転職を考えているけど、誰に相談していいかわからないという方は多いのではないでしょうか。
特に転職は人生において重要な判断のため、誰かに相談してじっくり考えたいと思いますよね。
信頼できる相手から的確なアドバイスを受けることが、転職成功のカギです。
この記事では、転職の相談先の一覧と、それぞれの特徴やおすすめのポイントを紹介します。
転職の相談先一覧
家族や友人などの身近な存在から、転職のプロである転職エージェントや就職支援機関まで、それぞれのメリットやデメリットを伝えていきます。
同僚・上司
▼メリット
同僚や上司は、職場の状況やあなたの能力を理解しているため、今あなたが抱えている悩みを理解して的確なアドバイスをくれることが期待できます。
▼デメリット
ただし、転職活動を応援してくれるとは限りません。
引き留めにあう可能性もありますし、転職を考えているという噂が広まって居づらくなってしまう可能性もあります。
そのため、転職を考えているとは言わずに、現在の環境でできる解決策を求めるには良い相手でしょう。
もし転職について相談する場合は、本当に信頼のおける相手だけに相談しましょう。
以下は同僚に実際に相談した方の事例です。
「同僚に転職相談をしたところ、転職する前に違う部署に異動希望を出してみることをすすめられ、異動してみたところ労働環境がマシになった。」
(20代男性Kさん)
家族・パートナー
▼メリット
家族やパートナーには、気軽に相談できる、本音で相談できるといったメリットがあります。
相手が転職に詳しくなかったとしても、悩みを受け止め、背中を押してくれることに勇気をもらうこともあるでしょう。
▼デメリット
一方で、親世代の中には「転職は良くないこと」「大手企業や公務員として働くのが幸せだ」といった、親世代が慣れ親しんできた価値観を元にアドバイスをする場合もあります。
また、妻や結婚を考えるパートナーの場合、「転職されるのは不安」と転職に後ろ向きだったり、「年収は維持してほしい」など、あなたの希望の転職条件と合致しないこともあります。
後者の場合は、自分の思いや転職状況をしっかり共有し、一緒に方向性を考えていくことで目線を合わすことができ、転職後のトラブルを回避することができます。
以下は家族に実際に相談した方の事例です。
入社3年目で母に転職相談をしたところ、「まだ転職するのは早いんじゃない?今の会社は待遇もよいんだからもう少し今の会社で頑張ってみたら」と言われ、やんわり反対された。
(20代女性Tさん)
友人・知人
▼メリット
友人知人はプライベートをよく知ってくれており、家族や恋人ほど近くないのでフラットに悩みを聞いてもらいやすいでしょう。現在の職場に情報が漏れることもありません。
▼デメリット
ただその友人や知人が転職を経験していなければ、キャリアカウンセラーや人事でもない限り転職についてはあまり知識がないことが多いでしょう。
以下は友人に実際に相談した方の事例です。
友人に職場の悩みを相談したところ、「転職を考えてみるのもありじゃない?友達でも転職している子は多いよ」と転職をすすめられ、転職を考えるきっかけになった。
(30代女性Uさん)
先に転職した同僚や友人
▼メリット
先に転職した同僚や友人は、転職を経験しているため、どうやって転職活動を進めたのか、現職の経験をどうアピールしたか、どういう基準で新しい職場を選んだのかなど、参考になる情報をたくさん聞けるので相談相手としてとても良いでしょう。
▼デメリット
ただあくまでその同僚や友人の1個人の体験なので、あなたにとってもその友人のように行動するのが正しいのかどうかはわかりません。
一つの考え方として大いに参考にしましょう。
以下は先に転職した友人に相談した方の事例です。
先に転職した友人に、「転職したいがピンとくる企業がない。転職するなら一生とは言わないまでも長く働ける企業がいいと思うと、踏み切れない。」と相談すると、「そう思うのは初めの転職だけだよ。一度転職すると転職のハードルは下がるよ。とりあえず色々受けてみたら」とアドバイスをもらった。
(30代女性Mさん)
転職エージェント
▼メリット
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、最新の転職市場の動向や、業界ごとの特徴、転職のノウハウなど豊富な知識をもっています。
また、これまで多くの求職者を転職に導いた経験から、一人一人の適性や価値観にあった業界や職種などを紹介してくれます。
▼デメリット
気を付けることとしては、転職が決まることをサポートするのがキャリアアドバイザーの仕事なので、裏を返せば「転職が決まりやすい」「エージェント側の手数料が高く取れるよう年収の高い」求人を受けるように促されることもあることです。
そのキャリアアドバイザーの勧める方向性が嫌だと思ったら他のキャリアアドバイザーに相談してみましょう。
相談は無料で、必ずしも転職すると決めてなくても相談可能なので、一度相談してみましょう。
以下は転職エージェントに実際に相談した方の事例です。
「営業の仕事は好きだが、今の携帯販売の仕事は売り方が決まっていてやりがいがない。もっと自分がお客さんのことを考えて提案する仕事がしたい。」というと、キャリアアドバイザーの仕事を紹介してくれ、挑戦してみたいと強く思った。(20代男性Aさん)
有料のキャリアコーチング
転職エージェントでは求人を紹介してもらい、転職までサポートしてもらうことが基本的なサービスですが、「そもそも何がしたいのか」「自分は何に向いているのか」などじっくり自己分析に伴走してくれるのが、キャリアコーチングのサービスです。
▼メリット
自己分析や面接対策などもっと深く伴走してほしい、転職を前提とした相談でなく、まず転職するかどうかや、独立など転職以外の相談にものってほしい場合はおすすめです。
自分でお金を払っている分、100%自分にコミットしてもらえます。
▼デメリット
ただ、あくまで提供サービスはコーチングです。
見つけた先のことは、自分で実現していかなければなりません。
せっかくやりたいことや向いている仕事がわかったものの、実際の転職市場では実現不可能なものだったら水の泡になってしまいます。
キャリアに知見がある、実際に描いたプランを実現したサポート実績が豊富なエージェントを選びましょう。
以下はキャリアコーチングに実際に相談した方の事例です。
今まで離転職を繰り返し、働くのが嫌になっていました。このまま転職活動を繰り返しても変わらないと思い、一度じっくり自分と向き合う時間を作るためキャリアコーチングに申し込みました。
今まで自分に自信がありませんでしたが、コーチングを通して自分の強みがわかり、自分に自信が持てるようになりました。
(20代男性Yさん)
ハローワーク
▼メリット
ハローワークは厚生労働省管轄の就職支援機関で無料で利用できます。
企業は求人を無料で出せるため、多くの企業が利用しており、特に全国に拠点があるので地元で就職をしたい方には有益な相談場所です。
▼デメリット
一方で、相談員はプロではないので必ずしも満足のいく転職相談になるとは限りません。
また、無料で求人を出せるということは資金力のない企業や、人材の採用育成に力をかけていない可能性もあるので、応募するかどうかはしっかり見極める必要があるでしょう。
ハローワークには求人だけでなく、さまざまな仕事についての職業理解セミナーや、多種多様なスキルを教材費のみで学べる無料の職業訓練もあります。
すぐ就職したいというよりは、スキルを身に着けてから働きたいという方や、
WEBデザイナーやITエンジニアなど、就職前にスクールを出ることが必須の職種につくことも検討している場合は、どのような講座が開校されているのか確認するのもよいでしょう。
状況によっては、毎月10万円の給付金をもらいながら無料で職業訓練を受けられる場合もあります。
以下はハローワークに実際に相談した方の事例です。
電車通勤がしんどくなり、家の近くで仕事を探すため近所のハローワークへ行きました。転職のアドバイスがほしいというよりは、一度相談をしないと求人検索ができないので相談に行きました。
(30代女性Nさん)
ジョブカフェ
ジョブカフェは46の都道府県が主体的に設置する、若者の就職支援をワンストップで行う施設です。
▼メリット
ジョブカフェでは、各地域の特色を活かして就職セミナーや職場体験、カウンセリングや職業相談、職業紹介などさまざまなサービスを行っています。
各地域によって活動内容は異なりますが、例えば東京しごとセンターでは、正社員経験が少ない若者が企業で実際に就労体験をする「若者正社員チャレンジ事業」や、就活への自信をつかむ「ワークスタート」というたワークショップ型セミナー、早期就職を目指す「就活予備校「就よび!」」などさまざまな事業を行っています。
非正規雇用経験があったり、転職にブランクがあって不安な場合などは、他ではない充実したサービスを体験できます。
▼デメリット
デメリットとしては、都道府県ごとにサービス内容がかなり違っており、都道府県格差があることです。また、求人も大手企業よりは中小企業が中心となっています。
行く場合は自分の住まいの都道府県のサービス内容を確認してから行くとよいでしょう。
以下は、ジョブカフェを利用した事例です。
インターネットで調べ物をしていてジョブカフェのことを知り、相談に行きました。面接対策や就労体験などさまざまなセミナーを受けることができ、転職の不安が和らぎました。
(20代男性Fさん)
転職相談におすすめの転職エージェント
転職エージェントに相談してみたいと思った場合、相談してみたいがどこに登録すればいいかわからないという方も多いと思います。そこで、いくつかおすすめポイントごとにご紹介していきます。
選択肢が豊富なリクルートエージェント
リクルートエージェントは業界最大級の求人数を誇る転職エージェントです。また転職実績No.1なので、キャリアアドバイザーは相当数の求職者に転職のアドバイスを行っているため、非常に心強い相談相手となるでしょう。
以下はリクルートエージェントに相談した方の事例です。
転職を考え始めた時、まずはリクルートエージェントに相談してみました。
自分で探していても見つけられないような待遇の良い求人を紹介してもらい、驚きました。
今の仕事を辞めても行先はたくさんあるんだと感じました。(30代女性Sさん)
おすすめポイント:
大手求人や好待遇の求人もたくさん保有しているため、転職する場合の選択肢が豊富です。
親身に相談にのってくれるdoda
大手エージェントの中でもサポートの質に定評があるdoda。
公開求人が40万件、非公開求人が30万件と、幅広い業界・職種の求人がありながら、丁寧なカウンセリングも受けることができます。
以下はdodaに相談した方の事例です。
転職しようかどうか迷いながら、dodaに相談しました。すると、面談ではまず自分の今の仕事から転職するとしたらどんな業界が受かりやすいのか教えてもらうことができ、転職する場合の方向性やイメージをつかむことができました。
(30代女性Nさん)
転職相談前に行うべき準備
転職相談をする前に行っておいた方がいいことをご紹介します。
行っておくとよいことではありますが、そもそも一人で考えるのが苦手、準備が面倒だと感じる場合は、何も用意せず相談してみるのももちろん大丈夫です。
今の職場の悩みや不満を具体的に考える
漠然とした相談内容だと、相談された相手に状況が伝わりづらいです。
例えば仕事が楽しくない、つらいと感じている場合は、具体的にどんな時に楽しくないと感じるのか考えてみましょう。
例えば営業職が嫌だと感じている場合、一言に営業といっても、さまざまな要素に分解することができます。
種類1 | 種類2 | |
---|---|---|
アポどり | 飛び込み訪問/電話 | なし |
顧客 | 法人 | 個人 |
商材 | 無形 | 有形 |
事務作業 | あり | なし |
ノルマ | あり | なし |
インセンティブ | あり | なし |
営業がつらい場合、アポどりのためにいきなり訪問・電話営業をすることが苦手なのであれば、インサイドセールス(電話)とフィールドセールス(訪問営業)が分かれている会社もあります。
個人のお客様からの感情的なクレームが苦手なのであれば、法人営業に変えることでビジネスコミュニケーションにシフトすることが可能な場合もあります。
もちろん営業以外の職種に挑戦するのもありですが、せっかく築いてきたキャリアを活かすなら、営業職の中でもう少し自分に合った仕事を探すことも検討の余地があります。
職種を変えるにせよ変えないにせよ、何が嫌で何が嫌じゃないのか、掘り下げて考えてみることが次の転職を成功させる大きなポイントです。
転職で叶えたい希望の優先順位をつける
色々と悩みはあると思いますが、「収入が良くて残業が少なく、休みが多くて仕事が大変じゃない、風通しの良い職場」など、すべての条件が理想的な求人がそうそうあるわけではありません。
また、転職すればすべての問題が解決できるわけではありません。
どの悩みを一番解決したいのか、優先順位をつけてみましょう。
いくつか求人を見ておく
相談する前に、いくつか求人を見ておくと、こんな仕事は嫌だなとか、こういう感じの仕事がいいなという雰囲気はつかめます。
転職するかどうかまだ決めていない場合も、実際に求人を見ることで転職するかどうかの判断材料にもなります。
いいなと思う仕事がある場合、「なぜこの仕事はこんなに年収が高いのですか」「なぜ未経験でも受け入れているのですか」など聞くと、募集要項には良いことばかり書いてあるけど、実際はどうなのか、といった踏み込んだ情報も教えてもらえます。
とはいえ、一度面談した後は相談できないというわけではないので、まずは相談してみるというスタンスでも全然OKです。
【まとめ】転職の相談は信頼できる相手にしよう
人生の多くの時間は仕事をしていますし、転職はそう簡単に何度もできるものではないので色々と悩みや不安がつきものですよね。
ですが少しずつでも動いていれば、必ず状況は変わっていきます。
たくさん悩みがあると思いますが、一人で抱え込まず、色々な人に相談してみましょう。