OAインストラクターとは?仕事内容から求められるスキルまで徹底解説

編集部の石崎です!

今や誰もがパソコンやタブレットを使う時代ですが、意外と使い方がわからない人が多いのも事実です。

そのため、さまざまなOA機器の使い方を教えるOAインストラクターの需要は増えています。

今回はOAインストラクターの仕事について解説します。

OAインストラクターは機器の使い方を教えるお仕事

ここでは、OAインストラクターの仕事内容を紹介します。

OAインストラクターは、さまざまな機器の使い方を教える仕事です。

一般的にはパソコンスキル、WordやExcelなどオフィス系ソフトを教えるイメージですが、他にもスマートフォンの使い方や開発されたアプリの使い方を教えるなど、いろいろな「インストラクター」の仕事があります。

業務リスト
  • 機器やアプリの使い方を教える
  • 指導計画や指導教材の作成・準備
  • サポート業務
  • カウンセリング
  • デモンストレーション
  • 登壇(セミナー等で講習をする)

OAインストラクターは1対1で教えることもあれば、企業に出向いて新人研修の講師をすることもあります。

実はいろいろなところでOAインストラクターは活躍しています。

↓このような場においても活躍中です。

  • スクールで生徒にOA機器の使い方を教える
  • 開発されたアプリの使い方をユーザーに教える
  • システムを導入した顧客(企業)の元で運用方法や使い方を教える
  • 高齢者向けスマートフォン教室で教える
  • 子供向けパソコン教室で教える
  • 展示会でソフトウェアなどの使い方をデモンストレーションする

最近ではオンライン会議をするために、zoomやGooglemeetの使い方を教えたり、オンライン授業のやり方を学校の先生に教えるといった仕事も増えています。

OAインストラクターとパソコンスクール講師の違い

OAインストラクターは広い意味で「機器の使い方を教える」仕事です。

パソコンスクール講師は、スクールでパソコンの使い方やアプリやソフトの使い方を教えます。

OAインストラクターはスクールだけでなく、企業向け研修から、新しいシステムを広めるためにセミナーなどで多数の人に使い方を教えることもあります。

OAインストラクターの場合、機器はパソコンに限らず、タブレットやスマートフォン、ソフトウエアや独自のシステムなど対象はさまざまです。

OAインストラクターに将来性はある

OAインストラクターの将来性について見ていきましょう。

OAインストラクターから、たとえば社内で新システムを導入する際のプロジェクトリーダーになることもできますし、インストラクターを束ねてディレクションするポジションにつくことも可能です。

したがって、OAインストラクターに将来性はあると言えますが、その理由を下記の項目から見ていきます。

  1. キャリアアップ
  2. 独立・転職の難易度
  3. 収入アップ

    まずは、キャリアアップの面から見ていきましょう。

    1.高度な内容を教えられるとキャリアアップが見えてくる

    • より高度な内容を教える
    • 社内教育の管理者をめざす
    • インストラクター養成の講師をめざす

    パソコンの立ち上げ方やメールの送受信といったパソコンの基本スキルを教えるだけでなく、より高度な内容を教えられるインストラクターになるのがキャリアアップの第一段階です。

    たとえば関数を使う難度の高いExcel活用法や、独自に開発されたシステムの使い方をレクチャーできるようになると、より専門性が高まります。

    さらに、インストラクターを養成する講師へとキャリアアップしたり、研修内容やスクールの企画・運営にも携わるようになれば、高い年収も得られるでしょう。

    2.【OAインストラクター】独立は難しい ・転職はしやすい

    ▼OAインストラクターとして独立する難易度
    独立 ★☆☆☆☆

    インストラクターとして独立し、フリーで活躍するにはかなりの知名度が必要です。

    基本的には業界で名前が知られていない限りはOAインストラクターとして独立するのは難しいでしょう。

    ボランティアに近い形で自治体のパソコン教室で教える、高齢者向け施設や教育機関などでPC操作をレクチャーするような単発的に仕事を受けることは可能です。

    また、家庭教師のようにマンツーマンでパソコンを教える方法なら、生徒さんが見つかれば、フリーランスで収入を得ることも可能です。

    ▼OAインストラクターとして独立する難易度
    転職 ★★★★★

    OAインストラクターは転職はしやすいです。

    プログラミングスクールやパソコン教室は多くありますし、インストラクターを派遣する専門の会社もあります。

    また大手企業では新人研修などを行うため、普段は人事等の仕事をしながら、4月から半年間はインストラクターとして研修に参加するといった働き方もあります。

    3.OAインストラクターで収入アップしていく方法

    ・OAインストラクター

    ・インストラクターの指導者
    ・カウンセリングや就職サポートも行うインストラクター
    ・社内教育・研修のリーダー

    ・セミナー開講・講師
    ・社内教育のスペシャリスト

    OAインストラクターから、ステップアップしてインストラクターの指導者レベルになると収入もワンランクアップします。

    また、ただパソコンスキルを教えるだけでなく、カウンセリングや就職支援などプラスαのコーチングもでき、人気のあるインストラクターになれば、収入もアップします。

    さらにはセミナーや単発の講演会等で「パソコンスキルを高める方法」といったような話ができる、関連するセッションにゲストやパネラーとして呼ばれるようになれば、かなりの高収入が期待できます。

    別の方向性としては、転職で大企業に入り、社内教育のスペシャリストになると高い年収を得られます。

    また、このスキルがあると非常に有利だ、というのはありませんが、コンピュータがなぜ動くのかといった基本的な知識や、いわゆるプログラミングの基礎的な知識をもっているほうが幅広く活動できるでしょう。

    どちらかといえば、生徒にわかりやすく説明するとか、楽しい授業を行う、つまり受講者の印象が良く、「あの講師のレッスンは常に予約がいっぱい」という人はスクールも手放したくないわけですから、年収も高くなります。

    OAインストラクターにインタビュー!具体的な仕事内容を聞いてみた

    ここからは、実際にOAインストラクターとして働いている3人をご紹介します。

    ① 1日のスケジュール
    ② 残業
    ③ やりがいや厳しさについて

    派遣社員、正社員、パートでのリアルな働き方をぜひ参考にしてください。

    Cさん(37歳・女性・パート)にインタビュー【資格スクール】

    ① 1日のスケジュール

    12:30 出勤
    今日の授業スケジュール等を確認
    13:30 主婦向けExcelレベル1のクラス
    15:00 クラス終了
    15:30 クラス受講者の質問対応
    16:00 授業レポート提出
    16:45 退社
    18:00 退社
    ▼Cさん主な仕事
    • 主婦向けオフィスソフトのクラス担当
    • ワード初心者クラス担当

    ② 残業

    インタビュアー

    残業はありますか?

    ほとんどありません。

    Cさん

    ③ やりがいや厳しさについて

    インタビュアー

    仕事をしていて「難しいな」と感じることはありますか?

    今は昼間開催の2つのクラスを担当しています。

    基本的にビギナー向けクラスなので内容は難しくありませんが、生徒さんでもそこそこできる人もいれば、まったくパソコンに触れるのは初めての人もいて、結構レベルに違いがあるので、教え方が難しいです。

    教え方のマニュアルもスクール独自のテキストも準備されているので、本当にクラスで教えるだけでいいので、準備にそれほど時間がかからないのは助かっています。

    前に教えていたスクールでは、テキストとは別に先生それぞれが教材を作ってオリジナルな授業をウリにしていたので、準備に時間がかかって大変でした。

    パートでOAインストラクターをやるのなら、なるべく「決まった形」があるところのほうがラクかなと思います。

    Cさん

     

    インタビュアー

    一方で、この仕事をしていて良かったと感じたことはありますか?

    ある生徒さんに「パソコンは苦手だったけど先生の授業はわかりやすくてよかった」と言われ、「ワードの次にExcelも学びたいけど先生のクラスがいいのでどの曜日か教えてください」とわざわざ、私のクラスを取ってくれた時は本当に嬉しかったです。

    Cさん

    Eさん(29歳・男性・正社員)にインタビュー【インストラクター派遣会社】

    ① 1日のスケジュール

    9:30 出勤
    スケジュールの確認 受講票の作成
    10:00 某企業のOA研修へ
    12:00 お昼休憩
    13:00 企業の広報部社員向けネット運用の資料作成
    15:00 自治体職員向けのOAスキル研修へ
    会場準備→研修
    18:00 帰社、営業と打ち合わせ
    19:00 オリジナルテキストの印刷と製本9:30 出社
    20:00 退社
    ▼Eさん主な仕事
    • 要請のあった企業へ研修のインストラクターとして行く
    • 会社や自治体にあわせたシステム開発もしているので、それらの運用や運営をレクチャー

    ② 残業

    インタビュアー

    残業はありますか?

    ないときは全くありませんが、資料作成など自宅に持ち帰って作業することもよくあります。

    Eさん

    ③ やりがいや厳しさについて

    インタビュアー

    仕事内容と、仕事をする上で大切にしていること、メリットを教えてください。

    企業の新人研修ではだいたいOAスキルも決まったことを教えるので比較的ラクです。

    うちのグループ会社がシステム開発をしており、それを導入した会社に出向いて使い方や運用方法を教えることも業務のひとつです。

    システムがそれぞれ違うので事前に勉強も必要ですし、ユーザーのレベルも高く専門的なことを聞かれるので、準備にも時間がかかり大変ですね。

    また常にソフトやITスキルはバージョンアップされるので、自分自身が学びを止めないことも重要です。

    他の企業をいろいろと見られることや、たくさんの人と出会えることは刺激があって楽しいですね。

    Eさん

    Kさん(25歳・女性・派遣)にインタビュー【システム開発会社】

    ① 1日のスケジュール

    9:30 出勤
    上司との打ち合わせ
    10:00 展示会会場へ
    機器のプレゼンテーションを行う
    12:30 お昼休憩
    13:00 予約のお客さまとマンツーマンで機器のデモンストレーションを行う
    17:00 直帰
    ▼Kさん主な仕事
    • 自社の商品(システムやソフトウェア)のデモやプレゼン
    • システム導入済みクライアント対応

    ② 残業

    インタビュアー

    残業はありますか?

    基本的にはありません。

    Kさん

    ③ やりがいや厳しさについて

    インタビュアー

    仕事で意識していることや、やりがいを教えてください。

    大勢の前で話すので、わかりやすく、なおかつ説明ばかりにならないように適度にお客さまを飽きさせないような話題をいれてプレゼンテーションをします。

    上手に話せて多くのお客さまが紹介したソフトやシステムに興味をもってくれると嬉しいですし、営業の人に「Kさんのデモが好評で、おかげで売れたよ」と言われると達成感もあります。

    Kさん

     

    インタビュアー

    逆に大変だと感じたことを教えてください。

    ソフトを購入してくださったクライアントの元へ出向き、講習を行うこともあります。

    若い社員さんならいいのですが、管理職クラスの方に使い方を教えるのはけっこう大変です。

    途中で「もういいよ、うちの若い子たちが使えればいいんだから」と投げやりに言われると、こちらもそれ以上は強くは言えないのですが、後で会社のほうに「インストラクターが自分たちにわかるように教えてくれなかったら、困ってる」と連絡がきたことがありました。

    それ以降はなるべく自分より年上や目上の方で、パソコンの知識がない場合でもわかりやすいように、通常とは違うテキストを作ったりして工夫するようになりました。

    大変なのは、プレゼン当日よりも新しいソフトウェアを完全に自分で覚えることですね。

    開発者とはとことん話して、どんな小さなことでも疑問点は解決します。

    展示会などでも、ひととおりの説明後、質問が非常に多く、すべてになめらかに回答することで信頼感もアップするので、かなりの量の知識を頭に叩き込みます。

    Kさん

    OAインストラクターは未経験からでも目指せる

    OAインストラクターを未経験でも目指せるかについて説明します。

    OAインストラクターは未経験でもなれます。

    どんな指導をするのかにもよりますが、たとえばスクールで初心者クラスであれば、普通にパソコンを扱えるのであれば未経験でも教えることは可能です。

    また、OAインストラクターとしては下記のスキルがあればなお良いでしょう。

    • オフィス系ソフトのスキル
    • 一定レベルのコンピュータの知識
    • トーク力

    【オフィス系ソフトのスキル】

    Word、Excel、PowerPointのスキルは必要です。

    教えるとなるとかなり高いレベルが必要と思われますが、どのような状況でどのような人に教えるかによって違います。

    たとえばシニア向けにスマートフォンの使い方を教えるクラスであれば、正直なところオフィス系のスキルも必要ないのですが、OAインストラクターとしては、一般的にはWord等ができることが基本です。

    【一定レベルのコンピュータの知識】

    何を教えるかにもよりますが、生徒さんや研修をする人は広くコンピュータについて聞いてくることが多いので、基本的なコンピュータの知識があったほうがいいでしょう。

    【トーク力】

    人に教えるのは、わかりやすく話すことが大前提です。

    人前での話し方はテクニックもあるので、苦手なようであればトーク力を上げる講座で学ぶといいでしょう。

    サービス業や接客業に就いていた人や学生時代からリーダーシップをとることが多かった人、もともと教えるのが好きな人はコミュニケーション能力が高い傾向があります。

    異業種であっても、お客さまと話す仕事をしてきた人はスキルとして認められることも多いです。

    多くの人と接するOAインストラクターに向いている人・向いていない人

    向いている人 向いていない人
    人に教えるのが好き
    話し上手
    接客業などの経験がある
    ヘルプデスクやユーザーサポート経験がある
    学ぶのが苦にならない人
    人と話すのが苦手な人
    ひとりでコツコツ作業をしたい

    OAインストラクターは、多くの人と接する仕事です。人と話すのが好き、教えるのが好きな人が向いています。

    スキルや技術は年々進化しているので、自分自身も学ぶのが好きで、スキルアップしていける人は、OAインストラクターとしてキャリアアップもめざせるでしょう。

    デスクワークが好き、コツコツ仕事がしたい、人と交わるのが苦手なタイプには向いていません。

    【OAインストラクター】転職する前に知っておくと良いこと2つ

    実際にOAインストラクターとして転職するときに、知っておきたいことをまとめました。

    1.OAインストラクターが活躍できる会社を知ろう

    有名な大手企業リスト
    • 株式会社KDDI
    • 株式会社リンクアカデミー
    • 富士通ラーニングメディア

    大手通信会社やパソコンスクール、またインストラクターを派遣する会社などがあります。

    株式会社リンクアカデミーは、パソコン教室アビバAVIVAを運営している会社ですね。

    富士通ラーニングメディアは富士通が行っている人材育成を専門とした会社です。

    大企業では、人材育成を別部門として独立させたり、社会的な貢献のため技術を広く教える活動をしているところもあります。OAインストラクターの活躍の場は思った以上にいろいろとあります。

    2.OAインストラクターへの転職で好待遇を望むなら、エージェントがおすすめ

    まずは求人サイトでOAインストラクターの求人情報を見比べてみましょう。スクールは多く、講師の数が慢性的に足りていないので仕事は見つかりやすいです。

    ただ、より好待遇を望むのであれば、求人誌や求人サイトに掲載されていない情報を持っているエージェントの利用を考えましょう。