編集部の石崎です!
派遣先の企業から「直接雇用として働きませんか?」と打診されて迷っていませんか?
直接雇用になると、派遣よりも給与が上がったり安定した雇用形態で働けたりとメリットがあります。しかし、デメリットもあるため後悔ない選択をするためにもチェックポイントを押さえておくのが重要です。
そこでここでは、実際に派遣社員から契約社員になったことがある私の経験と、58名へのアンケート結果をもとに以下について紹介します。
【結論】直接雇用は安定を求める方におすすめ!派遣との違いを知ろう
給与や仕事内容を考えると派遣から直接雇用はおすすめです!
働き方 | 仕事内容 | 安定感 | 給与 | |
---|---|---|---|---|
派遣社員 | 柔軟 | 限定的 | 低い | 時給制 |
直接雇用 | 固定が多い | 幅広い | 高い | 時給制 月給制 |
直接雇用を打診されたものの「派遣との違いがわからず決断できていない」という方が多いと思います。そこで、派遣社員と直接雇用の違いを表にしました。
派遣社員はシフトOK時短OKでライフスタイルに合わせて働けるのに対して、直接雇用の場合には勤務日や時間が固定、つまりフルタイムで勤務になることが多いです。
加えて給与が上がることが多いので、安定を求める方にとっては直接雇用の方が向いていると言えます。
また直接雇用となると、派遣社員とは違った責任のある領域の業務を任せてもらえるようになります。「今後キャリアアップしていきたい」という場合にも直接雇用で働く方がおすすめです。
直接雇用の中にも、正社員・契約社員・アルバイトと雇用形態はさまざま
雇用形態 | 契約期間 | 給与 | 働き方 | 賞与 |
---|---|---|---|---|
正社員 | 無制限 | 月給制 (賞与あり) |
・フルタイム ・残業あり |
あり |
契約社員 | 半年~1年 | 月給制 時給制 (賞与なし) |
・雇用契約による ・残業あり ・申告すれば休みOK |
ありの場合もある |
アルバイト | 半年~1年 | 時給制 (賞与なし) |
・シフト制 ・残業なし |
なし |
ちなみに、直接雇用といっても「正社員」「契約社員」「アルバイト」と雇用形態はさまざまです。そこで、それぞれの特徴を紹介します。
私は直接雇用をきっかけに全ての雇用形態を経験しているので、体験談を交えて紹介しますね。
正社員|年収アップの可能性もある
派遣の場合1ヶ月〜3ヶ月など契約期間が設けられているのに対し、直接雇用かつ正社員として働く場合は契約期間の定めがないので、安定した基盤で働くことができます。
また、給料は月収制か年俸制になり、ボーナスの支給も受けられるので派遣社員の頃よりも収入アップとなることがほとんどです。
ちなみに私が正社員の打診を受けた時は、派遣社員時代よりも年収50万円アップの提案がありました。
なお、派遣から直接雇用になった経験がある58名に「派遣社員から直雇用された後の雇用形態」と聞いたところ、正社員が最も多い結果となりました。
安定と収入アップが実現できるとなると、派遣から正社員になる方が多いようですね。ただし、正社員となるとフルタイム勤務となり残業が発生する場合もあります。
現在派遣社員としてライフスタイルに合う働き方ができている方にとっては環境が大きく変わることになるので、慎重に判断する必要があると思います。
契約社員|比較的安定した環境で働ける
契約社員は、正社員とは異なり契約期間が決められています。ほとんどが1年ごとに契約を更新していくことになります。
契約満了の時点で更新するか否かは会社側に決定権があるので、正社員に比べると安定性には欠けますが、派遣社員と比べると安定した環境で働くことができます。
会社にもよりますが、ボーナスや退職金は出ないのが一般的です。正社員に比べると報酬額は下がりますが、派遣社員よりも収入アップの提案をされることが多いようです。
私が契約社員の打診を受けた際も、派遣の時給より200円アップの給料を提示してもらいました。
ライフスタイルに合わせて柔軟に働きたいという場合には、会社との話し合いによって臨機応変に対応してもらえる可能性もあります。
アルバイト|柔軟に働くことができる
派遣から直接雇用のアルバイトとして勤務するパターンもあります。アルバイトの場合は時給制で働くことになり、派遣社員よりも給与が上がるかどうかは企業次第で、賞与がないのが一般的です。
一方でアルバイトは、正社員や契約社員に比べて柔軟に働くことができます。
私が派遣から直接雇用のアルバイトになった際は、シフト制で2週間ごとに希望シフトを提出し勤務していました。
加えて契約期間は派遣社員よりも長く、半年〜1年更新になることが多いです。そのため、派遣社員時代の働きやすさを継続させたい場合に向いている雇用形態といえます。
派遣から直接雇用になってよかったのは約7割!その理由とは?
派遣から直接雇用になったことがある58名に「派遣から直接雇用になってよかった?」と聞いてみた結果、約7割が「よかった」と回答しています。
その理由として多かったのが以下の3点です。
- 給与が上がったから
- 安定した基盤で働けるから
- 責任のある仕事を任せてもらえるから
上記の3つは、派遣から直接雇用になる際のメリットとして押さえておくと自分が直接雇用になるべきか否か判断しやすくなります。それぞれ詳しく説明していきますね。
給与が上がったから
直接雇用になることで、給与が上がる可能性もあります。その理由は以下の通りです。
- 仕事内容の幅が広がるため
- ボーナス(賞与)が支給されるため
実際に今回ミライのお仕事が独自で調査したのアンケート結果には以下のように「給与が増えた!」という意見が多数ありました。
健康保険の自己負担が減り、賞与がもらえるため収入が増えた。
弊社調べ:クラウドワークス
給与面や福利厚生面など、待遇が格段に良くなった。
弊社調べ:クラウドワークス
私も派遣から直接雇用の契約社員になったことがありますが、当時は時給が200円、月にして24,000円月収アップした経験があります。
以上から、給与が上がることが派遣から直接雇用になるメリットのひとつと言えます。
「今の給与に不満がある」「もっと収入をあげて生活の質を高めたい」という方は直接雇用になるメリットを十分に感じられると思います!
安定した基盤で働けるから
直接雇用となると、文字通り派遣先企業と直接契約を結ぶことになります。
派遣の場合1ヶ月〜3ヶ月など契約期間が設けられているのに対し、正社員なら契約期間の定めがありません。そのため案件がなくなったとしても、継続的に収入を得られるのがメリットです。
また、契約社員やアルバイトでも、半年〜1年の契約期間が設けられるので、派遣よりも安定した基盤で働くことができます。当メディアの独自のアンケート結果にも、以下のような意見が寄せられていました。
派遣から直接雇用になった一番の理由は、やはり有期雇用と違い期間満了や契約終了の不安から解放される事。
弊社調べ:クラウドワークス
仕事(案件)が無くなった場合にも、正社員であれば次の仕事の保証があり、安心して作業が出来る。
弊社調べ:クラウドワークス
なお、派遣より充実した福利厚生を受けられるようになるのも、直接雇用になるメリットのひとつです。
弊社調べ:クラウドワークス
大手企業だったので、福利厚生がしっかりしており、安定した。
弊社調べ:クラウドワークス
安定して心の余裕が出来た点と産休・育児休業手当も出たこともあり直雇用として働いてよかったと思います。
弊社調べ:クラウドワークス
福利厚生が充実している会社なので、直雇用になり様々な福利厚生が受けることができるようになったから。
弊社調べ:クラウドワークス
以上のように、派遣社員から直接雇用になった方は、直接雇用ならではの「安定性」に魅力を感じていることもわかると思います。
責任のある仕事を任せてもらえる
直接雇用になると、より責任のある仕事を任せてもらえる傾向があります。
派遣社員はあくまで派遣元の所属のため、任せられる仕事の範囲がどうしても狭くなってしまいがちです。
一方直接雇用であれば派遣先の所属となるので、派遣社員とは違った責任のある領域の業務を任せてもらえるようになります。
賞与が支給されるようになった上に、より会社の重要な仕事を任されるようになったから、直接雇用になってよかったです。
弊社調べ:クラウドワークス
派遣社員の時には、期限があるからということで深くまで教えてもらえなかった仕事や、責任ある仕事を任せてもらえるようになり、それまで感じていなかった社員との一体感を感じられるようになりました。
弊社調べ:クラウドワークス
社会の一員になれたことで、ほっとしました。
弊社調べ:クラウドワークス
以上から、「より仕事にやりがいを感じたい」「会社の一員として貢献したい」「キャリアアップにも興味がある」という方にとっても直接雇用になることで大きなメリットを感じられると思います。
派遣から直接雇用になるタイミングでチェックしておくべきつ3のポイント
派遣から直接雇用になれば、安定性が増し収入も上がりやすいと紹介してきました。現時点で直接雇用になることを前向きに捉えている方もいるのではないでしょうか。
しかし派遣から直接雇用になった人の中には「安定性が上がった分収入が落ちた」「収入が上がったがワークライフバランスが崩れた」という意見があるのも事実です。
そこでここでは、派遣から直接雇用になるべきか正しく判断するために、確認しておくべきポイントを3つ紹介します!
- 給与・賞与
- 仕事内容の変化
- 勤務時間
なお今回は、派遣から直接雇用になった経験がある58名が確認していた項目のTOP3を詳しく説明します。
ちなみに次の3つは、派遣から契約社員になったことがある私もチェックしていた項目です。経験談を踏まえて詳しく説明しますね。
給与が下がらないか・賞与があるか
派遣から直接雇用になる際はまず、給与・賞与についてチェックしておきましょう。というのも、企業によっては直接雇用になることで派遣よりも給与が下がる場合があるからです。
実際に、当メディアのアンケートにて以下のように回答している方もいました。
また、給与が上がったとしても「派遣と比べて微々たる増加なら派遣のままがいい」と思うこともあると思います。
正社員になり保険等は良かったが、収入は下がりボーナスがないことも知らなかった為、直接雇用になったことを良いとは思えていません。
弊社調べ:クラウドワークス
正社員になり保険等は良かったが、収入は下がりボーナスがないことも知らなかった為、直接雇用になったことを良いとは思えていません。
弊社調べ:クラウドワークス
派遣の方が時給が良かったので給与が下がった事については、デメリットだと思います。
弊社調べ:クラウドワークス
以上から、派遣から直接雇用になる前には給与や賞与の有無を確認しておき、本当に派遣よりも好条件で働けるのかをチェックしておきましょう!
仕事内容の変化、仕事の幅が広がるか
派遣から直接雇用になると、仕事内容の幅が広がることがあります。
キャリアアップしたい方や、やりがいとを感じたいと思う方にとってはメリットと捉えられますが、中には以下のように仕事内容が変わったことで戸惑いを感じる方もいるようです。
どんどんレベルの高い仕事を任せられるようになって戸惑った。
弊社調べ:クラウドワークス
作業を淡々とこなしたいタイプで、管理職は不向きと思っているが、新人などが入るとおのずと管理(指導)をしなくてはいけないので、その点が自分にとっては負担に感じました。
弊社調べ:クラウドワークス
派遣社員さんの管理業務も兼ねているので、自分の問題ではなく派遣社員さんのミスで派遣先企業様よりお叱りを受けるなど精神的なストレスは増えたように感じます。
弊社調べ:クラウドワークス
パート雇用になった途端に責任ある仕事を任され、とてもプレッシャーを感じた。
弊社調べ:クラウドワークス
以上より「直接雇用になることで負担が増えるのは避けたい」「ライフワークバランスを崩したくない」という場合には、仕事内容がどのように変わるか事前に確認しておくことをおすすめします。
契約時に仕事内容についてしっかり話をしておけば、理不尽に仕事領域が増えることを減らせます。
また、契約時に話されていない業務内容を任される時には、手当の支給や給与アップを検討してもらえることもあるので、併せて確認しておきましょう!
勤務時間が伸びることがある
派遣から直接雇用になると勤務時間が変わることもあります。特に正社員や契約社員となった場合には残業が増える可能性が高いです。
多少の残業であれば許容範囲と思って確認を怠るとあとで後悔しかねません。
サービス残業が増えてしまった事や残業代が安い事は、直接雇用の不満のひとつかもしれません。
弊社調べ:クラウドワークス
休みがなかなか取れなくなってしまい体力的にキツくなりました。
弊社調べ:クラウドワークス
何時間働かなくてはいけない、という厳しい指導が入るようになりました。
弊社調べ:クラウドワークス
また、これまで派遣としてシフト制OK・時短OKなど、働き方を柔軟に選択できていた方は、特に勤務時間の確認が必要です。
直接雇用となると、「1日8時間週5のフルタイム」をはじめ、派遣のように柔軟に働けなくなる場合もあるからです。
人によっては仕事に費やす時間が増えることで、家事や育児にかける時間がなくなってしまうことも...
以上から、直接雇用になる前には勤務時間の確認もしっかり行い、直接雇用になって本当に大丈夫かを見極めておきましょう!
派遣から直接雇用になるまでの流れを知っておこう
簡単に示すと、次のような流れになります!
- 直接雇用の打診を受ける
- 派遣先と条件の話し合い
- 直接雇用に移行したいことを派遣元に報告
- 派遣先と派遣元で話し合い&切り替え日決め
- 手続きを行い直接雇用として働く
上記は、派遣から直接雇用になるまでの流れです。
「派遣先に条件の確認をするタイミングっていつ?」「派遣会社にはいつ報告すべきなの?」という疑問がある方は、必ずチェックしていきましょう。
直接雇用の打診を受ける〜派遣先と条件の話し合い(確認)をする
派遣先から、直接雇用の打診を受けたら、まずは派遣先に先述した「給与」「仕事内容」「勤務時間」がどう変化するか確認しましょう。
派遣先との話し合いの段階で疑問点を全て確認しておくと、直接雇用になった後も後悔なく、納得して働くことができます。
派遣元に報告をし直接雇用に移行したいことを報告する(契約期間が残っている場合)
「派遣会社への報告は必要なの?」という疑問を持っている方もいると思います。
結論から言うと、
- 派遣期間中に直接雇用に移行する→派遣会社への報告が必要
- 派遣期間満了後に直接雇用に移行する→派遣会社への報告は不要
と覚えておけば大丈夫です。
派遣契約期間中に派遣社員が直接雇用に移行すると、派遣会社としては派遣人材を失い損失となります。
また、契約期間中に直接雇用に移行するには、派遣会社との契約解消手続きも必要になるため、思わぬトラブルを避けるためにも早めに報告するのがベストです。
「派遣会社に何か言われそうで言い出しにくい」と思う方もいると思いますが、以下のアンケート結果のように、直接雇用になることが原因で派遣会社とトラブルになることはほとんどありません。
私も派遣から直接雇用になったことでトラブルにあったことはないので、気軽に派遣会社に報告して大丈夫ですよ。
一方、派遣期間満了後は派遣会社に報告しなくても問題ありません。なぜなら、派遣期間外は派遣会社に登録をしているだけで、他の企業への就職や就業は自由に行っていいことになっているからです。
派遣先と派遣元で話し合い〜手続きを経て直接雇用として働く
派遣会社に直接雇用の打診を受けたことを報告した後は、派遣先と派遣元で話し合いが行われるのが一般的です。
雇用の切り替え日が決まり各種手続きを終えれば、直接雇用として働くことになります!
ちなみに、派遣期間が残っている状態で直接雇用となる場合は、派遣先企業から派遣会社に紹介手数料(紹介料)が発生することがあります。
派遣社員は一切負担をする必要がなく、法的にも派遣期間中の引き抜きは問題ないので安心して大丈夫です。
なお、派遣期間満了後に直接雇用となる場合には、派遣先と派遣元での話し合いは行われません。
満了後に派遣先(直接雇用される会社)と手続きをして、決められた日付から直接雇用として勤務開始です!
派遣から直接雇用になる際のよくある質問
ここでは、派遣から直接雇用になる際のよくある質問に答えていきます!
質問1.直接雇用の打診を派遣会社には報告すべき?
回答
派遣期間中の直接雇用への移行はいわゆる「引き抜き」に当たるため、派遣会社に報告するのがマナーです。
一方直接雇用の打診は、派遣期間終了後であれば派遣会社に報告しなくても問題ありません。
派遣会社への報告は「契約期間中に直接雇用の打診を受けたときのみ必要」と覚えておきましょう。
質問2.派遣から直接雇用になる場合、履歴書や手続きは必要?
回答
派遣から直接雇用になる際は履歴書が必要になる場合があります。
会社によって異なるため、事前に確認しておくのがおすすめです。
また直接雇用に移行する際は、契約書にサインをしたり、各種手続きが必要な場合があります。
提出が必要な書類があれば、会社から指示されることになるでしょう。
質問3.派遣から直接雇用になると派遣先が派遣元に違約金を払うって本当?
回答
派遣契約期間中で直接雇用に移行する場合には、派遣先企業が、派遣会社に対して紹介手数料を支払うことになります。
紹介手数料は派遣社員が支払う必要は一切ありません。派遣先企業も、紹介手数料がかかることを承知の上で打診しているはずなので、派遣社員が紹介手数料について気にする必要はありません。
派遣から直接雇用になる際は自分にとって有益かを確認しておこう!
- メリットは「安定」「給与UP」「やりがいUP」
- 7割が派遣から直接雇用になってよかったと実感!
- 直接雇用になる際は「給与」「仕事内容」「勤務時間」を確認!
とにもかくにも派遣から直接雇用になるメリットと注意点をしっかり確認してから、判断するようにしてください。
ただその時の流れだけで直接雇用になっても、後悔の渦に足を踏み入れることにもなりかねます。
将来を見据えた上で、自分がどうなっていきたいのか、どういう仕事をしたいのかをじっくり考えた上で、決断をすることをおすすめします。