大企業からベンチャーへの転職で後悔しないためのポイント|経営者が想うベンチャーで成功する人の特徴・考え方

大企業からベンチャーへの転職で後悔しないためのポイント|経営者が想うベンチャーで成功する人の特徴・考え方

編集部 石崎

編集部の石崎です。

会社それぞれに特色があるように、会社の規模によっても仕事内容や働き方は大きく変わっていきます。

中でも、大企業とベンチャー起業は両極端にありどちらも一長一短です。

今回は、ベンチャー企業への就職・転職を考えている方に向けて、ベンチャー企業に向いている人材、活躍できる人材はどのような人なのかを解説。

実際にベンチャー企業を経験し起業をした田中さんに経験をもとにお話を伺いました。

目的を持って転職することが成功のポイント

株式会社ネクストレベルの現社長 田中 大洋氏

今回お話ししてくれた方
田中 大洋氏
横浜・福岡のWEBマーケティング会社、株式会社ネクストレベルの現社長。WEBメディア・WEB広告の運用から、Saas事業までを手掛ける、コアスタッフ20名ほどのITベンチャー。法律関連からITと全く他業種での起業を経験している。

5万人が在籍する大手企業から“たった10名の法律事務所”への転職理由

——編集部
今日は、ベンチャー企業に関して、またベンチャー企業へ転職するまでについて、経営者の視点からさまざまなアドバイスを頂けたらと思っています。どうぞよろしくお願い致します。

さっそくですが、田中社長は大手企業勤務のご経験もあると伺いましたが、簡単に経歴を教えて頂けますか?

——田中社長
もともとは従業員5万人を越える上場一部企業に勤務していました。

その後、従業員が10名ほどの法律事務所に転職し、4年後にWEB集客を軸としたマーケティング事業で独立しました。現在、会社は14期目ですね。

——編集部
超大手企業から、10名ほどの会社への転職というのは、かなりの方向転換に感じますが、なぜ安定した大企業から、ごく小規模の事務所へと転職したのでしょうか。

——田中社長
僕の場合は独立したいという強い思いがありました。

今考えると、「なぜ転職をしたいのか」が成功と失敗を分けるポイントだったと思います。

未来を考えた時、独立志向がとても強かったので、会社を立ち上げるためにどうするべきかと考えました。

大企業で同じような業務を繰り返していてもあまり役に立たない。それよりも独立を考えるなら、いろいろな経験をさせてくれる小規模やベンチャーへ行きたいと思ったのです。

ベンチャー企業の特徴やメリットと転職の理由が一致した

——編集部
いわゆるベンチャー企業に近い、小さな法律事務所をあえて選んだ理由は、つまり独立という目的のためだったということですか?

——田中社長
はい。

ざっくり分けると、会社の規模として「大中小」がありますよね。

大企業はいわゆる縦割りで業務を行うことが多く、中規模の会社も、それなりに決まった仕事を担うのが一般的です。3年いても5年いても、おそらくほとんど同じような仕事しかできない可能性が高い。

でもベンチャー企業は、みんな、いろいろな仕事をやるし、ひとりでふたりや3人分の役割をすることもあります。大手企業なら3人で行う業務をひとりですることで、経験値も一気に増えます。

独立するためには、人事、総務、経理といったバックオフィスの業務もできる、営業もできる、と、本業の業務にプラスして会社の運営ひととおりのことを理解していなくてはいけません。

転職では、企業の規模で言えば「大中小」の選択肢があったわけですが、やれる範囲、やらせてもらえる範囲がもっとも広いのが、いわゆるベンチャー企業に近い小規模の法律事務所だったわけです。

——編集部
なるほど。様々な経験をするため、一気通貫で仕事ができるベンチャーを選んだということですね。

実際に入社していかがでしたか?

——田中社長
僕は知的財産が専門分野でしたが、実際には事務もやるし、営業もやる、社内のインフラ整備なんかもやりました。なにしろ10人程度の事務所ですから、とにかくいろいろなことを経験させてもらいました。

さまざまな経験ができて、幅広いスキルも自然と身につくというのは、ベンチャー企業のメリットであり特徴です。

ベンチャー企業だからこそ得られた経験が、僕の起業を支えてくれた。成功へのステップアップとなったと思っています。

ベンチャー企業に転職したい理由を明確にすべき

ベンチャー企業に転職したい理由を明確にすべき

——編集部
法律事務所への転職は田中社長にとって成功へのステップアップになったんですね。

今、ベンチャーへの転職を考えている人は、やはり、失敗したらとかリスクはないかといった不安があると思うのですが、その辺りについてアドバイス頂けますでしょうか。

——田中社長
ベンチャー企業への転職を成功させるコツは、「なぜ転職したいのか」「なぜベンチャー企業にいきたいのか」という理由をハッキリさせることです。

僕の場合は独立したいという目的があり、それに必要な経験を積むために10名の小さな法律事務所、ベンチャー企業に転職しました。幅広い業務を経験したいという目的を達することができたので、良い転職だったと思っています。

転職したい理由は、今の仕事がつまらないからとかスキルアップしたいとか、いろいろ出てくると思いますが、その理由は本音だろうか?と、しっかり自問自答してほしいです。

転職したい本当の理由をきちんと把握できれば、ベンチャー企業への転職に限らず大きな失敗はしないと思います。

——編集部
表面的な理由だけでなく、なぜ自分は転職をしたいのか、よく見つめ直すことが大切ということでしょうか?

——田中社長
そうです。

もし今、ベンチャー企業への転職を考えているなら、腰を据えて、自分自身と向き合い、本音を深掘りしていくことをおすすめします。

ただなんとなく「ベンチャーならやりがいありそう」ではなくて、やりがいという単語から、自分にとってのやりがいは何だろうと、深掘りしていきアウトプットしてみる。

アウトプットというのは、目に見えるようにするという意味で、考えを書き出してまとめてみるのが一番いいと思います。

「なんとなく転職」は転職で失敗する代表例

——田中社長
僕は〝なんとなく転職〟が一番よくないと思っています。

「なんとなく、やめたい」「なんとなく、他の会社のほうがいいような気がする」と、あいまいな人ほど、転職してから「なんとなく違う」「思っていたのとなんか違う」と、悪いループに陥りがちです。

——編集部
働き始めて思っていたのとなんか違う、というのは転職の失敗例としてよくあることですね。

——田中社長
なんとなくの〝雰囲気転職〟は、どこへ行っても同じ課題にぶつかります。

転職したい本当の理由をわからないまま、なんとなく転職すれば、また似たようなことで転職したくなる確率は高いです。

転職理由を明確にすることで「不安や失敗するリスク」を減らせる

——編集部
転職したい理由を明確にしないで、もやもやしたまま転職すると失敗するリスクがあるということですね。

——田中社長
そうです。

転職失敗の定義というと、給料が思ったより良くないとか、仕事内容が違うとか、思っていたのと違うということでしょう。これは雰囲気転職の典型例ですね。

僕を例にすると、転職したら給料は前より下がったとしても失敗ではありません。独立するために必要な経験やスキルがついたのだから、他人から見たら失敗であっても僕にとっては失敗ではありません。

だから、なんとなくとか、もやもやしながらではなく、転職の理由と目的をしっかり持つことで、不安もなくなるし失敗のリスクもなくなります。

最大のリスクは「無意味な時間を過ごすこと」

——田中社長
僕自身は無意味に過ごす時間が一番もったいないと思う。給料が下がることよりも、無意味な時間経過の方がリスクです。

24時間は平等にすべての人に与えられているものですが、時間が過ぎていくことは時代が変わっていくことでもある。なんとなく過ごす無駄な時間、意味がない時間が流れていく間に、時代はどんどん進んでいくわけですから。

結局、自分が将来どうなりたいかっていうのが転職理由として大切で、それをきちんと持った上で、その未来の自分になるためにベンチャーが合っているかどうか判断すればいいわけです。

ベンチャー企業に向いている人の特徴

ベンチャー企業に向いている人の特徴

——編集部
ベンチャー企業の経営者として多くの方と面接・採用をされてきたと思いますが、ベンチャー企業に向いている人の特徴はありますか。

——田中社長
そうですね。いろいろありますが、この6つですね。

ベンチャーに向いている人の特徴
  • 物怖じしない
  • 好奇心旺盛
  • ポジティブ
  • 負けず嫌い
  • 変化が好き
  • 論理と人間味の両方がある

この中のうち3つ・4つあてはまるようならベンチャー企業に向いているかなと思います。

物怖じしない・好奇心旺盛な人はチャンスを掴みやすい

——編集部
物怖じしないこととベンチャー企業はどのような関係があるのでしょうか。

——田中社長
ベンチャー企業は1人で抱える仕事量が多かったり、並行して業務を進めたりするのは当たり前で、「ちょっとこれやりたい人!やれる人は?」という場面が多々あります。

大手企業と違って人数と時間が限られる中で、もじもじしている人をひっぱりあげる時間はありません。

なので、たとえ自分の専門分野でなくても物怖じしないで「とりあえずやってみる」という姿勢がベンチャーでは求められます。

いきなり「これやって!」といきなり任される状況を楽しめるかどうか、好奇心旺盛という要素にも繋がります。

「やります!」って手を挙げられる人のほうが上の人たちにも覚えてもらいやすいですし、どんどん仕事を任せてみようと思えます。活躍の場が広がるのでチャンスをつかむ機会も増えますね。

整っていない状況を進めるのにポジティブ思考が活きる

——田中社長
ポジティブ思考は、会社全体の空気感のために必要です。ポジティブ思考の人が多ければ、活発で活気のある雰囲気が自然とうまれるでしょう?

あと、ベンチャー企業は大手と違って、仕組みが整っていなかったり新しいことにチャレンジしたりすることが多いです。ネガティブ思考で「失敗したらどうしよう」「僕にはできません」では前に進んでいきません。

「なんか楽しそう!新しいことに関われるチャンスだ!」と、どんどん挑戦できる人。前向きに物事を捉えられる人の方が合っていると思います。

負けず嫌いはベンチャー企業の「実力主義」に合う

——田中社長
それから負けず嫌いな人ですね。

ベンチャーの特徴でありますけど、年功序列よりも実力主義が多い。後から転職して入社して、周りがとても仕事ができたとしたら「自分はもっと上にいきたい」「もっと結果をだしてやろう」と食らいついていく、そんな負けず嫌いな人はベンチャーで活躍の場を得られると思います。

優先事項やルールが変わりやすいベンチャーには変化が好きな人が向いている

——田中社長
それから変化が好き、変化に対応できる人ですね。大企業からベンチャー企業への転職という面では、ここがとても重要です。

大企業というのは、5年前、10年前とやっていることがほとんど変わらないところもあります。

大企業で働いている人の中には、たとえばルールを変えようとしたら「え?なんで?」面倒くさいとか、あり得ないなんて言う人も本当にいるんですよね。

いっぽうでベンチャー企業はぐんぐん成長していく中で、日々変わることも多い。

業務の優先順位なんて頻繁に変わりますし、社内のルールも変わります。

ベンチャー企業で働くなら、変化に適応できる人、変わることにストレスを感じないタイプが向いています。

僕自身、変化が好きです。自分自身を振り返っても、大企業で働き、法律事務所でいろいろ経験し、弁理士という資格も取ったけれど今やっているのはWEB関連、僕に変わらずにあったのは独立志向ですが、変化をしながら今に至っているわけです。

仕事でも、むしろ自分から新しいルールとか業務フローとか変えていこうとする、自分で作っていこうとするような人がベンチャー企業に合っているんじゃないかな。

合理的・論理的だけでなく人間味も兼ねている人の方が活躍しやすい

——編集部
最後の論理的であるが人間味があるというのは、どういったことでしょうか。

——田中社長
ベンチャー企業は、大企業と比べるとやはり人も少ないので、なんでも合理的にやっていかないといけません。

無駄を省いて合理的にやる、論理的な思考力がある人は、ベンチャー企業でも活躍しやすいのは事実です。

ただドライすぎるのも、あまりよくないかなと僕は思うんですね。

真逆なようですが、すべてを「合理的」で判断するのではなく、合理的・論理的でありつつ、人としての優しさを持っている。判断に裁量をいれてチューニングしていける人の方が、うまくやっていけるはずです。

こうして考えていくと、ベンチャーで活躍している人材というのはどこにいっても通用する人材ですね。むしろ、そんな人が大企業に行ったら、執行役員とか部長とかにもなれると思います。

課題をみつけ提案できる人はベンチャー・大企業関係なく通用する

課題をみつけ提案できる人はベンチャー・大企業関係なく通用する
——田中社長
あと、課題に気づいてどうしたらよくなるかを考えて行動できる人はベンチャー企業に向いています。これは会社の規模に関係なく、最終的にいろいろなところで通用する人材だと思います。

課題って常にあるんですよ、現場でも業務でも。だけど、課題に気づかない人や気づいているけど何もしない人もいます。課題に気付いて行動を起こせる人は、意外と少ないです。

課題に気付いて行動できる人ならどこでも通用するといえる理由は、会社で一番インパクトがあるのは業務改善だからです。

業務改善って部署とか関係なく、会社全体に関わることが多いです。

たとえばタイムカード、あれを出退勤のたびにポンとやって集計する人がいるわけですが、そこをなくせるようなアイデアや解決策を考えたら、社員全員に恩恵があり働きやすくなりますね。

社員全員に恩恵があることを改善できればインパクトが大きい。だから、課題をみつけられて改善策を提案・実行までできる人は重宝されるんです。

課題に気づきにくい人はルーティンワーク、ライン的な仕事のが向いているかもしれません。そういう仕事のやり方が好きなら大企業が向いているかもですね。

——編集部
課題を会社に問いかけるのは、けっこう生意気なタイプと言われてしまいそうですが……。

——田中社長
上司に「この作業って意味あるんですか」「タイムカードとか古くさいですね」なんて言ったら、反感を買いますよ。

だから言い方を工夫したり、ソフトな表現にしたり、「ちょっと思いついたんですけど、こんな風にしたらどうなんでしょう」と提案すればいいわけです。

それこそ大企業だと、上司自体が聞く耳持たないとか、変化を嫌うことがあって、受け入れてもらえないこともある。

一概には言えないんですけどね、大手だって変化している企業もあるから。とはいえ数万人という社員がいたら、難しいでしょう。

フットワーク軽く、変化し進化しようと動くベンチャー企業なら、課題を見つけ、新しい提案をする人は評価されると思いますよ。

転職先を選ぶときのポイント・選び方

いざ転職先のベンチャー企業を探そうとなったとき、どの会社がいいのかわからない人は多い。

そこで、転職先を選ぶときのポイントや選び方について田中社長に伺いました。

成長産業にいるベンチャー企業を選ぼう

——編集部
ベンチャー企業を選ぶときのポイントはあったりしますでしょうか。

——田中社長
まず、伸びている成長業界・成長産業かどうかを見たほうがいいです。

IT業界を考えている人も多いと思いますが、今ならAIとIoTでしょうか。伸びている産業なら、規模の小さなベンチャー企業も活発で活気があり働く環境も良いところが多いです。

成長業界は、年収や待遇が下がるとか悪くなるといった不安よりも、伸びていく期待度のほうが高いと思います。

転職しようとしている企業や企業が属する産業が、成長している分野、もしくは現状維持というところがひとつの判断目安にしていいです。

成長産業の逆に斜陽産業というのがあります。斜陽産業では、どれだけ素晴らしい経営者や優秀な人材がいても、どうしても下がっていってしまいます。

もちろん斜陽産業だからこそ参入するという考えもありですが、そこで成功させるには非常に高い熱量が必要だし、ハードルはかなり高い。

それでもやってやろうと考えられるならいいですけど、かなり難しいことです。

結論としては、全体の市場を見て自分が行きたいと考えている業界が成長しているかを見極めることがポイントになりますね。

面談で優良ベンチャー企業を見極める「3つの質問」

——編集部
面談でベンチャー企業の状況を把握する質問などはありますか?

——田中社長
僕なら、面談などで次の3つについて聞きますね。

面談で聞く3つのこと
  • 会社の利益
  • ライバル会社を把握分析しているか
  • 事前に職場を見られるか、スタッフと話すことができるか

この3つを質問すれば 就職しても大丈夫な会社かだいたいわかると思います。

会社の利益を聞いて余裕があるか確認

——編集部
あの、いきなり、会社の利益を聞くんですか!?

——田中社長
いえいえ、いきなりは厳しいですよ。面談の最初で自己紹介して、次の瞬間に「御社の利益はどれくらいですか?」はさすがにまずいです(笑)

でも、二次面接の最後とか、雑談のようなタイミングで聞いてみればいいと思います。会社の利益を聞いて教えてくれるところ、あるいは教えてくれないとしても、その理由を話してくれるところは優良なベンチャーという指針にはなると思います。

ここで大事なのは、売上ではなく利益について聞く点です。

経営者の立場から見ると、売上と利益はまるきり違うものです。売上が10億あっても赤字という会社も実は多いです。

——編集部
よく言われる自転車操業とか、赤字体質の会社ですね。

——田中社長
そうです。そこを見極めるためにも利益について聞いた方がいいです。

お金を回しているだけの赤字体質の会社は、利益について聞いてみると言いたがらないことが多く、職場もギスギスしていたり雰囲気も悪かったりする所が多いと思います。

利益は会社の体力です。端的に言うと儲かっているところは余裕がある。ビジネスモデルが確立されていて、業務フローも出来上がっているから自信がある。自信があるから利益についても話してくれるかもしれないし、少なくとも何らかの回答をしてくれるかなと思うんですよ。

ライバル会社を把握分析しているか・現場を見せてくれるかもポイント

——編集部
2つ目にライバル会社の把握となっていますが、もう少しわかりやすく説明して頂けますか?

——田中社長
ライバル会社についての分析ができているかも重要です。競合他社と御社の違いについて教えてほしいみたいに聞いて、客観的に自社を見ていて回答してくれたら、良い会社かなと思います。

優良なベンチャー企業なら、自社とライバルそれぞれの弱みと強みをわかっていて、自社の弱みを強みに改善しようとして前向きな採用活動をします。

ここをもっと強くしたい成長させたいから、新しい人材を求めている。企業が強化したいポジションに自分がピタッとおさまるようであれば、その転職は成功すると思います。

働いている現場を見せてくれるか

——田中社長
3つ目の質問は、実際にスタッフさんの働いているところを見せてくれたり話ができたりするかです。

一般的に面談では、一次なら担当者・二次で経営陣などで、実際に自分が働く配属先の雰囲気なんかはわかりません。

会社の現場を見られれば、活気のある職場か、無理して活気づけている感じか、超体育会系だとか、雰囲気がわかります。さらっと「職場見学できますか?」「社員の方に会ってみたいです」とか聞いてみたらいいと思います。

職場見学を拒否するような会社は、職場環境やスタッフ同士のコミュニケーションなどに自信がなく、あまりいい雰囲気でない可能性がありますよね。

——編集部
今の質問3つをまとめると、ベンチャー企業の内実もよくわかりますね。ただ利益について聞くのは勇気がいるかなと思うんですが...

——田中社長
確かに利益について聞くのは勇気がいるかもしれません。

ですが、会社のカラーや経営者にもよるとは思いますが、ベンチャー企業のトップ層だったら、攻めた質問をしてくる人に対して、面白いとか他の人とは違うなと興味を持つことのが多いと思いますよ。ベンチャー企業だからこそ、攻めた質問をしてみるのもありです。

ベンチャー企業へのアプローチ方法

気になる企業へのアプローチ方法は、転職エージェント・転職サイト経由や最近だとSNSでダイレクトなど方法はさまざまあります。

どのアプローチ方法がベンチャー企業の社長の目に留まりやすいのか聞いてみました。

ベンチャー企業の代表にダイレクトにアプローチもある

ベンチャー企業の代表にダイレクトにアプローチもある

——編集部
企業へのアプローチ方法は、転職サイトや最近だとSNSなど、いろいろな入口があると思います。有効な応募方法などありますでしょうか。

——田中社長
僕は、TwitterやFacebookなどでダイレクトにアプローチする方法がいいんじゃないかと思います。

上場企業ともなれば、トップにダイレクトなアプローチなんてできませんが、ベンチャー企業の多くがSNS等で発信をしていますから、その辺りを利用してみるといいのではないでしょうか。

ちなみに僕は、TwitterやFacebookからアプローチされたらほぼ100%見ていますよ。

逆に希望するベンチャー企業の経営陣やトップがFacebookをやっていても、アプローチを見ない・チェックしないようなところはやめたほうがいいかもしれません。

——編集部
それは意外ですね。

——田中社長
だってFacebookで会社について発信しているのに、アプローチしてきた人に反応しないというのは、人とのつながりというか、会社を支える社員に対する関心も薄い可能性があります。

会社は人で成り立っています。人材に対して常に貪欲な会社、採用に重点を置いている会社は、これからも成長していく、伸びていく良い会社だと僕は思います。

実はこの前も、僕のところにTwitterのダイレクトメッセージでアプローチがあって、その日のうちに30分程度ですがオンラインで面談しました。タイミングもあるでしょうけど、そういうつながりから採用だってあり得ます。

ベンチャー企業への転職を考えている人へメッセージ

ベンチャー企業への転職を考えている人へメッセージ

——編集部
では最後に、ベンチャー企業への転職を考えている人へメッセージをお願いします。

——田中社長
なぜベンチャー企業に就職したいのか、理由と目的を考えしっかり向き合ってみると転職の失敗率はすごく下がると思いますよ。

あとは楽観的にね、なんとかなるでしょ!くらい気楽にいった方がいいかもしれませんね。