求人はどう探す?未経験から選挙事務スタッフになる方法とキャリアパス
今回は、選挙事務スタッフの求人探しや未経験から始める方法を紹介します。
- 未経験から選挙事務スタッフになる方法
- 選挙事務スタッフを目指すために勉強しておきたいこと
- 選挙事務スタッフのキャリアプラン
この記事を読むと、以上の4点について理解できますよ!
仕事内容ややりがい、お給料、向いている人物像などにつきましては、前回の記事にて紹介しています。
今回も、選挙事務スタッフとして1年間働いていた中川さんにお話を聞かせてもらいます!
こんにちは、よろしくお願いします。
選挙事務スタッフに多い雇用形態はアルバイト
中川さんが選挙事務スタッフとして雇われたときはアルバイトだったんですよね?
はい。最初はアルバイト雇用で、選挙が始まってからは正社員扱いになりました。
選挙事務スタッフは主に4種類
選挙事務スタッフには種類があります。仕事の内容によって雇用形態が決まってくるので、まずは選挙事務スタッフの種類について知っておきましょう。
選挙事務員
選挙事務所で事務を行う人のことです。書類作成や書類整理、データ入力、来客対応などの実務を行います。立候補者が選挙管理委員会へ届け出をすることで、選挙事務員が報酬を受け取れるようになります。
選挙事務スタッフの中で正社員になれるのは、選挙事務員です。後述するスタッフに関しては、アルバイトやボランティア扱いになります。
労務者
労務者とは、街頭演説や個人演説の設営・撤去、ポスター貼りなどの単純労務を行う人のことです。労務者に関しては、選挙管理委員会への届け出がなくても、報酬が支払われます。
労務者の雇用形態は、アルバイト扱いになるのが一般的です。
選挙運動員
選挙運動員とは、有権者に対して選挙運動を行う人のことです。選挙運動とは、ビラ配りや電話での投票のお願い、応援演説などのことです。
公職選挙法では、立候補者は選挙運動員に対して報酬を渡せないことになっています。そのため、選挙運動員はボランティアの扱いです。
たとえば、街頭演説の設営は労務者の仕事、ビラ配りは運動員の仕事です。労務者が街頭演説の設営を行った後にビラを配るのはNGです。良かれと思ってやったことが立候補者の迷惑になるケースもあるので注意しましょう。
車上運動員
車上運動員とは、車で選挙運動を行うスタッフのことです。よく知られているのはウグイス嬢ですよね。車上運動員も選挙事務員同様、選挙管理委員会への届け出があって、報酬の受け渡しができるようになります。
この他、要約筆記者や手話通訳者なども報酬を受け取れる運動員です。ともにアルバイトとして扱われます。
求人の探し方
インターネットで求人を探す方法もありますが、立候補者やその知り合いなどから直接頼まれるケースが多いです。選挙事務スタッフとして報酬をもらう場合、雇用形態はアルバイトから始まるケースがほとんどですね。
知り合いに関係者がいない場合は、気になる議員のWebサイトやSNSをチェックしてみましょう。選挙期間が近付いてくると、ネット上での直接募集も増えてきます。
未経験から選挙事務スタッフの求人を探すポイント2つ
選挙事務スタッフって未経験からでもできるものなのでしょうか?
できます。簡単な作業も多いので、経験の有無を気にせずどんどん探した方が良いですよ。探す際のポイントを紹介しますね。
ポイント1.求人サイトにはあまり載っていない点に注意
選挙事務スタッフの求人は、求人サイトにはあまり載っていません。やはり、人づてで紹介してもらうのが一番の方法だと思います。
試しに「選挙事務スタッフ」で検索してみてください。市区町村のスタッフ募集がたくさん出てきます。市区町村の選挙事務スタッフとは、投票所で業務を行う人のことです。
同じ選挙事務スタッフでも、立候補者側の仕事ではないので注意してください。
ポイント2.派遣で探しても求人がないか従事できない点に注意
以前は日雇派遣で選挙事務スタッフを募るのが一般的でしたが、平成27年に労働者派遣法が改正されてから、日雇い派遣が原則禁止になってしまいました。
日雇派遣として働けるのは、下記の例外にあたる人々です。
- 60歳以上の人
- 副業として日雇派遣をする人
- 世帯収入が500万円以上の人
- 雇用保険を受けない学生
これらの人は日雇派遣に従事できます。ただ、求人数はかなり少ないので、派遣で選挙事務スタッフの仕事を探すのは現実的ではありません。
選挙事務スタッフになるために勉強しておきたいこと
選挙事務スタッフになるために、何か勉強しておいた方が良いことはありますか?
選挙事務所に来るいろいろな人と話ができるくらいの政治的知識は身に付けておきたいですよね。
政治のこと、それぞれの政党のこと
当たり前かもしれませんが、立候補者の素地や政治理念などについてはしっかり把握しておきましょう。政治に関する基礎知識や各政党のこと、ライバル立候補者の基礎情報などを押さえておくと良いです。
同時に、国内・国際情勢についても勉強しておきたいですね。選挙事務スタッフは事務所に来る人、街頭演説中に話しかけてくる人など、いろいろな人とのコミュニケーションが必要になります。
どんな人と話しても、しっかり受け答えができるようにしておきましょう。
活かせる前職の経験
選挙事務スタッフの仕事を踏まえた上で、活かせる前職の経験について紹介しましょう。
営業職や接客業
営業や接客は、顧客やクライアントが求めていることを読み取り、円滑にコミュニケーションを取りながらおもてなしや提案をするのが仕事です。選挙事務スタッフはコミュニケーションスキルが大切ですから、営業職や接客業の経験は大いに活かせますよ。
秘書
選挙事務スタッフは立候補者のスケジュール管理をすることもあるので、秘書経験のある人はおすすめの仕事です。
選挙事務スタッフで収入UPするには?キャリアプランが近道
選挙事務スタッフって収入UPはあるのでしょうか?アルバイト扱いのケースが多いみたいいですが…。
そうですね。正直、難しいと思います。収入UPのために動くなら、キャリアアップするしかないと思います。
選挙事務スタッフの報酬には上限があるため収入UPは難しい
実は、選挙事務スタッフの報酬には上限があります。
選挙事務員、労務者の報酬は日額1万円以内です。選挙事務員には超過勤務手当がつかず、労務者には1日につき5割以内の超過勤務手当がつきます。
車上運動員、手話通訳者の場合は日額1万5000円以内です。超過勤務手当はつきません。
キャリアアップ1.議員秘書
議員秘書になるには、やはり紹介がメインです。求人サイトでも探せますが、数は少ないです。選挙事務スタッフになると知り合いや人脈がものすごく増えますから、このチャンスをぜひ生かしましょう。
議員秘書は公設秘書、政策担当秘書、私設秘書の3種類です。
公設秘書
国会議員の秘書のことです。議員は1人につき3人までの公設秘書を置くことができます。
政策担当秘書
国会議員政策担当秘書の試験か選考採用審査認定を受ける必要があります。試験を受けるには、65歳未満で4年制大学を卒業している、または同等の学力があると認められることが条件です。
選考採用審査認定では、公設秘書としての経験が10年以上は必要です。政策担当秘書は公設秘書のキャリアパスといえますね。
私設秘書
議員1人につき私設秘書の人数は特に決まりがありません。議員の裁量によって決まります。
国会議員の場合、政策担当秘書が1人、公設秘書か私設秘書が1~2人というケースが一般的です。
政策担当秘書になるのは大変ですか?
政策担当秘書資格試験の合格率は10%を切ることがほとんどです。かなり難易度の高い試験です。
議員秘書の給料
議員秘書の月収目安は下記の通りです。
- 政策担当秘書→50万円前後
- 第一公設秘書→40万円前後
- 第二公設秘書→30万円前後
- 私設秘書→20万円前後
同じ議員秘書でも収入にはだいぶ開きがあるみたいですね。
私設秘書だと月収15万円からの場合もあります。選挙事務員と変わらなくなってしまうので、キャリアアップするなら公設秘書を目指すと良いですね。
政治家への足がかりにも
政治家への足がかりとして、選挙事務スタッフになる人は多いです。選挙事務スタッフを経て議員秘書、政治家とステップアップする人もいますよ。
政治関連のニュースはテレビでよく見ますが、政治家になる方法は自分で調べない限り具体的にはあまり耳にしないのではないでしょうか。実際の選挙活動を間近で見ていると、どうやって政治家を目指せばいいのかイメージしやすくなります。
選挙事務スタッフの求人探しは人脈がキモ
選挙事務スタッフの求人は人づてに探すのが良さそうですね。
知り合いがいなければ、議員のWebサイトやSNSをチェックすると良いですよ。少しでも多く情報を得るなら、求人サイトもチェックしてみてください。選挙事務スタッフの仕事では、人脈がものすごく広がります。議員秘書はもちろん、政治家を目指している人が最初の足がかりにするにはピッタリです。
もちろん、選挙事務スタッフとして働き続けるのもいいですよね。日本のためになる立派なお仕事だと思います!