弁護士秘書の仕事内容・やりがいって?向いているはどんな人?現役の弁護士秘書が解説

弁護士秘書とはどんな仕事?体験談からその実態を探る!

こんにちは。今回は、弁護士秘書について説明します!

この記事を読むと、

  • 弁護士秘書の業務内容
  • 弁護士秘書のやりがいとつらいところ
  • 弁護士秘書に向いている人の特徴
  • 弁護士秘書の収入

以上のことが理解できるようになりますよ!先輩弁護士秘書の田中さんに話を聞きながら、具体的な情報を紹介していきますね。

田中さん、はじめまして。今日はよろしくお願いします!

はじめまして。こちらこそ、よろしくお願いします。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

司法書士事務所から弁護士事務所へ!弁護士秘書になったきっかけ

司法書士事務所から弁護士事務所へ!弁護士秘書になったきっかけ

最初に、田中さんが弁護士秘書になったきっかけを教えてもらえますか?

はい。弁護士秘書として7年ほど働いていました。最初に勤務していたのは司法書士事務所なんですけど、会社都合で事務所がなくなってしまって転職を余儀なくされました。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

それは大変でしたね……。

地元に戻って転職活動をしていたときに、弁護士事務所の応募を見つけました。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

前職が司法書士事務所だったので、弁護士秘書という職業にとても興味を持ったのを覚えています。幸い、その事務所に弁護士秘書として就職できました。当時は、弁護士1名、スタッフ3名と小規模な会社でしたが、アットホームな雰囲気で居心地が良かったです。

法的な書類作成から雑務までこなす!弁護士秘書の業務内容とは?

法的な書類作成から雑務までこなす!弁護士秘書の業務内容とは?

それでは本題です!弁護士秘書の業務内容を具体的に教えてください!

弁護士事務所によって業務内容に若干の違いがあります。中には、パラリーガルと兼務している場合もあります。ちょっと混同しやすいので、最初に弁護士秘書とパラリーガルの違いを説明しておきますね。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

パラリーガルとは?弁護士秘書と何が違うの?

弁護士秘書の仕事

  • 弁護士のスケジュール管理
  • 電話対応
  • 来客対応

パラリーガルの仕事

  • 法律関係の書類作成
  • 弁護士の業務補助

弁護士秘書もパラリーガルも、弁護士をサポートする点では同じです。違うのは、サポートする業務の範囲ですね。

弁護士秘書は、秘書業務のほかに雑務全般も担当します。一方、パラリーガルは法律事務を専門にこなします。大きな弁護士事務所になると、弁護士秘書とパラリーガルの役割は明確に分かれているケースが多いです。

私が勤務していたような小規模事務所になると、両者の線引きは割と曖昧かもしれません。パラリーガルが弁護士のスケジュール管理を担当する場合もありますし、弁護士秘書が裁判所に提出する書類を作成する場合もあります。

ただ、パラリーガルが求められるのは、大きな法律事務所や弁護士事務所がほとんどです。中小規模の事務所では、簡単な法律関連の書類作成から雑務、スケジュール管理まで弁護士秘書が行います。需要も、パラリーガルより弁護士秘書の方が高いと思いますよ。

弁護士事務所を訪れるのはどんな人?弁護士には得意ジャンルがある!

弁護士とは、国家資格の弁護士資格を持っている人で法律の専門家です。主に、法律に関わるトラブルを解決します。トラブルに関する法律相談や相手との交渉、裁判の代理人業務が具体的な仕事内容です。

弁護士事務所に来るのは、法律関連のトラブルを抱えている人たちです。借金があって債務整理をしたい人、交通事故の被害者になってしまった人、雇用先で不当に解雇された人など、いろいろな人が来ますよ。

ただ、弁護士というのはそれぞれ得意分野があります。弁護士事務所のWEBサイトを見ると、債務整理、交通事故関連、遺産分割関連、犯罪関連など、事務所が得意とするジャンルが記載されているケースが多いです。

ですので、債務整理が得意な弁護士事務所なら債務を抱えた人、交通事故関連が得意な弁護士事務所なら交通事故にあってしまった人なんかがきます。刑事弁護が多い事務所の場合は、犯罪を犯してしまった人を弁護することだってありますよ。

スケジュール管理から来客対応まで!弁護士秘書の具体的な業務内容

弁護士秘書として私が行っていた業務は、下記の通りです。

スケジュール管理

  • 弁護士と相談者の面談のスケジュール管理
  • 裁判所へ行く日のスケジュール管理

書類作成

  • 裁判所に提出する書類
  • 債務整理の書類

対応業務

  • 来客対応
  • 電話対応
  • 消費者金融とのやり取り

事務作業・雑務

  • 経理関係の事務
  • お世話になっている方々への年賀状作成、お花のプレゼント

いろんな業務があるんですね。

そうですね。裁判所へ提出する書類作成は、パラリーガルの分野かもしれませんね。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

作成した書類は、弁護士が最終チェックを行った上で判断します。簡易的な作業やよくある事案、債務整理や過払い金請求などは、最初に弁護士秘書が対応します。債務整理における消費者金融との金額交渉などを行っていました。

常に冷静でいることが重要!弁護士秘書のやりがいとつらいところ

常に冷静でいることが重要!弁護士秘書のやりがいとつらいところ

弁護士秘書はいろいろ業務があって、なかなか忙しそうですね。ところで、弁護士秘書としてやりがいを感じたりつらいなと思ったりしたことはありますか?

ええ、ありますよ。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

人の役に立つ仕事!弁護士秘書のやりがいとは?

困っている方々の手助けができるのは、弁護士秘書としての大きなやりがいです。弁護士事務所にいらっしゃるお客さまは、何かしら問題を抱えている方々ばかりですからね。その問題も、個人で解決するのは難しい内容がほとんどです。

弁護士というと敷居が高いと感じる方も多いようですが、問題が解決すると精神的に楽になります。

例えば、消費者金融の借金が返せないといって訪れた方も、債務整理をして過払い金を支払いに回せば返済の負担が大幅に減らせます。返せないと思っていた借金がキレイになるとわかるだけで、肩の荷が下りるようですね。

あとは、弁護士に対するサポートが上手くできたと思えるときも、やりがいを感じます。ただ言われたことだけをこなすのではなく、少しでも弁護士が仕事をしやすいように先回りをして感謝されると、やって良かったと思います。

どう接していいかわからない?弁護士秘書の辛いところ

弁護士事務所を訪れるお客さまの中には、感傷的になる方も多いです。どう対応していいのか困るケースはありました。

弁護してもらいたい人が来るところですからね……。

そうですね。基本的に何かしらの被害に遭われた方が多いので、感情的になってしまいやすいんです。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

弁護士秘書に向いている人とは?口は堅いけどコミュニケーション能力は高い人

弁護士秘書に向いている人とは?口は堅いけどコミュニケーション能力は高い人

弁護士秘書歴7年の田中さんから見て、弁護士秘書に向き不向きはあると思いますか?

あると思いますよ。いろいろな人と接することが多い仕事なので、基本的なコミュニケーションスキルは必要じゃないでしょうか。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

口は堅いけどコミュニケーション能力の高い人

弁護士事務所にはさまざまなお客さまがいらっしゃいます。お客さまのプライベートな点に触れることも多く、感情的になってしまう方も少なからずいらっしゃいます。

どのような方が相手でも、冷静に対話できる人は弁護士秘書の適性があります。ほかの弁護士秘書やスタッフと連携して業務に当たるケースも多いので、所内でのコミュニケーションも大切です。

業務をスムーズに進めるために、普段からお互いにフォローし合える関係性を築いておくといいかもしれませんね。

もちろん、担当弁護士とのコミュニケーションも重要ですよ。指示内容を正確に理解して素早く業務をこなす必要があるので、相手の話を素直に聞ける人は向いていると思います。

秘密を守れる人

弁護士はもちろん、弁護士秘書にも守秘義務があります。守秘義務とは、業務で知った情報を第三者に漏らしてはいけない、という決まりのことです。

仕事の愚痴を家庭内で話す人はいますが、弁護士秘書として仕事をしている以上、業務であったことは絶対に口外できません。もちろん、インターネットに書き込むのもNGです。関係者がいないからと飲み屋でおしゃべりするのも良くないですね。誰が聞いているかわかりませんから。

もし、弁護人の情報が第三者に漏洩してしまえば、裁判に影響を与えかねません。弁護人自身にも悪影響を与えてしまうので、弁護士秘書には守秘義務を守れる人、口が堅い人が向いています。

感情移入しすぎない人

お客さまのお話を伺っていて、思わず共感してしまうときがあります。ただ、あまりに共感しすぎると、つらくなってしまいます。問題を抱えているお客さまに対して誠心誠意対応するのは当然ですが、感情移入しすぎると冷静な対応は難しいです。

そういう意味で、感情移入しすぎない人、感情をコントロールできる人は向いていると思います。

弁護士と弁護士秘書の線引きができる人

弁護士秘書は、特別な資格がなくてもできる仕事です。一方で、業務経験を積むと法律的な知識や経験がどんどん蓄積されていきます。

弁護士のような専門家にはなれなくても、まったく関係のない仕事をしている人よりは法律に詳しくなります。だからこそ、お客さまに対して法律の知識を言い過ぎないように気を付けた方が良いです。

中途半端に自分の知識を提供してしまった場合、お客さまはもちろん、担当弁護士にも迷惑をかける可能性があります。

法律の専門家は弁護士であって、あくまでも弁護士秘書はサポート役です。その線引きは常に気を付けていました。

弁護士事務所による!弁護士秘書になるための年齢

未経験から弁護士秘書になる場合、適齢というのは特にないと思います。どちらかというと、弁護士事務所の考え方で変わるのではないでしょうか。

方針に従ってしっかり業務を覚えてもらいたい事務所なら、20代前半~20代半ばの人が求められるでしょう。年齢問わず適正がある人を採りたい事務所なら、30代の人でも十分可能性はあります。

未経験から転職を考えたい人は以下の記事も参考にしてください。

弁護士秘書の収入とは?弁護士は高給イメージがあるけれど?

弁護士秘書の収入とは?弁護士は高給イメージがあるけれど?

気になる収入ですが……弁護士秘書ってズバリ、どのくらいのお給料がもらえるのでしょうか?弁護士は高給ってイメージがありますが。

地域や事務所の規模によって違うとは思いますが、弁護士ほど高給取りではないんですよね、残念ながら。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

一般事務とあまり変わらない弁護士秘書の収入

弁護士秘書としての私の手取りは、月収で20万円前後です。年収では250万円程度ですね。ボーナスはもらっていました。事務所のあった地域では、給料は多い方だったと思います。ただ、厚生年金ではなかったので、総合的に考えると安いのではないでしょうか。

ちなみに、パラリーガルと弁護士秘書のお給料には、あまり差がないと思います。というのも、パラリーガルは法律事務を一般的に行うものの、弁護士資格を有しているわけではないからです。

パラリーガルも弁護士秘書も、司法書士や行政書士などの資格を持っていると、年収も500万円くらいまではいくようですね。弁護士事務所やそれぞれの業務内容によって、かなり差が出てくると思います。

残業はあっても30分程度(残業代有り)

残業は、あるときで30分程度です。残業代は出ていました。そのへんは、さすが弁護士事務所ですよね(笑)。休日出勤はしたことがありません。

弁護士秘書になりたい人に一言!

弁護士秘書になりたい人に一言!

いろいろ勉強になりました!最後に、これから弁護士秘書の仕事に就きたい人に対して、先輩からアドバイスをもらえますか?

弁護士秘書は、弁護士のスケジュール管理や書類作成、雑務など、いろいろな業務をこなします。正確性やスピード感が大事なので、さまざまな人とコミュニケーションを取りながら、明るくテキパキ働ける人におすすめです。最初のうちは、業務内容を覚えるのが大変かもしれません。でも、弁護士秘書は人の役に立てる仕事です。これから弁護士秘書になりたい人は、自分の仕事に誇りと責任を持って臨んでほしいと思います。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

田中さん、今回はいろいろありがとうございました!

いえ、こちらこそ、ありがとうございました。

ミライのお仕事のインタビュイー
田中さん

今回は弁護士秘書の田中さんにお話を聞きました。弁護士秘書以外の仕事の内容や情報を知りたい人は以下も参考にしてください。