今回はコールセンターのオペレーター業務とは、どんな仕事なのかを紹介します!
- コールセンターの業務内容
- コールセンター業務のやりがいとつらいところ
- コールセンターに向いている人の特徴
- コールセンターの収入
この記事では、コールセンターのオペレーターになるために、まずは知っておきたい基本情報を紹介しています。
電話業務はコミュニケーションが基本の業務ですから、不安に思う人もいますよね?今回は、業界歴8年の水谷さんにいろいろ話をお聞きしましたから、ぜひ参考にしてみてください。
こんにちは。みなさんのお役に立てるように、いろいろお話させていただきます!
なお、未経験からの目指し方や求人の探し方は後編で解説しています。
コールセンターの主な業務内容とは?研修からデビューまでの流れ
水谷さんはコールセンターでどんな仕事をしていたんですか?
電話代行サービスの会社でインバウンド(電話受信)業務を行っていました。最初の6年は金融系のお客様相談センター、後の2年はメーカーのカスタマーサポートです。両方とも、大手企業の代行でした
当時、演劇をやっていて、両立できるアルバイトを探していたんです。演劇は本番直前になると仕事を休まざるを得ず、勤務日が決まっているアルバイトはしにくいという事情がありました。
24時間業務のコールセンターは数が多く、どの時間帯でもシフトに入れるのがメリットだと思います。
私は早朝と深夜勤務が主で、雇用形態はずっとアルバイトでした。私がコールセンターを選んだのは、シフトが自由に組める、時給が高い、という理由からです。
また、正社員でもオペレーターの業務内容は基本同じです。
コールセンターの種類と2つに分かれる業務内容
私の経験をお話する前にコールセンターの種類と、基本業務であるインバウンドとアウトバウンドについて紹介しますね。
コールセンターの種類
コールセンターは自社で運営している場合と、電話代行サービス会社が運営している場合があります。自社で運営している場合、社員はその企業と雇用契約を結ぶことになります。
電話代行サービス会社が運営しているコールセンターの場合、当然ながら雇用主は電話代行サービス会社です。
電話代行サービスが他の企業の電話業務を引き受ける形で、コールセンターを運営しています。
インバウンド業務
インバウンド業務とは、お客様からの電話を「受信」する業務のことです。
お客様が電話をかけてくる目的
- 商品やサービスに関する質問や問い合わせ
- 商品購入やサービス利用の申込み
- 商品、サービス、会社や店舗などについてのクレーム
アウトバウンド業務
アウトバウンド業務とは、お客様に電話を「発信」する業務のことです。
お客様に電話をかける目的
- 商品やサービスを利用してもらうため
- 市場調査やアンケートを取るため
リストに載っている企業や顧客に電話をかけて営業していく業務に関してはテレアポとも言います。テレアポの仕事内容に関しては以下の記事を参考にしてください。
座学とシミュレーションを経てオペレーターデビュー
インバウンドの場合、コールセンターに電話をかけてくるのは、商品やサービスの利用者です。
店舗の場所、商品の使い方、不具合が起きたときの対応方法の案内、クレーム対応などを行います。
コールセンターにもよりますが、入社したばかりでいきなりお客様の電話を受けることはありません。じっくり研修を受けてからオペレーターデビューします。
- 座学
- シミュレーション
- オペレーターデビュー
アルバイトでも正社員でも、上記の流れでオペレーターデビューするのが一般的です。それぞれ、具体的な研修内容を紹介していきますね。
1.座学
まずは、電話マナーや扱う商品、サービスに関する知識を覚えていきます。
電話は相手の顔が見えません。普通の会話と同じように話していると、ぶっきらぼうに聞こえてしまいます。
ワントーン高めの声で話す、ハキハキと聞き取りやすい話し方をする、速すぎずゆっくり過ぎず適度なスピードで話すなどが、電話の基本マナーです。
また、インバウンドもアウトバウンドもマニュアルにそって会話をします。
商品やサービスについての知識を始めとするマニュアルは、しっかり頭に叩き込みます。
2.シミュレーション
座学が終わったら、研修担当者をお客様に見立ててシミュレーションを行います。よくある質問からクレーム対応まで、幅広く練習を繰り返します。
最初の内はシミュレーションでも緊張しますが、相手が社内の先輩なので、わからないことがあればその都度保留にして質問できます。
3.オペレーターデビュー
研修が終わったらいよいよオペレーターデビューです。ただ、ここでもいきなり1人で業務を行うことはありません。
大体、SV(スーパーバイザー)か経歴の長い研修担当者がリアルタイムで会話を聞き、問題があれば途中で指導を入れたり、必要があれば電話を代わったりします。
研修体制がしっかりしているコールセンターなら、オペレーターが慣れるまで研修してもらえるため安心です。
SV(スーパーバイザー)とは?
SVとは、現場監督、管理者のような存在のことです。コールセンターでは、一般のオペレーターを管理するSVが常駐しています。
オペレーターがしっかり業務を行っているかどうかのチェック、クレーム対応、シフト調整、クライアントや上司への業務内容報告などを行います。
コールセンター業務のやりがいとつらいところ
コールセンターで働いていて良かったと思うことって何かありましたか?きっとつらいと思ったこともありますよね?
はい。私がやっていたインバウンドはお客様の疑問に答える業務なので、最後に『ありがとう』と言われると嬉しいですね。
コールセンター業務のやりがいは2点!
私が感じたやりがいは以下の2点です。
お客様から感謝されること
店舗はどこにあるのか?営業時間は?など、たとえ些細な質問であっても、最後に「ありがとう」と言って電話を切ってもらえると、嬉しいなぁと感じます。
ときには厳しいクレームが入りますが、受け答え次第で感謝されることもあるんですよ。
実際、「キツくあたっちゃってごめんね。ていねいに対応してもらえたので電話して良かった」と言われたことがあります。
対応中は結構冷や汗モノだったんですけど、電話を切るときはホッとしました。
オペレーター同士での結束が固くなりやすい
コールセンター業務はコミュニケーションが主体の業務です。嫌な思いをするケースは多く、だからこそ、オペレーター同士の助け合いは必須。
お互いをフォローしあってトラブルを乗り越えられたときは、良かったなと感じますよ。結束も固くなりますしね。
私がいたコールセンターではオペレーター同士の仲が良く、仕事が終わった後はよく食事や飲みに行っていました。
誰でもできるけどストレスを抱えやすいのがつらいところ
コールセンターの求人を見ていると「誰でもできます!」と書いてあること、多くありませんか?
電話の受発信はプライベートでも行うことですし、確かに、誰でもできる業務です。
しかし、不特定多数とのコミュニケーションはストレスを抱えやすいというデメリットにもなります。
フリーダイヤルはクレームやいたずら電話が多くなりがち
私がいたコールセンターはフリーダイヤルだったので、電話をかける側は料金がかかりません。
だから、本当にいろいろな方が電話をかけてきました。商品やサービスに問題はなくても、クレームを言いたいだけの人、いたずら電話目的の人なども多くいました。
基本的に、オペレーターは自分から電話を切れません。どんなに理不尽な内容でも、自分から電話を切るとそれがもとで大きなクレームにつながってしまいます。また、商品やサービスに関するまっとうなクレームの場合でも、日常生活では言われないような罵声を浴びせられるケースがあります。正直、それがもとで辞める人もいるくらいです。
人によってはアウトバウンドの方がキツい
一般的にインバウンドよりアウトバウンドの方が業務内容はキツイと言われがちですよね。私も少しだけですが、アウトバウンド業務にも携わった経験があります。
アウトバウンドは電話をしてこちらが名乗った途端、切られてしまうケースが多く、個人的に「アウトバウンドはキツイ」と思いました。
しかし、インバウンド業務も結構ストレスは溜まります。誰でもできる仕事ではあっても、決して楽にできる業務ではありません。
平常心が大切!コールセンター業務に向いている人の特徴
『誰でもできる仕事』ではあっても、向き不向きはありそうですよね?
本当にその通りだと思います。ここからは、私が思う『コールセンター業務に向いている人』について紹介していきますね。
打たれ強い人
ストレス耐性のない人は、コールセンター業務はきついのではないでしょうか?逆に、打たれ強い人にはおすすめの仕事だと思います。
通常の問い合わせでは、そこまでストレスは溜まりません。問題はクレーム対応時です。
クレームの多さについては、扱っている商品やサービスにもよります。
ただ、フリーダイヤルの電話を受けるコールセンターだと、クレームやいたずら電話は多くなる傾向が高いと思います。少なくとも、私がいたコールセンターではそうでした。
お客様によっては、かなり感情的になっている人がいます。
「バカなの?」「聞いてんのか○○(怒)!」などは実際に言われたことのある言葉です。それが業務への恐怖感や不安につながってしまうと、ストレスがどんどん溜まっていきます。
コールセンター業務では数多く電話を取るため、感情の切り替えが重要です。うまく気持ちを切り替えられる、打たれ強いという人は、コールセンター業務の資質があると思います。
いつでも冷静に対応できる人
いつでも冷静に対応できる人は、コールセンターに向いています。コールセンターで冷静さが重要な理由を、2つの視点から紹介しますね。
オペレーターデビュー時に挫折しやすいのは緊張しやすい人
コールセンターでは、通常業務でも一定の緊張感を伴います。オペレーターの仕事は「電話で受け答えをするだけ」です。
とはいえ、大量のマニュアルを覚えてその通りに対応するのは意外と難しいもの。
また、ある程度は電話の内容を想定できるとはいえ、「不特定多数から電話を受ける」というのはドキドキするものです。
オペレーターデビューしたばかりの頃、緊張して頭が真っ白になってしまい、問い合わせとは違う受け答えをしてしまう人が一定数います。
電話の受発信業務における緊張は、何本も電話を受ける、もしくはかけることで解消されます。
しかし、最初で挫折してしまうと、辞めてしまう人が多いです。実際、私の友だちは研修の段階で「知らない人からの電話は怖い」と言って辞めていきました。
クレーム対応時はお客様の感情に引きずられやすい
商品やサービスに関するクレームは、基本的にオペレーター個人の責任ではありません。
しかし、お客様にとってそれは関係のないことです。お金を出して商品やサービスを利用しているからこそ、お客様は困って電話をかけてきます。
そこで一緒に感情的になってしまうと「態度が悪い。上の者を出せ!」となり、二次クレームにつながります。
どんなに感情的なお客様が相手でも引きずられず、冷静に対応できる人はかなりコールセンター業務に向いていると思いますよ。
学ぶ意欲のある人
近年、どの会社でも商品やサービスの内容が幅広くなっています。オペレーターが覚えなければならない知識もかなり多いです。
お客様によっては「オタクレベル」で商品やサービスに精通している人がいます。オペレーターもお客様に負けないくらいの知識がないと、受け答えができません。
マニュアルを見ながら会話ができるので、一字一句すべてを覚える必要はありません。
ただ、マニュアル内容は大まかにでもすべて頭の中に入っていないと、お客様をお待たせすることになります。保留時間が長いとクレームにつながるため要注意です。
できれば、お客様からの質問には即座に答えたいものです。だからこそ、学ぶ意欲の強い人はコールセンターに向いています。
コールセンター業務の収入は?正社員とアルバイトの場合
水谷さんはアルバイトだったんですよね?お給料は高かったですか?
いろいろあるアルバイトの中では高い方だったと思いますね
早朝バイトでは時給1,300円、深夜勤務では日給1万2,000円でした。
深夜勤務のときは、1カ月20日勤務で税込み24万円、24日勤務のときは28万円だったと記憶しています。アルバイトの月収としては良い方ですよね。
正社員の年収は平均と同じくらい
当時の正社員の給与は把握していないんですが、求人情報を見ると25万円前後が多いようですね。
「平成29年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の平均年収は約304万円、男性の平均年収は約335万円です。25万円を単純に12カ月でかけると300万円、28万円の場合は336万円です。
ボーナスのある会社なら、平均年収くらいはいきそうですね。アルバイトでも時給や日給が高ければ、平均年収と同じくらいは稼げます。
インバウンドよりアウトバウンドの方が時給は高め
一般的に、インバウンド業務よりアウトバウンド業務の方が給与は高めです。
アウトバウンド業務なら時給2,000円くらいの求人もありますよね。これはストレスの多さ、業務内容の難しさが影響していると思います。
残業はそこまで多くない
終業直前にクレーム電話を取ってしまうと、30分くらい残業になることはありました。
ただ、残業はそこまで多くなかったです。残業代も法定範囲内でちゃんと出ていました。
水谷さんはどうしてコールセンターを辞めたんですか?
基本、深夜勤務で年齢を重ねるごとに体がキツくなってきたからですね。あとは、やっぱりクレーム対応がつらくて。ビジネスマナーの観点からは考えられないような言い回しをしてくる人が多く、精神的にかなり消耗したのが理由です。
正社員以外でも働きやすいのがコールセンター業務の魅力
いろいろと大変な面はありますが、ストレス耐性があり学ぶ意欲の強い人なら、ぜひチャンレジして欲しいと思います。
コールセンターは正社員以外の雇用形態、派遣社員やアルバイト求人が多い点も特徴です。正社員経験のある人はアルバイトでも採用されやすい傾向にあります。
何らかの事情で正社員を辞めたとしても、時給が高いためアルバイトでも稼げる仕事です。将来のことを踏まえつつ検討してみてください!
コールセンター業務はいろいろな雇用形態で働きやすいのもメリットなんですね。今回は、経験者ならではのお話がいろいろ聞けました!水谷さん、ありがとうございました!
いえいえ、とんでもない。コールセンター業務のヘビーな面もお話しましたが、ストレス耐性が普通の私でも8年間勤務できたので、未経験の人もあまり気負わずにチャレンジしてみてくださいね
次の記事では、未経験からコールセンター業務を目指すための具体的な求人の探し方などを紹介します。