
編集部の加藤です!
テレアポとは「テレフォンアポインター」電話を利用した営業活動をすることです。
いわゆるコールセンターの仕事でも、時給が高いので人気があります。今回はテレアポの仕事について解説します。
テレアポは「リストに乗っているお客様に電話で営業するお仕事」

テレアポの仕事内容について紹介します。
テレアポの仕事では、対象となる相手が2通りあります。
- 個人向け
- 企業向け
①個人向けテレアポの業務
- 顧客リストをもとに電話をかける
- 商品やサービスを説明、提案、営業する
- 営業のアポイントをとる
②企業向けテレアポの業務
- 顧客リストに掲載されている企業に電話
- 商品やサービスについて売り込みたい部署・責任者・代表者と話す
- 営業担当が訪問や電話をするアポイントをとる
どちらにも共通しているのは、リストにのっているお客さまに電話をかけ、営業をする点です。
電話をしても出ない、出てもすぐに切られてしまうことはよくあります。ですから1日に何十件と電話をすることになります。
しかし、対面での営業と違い、電話は相手の顔や態度が見えるわけではありません。断られたり、すぐに電話を切られても「しかたない」と割り切りやすい面もあります。
また基本的にはテレアポの業務は、営業が訪問するアポイントをとる〝営業のきっかけ作り〟ですから、契約など難しい事務処理もありません。
テレアポの仕事は大変という声もありますが、話し好きな人や物事をひきずらないタイプには「やりやすい」仕事のひとつです。
補足:コールセンターとテレアポの違い「テレアポは営業に特化」
コールセンターは、電話での営業だけでなく、たとえば通信販売の受注をする、電話調査を行うといったようにさまざまな用件を行う「電話」を使った職場を指します。
コールセンターの仕事、といえば、範疇がかなり広くなります。
一方テレアポは、基本的に電話で営業をし、営業マンがお客さまのもとへ行けるように約束をとりつけるのが仕事です。
つまりテレアポもコールセンターの仕事のひとつです。求人情報でコールセンターとなっている場合は、テレアポなのか、オペレーターなのか、マーケティングなのかといった内容を確認しましょう。
テレアポは営業力を培えるので、将来性あり

ここではテレアポの将来性について説明します。
最近はスマートフォンが普及し、ネット通販が劇的に伸びています。
しかし、それでも電話を介した営業は、営業活動の基本とも言えます。
非常に長い目で見たとき、テレアポの仕事が50年後にどうなっているかはわかりませんが、現在はまだまだ需要のある仕事です。
仕事としての将来性だけでなく、ここではキャリアアップも含めた「テレアポの将来性」について説明します。
【テレアポ】営業力を活かしてキャリアアップ
- 正社員へ
- リーダーや責任者へ
- 本社や管理部門へ
テレアポはパートやバイトで行っている人が多い職場です。キャリアアップの第一歩としては、まず契約社員や正社員をめざします。
その上で営業の成果を残せば、チームのリーダーや責任者、また、指導する側になれます。
テレアポではSV(スーパーバイザー)とよく呼ばれますが、所属しているオペレーターの管理やシフト作成などを行います。
SVはいわゆるマネジメントスキルが身につくので、その後のキャリアアップにもつながりますね。
また成果の高い人は、営業の素質があると見込まれて、本社への異動や営業部へ抜擢されることも少なくありません。テレアポから営業職へと転職できれば年収アップも期待できます。
【テレアポ】独立は難しいが、企業なら可能性も
独立 | ☆☆☆☆☆ |
---|
テレアポで独立はほとんどないと言えるでしょう。
テレアポ専門の代行会社がありますが、個人で代行会社を立ち上げるのはなかなか大変です。とはいえ独立というよりは起業であれば可能性はあります。
【テレアポ】専門の代行会社も多く、転職はしやすい
転職 | ★★★★☆ |
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テレアポは転職をしやすいです。今も電話営業をしている企業はとても多いですし、また専門の代行会社も多くあります。
人材の入れ替わりが比較的激しいのも、テレアポの特徴です。
パートや派遣で働く人も多く、またテレアポの仕事が合わなくて辞める人もそれなりにいます。
テレアポの経験があり、成果をあげている人ならば、転職でさらに良い待遇を得られます。
テレアポ自体の経験がなくても、販売や接客業などでコミュニケーション能力を鍛えてきた人はキャリアチェンジの転職がしやすいでしょう。
【テレアポ】成果次第で収入を増やせる
テレアポではこれといった特別なスキルによる収入差はありません。
テレアポではインセンティブ(成果に対する報酬)があるところが多いです。つまり電話営業をかけて、アポイントがとれるとプラスαの報酬が得られます。
成果次第、成果重視で収入が増える仕事です。
【テレアポ】具体的な仕事内容を3人にインタビュー

ここからは、実際にテレアポとして働いている3人をご紹介します。
① 1日のスケジュール
② 残業
③ やりがいや厳しさについて
派遣社員、正社員、アルバイトでのリアルな働き方をぜひ参考にしてください。
Mさん(29歳・女性・派遣)にインタビュー【生命保険会社コールセンター】
① 1日のスケジュール
9:00 | 出社 朝礼 |
---|---|
9:20 | 発信業務 |
13:00 | お昼 |
14:00 | 発信業務 |
18:00 | レポート作成 |
18:30 | 退社 |
- 生命保険のおすすめ案内
- 担当営業への連携
② 残業
残業はありましたか?
ほとんどありません。
③ やりがいや厳しさについて
お仕事の内容について簡単に教えてください。
個人のお宅にコールリストをもとに順番に電話をします。
電話に出ない家も多いですし、出てもセールス営業とわかれば途端に切られることも多いので、1時間で20件くらいは電話をかけてます。
ありがとうございます、ちなみに仕事をしていてよかったこととか大変だなと思ったことについて教えてください。
これが大変という人もいますけど、私はいきなり相手に電話を切られても、全く気になりません。仕事ですし、切られたら次、というだけで、どんどん電話します。
100件かけて、1件話を聞いてくれたらいいや、くらいの感じですね。
一応、ノルマというか目標数値はありますが、達成できなくてもペナルティーとか、上司から注意されることはありません。ただ、インセンティブが大きいので、成果は気にはなりますよ。
トークスクリプト(マニュアル)があるので、話の内容としては難しいことはありません。
ほとんど1日中、断られているわけで、そこでうまくお客さまと接点ができ、アポイントがとれた時はやったー!ってなりますね。断られるのが「当たり前」と考えていれば、辛いことは特にないです。
これまでずっとコールセンター勤務ですが、ここ2年はテレアポばかりです。オペレーターでもいいんですが、テレアポのほうが時給が高いからです。
Wさん(27歳・男性・正社員)にインタビュー【求人広告会社】
① 1日のスケジュール
8:30 | 出社 朝礼・上司と打ち合わせ |
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9:00 | アプローチ(電話営業) ニーズがあると思われる企業リストに従いコール 求人広告の掲載や提案をしアポイントをとる |
12:00 | お昼 |
12:40 | アポイントの取れた企業について担当営業に報告 企業への簡単な資料作成 |
14:00 | アプローチ(電話営業) |
16:00 | チームミーティング 新しい求人広告企画について戦略部と合同でMTG |
17:00 | アプローチ(電話営業)担当者と話をし、 その後、責任者と夕方から電話で営業 |
18:00 | 今日の営業報告書 |
18:30 | 過去にアポイントをとった人へのフォローメール等 |
19:00 | 退社 |
- 求人広告掲載の電話営業
- 担当営業との連携
- 新規キャンペーンなどの打ち合わせ
- 既に取引のある企業へのフォロー
② 残業
残業はありましたか?
毎日30分から1時間くらいですかね。
電話営業でまず担当者と話しますが、その後、上司や責任者と話すパターンも多く、お客さまから19時とか20時と指定があれば、帰宅してから自宅で電話アプローチすることもあります。
③ やりがいや厳しさについて
簡単にお仕事内容について教えてください。
主にバイトの求人広告掲載の営業(電話でのアプローチ)をしています。
多いのはコンビニとか飲食店、アパレルの販売員求人なので、コンビニのオーナーや店長、アパレルの広報部や総務部とのやり取りもよくあります。
求人が必要と思われる企業リスト・店舗リストがあり、個人向けとは違うのでいきなり切られることは少ないですが「必要ない」で終わってしまうケースはよくあります。
あとは、とにかく値段ですね、いくらで掲載できるの?と、いきなりストレートに聞かれることが多いです。
しかし、電話ですべての情報を伝えてしまうと、営業が出向くアポイントが取れなくなってしまうので、お客さまがそこそこ納得できるくらいの情報を出した上で担当営業が訪問するアポイントを取れるように話し方には気をつけます。
ありがとうございます、ご自身がやっていて感じたことや仕事で気をつけていることなどあれば、簡単に教えてください。
コールの時ですが、トークの台本(スクリプト)を用意するのではなく、先輩社員から聞いたコツのほうが役立ちますね。
インセンティブがけっこう大きいので毎月の給料の上下が激しいです。
もともと営業職が希望でしたし、人と話すのも苦になりません。
今は経験を積み、いずれは外回りで営業する部署に異動したいです。
先輩から営業職の経験は武器になるから、いずれ転職で年収アップも考えたほうがいいぞ、と言われて、もう少しこれからについて真剣にキャリアプランを考えなくちゃな、と思っているところです。
Sさん(39歳・女性・派遣)にインタビュー【テレアポ代行会社】
① 1日のスケジュール
9:30 | 出社 朝礼 |
---|---|
9:45 | 契約中の顧客リストをもとにコール業務 新規プランのご案内と営業訪問のアポイント取り |
12:00 | 昼ご飯 お弁当であれば出社時に申請すると無料で配布 |
13:00 | コール業務 |
13:00 | コール業務 |
17:30 | レポート提出 (パソコンでテンプレートに打ち込むだけ) 退社 |
- コール業務
- レポート作成
② 残業
残業はありましたか?
残業はありません。
③ やりがいや厳しさについて
現在のお仕事状況について教えてください。
テレアポ代行会社で週3日パートをしています。
20代のときにサポートセンターでのコール業務に就いた経験があり、パートですが経験者ということで時給も高かったので応募しました。
お昼も先に頼めば無料でお弁当が出るし、シフトもかなり自由に入れられるので高校受験を控える子どもがいる状況でも働きやすいので助かります。
今は、すでに契約をしている個人のお客さまに、新規プランへの移行をご案内し、最終的に営業から電話ができるようアポイントをとる業務に就いています。
ありがとうございます、仕事のやりがいや大変なことについて簡単にお聞かせ願えますか?
契約中のお客さまなので、何も聞かずに電話を切られるようなことはありませんが、実際にはなかなかアポイントまでは繋がりませんね。
ノルマはありませんがインセンティブがあるので、やはりアポイント取得の数は気になります。
サポートセンターではクレーム処理もしていたので、少々お客さまに乱暴なことを言われたり、しつこいとか、本当に○○(大手通信業者)の人?とか聞かれてアレコレ言われたりしても、いちいち凹みませんよ。テレアポなんてこんなもんです(笑)
でもファミレスやコンビニで働くより時給はかなりいいですし、私は1日中話していても疲れることはないので、自分に合っているなと思います。
子どもの受験が終わったら、大学の費用も必要ですし、正社員になりたいですね。
その上でSV(スーパーバイザー)になるとか、転職でポジションアップを狙って、学費をしっかり稼げるようにしたいと思っています。
テレアポの仕事は未経験でもできる!絶対に必要なスキルはない

テレアポに必要なスキルや未経験でもめざせるかについて説明します。
テレアポの仕事は未経験者でも就けます。
電話で顔が見えない相手に営業をするのは難しそうに思えますが、トークスクリプトといって話す内容の台本がありますし、事前研修もしっかりしているので未経験者でも問題ありません。
また、テレアポでは絶対に必要なスキルはありません。
WordやExcelを使えたほうがいい場合もありますが、システムは独自のところもありますし、パソコンのスキル必須は少ないです。
ただし、テレアポの内容についてはデータ入力をするので、ある程度はキー入力ができるほうが有利です。
スキルよりも、1日100件以上も電話をかけ続けることにへこまない気力と体力がある人が歓迎されます。
また、次のようなスキルや経験がある人は強みにはなります。
- 営業対象の商材・サービス・業種についての知識がある
- 営業経験がある
- 電話番号の早押し
- 販売・接客等でトークスキルがついている人
テレアポに向いている人(忍耐力がある人)・向いていない人(落ち込みやすい人)

ここではテレアポに向いている人やそうでない人の特徴についてお伝えしていきます。
以下のどれかに当てはまった場合、テレアポにチャレンジしてみてもいいかもしれません。
<向いている人>
- 忍耐力のある人
- 人と話すのが好きな人
- 落ち込まない・凹まないタイプ
- 成果報酬でモチベーションアップする人
逆に、以下のどれかに当てはまる人は、別の職種を探してみるといいかもしれません。
<向いていない人>
- コミュニケーションが苦手な人
- 失敗や相手の反応によって落ち込みやすい人
テレアポはひたすら毎日電話をかけ続けます。
忍耐力があり、同じことの繰り返しでもストレスをあまり感じないタイプのほうが働きやすいでしょう。
また、ガシャンと切られたり、相手に理不尽に文句を言われても、いちいち気にしない、ストレス耐性がある人が向いています。
逆に、相手のちょっとした言葉が残り、落ち込みやすい人には向いていません。
【テレアポ】転職する前に知ると得すること2つ

テレアポの仕事で転職する際に知っておいたほうが良いことをまとめました。
1.テレアポが活躍できる会社と業種
- 株式会社ディグロス
- KDDIグループ企業
- SOMPOコミュニケーションズ
ディグロスは業界でも大手のテレアポ代行会社です。
また、通信事業や旅行会社、電気・ガスといった業種でもテレアポ営業が盛んです。生命保険会社なども大手のグループ会社で、テレアポ求人を多く見かけます。
2.コールセンター業務に強いエージェントを利用して転職するほうが安心
テレアポといえば、パートや派遣のイメージが強いかもしれません。
しかし、営業の「きっかけ」を作るテレアポは実は正社員も多く、専門の子会社や代行会社もたくさんあります。
テレアポでの転職でもっとも気になるのが年収です。
特にノルマのあるなし、インセンティブについては重要なポイントです。
求人情報に掲載されている内容がそのまま自分にあてはまるとは限らないところもありますから、コールセンター業務に強いエージェントを利用して転職するほうが安心です。
エージェントを利用すれば、ノルマとペナルティーについて、また成果報酬についても詳しく調べて教えてくれます。
交渉もエージェントが代行してくれますから、より良い待遇での転職が可能です。