昨年8月に「職場の嫌いな上司」について調査しましたが、上司には上司の言い分もあるはず。そこで今回は、部下を持った経験がある男女166人に、自分が経験した「困った部下」とその対処法を聞いてみました。
上司の立場のかたは「あるある!」と共感できる内容も多いはず。そして、若手の皆さんは日ごろ上司が部下のどんなところを気にしているのかチェックしてみてはいかがでしょう。
ズバリ聞いてみました!困った部下を持った経験はありますか?
アンケートに回答いただいた166人に、仕事ができない・扱いにくいなどの「困った部下」を持った経験があるか尋ねてみました。答えは以下のグラフの通り、なんと166人全員が困った部下を持った経験が「ある」と回答しました。
手を焼いた部下はこんなタイプ!上司166人が答えた「困った部下ランキング」
経験豊かな上司の皆さんでも手を焼く「困った部下」とは、いったいどんなタイプなのでしょうか。トップ10は以下の通り。
困った部下1位は、およそ3人に1人が回答した「責任感がない」でした。どんな行動に責任感がないと感じるのか聞いてみました。
【責任感がない部下の行動とは】
指示をしても「わからない」という理由で、他の従業員に仕事を回そうする。仕事に対する責任感がない。(東京・29歳女性) |
責任感が乏しく、期限ぎりぎりになって「できない」と泣きついてきます。結局みんなで徹夜して資料を作成。(大阪・56歳男性) |
最も衝撃的だったのは、私が仕事の説明をしている途中でいきなり立ち上がって昼食に出かけたこと。(千葉・32歳男性) |
急に連絡が取れなくなり、そのまま休職。引き継ぎなど何もなく、他の部下に仕事を押し付けることとなった。(神奈川・31歳男性) |
2位には「やる気・意欲がない」と「指示待ち・受動的」が同率でランクイン。消極的な態度が上司の不評を買っているようです。
【やる気・意欲が見えません!】
何か指摘をしても「はぁ」「あぁ…」という生返事しか返って来ない。(岐阜・27歳女性) |
「失恋をしたのでやる気がでません」と言い出して、会社にはいるのですが何もしない。「辛かったら早退してもいいよ」と声をかけましたが、「帰ると考えちゃうから」と帰社時間までいました。途中泣いたり机を叩いたりして本当に迷惑でした。(埼玉・46歳女性) |
【指示待ちが過ぎる…】
こちらから作業を振らないと何も行動しない。自分で考えて行動しない。(宮崎・30歳男性) |
仕事の目的やゴールを説明し、進め方の要点を説明するのだが、言われた作業しかせずに「次は何をやりますか?」と聞いてくる。まるで自分で考えていない。(神奈川・69歳女性) |
なかなか厳しい意見が続いていますが、続いて4位に入ったのは「報連相(ほうれんそう)がない」。もしかすると若い世代の中には「ほうれんそうってなに?」という人もいるかもしれません。
「報連相」とは「報告・連絡・相談」の頭文字をとった造語で、上司やチームメンバーにこまめに「報連相」をすることで、情報が共有されて仕事が効率的になったり、ミスや問題の早期発見につながるなどのメリットがあるとされています。
【「報連相」がないとこんなことに】
報連相がなく、依頼した仕事が終わっているのか遅れているのかなど、状況がわからず困りました。(新潟・58歳男性) |
保育関係の仕事ですが、報連相なしに自己判断で子どもへの対応を決めて、保護者へ報告までしてしまった。(神奈川・41歳女性) |
消極的な態度はNGですが、かといって「勝手に判断をしてしまう」のも困りもの。5位にランクインしました。
【勝手な判断は困る!】
指示した内容とは違う業務を自己判断で行ってトラブルになった。本人は気を利かして会社のためにやったと思っている…。(広島・53歳男性) |
仕事のやり方はきちんとマニュアル化されていたのに、自己判断で勝手な行動をした人がいた。ミスに気づくのが遅くなりこちらの残業が増えた。(北海道・25歳女性) |
同率で同じく5位にランクインしたのは「話が通じない」でした。あまりの話の通じなさに、怒るというより困惑している上司が続出。
【話がなかなか伝わらない…】
極力やさしく、相手に伝わるように言ったつもりでも、なかなか伝わらずこちらも疲弊した。(神奈川・38歳女性) |
話が伝わらず、こちらが伝えたことを本人の思った形で解釈する。わかっていないのに「わかった」と言うが、結果頼んだことができていない。(埼玉・45歳女性) |
番外編:私が目にした、ありえない部下の言動
ランクインはしなかったものの、ほかにもインパクトがある部下とのエピソードが多数ありました。いくつかご紹介します。
電話が鳴ったので「○○さん、ちょっと出てください」とお願いしたら「私、電話苦手なんで」と断られた。(愛知・44歳女性) |
「次は気を付けて」と注意をしたが、すぐ後に鼻歌を歌いながら仕事していた。反省の色がない。(石川・45歳女性) |
研修中に先輩の作業を見て覚えるようにと言ったところ、「やっている人間のスキルが低くて参考にならない」と返された。(宮崎・40歳男性) |
「消費税ってなんですか?」と質問されたので、そこから説明しなきゃいけないのか…とがっくりしました。(兵庫・40歳女性) |
注意したらトイレに隠れてしまった。親が会社に来てトイレからやっと出てきた。親を呼んだのは部下本人。親に「もう辞める」と駄々をこねて辞めていった…。(東京・51歳男性) |
部下には部下の言い分があるとは思いますが、とはいえ上司の皆さんもお疲れさまです…。
上司がこっそり披露!今どきの困った部下にはどう接している?
困った部下を野放しにしておくわけにもいかないのが上司の辛いところ。そこで166人の上司の皆さんに、困った部下への対処法を聞いてみました。
もっとも多かったのは「やんわり指摘をする」の68.1%でした。注意や指摘は対応や言い方を間違えてしまうと、たとえ上司の側に悪気がなくても「ハラスメント」になってしまうことも。
威圧的にならないように「やんわり」が今どきの部下への対処法のほうです。
問題点はやんわり指摘して、原因と再発防止策を自分で考えてもらうようにする。(大阪・45歳女性) |
まず前提として、褒めたり感謝するところから話し始めます。でないと聞く耳も持っていただけませんので。その上でなにがどう問題だったのかを伝えて納得していただきます。(和歌山・38歳男性) |
まともに指摘すると反発するので、やんわりと指摘して指導。(北海道・77歳男性) |
優しく注意したら流されたが、少し口調を強くすると「こわーい」と言われるので、言うのをやめてその人の作業をすべて私がチェックしていた。(石川・45歳女性) |
やんわり伝えるようにしていますが、鈍感なようで、はっきり言わないとわからないかも。(和歌山・39歳女性) |
感情を抑えて優しく伝えているようですが、なかなか伝わらなかったり、パワハラと取られそうになったりで、上司の方も苦労が絶えないようです。
困った部下への対処法2位は「なるべくコミュニケーションをとる・雑談で話しかける」。仕事以外の雑談を話しかけることで、少しずつ信頼関係を築いていくのがポイントのようです。
日頃からコミュニケーションを取って、関係をこじらせないようにしています。(千葉・34歳男性) |
コミュニケーションを取りつつ、物が言いやすい関係を築くよう心掛けてます。(山口・49歳男性) |
3位の「話を聞く・ヒアリングをする」も相手と話す点では、2位の「コミュニケーションをとる」と似ていますが、こちらは雑談ではなく仕事の話やミス・失敗について本人の意見を聞くことがメインのようです。
なぜそうなってしまうのかをヒアリングし、こちらが何ができるか、何をしてほしいかを一つずつ確認していく。(兵庫・45歳女性) |
まず本人がどう思っているのか話を聞いた上で、間違っている点を指摘するようにしている。(東京・29歳女性) |
上司の皆さんもあの手この手を駆使して、なんとか仕事が円滑に進み、本人もやる気が出るようにと考えているようです。
上司166人の「仕事ができるようになるコツ」を披露!
今回アンケートにお答えいただいた166人の上司の皆さんも、かつては新人さんだったはず。
そこでいま仕事に悩む若手の皆さんに「仕事ができるようになるコツ」を教えてもらい、どんな仕事にも当てはまりやすく、真似しやすいものを厳選しました。
- 必ずメモをとる。(岐阜・38歳女性)
- 言われたことはただやるのではなく、その意味を考えてみる。(和歌山・38歳男性)
- わからないことはとことん聞いてよし。(兵庫・55歳女性)
- 人の話しは最後までよく聞きましょう。(兵庫・72歳男性)
- 周りを見る。(埼玉・45歳男性)
- 1日の仕事を始める前に、内容や流れを確認する。(神奈川・51歳男性)
- この人の仕事の仕方いいな、こんな人になりたいなと思う人を見つけて真似る。(埼玉・28歳女性)
- 「自分はできない」と自覚するのは恥ずかしくありません! むしろかわいがられます。(宮城・50歳女性)
- とにかく笑顔!(北海道・49歳男性)
取り入れやすいものから試してみてくださいね。
【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:部下がいる・いた経験がある社会人
アンケート母数:男性83名・女性83名(合計166名)
実施日:2024年1月18日~2024年1月24日
調査実施主体:ミライのお仕事
調査会社:株式会社ネクストレベル