これから転職を検討している、あるいは既に転職活動を始めているのであれば、転職フェアに関する告知を目にする機会も多いでしょう。ただ、転職フェアの存在自体は知っていても、その実態についてはいまいち把握できていない人もいるかと思います。
そこで今回は、転職フェアに焦点を当てて、その概要や種類、参加することのメリット・デメリットなどをご紹介します。併せて、転職フェアを有効活用するためのポイントや、参加する際の服装と持ち物についても解説します。
転職フェアとは、無料で参加できる合同企業説明会
転職フェアとは、1つの会場に複数の企業が集まり、それそれ割り当てられたブースにおいて企業説明や面談などが行われる転職希望者向けのイベントです。主に転職サービス会社や商工会議所などが開催しています。
転職フェアにはこんな特徴があります。
- 無料で参加できる
- 入退場は自由
- 予約不要
予約不要で、気軽に参加できるイベントですが、事前登録しておくと当日の入場や履歴書の提出を簡単に行うことができるのでおすすめです。
転職フェアには様々な企業が集まるため、一度に多くの企業の人間とコミュニケーションを図ることができ、転職希望者にとっては非常にメリットの大きいイベントです。
もちろん、転職フェアに参加しなくても転職活動は進められますが、転職の軸が定まっていない人や効率よく情報収集をしたい人であれば、積極的に参加することをおすすめします。
転職フェアの種類
一口に転職フェアと言っても、以下のように、いくつかの種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
合同説明会型転職フェア | 業界や職種を問わず、多数の企業が出展する転職フェア |
業界・職種特化型転職フェア | 特定の業界や職種に限定した転職フェア |
ターゲット特化型転職フェア | テーマに沿って、ターゲット層を絞った転職フェア |
オンライン型転職フェア | オンラインで完結する転職フェア |
業界や職種を問わない合同説明会型転職フェア
合同説明会型転職フェアとは、業界や職種を問わず多数の企業が出展する転職フェアを指します。イベントの内容としては、学生向けの合同企業説明会をイメージするとわかりやすいでしょう。
合同説明会型転職フェアは、マイナビなどの大手の転職サービス会社が主催することが多く、当日は大規模なイベント会場を貸し切り、多くの企業や転職希望者が集まります。転職の軸がまだ定まっていない人におすすめです。
業界・職種特化型転職フェア
業界・職種特化型転職フェアとは、「IT業界」「飲食業界」や「IT技術職」「営業職」といった、特定の業界や職種に限定した転職フェアを指します。
参加企業の業界や職種が絞られているため、企業間の比較検討がしやすく、転職希望の業界や職種が明確になっている人には特におすすめです。
テーマに沿ったターゲット特化型転職フェア
ターゲット特化型転職フェアとは、「Uターン・Iターン歓迎企業」や「女性が活躍できる企業」といった、テーマに沿ってターゲット層を絞った転職フェアを指します。
最近は「リモートワーク希望者向け転職フェア」や「有資格者限定の転職フェア」など、ユニークな転職フェアも数多く開催されています。転職の軸がテーマに合っていれば、希望の企業が見つかりやすいでしょう。
オンライン型転職フェア
オンライン型転職フェアとは、インターネット上のライブ配信という形式で開催される転職フェアを指します。
オンライン型転職フェアは会場に足を運ぶ必要がない他、チャット機能で個別に質問ができるなど、オンラインならではの利便性が魅力です。コロナ禍以降は、オンライン形式の転職フェアを開催する企業も増えています。
転職フェアに参加するメリット
では、転職フェアに参加することで、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
そこで本章では、転職フェアに参加するメリットをご紹介します。
具体的には、以下の4つが挙げられます。
- 企業の人間と直接話ができる
- 複数の企業を比較できる
- 視野が広がる
- その後の選考で有利になる可能性がある
企業の人間と直接話ができる
転職フェアに参加することの最大のメリットは、やはり「企業の人間と直接話ができる」点です。
企業の人間と直接話をすることによって、ネット等ではわからない企業の風土や雰囲気などを掴むことができ、お互いのミスマッチ防止にも繋がります。
また、転職フェア当日は採用担当者や現場の社員が参加することが一般的ですが、企業によっては役員や社長が参加することもあります。最終面接以外で役員クラスの人と話す機会はなかなかないため、貴重な経験になるはずです。
複数の企業を比較できる
転職フェアに参加することの2つ目のメリットは、「複数の企業を比較できる」点です。
転職先を探す上で企業間の比較は必須となりますが、自ら情報を集めて比較検討するのはかなりの労力を要します。
その点、転職フェアは多くの企業が一堂に会するため、各企業の雰囲気や待遇などについて、その場で具体的に比較検討することが可能です。
また、複数の企業の話を聞くことで、その業界や職種で求められる人材像の共通点などが見えてくることもあり、転職フェアでの体験が今後の転職活動に役立つことも多いでしょう。
興味の幅や視野が広がる
転職フェアに参加することの3つ目のメリットは、「興味の幅や視野が広がる」点です。
転職フェアでは多くの企業が集まるため、転職フェアに参加することによって、今まで興味のなかった企業や業界・職種の魅力を知るきっかけにもなります。実際、何となく立ち寄った企業ブースで話を聞いたことがきっかけで、転職活動の選択肢が広がったという人も少なくありません。
また、多くの転職フェアでは、キャリアコンサルタントによる相談コーナーが設けられているため、キャリアについての相談をすることで視野が広がることもあるでしょう。
その後の選考で有利になる可能性がある
転職フェアに参加することの4つ目のメリットは、「その後の選考で有利になる可能性がある」点です。
転職フェア当日は、企業の人間の生の声が聞けるため、会話を通じてその企業の求める人材像が明確になり、今後の選考でのアピール方法のヒントを得られることもあります。
また、当日の印象が良ければ、企業によってはその後の書類選考や一次面接が免除になるケースも少なくはありません。特に中小企業や役員クラスの人間が参加している企業であれば、一気に最終面接まで進める可能性もあります。
転職フェアに参加するデメリット
続いて、転職フェアに参加するデメリットをご紹介します。
具体的には、以下の2つが挙げられます。
- 待ち時間が長い
- 勧誘が多い
待ち時間が長く、じっくり話ができない
転職フェアに参加することの1つ目のデメリットは、「待ち時間が長い」点です。
転職フェアの規模はイベントによって様々ですが、当日は会場が非常に混雑することが多く、参加者の数に比例して待ち時間も長くなりがちです。特に人気企業は来場者が殺到するため、じっくりと話ができないことも少なくありません。
また、中にはライバルの多さに圧倒されてしまう人もいるようです。
勧誘が多く、対応に時間が取られてしまう
転職フェアに参加することの2つ目のデメリットは、「勧誘が多い」点です。
当日は興味のない企業から強引に勧誘をされたり、エントリーを迫られたりすることもあります。
中には派遣会社や転職エージェント会社の営業目的の勧誘もあるため、注意が必要です。
転職フェアを有効活用するためのポイント
せっかく転職フェアに参加するのであれば、なるべく有効活用したいと思っている人も多いでしょう。
そこで本章では、転職フェアを有効活用するためのポイントについて解説します。
具体的には、以下の3つです。
- 優先順位を決めておく
- あらかじめ質問を用意しておく
- 当日の勧誘は断る
話を聞きたい企業の優先順位を決めておく
1つ目のポイントは、「優先順位を決めておく」ことです。
前述の通り、転職フェア当日は非常に混雑します。そのため、転職フェアを効率的に回るためには、開催前日までに出展企業をチェックしておき、優先順位を決めておくことが重要となります。
基本的に転職フェア当日は、興味のある企業を全て回ることは不可能と思っておいた方がいいでしょう。
あらかじめ質問を用意しておく
2つ目のポイントは、「あらかじめ質問を用意しておく」ことです。
当日は企業の人間とゆっくり話をできない可能性も十分にあります。そのため、聞いておきたい質問があれば事前にまとめておき、すぐに質問できるようにしておきましょう。
特に人気企業では、時間制限が設けられているケースが多いため、限られた時間を有効活用するためにも、事前に質問を用意しておくことは必須と言えます。
当日の勧誘は断り、自分の予定通りに行動する
3つ目のポイントは、「当日の勧誘は断る」ことです。
前述の通り、転職フェア当日は企業側から勧誘されることも多く、いちいち話を聞いていては予定が狂ってしまいます。そのため、興味のない勧誘に対しては、しっかりと断ることも重要です。
当日は自分の予定を最優先に行動して、時間が余った場合にのみ、その他の企業の話も聞くというスタンスがいいでしょう。
転職フェアに参加する際の服装と持ち物
さて、実際に転職フェアに参加することになった際に、「当日はどんな服装で行けばいいのか?」「当日は何を持っていけばいいのか?」といった疑問を持つ人も多いかと思います。
そこで本章では、転職フェアに参加する際の服装と持ち物について解説します。
服装はスーツかオフィスカジュアルで統一する
転職フェアは基本的に服装自由です。とはいえ、転職フェアもビジネスシーンの1つであることに変わりはないため、スーツもしくはオフィスカジュアルで参加することをおすすめします。
最近はオフィスカジュアルOKな企業も増えているため、無理にスーツを着用する必要はありませんが、迷った時はスーツで統一しておけば問題ないでしょう。
履歴書と職務経歴書を用意しておく
基本的に転職フェアは、履歴書と職務経歴書の持参は不要です。ただし、当日は面談を通じてその場で面接が確約されるケースもあるため、履歴書と職務経歴書をすぐに手渡しできるよう、あらかじめ用意しておくことをおすすめします。
なお、当日は複数の企業と話が進む可能性もあるため、できれば履歴書と職務経歴書は複数セット用意しておいた方がいいでしょう。
筆記用具を持参する
また、転職フェア当日はすぐにメモを取れるよう、必ず筆記用具も持参しましょう。
スマホやタブレットでメモを取ることもできますが、会話中に端末を操作することを不快に感じる人もいるため、避けた方が無難です。
転職フェアに関してのよくあるQ&A
本章では参考として、転職フェアに関してのよくある質問をQ&A形式でご紹介します。
Q1.転職フェアの開催時期は?
基本的に1年中開催されています。
特に転職市場が活発になる3月や9月頃は転職フェアの開催数も多く、イベントの規模も大きくなるため、この時期に転職を予定している人は事前に確認しておきましょう。
Q2.転職フェアの開催場所は?
基本的に全国で開催されています。
ただし、地方での開催は大都市に比べて回数が少ないため、開催時期に関する情報は早めに確認しておきましょう。
また、最近はオンライン型の転職フェアも増えているため、遠方で参加が難しい場合には積極的に活用することをおすすめします。
Q3.転職フェア当日に現職の名刺は必要?
不要です。
前述の通り、転職フェアもビジネスシーンの1つではありますが、企業対企業の場ではないため、名刺を渡されても基本的に受け取るだけで問題ありません。
ただし、相手に失礼がないよう、しっかりとお礼を言って丁寧に受け取りましょう。
転職フェアまとめ
ここまで転職フェアについて、解説してきました。
冒頭でも述べた通り、転職フェアは転職希望者にとって非常にメリットの大きいイベントです。最近はユニークな転職フェアやオンラインで完結する転職フェアも増えているため、以前よりも活用できる機会は確実に増えています。