インターンという言葉はよく耳にするものの、その中身や実態については、いまいち理解や整理ができていない人も多いかと思います。
そこで今回は、インターンとは何なのかに焦点を当てて、その詳細について解説していきます。併せて、インターンのメリット・デメリットや探し方などもご紹介します。
インターンとは、学生が企業で就業体験する制度
インターン(正式名称:インターンシップ)とは、学生が企業で就業体験をする制度のことです。就業体験を通じて、その企業や業界についての理解を深めてもらうことが主な目的となります。
日本でインターン制度が普及し始めたのは、1997年の就職氷河期のあたりからです。
その後、行政の後押しもあってインターン制度は急速に広まっていき、現在は就活の予行演習として、8割前後の学生が在学中にインターンを経験するようになっています。
インターンは期間と内容で3種類に分けられる
インターンの種類は様々ですが、大きく分けて以下の3つに分類されます。
種類 | 開催期間 | 内容 |
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1dayインターン | 1日のみ |
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短期インターン | 数日~数週間 |
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長期インターン | 3ヶ月~2年 |
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セミナー型が多い1dayインターン
1dayインターンはその名の通り、1日で完結するインターンを指します。
セミナー型であることが多く、主に企業や業界に関する説明をセミナー形式で行われます。1日で完結するため、気軽にその企業や業界について知ることができる反面、就業体験はほとんどできません。
業務体験型が多い短期インターン
短期インターンは、数日から数週間にかけて行われます。
企業説明に加え、グループワークやロールプレイングなどを通して、簡単な実務や実務に即した課題などに取り組む業務体験型が多いです。
その企業や業界についてより深く知ることができる点がメリットです。また、インターン中の評価が高ければ、企業によってはその後の選考で有利になることもあります。
ただし、業務体験型はあくまで簡単な実務を体験するだけなので、本当の実務を経験することはできません。また、業務体験型のインターンは総じて倍率が高く、大手企業や有名企業になるほど参加するのが難しいというデメリットもあります。
短期インターンは就活生のスケジュールに沿って開催されることが一般的で、具体的には以下の4つの区分に分類されます。
季節 | 特徴 |
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夏(サマーインターン) 選考:6~8月 開催:7~9月 |
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秋 選考:7~9月 開催:9~10月 |
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冬 選考:10~11月 開催:12月 |
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春 選考:12~1月 開催:2月 |
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実務実践型が多い長期インターン
長期インターンは3ヶ月以上の期間で開催されるインターンを指し、半年から1年ほどの期間で開催されるのが一般的ですが、卒業まで勤め続ける場合もあります。
一人の社員としてほぼ実務と同レベルの業務に取り組むインターンが多いです。
あくまで一人の戦力として参加することになるため、本当の実務を体験できる点が大きな特徴です。また、参加中は労働者の扱いになるため、基本的に給与が支払われます。
一方で、一定の責任や成果を求められることになるため、その点に注意が必要です。社員と同程度の仕事を任されるケースが多く、就業経験というよりは、一人の戦力として実務を経験することになります。
長期インターンに関する詳しい解説はこちらの記事を読んでください。
インターンに参加することのメリット
ここまでインターンの概要について解説してきましたが、インターンに参加すると、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
そこで本章では、インターンに参加することのメリットをご紹介します。
具体的には、以下の5つが挙げられます。
- 企業や業界についての理解が深まる
- 自分のやりたい仕事が見つかる
- 自己PRや志望動機に役立つ
- 選考で有利になる
- 大学によっては単位認定される
1. 企業や業界についての理解が深まる
1つ目のメリットは、「企業や業界についての理解が深まる」点です。
インターンを通して、実際に業務を体験したり職場を見学したりすることで、ネットでは入手できない情報についても知ることができ、企業や業界についての理解がより深まることが期待できます。
また、企業説明や先輩社員の話を聞くことで、今まで馴染みのなかった企業や業界についても知る機会が増え、将来の選択肢が広がることもあります。
2. 自分のやりたい仕事が見つかる
2つ目のメリットは、「自分のやりたい仕事が見つかる」点です。
仕事をする上でその仕事への適性は重要な要素と言えますが、インターンを通じて実際に業務を体験することは、自分がその業界や職種に向いているかの良い判断材料になります。
例えば、「自分は人と会って商品を売る仕事よりも、商品のアイデアを出す仕事の方がやりがいを感じられる」というように、インターンでの経験は自分の適性を見極める良いきっかけになるでしょう。
実際、インターンがきっかけとなって、自分のやりたい仕事が見つかる学生も多く存在します。そのため、就活の軸が定まっていない人は、まずは一度インターンへ参加してみることをおすすめします。
3. 自己PRや志望動機に役立つ
3つ目のメリットは、「自己PRや志望動機に役立つ」点です。
インターンでの経験は、自己PRや志望動機を書く際の良い材料になります。実際に業務を経験しているため、志望動機にも具体性が生まれやすく、説得力のあるアピールに繋げられるでしょう。
また、長期インターンを経験している人であれば、その経験をガクチカ(学生時代に力を入れたこと)に書くことが可能です。
学生ではなく一人の社会人として働いた経験は、書類選考や面接においても大きなアピールに繋がることが期待できます。
4. 選考で有利になる(一部の選考免除など)
4つ目のメリットは、「選考で有利になる」点です。
企業によっては、インターン中の評価が良ければ、エントリーシートやグループワークといった一部の選考が免除になることがあります。
また、長期インターンの場合は、働きぶりが認められれば内定が出ることもあり、長期インターンを通じて、そのままその企業に入社する学生も珍しくはありません。
5. 大学によっては単位認定される
5つ目のメリットは、「大学によっては単位認定される」点です。
大学によっては、インターンに参加することで単位がもらえる制度を用意しています。
現在は約8割の大学がインターンの単位認定を行っているため、インターンに参加しつつ単位を取得することも十分に可能です。
ただし、大学によって認定されるための条件やもらえる単位数は異なるため、注意が必要です。ほどんどの大学では事前に申請を必要としているため、事前に申請手続きの確認をしておきましょう。
インターンに参加することのデメリット
続いて、インターンに参加することのデメリットをご紹介します。
具体的には、以下の3つが挙げられます。
- 選考を突破する必要がある
- 学業との両立が難しい
- 一定の責任を負う
1. 選考を突破する必要がある
1つ目のデメリットは、「選考を突破する必要がある」点です。
インターンは希望すれば誰でも無条件で参加できるものではなく、企業側の選考を突破する必要があります。選考方法は企業によって異なりますが、「エントリーシートによる書類選考→面接」が一般的な選考の流れです。
当然ながら、選考を突破するためには、その企業のリサーチや志望動機の用意などの準備が必要となります。
特に有名企業や大手企業のインターン(特に短期インターン)は非常に倍率が高く、入念な準備をしておかないと書類選考にすら通らない可能性もあるため、注意が必要です。
2. 学業との両立が難しい(特に長期インターン)
2つ目のデメリットは、「学業との両立が難しい」点です。
インターンの期間は企業によって様々ですが、基本的に短期インターンは数週間から1ヶ月前後、長期インターンは半年から1年前後の期間で実施されます。
インターンへの参加期間中は拘束される時間も多く、そのぶん学業との両立が難しくなるため、あらかじめ注意が必要です。
3. 一定の責任を負う
3つ目のデメリットは、「一定の責任を負う」点です。
特に長期インターンの場合は、一人の戦力として社員と同程度の実務を任されるケースが多いため、それなりの責任を負うことになります。
また、短期インターンについても、最後までやり遂げることを前提にカリキュラムが組まれているため、途中で簡単に辞めることはできません。
このように、短期・長期を問わずインターンに参加するからには、責任感を持って臨む必要があります。
【インターンの探し方】説明会・大学・SNS・求人サイトを見よう
では、実際にインターンに参加したい場合には、どのように探せばいいのでしょうか?
そこで本章では、インターンの探し方をご紹介します。
具体的には、以下の通りです。
- 求人サイトを利用する
- SNSで検索する
- 大学のキャリアセンターを利用する
- インターンの説明会に参加する
求人サイトを利用してインターンを探す
1つ目の探し方としては、「求人サイトを利用する」方法が挙げられます。
最近はインターンに特化した求人サイトが増えており、そういったサイトに登録すれば、新着情報も含めて多くの求人情報を入手することが可能です。
職種や条件を絞って検索することもできるため、自分の希望に合った求人を納得いくまで探すことができます。
また、求人サイトによってはスカウトが届くものもあります。プロフィールを充実させておけば、興味を持ってくれた企業からスカウトが届くこともあるため、うまく活用しましょう。
長期インターンなら、特におすすめなのはWantedly(ウォンテッドリー)です。詳しくはこちらの記事で解説しています。
他にも、インターン探しに向いているサービスとして、Infraやゼロワンインターンがあります。
SNSで検索してインターンを探す
2つ目の探し方としては、「SNSで検索する」方法が挙げられます。
最近は、FacebookやTwitterなどのSNS経由でインターン生を募集している企業も増えています。
特にベンチャー企業やスタートアップ企業などは、設立してから日が浅く知名度も低いこともあり、SNSを使って積極的にインターンを募集しています。
SNS経由の求人であれば、DM等ですぐに応募することが可能です。気になる求人があったら、積極的にコンタクトを試みましょう。
大学のキャリアセンターを利用してインターンを探す
3つ目の探し方としては、「大学のキャリアセンターを利用する」方法が挙げられます。
キャリアセンターは、主に就活生を対象に就職活動の支援や相談を行っている組織です。
就活の時期にしか利用しない学生も多いでしょうが、実はキャリアセンターでもインターンの求人を取り扱っています。
中には大学独自のパイプによって、一般には公開されていない求人を取り扱っているところもあるため、気になる人は定期的にチェックしておくことをおすすめします。
インターンの説明会に参加する
4つ目の探し方としては、「インターンの説明会に参加する」方法が挙げられます。
数はそれほど多くありませんが、企業によってはインターンの説明会を開催していることがあります。
説明会によっては、インターンの内容に関する具体的な説明だけでなく、選考に関する情報を入手できることもあるため、気になる企業の説明会には積極的に参加してみましょう。
【インターン】探してる人がよく気になるQ&A
本章では参考として、インターンに関してのよくある質問をQ&A形式でご紹介します。
Q1.インターンは誰でも参加できる?
基本的に学年制限はないため、学生であれば誰でも参加可能です。
短期インターンは大学3年生を対象にしているものが多いものの、最近は大学1・2年生でも参加できるインターンが増えてきています。
また、長期インターンは、時間的に余裕のある大学1・2年生を積極的に採用する企業が多いものの、スケジュール的に問題がないのであれば、大学3・4年生でも参加は可能です。
Q2.インターンは何年生から始めればいい?
短期インターンであれば大学3年生の夏から、長期インターンであれば大学2年生・3年生の春から始めるのがいいでしょう。
ただし、上記はあくまで一般的な目安です。前述の通り、最近は大学1・2年生でも参加できる短期インターンも増えていますし、時間的に余裕があるのであれば、大学3・4年生でも長期インターンに参加できます。
Q3.インターンの平均参加数は?
平均は5社です。
ただし、上記はあくまで平均値であり、インターンは数よりも「インターンを通して何を得たか?」という中身の方が重要であるため、特に参加数にこだわる必要はないでしょう。
なお、インターンには選考や抽選もあるため、応募社数の平均は約10社となっています。
まとめ:インターンに参加する目的を整理しよう
ここまでインターンについて、解説してきました。
一口にインターンと言っても、その種類や内容は大きく異なります。そのため、まずはそれぞれのインターンの特性について正しく理解・整理することが重要です。併せて、「何のためにインターンに参加するのか?」という目的を明確にした上で、自分に合ったインターンを探すようにしましょう。
もっとインターンについて知りたい人は、こちらの記事を読んでみてください。