ものづくりの仕事や職種とは?必要な能力やスキル・向いている人の特徴も解説

「子どものころ工作の時間が好きだった」
「誰かのために手作業でものを作るのが好き」

そんな方は、ものづくりの仕事が向いているかもしれません。ものづくりの仕事の中には、未経験からでも始められるもの、特定の資格があれば有利に転職できるものもあります。「今からものづくりの仕事を目指すのは遅いかも」と心配せず、まずはどんな仕事があるかを知ることから始めましょう。

この記事では、ものづくりに関する9種類12のお仕事の概要と、必要な資格、平均年収や働きがいなどをご紹介します。必要なスキルや向いている人の特徴もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

筆者のプロフィール
プロジェクトマネジメント企業にて、20代のポテンシャル採用からシニアのプロフェッショナル採用までを責任者として務める。25以上の転職エージェント・求人サイト・スカウトサービスを採用担当として活用した経験あり。

ものづくり系の仕事9選

ものづくりを仕事には、飛行機や自動車などの大きな機械からパンやスイーツなどの食品まで、さまざまな種類があります。何を作るのが好きなのか、デザインするのが好きなのか実際に手作業で作る工程が好きなのかなど、自分の「好き」に合った仕事選びが大切です。

今回は、ものづくり系の仕事9選と、具体的な職種についてご紹介します。

航空機・自動車の製造

飛行機や自動車など、大きな乗り物に憧れた人も多いはず。飛行機や自動車の開発や設計を行う仕事、実際に組み立てる仕事から、以下3つをご紹介します。

  • 航空エンジニア
  • 航空組立工
  • 自動車エンジニア

例えば同じ飛行機を作る仕事でも、設計やデザインをしたいのか、実際に組み立てたり加工したりしたいのかによって、選ぶべき仕事は異なります。それぞれの仕事内容を把握しましょう。

【航空エンジニア】

基本情報
勤務先例 ・航空機メーカー
・航空機部品メーカー
・重工業メーカー
仕事内容 飛行機本体や部品の設計・製造
資格の有無 ×(不要)
→ただし、機械工学、電気工学、航空工学などの幅広い知識が必要
→理系学部の卒業など学歴を求められることもある
→語学力が求められる場合あり
平均年収 約600万円

■業務概要
航空エンジニアは、簡単にいうと飛行機を作る仕事です。CADなどのツールを使って飛行機本体や部品の設計をしたり、出来上がった部品の組み立てをしたりします。たくさんの人を乗せ、安全を守るため、高い専門性や技術を求められます。

■航空エンジニアになるには
航空エンジニアになるために、特定の資格は求められません。航空工学の大学出身者や実務経験者でなくても、転職できる可能性はあります。しかし一般的には、理系の専門大学出身であること、CAD操作の実務経験があることなどが応募条件として設定されていることが多いようです。

具体的な求人の探し方としては、転職エージェントのdodaに「航空機 エンジニア」関連の求人が5,000件近くあります。未経験歓迎の大手メーカーもあります。

■航空エンジニアの働きがい

  • 自身が手掛けた飛行機が空を飛ぶ姿に達成感を感じる
  • 年単位のプロジェクトにじっくり関わることができる
  • 多くのエンジニアと協業して1つのものをつくる喜びを感じられる

■航空エンジニアの大変さ

  • 小さなミスが大事故につながるため緻密な作業が必要
  • 設計・改良の繰り返しで根気が必要
  • 海外メーカーとの協業が必要な場合が多く、語学力が必要

■航空エンジニアに向いている人

  • 航空工学や機械工学の知識がある
  • CADやCATIAの実務経験がある
  • 大人数のチームでプロジェクトを進めるためのコミュニケーション力がある
  • ビジネス英語を使用できる
  • 責任感と粘り強さがある

【航空組立工】

基本情報
勤務先例 ・航空機部品メーカー
・航空機メーカー
仕事内容 設計図に沿って飛行機の部品を組み立てたり、加工したりする
資格の有無 ×(不要)
→扱う部品により異なる
平均年収 300~600万円

■業務概要
航空機は、数百万個の部品から組み立てられる規模の大きな製造物です。ベルトコンベヤで大量生産するのではなく人の手で組み立てる部分が多く、航空機組立工が活躍しています。担当する工程によっては、プレスや溶接・接合などの加工、配線などの作業も含まれます。

■航空組立工になるには

組み立てを担当する工程によっては、未経験で始められる仕事もあります。製造業に強いメイテックネスクとなどの転職エージェントを活用し、工程ごとの業務詳細や自分が応募できる求人を確認しましょう。

■航空組立工の働きがい

  • 安心・安全な航空機作りに貢献できる
  • 手作業でものづくりができる
  • 仕事の成果が見えやすい

■航空組立工の大変さ

  • 肉体労働で体力が必要
  • 夜間作業のある仕事もある
  • 長時間作業になる場合があり、集中力が必要

■航空組立工に向いている人

  • 自分の手でものづくりをしたい人
  • 大きなものづくりに関わりたい人
  • 体力・集中力のある人
  • 手先の器用な人

設計やデザインではなく、自分の手でものを組み立てることが好きな方におすすめです。

【自動車エンジニア】

基本情報
勤務先例 ・自動車メーカー
・自動車部品メーカー
・電子部品開発会社
・自動車修理工場
仕事内容 ・自動車本体やパーツの研究開発を行う
資格の有無 ×(不要)
→理系学部の学歴が必要な場合がある
→自動車整備士や車体整備士の資格があると有利
平均年収 約500万円

■業務概要
自動車エンジニアは、自動車メーカーなどで車やパーツの開発や設計を行う仕事です。デザインしたものを形にし、安全性に問題がないか何度も試験をして改良する過程を繰り返します。最近では、電気自動車や人工知能(AI)を搭載した自動車など、新しい技術を用いた車の開発も進んでおり、時代に合わせた設計が求められます。

■自動車エンジニアになるには
未経験から自動車エンジニアになる場合、「自動車整備士」や「車体整備士」などの国家資格を持っていると有利です。自動車専門の専門学校を卒業して資格を取るか、自動車整備士養成学校で学ぶと、実務経験がなくても採用される可能性は高まるでしょう。

自動車メーカーや部品メーカーへの転職なら、製造業専門の転職エージェント「メイテックネクスト」がおすすめです。トヨタ自動車や本田技研工業株式会社などの大手メーカーの求人を多数保有しているほか、未経験からの転職サポート実績も豊富です。

■自動車エンジニアの働きがい

  • エンジンやボディなど各部門の専門家とチームでものづくりができる
  • 新しい技術を取り入れた開発ができる
  • 自動車を通じて社会の役に立つ実感が持てる

■自動車エンジニアの大変さ

  • 安全重視でプレッシャーがある
  • 自動車が完成するまで年単位で時間がかかり、成果がすぐ形にならない
  • 新しい技術を学び続ける必要がある

■自動車エンジニアに向いている人

  • 車や乗り物が好きな人
  • チームで仕事をすることが好きな人
  • トレンドに敏感な人
  • 自動車を通じて社会貢献したい人

長い時間をかけて、社内外の多くの関係者と自動車を作り上げていく自動車エンジニア。自動車が好きでコミュニケーション力が高い人におすすめです。

スマホ・家電製品・半導体の製造

スマートフォンや家電など、私たちが毎日の生活で利用する便利な機器。これらの多くは、半導体を用いた製品です。日常生活に欠かせない製品をデザインしたり、製造したりする仕事として、以下2つをご紹介します。

  • 機械設計者
  • 製造ぺレーター

【機械設計者】

基本情報
勤務先例 ・家電メーカー
・電機メーカー
・製作所
仕事内容 スマホや家電などの設計や製図、試験などを行う
資格の有無 ×(不要)
→CADの資格などがあれば有利になる可能性あり
平均年収 約480万円

■機械設計者の仕事概要
機械設計者は、スマホや家電などの機械製品をデザインする仕事です。コンセプトを作って素材や部品を検討し、CADなどを用いておおまかに設計します。性能や強度に問題がないかシミュレーションを繰り返し、最終的には寸法や材質などが細かく掲載された設計図を作るまでを担当します。

■機械設計者になるには
近年では、文系出身者を採用する企業が増えています。まったくの未経験・無資格でも採用される可能性ありますが、やはり機械工学などの最低限の知識がある方が有利です。「機械設計技術者3級」などの試験は学生でも受けられるため、就活前に取得しておくとよいでしょう。

■機械設計者の働きがい

  • 自分のアイディアから製品が生まれる喜びがある
  • 製品の開発を通じて人々の生活を良いものに変えていける
  • チームで1つのものを作り上げる達成感がある

■機械設計者の大変なところ

  • 長期間1つのものに向き合う根気が必要
  • 新しい技術を習得し続けるための学習が必要
  • 多くの関係者との調整に苦労することがある

■機械設計者に向いている人の特徴

  • 新しい技術やアイディアに対して好奇心がある人
  • 試行錯誤と繰り返す忍耐力がある人
  • コミュニケーション力が高い人

【製造オペレーター】

基本情報
勤務先例 ・家電メーカー
・電子機器メーカー
・半導体メーカー
仕事内容 工場の生産ラインで機械を操作、監視、メンテナンスする
資格の有無 ×(不要)
→未経験から応募できるものが多い
平均年収 約470万円

■製造オペレーターの仕事概要
製造オペレーターは、家電やスマホなどを製造する工場に勤務します。機械を操作して加工・切断などの作業をしたり、製造機械が問題なく稼働しているかを確認したりする仕事です。製品の品質チェックや、機械のメンテナンスも製造オペレーターの業務に含まれます。

■製造オペレーターになるには
製造オペレーターは、特別な知識がなくても未経験から就職しやすい職業です。ただし、「フォークリフト運転技能講習修了証」や「機械加工技能士」、「玉掛け技能講習」などの資格があると転職に有利になるでしょう。

メーカーに特化した転職エージェント「タイズ」なら、製造オペレーター関連の求人を140件以上保有しています。大手上場企業の求人も多いため、ぜひチェックしてください。

■製造オペレーターの働きがい

  • 直接ものづくりに携われる
  • 加工や機械操作のスキルアップなど成長を感じやすい
  • 自分が作った製品が世に出る喜びがある

■製造オペレーターの大変なところ

  • 長時間の立ち作業や製品の運搬など体力が必要
  • 予期せぬ機械トラブルに迅速に対応する必要がある
  • 同じ作業を繰り返しになる場合がある

■製造オペレーターに向いている人の特徴

  • 体力や忍耐力のある人
  • 危険な作業でも自分を守れる安全管理能力の高い人
  • 集中してもくもくと作業したい人

医療機器・医薬品の製造

医療の分野にも、ものづくりに励む仕事があります。今回は、病院などで使用される医療機器や薬を研究・開発する以下2つの仕事をご紹介します。

  • 医療機器開発者
  • 医薬開発者

【医療機器開発者】

基本情報
勤務先例 ・医療機器メーカー
・医薬品メーカー
仕事内容 医療機器の構想・設計から製造までを担当
資格の有無 △(必要な場合がある)
→研究開発職は、臨床工学技士の資格が必要
→医師の指示の元で治療を行う場合は臨床工学技士が必要
→工学系・理学系の学歴が求められる場合がある
平均年収 約640万円

 

■医療機器開発者の仕事概要

医療機器開発者は、医療現場で使用されるあらゆる機器のデザイン・開発を行います。対象となる医療機器は、メスや注射器のような小さなものから、MRIやレントゲン装置のような大きなものまでさまざまです。人の命に係わる重要な機器であるため、法律やルールに沿った厳しい審査をクリアしていく必要があります。

■医療機器開発者になるには

新卒者の就職の場合、工学系・理学系などの学歴が条件となることが多いようです。また中途入社の場合は、実務経験が重視される傾向にあります。また海外とのやり取りが発生することが多いため、語学力があると転職に有利になる場合があります。

(コメント)
医療機器開発者への転職は、業界各社とのコネクションが強い転職エージェント選びが重要です。医療機器業界に特化した「ライプニツ・リサーチ」や「医療機器転職BiZ」などを活用するとよいでしょう。

■医療機器開発者の働きがい

  • 患者の命を救うことに貢献できる
  • 医師や検査技師などから感謝される機会が多い
  • 多くの人と協力してものづくりができる

■医療機器開発者の大変なところ

  • 規制が多く、開発プロセスが複雑になりやすい
  • 製品化するまでに時間がかかる
  • 小さなミスが患者の命に関わる事故につながるため、プレッシャーがある

■医療機器開発者に向いている人の特徴

  • 責任感が強い人
  • 医療に貢献したい想いの強い人
  • 日々学ぶことが好きで向上心の高い人

【医薬開発者】

基本情報
勤務先例 ・医薬品メーカー
・医薬品の研究機関
仕事内容 新しい薬を開発し、試験を繰り返して製造する
資格の有無 △(必要な場合がある)
→理系学部卒業後に大学院で博士号を取ると有利
→薬剤師の資格があると有利
平均年収 約560万円

 

■医薬開発者の仕事概要
医薬開発者は、新しい薬を作るための基礎的な研究や、薬の安全性や影響を確かめるための治験などを行う仕事です。基礎研究では、動物や植物などから特定の成分を見つけたり組み合わせたりして、新しい薬に活用できるものを探します。新薬の開発から製造までは10年以上かかるのが一般的です。

■医薬開発者なるには
医薬開発者になるために必須の資格はありませんが、薬学・医学などの学歴が応募条件になることが多いようです。一方で、最近では学部不問、未経験から開発者を目指せる求人も多数見られます

医薬開発者の転職なら、医薬業界特化の転職エージェント「Answers」などの活用をおすすめします。業界の専門性や転職市場を把握したうえで、適切なサポートを得られるでしょう。

■医薬開発者の働きがい

  • 薬を通じて患者の健康に貢献できる喜びがある
  • 医師などから感謝の言葉をもらえる
  • 研究の成果が論文などに掲載されて達成感を得られる

■医薬開発者の大変なところ

  • 生命に関わる薬を作るというプレッシャーがある
  • 新薬の販売までに長い時間がかかる
  • 新薬の開発までに何度も失敗を繰り返すため根気が必要

■医薬開発者に向いている人の特徴

  • 結果が出るまで粘り強く取り組める人
  • 注意力が高く、綿密な作業に打ち込める人
  • チームでの作業が得意な人
  • 安全への意識が高く、責任感の強い人

食品

パンやスイーツ、料理などの食品製造に関わる職人も、ものづくりの仕事といえます。未経験からでも挑戦しやすい職種が多いのも特徴です。今回は、以下3つの職種についてご紹介します。

  • パン職人
  • パティシエ
  • 調理師

【パン職人】

基本情報
勤務先例 ・ベーカリーショップ
・レストラン・ホテル
仕事内容 パンの製造や販売、レシピの開発など
資格の有無 ×(不要)
→製菓・調理の専門学校卒だと有利
平均年収 約360万円

■パン職人の仕事概要

パン職人は、街のパン屋さんやホテル・レストランなどのベーカリー部門でパンを製造する仕事です。お客様に喜んでいただけるおいしいパンを作るだけでなく、新しいパン製品の開発なども担当します。大きなパン工場などでは、パン作りの各工程を分担して行う場合もあります。

■パン職人になるには

パン職人になるために特定の資格は不要です。一般的には、パン作りを学べる学校で学ぶか、ベーカリーなどでの見習いを経て、パン職人になる人が多いようです。「パン製造技能士」や「成果衛生師」の資格があると、転職時に有利になる可能性があります。

製菓・製パン・カフェ業界専門の求人サイト「Bake Job」には、パン屋やベーカリーの求人が約60件掲載されています。未経験から応募できる求人もあるため、ぜひチェックしてください。

■パン職人の働きがい

  • 自分のアイディアで独自のパンを作れる
  • お客様から「おいしい」と喜びの声を聞くことができる
  • パンの焼ける香りや陳列されたパンなど、好きなものに囲まれて働ける

■パン職人の大変なところ

  • 朝が早く長時間勤務になりやすい
  • 1日中立ち仕事で疲れやすい
  • 土日祝日に休みが取りにくい

■パン職人に向いている人の特徴

  • なんといってもパンが好きな人
  • 体力がある人
  • 創意工夫をして新しいものを作り出すのが好きな人

【パティシエ】

基本情報
勤務先例 ・ペストリーショップ・スイーツ専門店
・ホテル・レストラン
・ケーキ屋・カフェ
仕事内容 ケーキなどのデザートの製造、新しいメニューの開発
資格の有無 ×(不要)
→「製菓衛生師」「菓子製造技能士」などの資格があると有利
平均年収 約330万円

■パティシエの仕事概要
パティシエとは、洋菓子職人のこと。ケーキ屋などでスイーツを製造したり、レストランでコース料理のデザートを作ったりする仕事です。小さな洋菓子店では生地作りから仕上げ、接客まで担当する場合がありますが、大規模な店舗だと各工程を分担する場合が多いようです。

■パティシエになるには
パティシエを目指すなら、製菓系の専門学校に通うのが近道です。働きながら夜間コースに通う方もいます。未経験歓迎の求人も多いため、まずは見習いとして現場で働き、先輩に倣いながらパティシエを目指すことも可能です。

パティシエ・パン職人に特化した転職サイト「パティシエント」には、350件以上のパティシエ求人が掲載されています。カフェやレストラン、ホテルやブライダルなど、いろいろなジャンルから求人を探せるので、ぜひチェックしてみましょう。

■パティシエの働きがい

  • 自分のアイディアでおいしく美しいスイーツを作れる
  • 季節を感じるスイーツを作れる
  • お客様から感謝の言葉をもらえる

■パティシエの大変なところ

  • 技術を身に着けて一人前になるまで時間がかかる
  • クリスマスなどの繁忙期は長時間労働になりがち
  • 長時間の立ち仕事で疲労がたまりやすい

■パティシエに向いている人の特徴

  • お菓子やお菓子作りが好きな人
  • 体力がある人
  • 美的センスや探求心がある人

【調理師】

基本情報
勤務先例 ・レストラン・カフェ
・ホテル・旅館
・社員食堂
・病院・福祉施設
仕事内容 調理や食材の仕入れ、メニューの考案など
資格の有無 ◎必要
→調理師免許が必要
平均年収 約340万円

■調理師の仕事概要
調理師は、飲食店などで調理業務を多なう仕事です。職場によっては、調理業務だけでなく食材の仕入れや在庫管理、厨房の衛生管理、新しいメニューの開発など、幅広い仕事を担当します。和食・洋食・中華など特定の分野を極める人もいれば、幅広いジャンルに挑戦する人もいます。

■調理師になるには
調理の業務自体は無資格でもできますが、「調理師」を名乗るには国家資格である「調理師資格」が必要です。指定の学校を卒業するか、2年以上の実務経験を積んだ後、調理師試験に合格する必要があります。免許にこだわらない方は、無資格でも応募できる求人を探して応募しましょう。

転職エージェント「doda」には、調理師関連の求人が約700件あります。未経験から応募できる求人も多いため、ぜひ一度チェックしてみましょう。

■調理師の働きがい

  • おいしい料理でお客様に満足してもらえる
  • 技術を身に着けて成長する実感がある
  • 料理長や独立を目指すなどキャリアアップの選択肢が広い

■調理師の大変なところ

  • 拘束時間が長くなりやすい
  • 上下関係の厳しい職場が多い
  • 食中毒を起こさないよう細心の注意が必要

■調理師に向いている人の特徴

  • 食べることや料理が好き
  • 向上心があり、新しい技術を学ぶ意欲が高い
  • 小さなことにこだわり抜ける人

縫製(ソーイングスタッフ)

ファッション好きな方・手芸が得意な方は、縫製職人(ソーイングスタッフ)を目指す道もあります。

【ソーイングスタッフ】

基本情報
勤務先例 ・衣料品メーカー・縫製工場
・アパレル会社・ファッションブランド
・ブティック
仕事内容 衣類や布製品の縫製作業、製品の修繕など
資格の有無 ×(不要)
→服飾系の学歴を求められる場合あり
→「洋裁技術検定」を取得すると転職で有利
平均年収 約310万円

■ソーイングスタッフの仕事概要

ソーイングスタッフは、洋服やアクセサリーなど、布や皮を使った製品を縫製する仕事です。ファッションショーで使用する一点物の洋服を作る人、工場などで大量に生産する洋服のパーツを制作する人など、実際の業務内容はさまざまです。

■ソーイングスタッフになるには

ソーイングスタッフの求人は、未経験からでも応募できるものが多くあります。特に工場などで大量生産する商品の場合は、最初はアイロンがけのみ、裁断のみというように業務が細分化しているため、未経験の人でも取り組みやすいでしょう。オートクチュール製品などを扱う仕事の場合は、服飾系の専門学校などを卒業して就職するパターンが多いようです。

未経験OKのソーイングスタッフ求人を探すには、「indeed」「求人ボックス」のような求人検索エンジンを使うと便利です。パートアルバイトから正社員まで、幅広い働き方の求人が見つけられます。

■ソーイングスタッフの働きがい

  • 手作業で商品を作り上げる楽しみがある
  • 担当できる箇所が増えることで自身の成長を感じる
  • 素晴らしいデザインのアイテムに触れることができる

■ソーイングスタッフの大変なところ

  • 細かい作業が多く、根気が必要
  • 技術が身に着かないと同じ作業しか担当させてもらえない
  • 一点物の場合は失敗できないプレッシャーがある

■ソーイングスタッフが向いている人の特徴

  • 手先の器用な人
  • 新しい技術を学ぶ向上心のある人
  • ファッションが好きで新しいものへの関心が高い人

大工

最後に、家などの建物を作る大工の仕事に注目します。

【大工】

基本情報
勤務先例 ・建設会社・工務店
・リフォーム会社
仕事内容 設計図をもとに建物の建築や修理を行う
資格の有無 ×(不要)
→学歴も問われないことが多い
平均年収 350~400万円

■大工の仕事概要

大工は、住宅などの建築物を作る仕事です。設計図を見て必要な材料を確認し、のこぎりやかんなで加工します。その後、加工された建材をもとに骨組みや外壁を組み立てます。高所での組み立て作業などをメインで行う「とび職人」と異なり、設計図を読み取って加工していく作業が大工ならではといえます。

■大工になるには
大工は特定の資格や学歴が不要な場合が多く、未経験でも挑戦しやすい仕事です。親方に弟子入りしたり、工務店に就職したりして、技術を身に着けていきます。ただし、「木造建築物の組立て等作業主任者」「建築大工技能士」「二級建築士/木造建築士」などを取得ている方が、転職には有利です。

大手転職エージェント「doda」には、「大工・とび・左官・設備など」の求人が260件以上掲載されています。エージェントサービスを使うのが面倒と感じる方は、サイトから直接応募することも可能です。どんな大工求人があるかを調べる目的でも利用しやすいため、おすすめです。

■大工の働きがい

  • 手作業で建物を作っていく楽しさがある
  • お客様の理想を形にして感謝される
  • 技術を身に着けて成長する実感がある

■大工の大変なところ

  • 肉体労働で体力が必要
  • 作業が天候に左右されやすい
  • 繁忙期と閑散期の差が大きい傾向にある

■大工に向いている人の特徴

  • 体力があって体を動かすのが好きな人
  • 手先が器用な人
  • 正確に作業できる人

ものづくりに必要なスキル・能力

ここからは、ものづくりに関する仕事に必要なスキル・能力をご紹介します。作る「もの」は違っても、ものづくりの仕事には共通して以下のスキルが必要です。

それぞれのスキルが特に必要な職種もご紹介します。

数字が得意

ものづくりの仕事では、小さな誤差が大きなズレにつながり、人の命に関わる事故につながる可能性があります。数字を正確に読み取ったり、計算したりして、緻密な作業をする必要があります。

人命にかかわる以下の仕事では、特に数字を扱う能力が求められるでしょう。

  • 航空エンジニア
  • 自動車エンジニア
  • 機械設計者
  • 医療機器開発者
  • 医薬開発者

コミュニケーション能力

多くのものづくりの現場は、自分一人ではなくチームで1つのものを作り上げる必要があります。専門性や立場の異なるメンバーと良好な関係を築き、同じゴールに向かって支え合えるチームワークが必要です。

特に大勢の人が関わる以下の仕事では、コミュニケーション能力が必須といえます。

  • 航空エンジニア
  • 自動車エンジニア
  • 機械設計者
  • 医療機器開発者
  • 医薬開発者
  • 大工

集中力

ものづくりの現場の中には、危険な作業が多いもの、一つのミスで全体がダメになってしまうものなど、高い集中力を求められる場合があります。自分や仲間を危険から守り、安全な製品を作るためにも、気を抜かずに作業に集中する力が必要です。

特に小さなミスが事故につながりやすい以下の仕事では、集中力が必須といえます。

  • 航空組立工
  • 製造オペレーター
  • 機械設計者
  • 医療機器開発者
  • 医薬開発者
  • ソーイングスタッフ
  • 大工

提案力

マニュアル通りに正確に作る仕事だけでなく、自分自身のアイディアで新しい製品を生み出すことも、ものづくりの仕事の醍醐味です。世の中の流行やニーズを捉えて、独創的な提案ができれば、ものづくりをさらに楽しむことができるでしょう。

特に提案力が重要な職種は、以下の通りです。

  • 自動車エンジニア
  • 機械設計者
  • パン職人
  • パティシエ
  • 調理師

ものづくりの仕事に向いている人の特徴6選

最後に、ものづくりの仕事に向いている人の特徴を6つご紹介します。以下に当てはまる人は、ものづくりを天職にできるかもしれません。

それぞれ特に向いている職種もご紹介します。

何かを作り上げることが好き

子どものころ工作の時間が好きだった、プラモデル作りが趣味、というように、自分の手で何かを作り上げることが好きな方は、ものづくりの仕事に向いてます。完成品が好きというだけでなく、作り上げる過程そのものに楽しみを感じられる人の方がより適性があるといえるでしょう。

特に以下のように、「自分の手で作った」という実感のわく仕事がおすすめです。

  • 航空組立工
  • 製造オペレーター
  • パン職人
  • パティシエ
  • 調理師
  • ソーイングスタッフ
  • 大工

繰り返し同じ作業をすることを苦に感じない

ものづくりの仕事の中には、同じ作業を何度も繰り返すもの、何十回と失敗を重ねてたった1つの製品に結びつくものなど、根気のいる作業があります。何度でも正確に取り組めることはもちろんのこと、試行錯誤しながらより良い形を模索できる人は、ものづくりの仕事に向いています

特に繰り返しの作業が求められる以下の仕事に、根気強さが生かされます。

  • 航空組立工
  • 製造オペレーター
  • 製薬開発者
  • ソーイングスタッフ

人を喜ばせることが好き

作った製品の先には、必ず利用者・消費者がいます。誰かのためを想ってものづくり打ち込める人は、仕事に誇りや使命感を感じて熱中することができるでしょう。

特にお客様との距離が近い以下の仕事は、人を喜ばせるのが好きな人にぴったりです。

  • パン職人
  • パティシエ
  • 調理師
  • 大工

客観的に考えられる

製品を開発する仕事では、自分のセンスや経験だけでなく客観的な事実やデータをもとにデザインしていく力が必要です。「客観的に考える力」こそ、芸術とものづくりの仕事を分ける要素ともいえます。

客観的なデータなどを冷静に読み解いて活用できる力は、以下のような開発の仕事に特に必要です。

  • 航空エンジニア
  • 自動車エンジニア
  • 機械設計者
  • 医療機器開発者
  • 医薬開発者

情報収集能力が高い

日々新しい技術が開発され、人々の関心がどんどん移り変わっていく現代において、常用収集力はとても大切です。今何が流行しているか、自分たちの製品に活かせる新しい技術や素材はないか。ものづくりの仕事をする人は、常に情報収集のアンテナを張り巡らせる必要があります。

特に世の中のニーズや新技術の移り変わりが激しい以下の仕事では、情報収集力が必須です。

  • 自動車エンジニア
  • 機械設計者
  • 医療機器開発者
  • 製薬開発者

センスがある

ものづくりの醍醐味は、自分の技術やセンスを生かした独自のアレンジができること。自分のセンスに合わせて新しいアイディアを作り出せる人は、飽きることなくものづくりを楽しむことができるでしょう。

自分のセンスを生かしたものづくりがしたい人には、特に以下の仕事がおすすめです。

  • パン職人
  • パティシエ
  • 調理師
  • ソーイングスタッフ