編集部の加藤です!
SE(システムエンジニア)に就職しようとする方のなかには、必要なスキルや資格、仕事内容に不安がある方も少なくありません。
また、技術職なので未経験で働けるか心配な方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、SE(システムエンジニア)の仕事内容や必要なスキル、給与などについて紹介します。
この記事を読めば、SE(システムエンジニア)に必要なことや給与相場などがわかり、安心して仕事を始められるでしょう。
SE(システムエンジニア)の仕事内容
まずは、SE(システムエンジニア)の仕事内容を紹介します。
SE(システムエンジニア)の主な業務は、システム開発におけるクライアントのニーズを聞き、それを設計書に落とし込むことです。
そのとき、大まかな開発スケジュールを立てたり、予算や人員、タスクの割り振りなどをするマネジメント業務もSE(システムエンジニア)が行います。
SE(システムエンジニア)とPG(プログラマー)の仕事内容の違い
SE(システムエンジニア)と似た職業にPG(プログラマー)があります。どちらもIT系の職種です。これらの職種はどう違うのでしょうか?
大まかに分類すると、次の通りです。
要件定義 | SE(システムエンジニア) |
---|---|
設計 | SE(システムエンジニア) |
実装 | PG(プログラマー) |
試験 | PG(プログラマー)※ SE(システムエンジニア)が携わる場合もあります。 |
SE(システムエンジニア)は、主に上流工程を担当します。上記でいえば「要件定義」と「設計」です。
「要件定義」では、クライアントからの要望をヒアリングしてシステム全体の仕様を決定します。要件定義で決めた仕様に従って、システムの細部を設計書に落とし込むのが「設計」です。
PG(プログラマー)は、主に下流工程を担当します。上記でいえば「実装」と「試験」です。
「実装」では、SE(システムエンジニア)が作成した設計書に従い、コードを書いてシステムを作成します。
作成したシステムが問題なく動くか、変更しない箇所に変化がないか、などを調べるのが「試験」です。
※両者は、明確に線引きされているわけではありません。しかし、一般的な区別は上記の通りです。
SE(システムエンジニア)の1日のスケジュール、流れ
ここでは一日の流れについて紹介します。
転職するうえで、SE(システムエンジニア)の働き方を気にする方も多いのではないでしょうか。そこで、今回はSE(システムエンジニア)の1日のスケジュールや流れを、実例とともに紹介しましょう。
今回は、22歳でSE(システムエンジニア)として未経験で働き始めた方を取り上げます。
08:50 | 出社。 その日の始業後にやるべき作業の確認など。 |
---|---|
09:00 | 始業。 メールやスケジュールの確認。 |
09:15 | 午前の業務。 前日までに起きたトラブルの状況確認や、その日に実施する試験などの打ち合わせ。 上司やクライアントへの報告やレポート作成など。 |
12:00 | 昼食。 |
13:00 | 午後の業務。 基本的には、自席で担当分野の仕事(調査や分析、開発業務)。 チーム内メンバーのフォローなど、他の人との作業が午後にある場合も。 |
17:30 | 翌日の作業スケジュールを確認。 |
18:00 | 定時。 やるべき作業がなければ退社。 |
SE(システムエンジニア)に必要なスキルとあると有利な資格
SEに必要なスキルや資格について紹介します!
SE(システムエンジニア)になるには、高度なスキルや資格が必要だと感じている方は多いのではないでしょうか。
もちろん専門知識はある程度必要になってきます。ただ、どの仕事にも通ずる必要なスキルが、SEとして仕事をする上でも重要になってきます。
SEに必要な3つのスキル・能力
まずは、多くの現職SE(システムエンジニア)があげた、働くうえで必要なスキルを紹介します。
- コミュニケーション能力
- マネジメント能力
- プログラミングなどシステム開発の知識
これらのスキルが具体的にどういったものなのか、順番に見ていきましょう。
コミュニケーション能力(相手のニーズや意見を汲み、他人に正しく伝える力)
SE(システムエンジニア)に必要なスキルとして最も多くの人が挙げたのは、コミュニケーション能力です。
クライアントやPG(プログラマー)など、さまざまな人と話し合いながら仕事をするため、多くの人と円滑にコミュニケーションできる能力がSE(システムエンジニア)には求められます。
相手のニーズや意見を聞き取り、他の人に正しく伝える能力もコミュニケーション能力の一環といえるでしょう。しかし、最も重要なのは話しかけてもらいやすい雰囲気づくりです。
話しかけやすい人だと相手に思ってもらえれば、細かい要望や本音を引き出しやすく、より良い仕事ができます。
マネジメント能力
進捗管理なども担うSE(システムエンジニア)には、マネジメント能力も求められます。
クライアントとの契約交渉や、協力会社のメンバー管理など、システム開発外の業務も少なくありません。
自分の作業についてのマネジメントはどの仕事でも必要です。
SE(システムエンジニア)の場合は、個人のマネジメントだけでなく、チームやプロジェクト全体のマネジメントも必要ということを覚えておきましょう。
プログラミングなどシステム開発の知識
プログラミングなどシステム開発の知識は、SE(システムエンジニア)に必要不可欠です。
上流工程を担うSE(システムエンジニア)は実装の機会こそ多くありませんが、開発知識を用いた仕事はたくさんあります。
たとえば、要件定義でヒアリングした内容をどのようにシステムに落とし込んでいるかを理解するには、プログラミングの知識が必要です。知識がないと、開発中のシステムについてクライアントに説明できません。
上流工程の仕事が増えれば増えるほど実装から離れますが、「エンジニア」である以上はシステム開発の知識を学び続ける必要があります。
あると有利な資格(基本情報技術者,MOSなど)
SE(システムエンジニア)として働き始めるには、多くの専門知識が必要になります。未経験の場合、資格があれば働く意欲をアピールでき、派遣先に好印象を与えられます。
そこで、現職SE(システムエンジニア)が働くうえであると有利な資格としてあげたのが、次の3つです。
- 基本情報技術者
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
- 専門分野ごとの資格
SE(システムエンジニア)として働くうえで、これらの資格があるとどう有利になるのか、順番に見ていきましょう。
基本情報技術者
基本情報技術者は、経済産業省が認定する国家資格です。
合格すれば、高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けている証明になります。
そのため、未経験でSE(システムエンジニア)になろうとしている人でも、基礎的な知識や技術をアピール可能です。
2018年実績で合格率は25.6%なので、決して簡単ではありません。
しかし、逆にいえば基本情報技術者に合格すれば、SE(システムエンジニア)になるための努力を証明できるでしょう。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)はその名の通り、Microsoft Office製品のスキルを証明する資格です。WordやExcelなどのバージョンごとに試験があります。
SE(システムエンジニア)として働くなら、特にExcelは必須スキルといえるでしょう。
もちろんSE(システムエンジニア)でなくてもMicrosoft Office製品を使う場面は多く、のちに他の業界に転職しても使えるスキルなので、取得して損はありません。
また、MOSは国際資格なので、グローバル企業で働いたり海外就職したりする場合でもスキル証明に役立ちます。
専門分野ごとの資格
SE(システムエンジニア)と一言でいっても、さまざまです。専門分野ごとに扱う言語や業務内容が大きく異なります。
たとえばWebエンジニアならHTMLやCSS、PHPなどが必要で、制御系のエンジニアならC言語やC++、Javaなどが必要となるでしょう。
既に紹介している通り、SE(システムエンジニア)の主な仕事は要件定義や設計で、コーディングは基本的に含まれません。
しかし、設計書を書くうえで実装時に用いる言語に対する理解は必要不可欠です。そのため、言語に関する資格も1~2個取得しておくと良いでしょう。
スキルアップのために学べるスクールもあります。
SEに就くメリット・デメリット各3点
ここではSE(システムエンジニア)になるメリットとデメリットを紹介します。
現職SE(システムエンジニア)の声をもとに、それぞれ多かった項目に厳選して説明していきます。
SE(システムエンジニア)のメリット・やりがい
まずは、SE(システムエンジニア)のメリットややりがいを紹介します。
- 自分でシステムを作り上げる喜びがある
- IT技術が身につき、最先端のものに早く触れられる
- 人手不足の業界なので、転職先に困らない
これらのメリットややりがいが具体的にどういったものなのか、順番に見ていきましょう。
自分でシステムを作り上げる喜びがある
最初に紹介するのは、「自分でシステムを作り上げる喜びがある」という意見です。
何もないところからシステムを構築し、ソフトウェアやアプリ、ホームページなどとして機能するまでにやりがいを感じるという意見がありました。
単純に物を作るだけでなく、クライアントの困りごとを解決して感謝されたり、自分が携わったシステムの作動を目にしたりして、喜びを感じられます。
自分ひとりでは到底作れない大規模システムの開発に携われるのも、SE(システムエンジニア)として働くメリットです。
IT技術が身につき、最先端のものに早く触れられる
「IT技術を身に着けられ、最先端のものに早く触れられる」のも、多くの現職SE(システムエンジニア)があげたメリットです。
パソコンに向かう時間が多いので、嫌でもパソコンや機械に関する知識が身につきます。
ほかにも、派遣先が最新ソフトを積極的に取り入れる企業なら、最先端のものにすぐ触れられるのもSE(システムエンジニア)のメリットといえるでしょう。
人手不足の業界なので、転職先に困らない
IT業界では日々アップデートされる技術に人員が追い付かず、人手不足の状態が続いています。
そのため、SE(システムエンジニア)として転職するのであれば、転職先に困らないのがメリットです。
設計書のフォーマットなど、派遣先特有のものもありますが、職場が変わっても求められる技術ややるべき仕事内容は大きく変わりません。
労働環境や条件が合わないから職場を変えるだけではなく、ステップアップのための前向きな転職がしやすいのも、SE(システムエンジニア)として働くメリットです。
SE(システムエンジニア)のデメリット・大変なこと
次に、SE(システムエンジニア)として働くデメリットや、大変なことを紹介します。
- 常に最新技術を学び続けなければいけない
- 長時間労働になりがち
- 進捗管理やチーム内の関係
これらのデメリットや大変なことが具体的にどういったものなのか、順番に見ていきましょう。
常に最新技術を学び続けなければいけない
IT業界は日々の進歩が著しい業界です。
そのため、SE(システムエンジニア)に限らずIT業界で働くのであれば、常に最新技術を学び続けなくてはいけません。
IT業界の最新技術は主に海外から発信されるため、日本語情報がない場合は、英語で情報を追う必要があります。
そのため、専門的な文章を読解できる英語力も必要です。
プログラミングが好きな方なら問題ありませんが、「高給に惹かれてIT業界にいるけど、そんなにプログラミングが好きではない」という方や、英語が苦手な方にとってはデメリットといえるでしょう。
長時間労働になりがち
最も多くの現職SE(システムエンジニア)がデメリットとしてあげたのは、長時間労働です。職場によっては長時間残業や休日出勤が当たり前になっている場合があり、睡眠不足になる場合もあります。
システムトラブルなど、突発的な要因が引き金になるので、事前に忙しさが予測できないのもデメリットといえるでしょう。
進捗管理やチーム内の関係
上流工程を担当するSE(システムエンジニア)ならではのデメリットとして、進捗管理やチーム内の関係の調整に苦心する声も多くありました。
システム開発において、納期厳守は当たり前です。
そのため、チーム内の作業が遅いメンバーのカバーに入る場合も少なくありません。
また、進捗が遅いと上司から詰められるなど、開発を円滑に進めるための気苦労が多いという意見もあります。
ほかにも、クライアントなど専門知識がない人を相手に説明する機会も多いのがSE(システムエンジニア)です。予算や納期についての理解を得たり、わかりやすく伝えたりするのに苦労するのも、SE(システムエンジニア)のデメリットといえます。
SEの年収、月給、時給相場
SE(システムエンジニア)の気になるお金周りを解説していきます!
転職するうえで多くの人が気にするのは、給料です。
今回は、関東地方を例にSE(システムエンジニア)の給料相場を紹介します。
未経験歓迎 | 全体 | 経験必須 | ||
---|---|---|---|---|
SE | 時給 | 2,071円 | 2,454円 | 2,532円 |
月収 | 331,360円 | 392,640円 | 405,120円 | |
年収 | 3,976,320円 | 4,711,680円 | 4,861,440円 | |
全体 ※3 | 時給 | 1,537円 | - | 1,887円 |
月収 | 245,920円 | 301,920円 | ||
年収 | 2,951,040円 | 3,623,040円 |
※1 データは2019年11月24日現在。
※2 月給は1日8時間労働×20日、年収は12ヶ月(手当・賞与などは含まない)で計算。
※3 データベースの仕様によって全体のデータなし
未経験でも経験必須でも、関東地方の派遣求人全体の平均に比べ、SE(システムエンジニア)の年収相場は100万円以上高額です。
ちなみに、同じSE(システムエンジニア)でも、専門分野によって収入には大きな開きがあります。
ビジネスアプリケーション系 | 制御系 | データベース系 | その他 | |
---|---|---|---|---|
時給 | 2,532円 | 2,454円 | 2,437円 | 2,140円 |
月収 | 405,120円 |
392,640円 | 389,920円 | 342,400円 |
年収 | 4,861,440円 |
4,711,680円 | 4,679,040円 | 4,108,800円 |
※1 データは2019年11月24日現在。
※2 月給は1日8時間労働×20日、年収は12ヶ月(手当・賞与などは含まない)で計算。
※3 各分野全体の給料
最も高給なのはビジネスアプリケーション系のSE(システムエンジニア)で、月収は40万円オーバーです。
一番年収の低いその他のSE(システムエンジニア)でさえ、経験必須派遣求人より50万円近く年収が上回ります。50万円は1~2ヵ月分の月収に相当するので、この差は決して小さくありません。
いずれにせよ、SE(システムエンジニア)は他の職種に比べて給与水準が高いといえます。
給料の高さを優先するのであれば、ビジネスアプリケーション系のSE(システムエンジニア)を目指すのがおすすめです。
派遣でSE(システムエンジニア)を経験した人の口コミ評判
最後に、派遣でSE(システムエンジニア)を経験した人の口コミ評判を紹介します。
SE(システムエンジニア)といっても派遣先やプロジェクトによって働き方はそれぞれなので、参考程度に見てみましょう。
今は高時給の仕事を紹介していただき、現状は満足です。
しかし、一生派遣社員でいいのか迷うときがあります。
40歳前後には正社員SEとして働きたいです。
今から正社員転職しても、時給2,700円、時間外・休日出勤3,400円超より稼げるとは思えません。
絶対に倒産しない職場なので、下手な企業に就職するより安定していると思います
いくつかの職場を転々としています。残業時間や職場の人間関係は本当に派遣先次第です。
職場を変える過程で業界に知り合いが増えるので、長く続けるほどいい職場に巡り合いやすくなると思います
プログラミングや設計書の作成など、SEの仕事自体は好きでした。
ただ、パソコンと向き合う時間が多く人と話す機会がぐっと減ったので、他の業種に転職しました
システムに結果としてスキルや能力が露呈するので、シビアな世界です。
だからこそ大きな仕事を任せてもらえるときはやりがいがあります。
優秀な仲間と切磋琢磨していきたいので、職場を自分で選べる派遣は魅力的です