。
正社員になってからも簿記や英文事務を学ぶことで、さらに転職でより良い待遇を得られるでしょう。
転職とキャリアアップを上手に活用し、納得のいく待遇と働きやすい環境を手に入れましょう。
データ入力は【正確性】と【早さ】が命!スキルによる収入差は?
パソコンの基本スキルは必須ですから、収入差にはつながりません。
文字入力のスピードですが、一般事務職で10分で600文字が目安といわれています。
データ入力の場合には10分1,000文字以上になれば、スキルとして認められることが多いです。しかし、データ入力の内容によって求められるスピードは違います。
スピードよりも正確性のほうが重視されるデータ入力の仕事も多いです。
製薬会社や化学系の企業が実験やテストの結果をデータ入力する場合、ひとつ数字を間違えれば成果やデータの信頼性が揺らぎ、企業に損害を与えることもあります。
非常に正確でそして早いタイピングスキルがあれば、収入差に結びつくことはあるでしょう。
データ入力の具体的な仕事内容をインタビュー
ここからは、実際にデータ入力として働いている3人をご紹介します。
① 1日のスケジュール
② 残業
③ やりがいや厳しさについて
派遣社員、正社員、パートでのリアルな働き方をぜひ参考にしてください。
Oさん(31歳・女性・派遣)にインタビュー【クレジットカード会社】
①1日のスケジュール
9:00 | 出社今日の作業ノルマを社内システムで確認 |
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9:10 | クレジットカードの各種変更届けのデータを確認 変更依頼書にそってデータを入力 |
12:00 | 昼休み |
- カード内容の変更をデータ入力
- 情報の照合
②残業
残業はありましたか?
ありません。
③やりがいや厳しさについて
お仕事内容について簡単に教えてください!
入力は独自のシステムですが、テンプレートがあるので難しくはありません。
顧客情報なので、住所や、特に電話番号ですね、間違いがないように入力するのでかなり集中して行います。入力もそうですが、実は照合のほうが大切かもしれません。
きちんと見ていないと間違いを見逃してしまいます。
集中力はどんな人でもそうは続きません。現在の勤務先は1時間ごとに10分の休憩が入ります。席をたって、テラスに出たり、ラウンジでコーヒーを飲んだり、部屋を出て気分転換する人が多いですね。
私も外へでて背伸びしたり、時には内階段を上り下りしたり、ちょっとでも体を動かすようにしています。
なるほど、やっていて大変なこととかはありましたか?
ひたすら入力をしているので、腱鞘炎にも何度かなりました。今はもう慣れちゃって、痛くなったら湿布貼っておしまいですけど。やはり眼も悪くなってきたかなぁとも感じます。
私は誰かと話すのも得意ではないので、電話の対応もなく、正しく早く打つことだけに集中していればいいので、自分には合っている仕事です。
達成感はないですけど、今日のノルマ分をこなした後は気分的にはスッキリします。
ノルマは絶対ではありませんが、毎日の業務分にいつも届かないと派遣でも注意は受けます。同じ派遣会社から来ていたひとりは、半月くらいで辞めてしまいました。向き不向きがあるのかなと思います。
Mさん(24歳・女性・パート)にインタビュー【コールセンター】
①1日のスケジュール
8:45 | 出社 業務内容の確認 |
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9:00 | 録音されたコールセンターの内容 音声を聞き文字データに入力 |
13:00 | 退社 |
- 録音データの文字起こし
- 入力したデータの確認
②残業
残業はありましたか?
ほとんどありません。
③やりがいや厳しさについて
現在のお仕事状況について教えてください。
1日4時間、週3日のパートです。コールセンター内の別の部屋でわたしの他、パートさんが3人くらいいて交替で行っています。
コールセンターでのやり取りは録音されているのですが、それを文字に起こして入力します。会社のPCで入力のシステムがありますが、キーボード入力が早ければ他に特に必要なスキルはありません。
あとはたまに、問題があった場合やトラブルになったケースの録音をデータ入力することがあります。この時は先に担当者から状況を説明されて、たとえば、「え?」とか「はぁ」みたいな短い言葉や、相手のあいづちなども間違いなく、入力します。
私は前にコールセンターに勤めていたのですが、いろいろな人と対応するので時にはトラブルになることもありました。データを文字にすることで、客観的な判断材料としての記録にし、そこからさらにコールセンターの対応マニュアルに反映させていくみたいです。
Tさん(36歳・女性・正社員)にインタビュー【大手不動産会社】
①1日のスケジュール
9:30 | 出社 上司と打ち合わせ |
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10:00 | 物件情報の入力*途中で印刷所にいれる不動産情報を入力(元データが画像とPDFだったため) |
12:00 | 物件情報の入力 |
15:00 | 変更された情報の修正作業等 |
18:30 | 退社 |
- 物件情報の入力
- その他資料の作成
- 必要に応じて庶務的な業務もあり
②残業
残業はありましたか?
1月後半から3月までは残業があります。
③やりがいや厳しさについて
お仕事情報や大変だなと思うことについてお聞きできればと思います。
大手不動産会社でデータ入力を中心とした事務を行っています。
1日の半分以上は物件情報の更新・新規の入力です。フォーマットが決まっているので入力の操作は難しくありませんが、頻繁に更新されるので大変は大変です。
特に動きのある春は残業も多くなります。繁忙期は短期で派遣さんが入りますが、最初に教えるのがけっこう時間がかかるので、できればやり方をわかっている人をパートで常時雇用してくれたらいいのに、と、いつも思うんですけど。
事務職の人数が少ないのと、庶務課はないので(経理部や人事部は別にあります)、備品管理もしますし、他部署から頼まれて入力・資料作成なども行います。
コツコツした作業が好きなので嫌にはなりませんが、肩こりはひどくなりますね。
それと昇給もなくボーナスも少ないですし、給料には不満があります。簿記とか、あるいは宅建とか別のスキルを身に付けて、もう少し年収の高い企業へ転職したいと思っているところです。
データ入力の仕事は未経験でも問題ない!(※専門知識・経験が必要な会社もある)
データ入力は未経験でもめざせるかについて説明します。
結論、データ入力の仕事は未経験でも就けます。
まったくパソコンに触れたこともない、キーボード入力の経験もない人だと難しいかもしれません。
学生時代に多少なりともパソコンで作業した経験があれば、簡単なデータ入力なら未経験でもまったく問題ありません。
しかしデータ入力でも、会計事務所や金融会社での入力作業や、専門知識が必要な会社は、募集の対象が経験者のみとなっている求人が多いですね。
ExcelやAccessを使用しデータ処理が必要な場合も、スキルと共に経験を求められることが多いでしょう。
データ入力で必要スキルは【基礎的PCスキル】と【タッチタイピング】
データ入力に必要なスキルや未経験でもめざせるかについて説明します。
データ入力で必要なスキルは以下の通りです。
- 基本的なPCスキル
- タッチタイピング
【基礎的PCスキル】
パソコンでデータを入力するわけですから、基本的なPC操作ができることは必要です。基本的なPCスキルとは以下の通りになります。
- ファイルやフォルダの管理
- タイピング
- メールの送受信
- Wordの基本操作
- Excelの基本操作
求人情報に掲載されている「基本的なPCスキル」は、WordとExcelの初歩レベルも対象となっていることが多いですね。
もし、Excelで関数が理解できるといったプラスαのスキルが必要であれば、詳細説明などで付記されているはずです。
データ入力では、独自のシステムへの入力もよくあります。
この場合には事前に研修や先輩からの指導、詳細なマニュアルなどがあるので、入社前には心配しなくても大丈夫です。
【タッチタイピング】
データ入力は、どれだけ短時間で正確に入力できるかがポイントになります。
元のデータである資料を見ながら打つので、キーボードを見なくても間違いなく打てるタッチタイピングのスキルがあれば強みとなります。
派遣の事務職では、10分で600文字程度が基本ですが、データ入力なら1,000文字以上打てるとスキルとして認められやすくなります。
とはいえ、タイピングは実際にやればやるほど早く正確に打てるようになりますから、データ入力の仕事をしながら自然とスキルアップするでしょう。
データ入力に向いている人・向いていない人
データ入力に向いている人・向いていない人を紹介します!
- 根気のある人
- 集中力があるタイプ
- 丁寧な作業ができる
- 単調な作業でも飽きずにできる
ただし、次のどれかに当てはまる人は、別の職種を検討した方がいいかもしれません。
- デスクワークが苦手な人
- キーボード入力が苦手な人
データ入力はコツコツとした地道な作業です。しかも打ち間違えに気づかないままでいると、そのデータを流用することで会社に損害を与えることもあり得ます。
そのため、集中力があり丁寧な仕事ができること、照合や校正をしっかり行える人が向いています。
あまり人と交わる必要がないので、多くの人と話すのが苦手なタイプにも向いている仕事です。
逆にデスクワークやじっとしている仕事が嫌いなタイプや、そもそもキーボード入力が苦手な人には向いていません。
データ入力へ転職する前に知りたい2つのこと
データ入力として転職するときに、知っておきたいたことをまとめました。
1.データ入力が活躍できる会社のリスト
- KDDI
- みずほ銀行グループ
- PayPay株式会社
建築会社や不動産会社、通信企業、金融関係、税理士法人、さらには官公庁など、データ入力の求人はさまざまな大手企業・自治体関連で募集しています。
大手企業でもアシスタントとしての簡単なデータ入力や伝票処理で募集しているケースもあり、未経験でも憧れの大企業で仕事ができるチャンスがあります。
2.エージェントがデータ入力の求人を持っている可能性が高い
データ入力そのものは、地味な作業ですが、個人情報や企業秘密を取り扱うこともあり、実はとても重要な業務を任されることも多いです。
そのため、大量のデータ入力処理では派遣やパートでまかなっても、正社員採用では入力スキルが高く、几帳面でしっかりした人材が望まれます。
大企業では一般の求人サイトではなく、エージェントを利用して募集するケースも多いので、転職を考えるのであればエージェント登録を検討しましょう。
業務の内容・範囲も幅広いですから、エージェントを利用することで先に会社内部の情報や、実際の残業時間等も教えてもらい、自分にマッチした企業を探すことができます。