前の記事では、コールセンターのオペレーターの仕事内容ややりがい、お給料、向いている人物像などについて詳しくお伺いしました。
前回に引き続き、今回もコールセンター歴8年の水谷さんに来てもらいました!よろしくお願いします!
こちらこそお願いします。今回は未経験からコールセンターで働けるかについてですね。お役に立てるようガンバリマス。
コールセンターは電話の受発信業務を行う場所です。主な職種はオペレーターですが、果たして未経験でも正社員になることはできるのでしょうか?
この記事では、
- 未経験からコールセンターのオペレーターになる方法
- 未経験からOKの求人の探し方
- コールセンターのオペレーターを目指すために勉強しておきたいこと
- コールセンター・オペレーターのキャリアプラン
などを紹介します!
コールセンター業務は未経験OK!ただしアルバイト雇用が多い
コールセンターのオペレーターは、未経験からでもなれるのでしょうか?みんなが一番気になっているところだと思うんですが。
ズバリなれます!実際の求人を見てもらえればわかりますが、『未経験OK』としているコールセンターはたくさんあります。ただし、雇用形態は圧倒的にアルバイトが多いです。
え、そうなんですね?どうしてなんでしょう?
考えられる理由1.向き不向きがハッキリしている業務だから
理由の1つは、オペレーター業務は向き不向きが比較的ハッキリしているためだと思います。通常トークは問題なくできても、トラブル時のクレーム対応はかなり大変な業務です。
どのようなクレームでもていねいに、しかし毅然とした態度で対応できる人は、意外と少ないものです。もし正社員で採用しても、入社後、オペレーターとしての資質に欠けることがわかったらどうでしょう。簡単にクビは切れませんよね。
もちろん、アルバイトでも派遣社員でも簡単にクビにはできません。ただ、正社員より契約期間の短い非正規雇用の方が、万が一資質がない場合でも対応はしやすいですよね。そのために、まずはアルバイトや派遣社員、契約社員から始めて、良ければ正社員登用するコールセンターが多くなっています。
考えられる理由2.オペレーターの人数を多く集めたいから
規模の大きいコールセンターでは、多くのオペレーターが必要です。ある程度の人数を確保して効率よく運営していくには、正社員募集よりもアルバイトの方が人員を集めやすいのではないでしょうか。給与面で考えても、正社員よりアルバイトの方がコストはかかりません。
アルバイトではなく、正社員での転職を希望されている方は転職エージェントを使ってみください。
非正規雇用と正規雇用に分かれるコールセンターの求人
コールセンターには非正規雇用が多いことがわかりました。それでは、実際の求人内容はどうなっているのでしょう?
先ほどもお伝えしましたが、『未経験OK』としているコールセンターはアルバイトが多いです。
そうなんですね。
では、非正規雇用と正社員に分けて、実際の求人内容を見てみましょう。
非正規雇用の求人内容
電話代行サービス会社では、アルバイト、パート、契約社員と複数の雇用形態で募集をかけているケースが多いです。
(1)アルバイトの求人内容の例
コールセンターのアルバイトは、ほかの職種よりも時給が高めです。シフト制の会社が多く、その月によって休む曜日を変えることもできます。24時間稼働しているコールセンターでは、アルバイトが深夜勤務に入るケースが多いです。
- 雇用形態:アルバイト
- 業務内容:オペレーター業務
- 給与:時給1,300~1,500円
▼勤務時間
- 8:30~17:30、13:00~21:00
- アルバイト/パート/週3日から
- 深夜勤務あり
水谷さんはどの時間帯で働かれていたんですか?
私は深夜勤務でした。在籍していたコールセンターでは、時間外勤務はすべて非正規雇用の人たちだったんです。
そうなんですね。
どの会社での同じようなスタイルなのでしょうか?
もちろん、会社によって違いはあると思います。ただ、アルバイトでも正社員並に稼ぎたい人は、時間外手当の出る深夜勤務がおすすめですよ。ただし、体調管理はしっかりする必要があります。
(2)派遣社員の求人例
アルバイトより派遣社員の方が、時給は高い傾向にあります。給与は働く時間の長さによって、時給か日給に分かれるケースが多いようですね。
- 雇用形態:派遣社員
- 業務内容:オペレーター業務
- 給与:時給1,500~1,800円
▼勤務時間
- 8:30~17:30、13:00~21:00
- 週4日から
(3)契約社員の求人例
日給制で、勤務時間は正社員と同様のケースが多いです。正社員で気になる求人がない場合は、契約社員から始めて正社員を狙う方法もあります。
- 雇用形態:契約社員
- 業務内容:オペレーター業務
- 給与:日給1万円から
▼勤務時間
- 8:30~17:30
- 週休二日
正規雇用の求人内容
次に、正社員の一般的な求人例を見ていきましょう。
- 正社員:オペレーター業務の一般的な求人例です。
- 雇用形態:正社員(試用期間3カ月)
- 業務内容:オペレーター業務
- 給与:23万円から
- 勤務時間:9:00~18:00
▼待遇・福利厚生
- 交通費支給
- 社会保険完備
- 賞与年2回
正社員の求人では、オペレーターのほかスーパーバイザーやマネージャーなどの募集もあります。ただ、オペレーター以外の職種はコールセンター業務経験者に限定されるのが一般的です。未経験から採用される可能性は少ないです。
在宅ワークでもオペレーター業務が可能
実は、オペレーター業務も在宅ワークが可能なこと、知っていますか?自宅に固定電話回線、インターネット回線、パソコン、電話機があり、オペレーション業務を行える静かな環境を用意できれば、家にいながら仕事ができます!
業務に使用する機器はすべて自分でそろえる場合と、運営会社から貸し出してもらえる場合があります。会社によって対応が異なるため、応募する際にしっかり確認しておきましょう。
また、面接も研修もすべてインターネット上で行うケースが多く、来社する必要がありません。もちろん、未経験者でも応募可能です。
1つ注意しておきたいのは、在宅ワークの場合、雇用契約ではなく業務委託になるということです。個人事業主になるため、確定申告はすべて自分で行わなければなりません。
未経験OKの求人を探すならインターネット検索が○
電話代行サービス会社、派遣会社、大手企業のコールセンターなど、コールセンターの求人を出している会社はさまざまです。どの求人でも、効率よく探すならインターネット検索です。
正社員の求人が多いサイト | Indeed |
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アルバイト・派遣社員の情報が多いサイト | |
コールセンター業務で有名な会社 | ベルシステム24 |
こちらの記事では評判の良い派遣会社を紹介しているので、参考にしてみてください。
コールセンターのオペレーターを目指すために勉強しておきたい4つのこと
未経験からコールセンターで働くための必要な資格は、特にありません。経験は重視されるものの、資格よりもトークマニュアルを覚えられるか、感情に振り回されず冷静に対応できるかなどの資質面を見られます。
私がアルバイト採用されたコールセンターでは、面接のときに筆記試験がありました。
アルバイトなのにテストがあるんですね?
はい。一般常識や漢字テストで、そんなに難しくはなかったです。ただ、いざというときに焦らないよう、念の為、普段からニュースを見ておくくらいはした方が良いと思います。
そうなんですね。それじゃあ、そのほかに勉強しておいた方が良いことも教えてもらえますか?
はい!私が「これ勉強しておけば良かった」と思ったことを4つ紹介します。
ビジネスマナーや敬語の使い方
ビジネスマナーや敬語の使い方は、どの職種でも必要なスキルです。しかし、コールセンター業務では徹底して身に付けた方がいいです。通常のオペレーション時はもちろん、お客様の質問にすぐ答えられない、クレームに発展しそうなどのとき、敬語に慣れていないオペレーターは緊張してしまい、つい普段の話し方が出てしまったり感情的な物言いになったりしてしまいがちです。
たとえば、お客様がとても怒っているとき、尊敬語と謙譲語を間違えたり、敬語が使えなかったりすると、さらなるクレームにつながってしまいます。オペレーターはどのようなときでも冷静に対応することが大切です。そのためにもビジネスマナーや敬語は何回も練習して、体に染み込ませておくのがおすすめです。
もちろん、研修でも敬語の使い方は学びますが、最初から知っている方が研修も早く終わります。
滑舌や声のトーンなど話すスピード
オペレータは、声だけでお客様とコミュニケーションを取ります。声質やトーン、話すスピード、話し方の雰囲気など、すべての印象が声だけで決まります。滑舌が悪い、もごもごしゃべる、早口になりがちな人は、ハキハキ話せるように練習をしておくといいでしょう。
特に、オペレーターデビューのときは緊張しやすいものです。大抵の人は、緊張すると知らず知らずのうちに早口になってしまいます。電話での会話は、顔の表情やボディランゲージで気持ちを伝えることはできません。
おすすめの練習方法は、五十音を「あ行」から言えるようにしておく、有名な早口言葉を滑舌に気を付けて繰り返し話すなどです。声質は明るめに、声の高さはワントーン上げて話せると良いです。
パソコンスキル(ブラインドタッチはできた方が良い)
個人情報開示のための本人確認、正しい回答をするためのマニュアルチェック、電話を切った後の記録入力など、コールセンターではパソコンを操作しながら業務を行います。特別難しいスキルは必要ありませんが、少なくともタッチタイピング(ブラインドタッチ)はできた方が、業務がスムーズに進められます。
タイピングの練習ができるWEBサイトで「e-typing」(無料)があります!時間があるときに練習してみてくださいね。
気になるコールセンターがあれば業種の研究
よくあるコールセンターの業種は、金融系、通信系、運送系、販売系などです。商品やサービスについては研修でしっかり学ぶものの、その背景にある業界についての理解はあった方が、研修内容も頭に入りやすくなります。もし、気になるコールセンターがあるなら、ざっくりとでもいいので業界研究をしておきましょう。
たとえば、通信系のコールセンターが希望なら無線や有線などネットワークの基本、一般的によく使われているアプリなどの情報。金融系ならクレジットカードの基礎知識、利息の計算方法、一般的な支払い方法などの情報をチェックしておきましょう。
コールセンターでのキャリアプランは2種類
コールセンターのオペレーターになると、キャリアプランってどうなるのでしょうか?
アルバイト採用なら正社員登用の上でSV(スーパーバイザー)になるという道があります。スーパーバイザーとして経験を積んだら、マネージャーへの道も見えてきますね
SV(スーパーバイザー)|オペレーターをまとめる立場
SV(スーパーバイザー)とは、オペレーターをまとめる立場の人のことです。マニュアル作成やマニュアルのブラッシュアップ、研修、オペレーターのシフト管理、マネージャーとの連携など、役割はさまざまです。トーク中に生じたクレーム対応なども行います。
スーパーバイザーに向いているのは、リーダーシップがあって常に冷静でいられる人、責任感がある人です。特に感情的なクレームを受けるときは、いかにお客様の心を沈めて納得していただけるかが鍵です。相手の気持ちに流されやすい人がスーパーバイザーを目指すなら、感情のコントロールができるように普段の業務から意識すると良いでしょう。
全体管理を行うマネージャー
マネージャーはコールセンター全体を運営する立場の人です。電話代行サービス会社であればクライアントとの連携や交渉を行い、あわせてSVのサポート、そのほかの社内担当者との連携も必要です。マニュアルに問題があればSVを通して現場の問題点を吸い上げ、改善指示を出します。コールセンターのスタッフ一同が仕事をしやすい環境を作り、成果が出るような運営をしていくことが必要です。
マネージャーは管理職でもあります。リーダーシップや交渉力などのヒューマンスキル、どのようなときでも的確に指示ができるコーチングスキルなどが求められるでしょう。
未経験からのコールセンター業務で活かせる前職の職種とは?
オペレーター業務が未経験でも前職の職種によっては、オペレーターはもちろん、スーパーバイザーとして採用される可能性が出てきます。
前職が営業や販売、接客などの人は、お客様とのコミュニケーションに慣れています。必要なビジネスマナーはひと通り身に付けているため、オペレーション業務における研修もクリアしやすいでしょう。
スタッフや店舗の管理経験があれば、スーパーバイザー職も狙えます。未経験でも資質があると判断してもらえるかもしれません。チャレンジしてみる価値はあるでしょう。
未経験の人はいろいろな雇用形態をチェックしてみて
コールセンター業務は、未経験からでも十分挑戦できる仕事です。もちろん、正社員採用も見込めますが、求人の少なさはデメリットでしょう。ただ、コールセンターは非正規雇用でも高めの給与が期待できます。まずはアルバイトや契約社員などから始めて、正社員登用を狙うのがおすすめです。
可能性を広げるために、いろいろな雇用形態をチェックしながら求人情報を探しましょう。
ぜひ、コールセンターの求人情報をチェックしてみてくださいね!
非正規雇用からでも正社員のチャンスがある職種なので、興味がある人はぜひコールセンター業務で検討してみてくださいね