84%が経験あり!?男女106人に聞いた「職場での困ったハラスメント」経験

会社におけるコンプライアンスが重要視されるようになりハラスメント対策を実施する企業も増えてきましたが、実際のところどれだけの人がどのようなハラスメントを受けているのでしょうか。

そこで今回はその実態を探るべく、社会人経験がある男女106人を対象に職場でのハラスメントに関するアンケート調査を実施。ハラスメントを受けた経験やハラスメントを受けた時に取った行動について聞きました。

職場でのハラスメント、あなたならどう対応しますか?

84.0%が職場でのハラスメント経験が「ある」と回答

アンケートに回答いただいた18歳以上の男女106人に「職場でハラスメントを受けた経験があるか」を尋ねたところ、84.0%が受けた経験が「ある」と回答しました。

職場でハラスメントを受けた経験があるかのアンケート結果

以前勤めていた会社でパワハラを受けていました。事あるごとに怒鳴られていました。(大阪・50代女性)
社長の機嫌の良し悪しで会社の雰囲気が変わるので、従業員は毎日気を遣って疲れた。(沖縄・30代女性)
上司に「なんで君はそんなにできないの?」と毎日言われてとても不愉快でした。(千葉・20代男性)

受けたことがあるハラスメントの1位は「パワハラ」

ハラスメントを受けた経験が「ある」と回答した89人に、どのようなハラスメントを受けたことがあるか尋ねてみました。

職場で受けたハラスメントの種類に関するアンケート結果

1位は「パワーハラスメント(パワハラ)」で、職場でハラスメントを受けた経験がある人のうち、じつに7割以上にパワハラ被害の経験がありました(※複数回答)。

役員から人格否定されるような発言をたびたび受けた。(大阪・40代男性)
店長に自分だけ目の敵にされ「そんなこともできないの」「クビにしてもいいよ」など言葉の暴力があった。(青森・30代女性)
家族経営の会社の社長は、ちょっとでも気に入らないことがあったら、大声をあげて長々説教を始める。人のことを「バカ」とか「賢くない」とか言ってくる。(富山・50代女性)

パワハラは、上の立場の人が部下や従業員に苦痛を与えるハラスメントの一種ですが、職場での立場を利用するのは卑怯ですよね。

2位は「セクシャルハラスメント(セクハラ)」でした。

男性上司に毎日、太ももや二の腕をツンツン触られていました。(岡山・30代女性)
上司からすれ違いざまに「お尻が大きいから通れないよ」とか「安産型だね」と声をかけられた。(神奈川・30代女性)
お尻を触られた。(千葉・20代男性)

セクハラをうけるのは女性に限らず、嫌な思いをした男性からの声もいくつか寄せられました。

2位と僅差で「モラルハラスメント(モラハラ)」が3位となりました。

普通に歩いてるだけで「足音がうるさい」といわれ、ニコニコお客さんと話していると「笑顔がわざとらしい」と文句を言われていた。(埼玉・50代女性)
女性上司が機嫌が悪いと些細なことで怒り、物にも当たっていた。(奈良・20代女性)

モラハラには明確な定義はないようですが、機嫌で物にあたられたり、いわれのない悪口をいわれるのは気分が悪いだけでなく、怖かったり傷ついたりしますよね。

「マタニティハラスメント(マタハラ)」・「パタニティハラスメント(パタハラ)」など妊娠・出産・育児に関するハラスメントが4位。

パタハラとは、あまり耳馴染みのない言葉かもしれませんが、男性の育休や育児のための制度利用に対するハラスメントを指すようです。

入社して3年目に妊娠をしました。上司に伝えると「いいね、女は産休育休で休めて」と嫌味な言い方をされた。(東京・20代女性)
つわりでトイレによく言っていたら「トイレばっかり行ってなにしに来てるん?」と言われた。(大阪・30代女性)

妊娠・出産による休暇や体調不良を責められるのはつらいものです。

5位にはお客さまや取引先からの「カスタマーハラスメント(カスハラ)」がランクインしました。

接客業をしていた際に、レジの行列が長くなるとよくカスハラを受けていた。お釣り銭を投げつけられたりクレームを言ってきたり不愉快な事が多かった。(愛知・30代女性)
お客様から「商品の値段が高い」と長時間文句を言われた。(東京・50代女性)

お客だからといって何をしてもよいというわけではないのですが…。

ハラスメントを受けた!その時あなたはどうする!?

ハラスメントを受けた時にどのような行動をするのが良いのでしょうか。皆さんが実際に取った行動を尋ねてみました。
ハラスメントを受けた時に取った行動のアンケート結果

1位は「黙って耐えた」でした。残念ながら仕事の場ではなかなか思い切った行動はしにくいものかもしれません。

今さらどうしようもないと思い、特に何もできなかった。(神奈川・30代女性)
育休で休む立場なのでぐっと堪えた。(東京・40代女性)
会社に相談しても問題解決はしないであろうし、むしろ総務とやりとりしていることで、余計に攻撃の的になってしまう可能性が高いと考えて何もせず耐えた。(東京・30代男性)

行動したところで変わらないであろうとあきらめるケースも多数。

続いて、「同僚や職場の仲間に相談した」が2位でした。

同僚に相談したが、「相手はそういう性格だからあきらめるしかない」ということになった。聞き流しながら働いて、同僚に愚痴を聞いてもらっている。(神奈川・40代女性)
職場の同期や家族に相談したが、上司には怖くて言えなかった。(埼玉・20代女性)

残念ながら「転職・退職をした」という人も多くいらっしゃいました。

管理職に相談したが全く動いてくれなかったため退職・同業他社に転職した。(茨城・20代女性)
セクハラをしてきた先輩は職場での勤続年数が長く、自分は新入社員だったので上司を擁護する人が多かった。気持ち悪かったので退職した。(神奈川・30代女性)

人材不足といわれる中、ハラスメントが原因で同業他社に転職されてしまっては、会社も痛手ですよね。

あなたの職場は、ハラスメント対策をしていますか?

現在、組織内で仕事をしている(フリーランスや自営ではない)89人に、勤め先のハラスメントの対策ができているかを聞きました。

勤め先のハラスメント対策ができているかのアンケート結果

上のグラフのように、「対策できている」と「やや対策できている」を合わせて29.2%に対し、「対策できていない」「あまり対策できていない」は57.3%と過半数を超える結果となりました。

8割以上が職場でのハラスメントの経験があるものの、残念ながら職場でのハラスメント対策は3割にとどまっているようです。

【ハラスメント対策ができていると回答した人の声】

会社でハラスメント教育を行っている。(新潟・20代男性)
相談窓口を設置しているし、上司に相談しやすい環境。(北海道・30代女性)
人手不足の会社なので、人材確保のためにできるだけの配慮はしていると思います。(大阪・50代女性)

ハラスメントが対策ができている会社では、相談窓口の設置や相談しやすい環境を整えるなど、会社がハラスメントに対して本気で取り組んでいる様子が見られました。

【ハラスメント対策はできていないと回答した人の声】

相談室はあるが、あるだけで何もなされていない。相談しても「年配の人が冗談でやっているだけなので多めにみてあげて欲しい」と言われた。(岡山・30代女性)
会社に窓口があるがポスターで案内しているだけでは、なかなか利用しづらい。(愛知・40代男性)
上司に相談したが何も解決されず、なあなあになった。(東京・20代女性)
上層部が昭和の頭のまま令和に生きている。その為、ハラスメントをハラスメントと感じていない。(埼玉・30代女性)

皆さんの声から、ハラスメントへの予防や対策が整っていない会社には2つのタイプある様子がうかがえました。ひとつは対策がまったくない会社、もうひとつは対策はあるが機能していない会社です。形ばかりではなかなかハラスメントはなくならないようです。

いま職場のハラスメントにお困りのかたへメッセージ

いま職場のハラスメントにお困りのかたへメッセージ

最後に、職場でハラスメントを受けてしまった経験がある方に、いまハラスメントに困っている方に向けてアドバイス・メッセージをいただきました。

  • その時は大したことないと思っていても後から嫌な気持ちになることも。後からのタイミングでも構わないので誰かに相談すると気持ちが軽くなると思います。(神奈川・30代女性)
  • 相手のために、自分が悩んだり、その相手のことを考える時間はムダだしもったいないと思えるようにしたいですが、それができたら悩まないと思いますので、まずは一人で抱えずに誰かに吐き出してみてください。自分自身を守って欲しいと思います。(大阪・40代男性)
  • 戦ってまで残るだけの価値がある職場か、職場から離れるのが賢いか見極めが大事です。(京都・50代男性)
  • 会社を辞めることも視野に入れた方が良いと思う。体を壊しては意味がない。(神奈川・40代女性)
  • 相談してどうにもならない時は、逃げても良いです。我慢する必要もないし、あなたの心を大切に。(北海道・30代女性)

ハラスメントに苦労なさった方によると、まずは誰かに聞いてもらうこと・相談すること、そして心身のバランスを崩してしまうほどなら転職などを視野に入れるのもひとつの方法のようです。

 

【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:18歳以上の社会人経験がある男女
アンケート母数:男性42人 女性64人
実施日:2024年8月8日~2024年8月22日
調査実施主体:ミライのお仕事
調査会社:株式会社ネクストレベル