転職エージェントの利用の流れ・上手な使い方・注意点を解説

この記事では、転職エージェントの利用の流れとポイントについて詳しく解説します。

転職エージェントを利用する場合、転職活動期間は平均で3か月ほどかかります。

すでに転職時期を決めている方、これから転職を検討している方は、まず転職エージェントを利用する流れを理解して、スケジュールを考えてみるとよいでしょう。

転職エージェント利用の流れ

転職エージェントに登録してから内定をもらうまでの流れを、5つのステップに分けて解説します。

ステップ1|転職エージェントに登録

気になる転職エージェントを選び、登録します。登録作業は転職エージェントやサービスの各サイトから行うことができ、数分で完了するものがほとんどです。

ここでは、実際にマイナビエージェントの登録画面を確認しましょう。マイナビエージェントの場合、一問一答形式で簡単に登録を進めることができます。

マイナビエージェントの登録画面

【転職エージェント登録時の主な入力内容】

  • 氏名、電話番号、メールアドレスなどの基本情報
  • 転職の希望時期
  • 勤務地
  • 簡単な経歴(経験業界・職種など) 
  • 直近の年収や希望年収

職務経歴や希望条件の項目がある場合、できるだけ詳細に入力してください。入力内容をもとに、担当のキャリアアドバイザーや初回面談時に紹介される求人が決定される場合があります。まずは、3~4社ほど登録して利用を開始し、使用感を確かめるのがおすすめです。

ステップ2|転職エージェントのキャリアアドバイザーと面談

転職エージェントへの登録が済んだら、担当のキャリアアドバイザーと面談を実施します。転職エージェントの拠点での対面面談だけでなく、電話やオンラインでの面談を実施している企業も多くあります。

【主な面談内容】

  • これまでの経歴
  • 退職・転職理由
  • 転職の条件(業界・職種・年収など)

キャリアアドバイザーとの面談目的は、求職者のキャリアの棚卸しと、希望する転職条件の整理です。企業の選考面接とはまったく性質が異なるので、リラックスして臨んでください。

面談をより実りのあるものにするためのポイントを5つ紹介します。

【キャリア面談のポイント】

  • 当日までに経歴や希望条件をメモしておく(事前に職務経歴書の提出を求められる場合もある)
  • 経歴は嘘偽りなく正直に話す
  • 遠慮せずに理想の希望条件を話す
  • その場で求人紹介を受けた場合は、希望に合う・合わないを具体的にフィードバックする
  • 希望や想定と異なる求人紹介を受けたら、まずは提案の理由を聞いてみる

転職エージェントのキャリアアドバイザーは、さまざまな求職者の転職をサポートしてきたノウハウを持っています。転職に当たって不安があれば素直に伝えて、助言を得てください。もし、面談でキャリアアドバイザーが自分に合わない、パートナーとして信頼できないと感じたら、遠慮せず担当の変更を申し出てください

ステップ3|転職エージェントから紹介された求人を確認し、応募する

面談内容などをもとに、キャリアアドバイザーから求人の紹介を受けます。専用のアプリやサイトなどを利用して、自分でも求人検索をすることが可能です。

(例:リクルートエージェントの専用サイト「Personal Desktop」による求人検索画面)

リクルートエージェントの専用サイト「Personal Desktop」による求人検索画面

面談後にキャリアアドバイザーから精度の高い求人を受けるためのポイントは、以下の通りです。

【希望に沿った求人を紹介してもらうポイント】

  • 希望年収や休日数、勤務地までの距離などは数字を用いて具体的に伝える(例:年収300万円以上)
  • 絶対に応募したくない求人の条件を伝える(例:夜勤はNG)
  • 理想と妥協できる範囲を伝える(例:土日祝日休みが理想だが、完全週休二日制なら平日休みでも良い)
  • 希望と異なる求人を紹介された場合、具体的にフィードバックをする(例:個人営業がしたいので、法人営業の求人は紹介しないでほしい)

初めて転職エージェントを利用する際は、条件を絞りすぎずに多種多様な求人を目にして選択肢を広げることも大切です。なお、スカウト機能がついているサービスでは、企業から「ぜひ応募してほしい」「面談でお話ししたい」などのスカウトが届く場合があります。自分が知らなかった企業に出会えるチャンスなので、ぜひ前向きに検討してみましょう。

ステップ4|面接日時を設定し、面接を受ける

転職エージェント経由で応募先企業の書類選考を通過したら、面接を受けます。実際に面接を受ける前に、キャリアアドバイザーに模擬面接をしてもらったり、応募先企業の面接の傾向を確認したりしておくとよいでしょう。最近は対面での面接に加え、オンライン面接も増えていますので、慣れていない場合はしっかりと対策しましょう。面接日時の調整も転職エージェントが行ってくれる場合がありますので、相談してみましょう。

また、面接後は、速やかにキャリアアドバイザーに感想をフィードバックしてください。状況に応じて、キャリアアドバイザーが人事担当者にフォローの連絡を入れてくれる場合があります

面接の対策については、こちらの記事を参考にしてください。

ステップ5|転職エージェント経由で内定をもらう

転職エージェント経由で求人に応募してから内定が出るまで、1~3か月程度かかると想定してください。実際に内定をもらったら、内定通知書で条件を確認します。特に以下の点を確認してください。

【内定通知書で確認しておきたいこと】

  • 月給や年収の額と、内訳(例:基本給24万円+30時間の固定残業手当6万円=月収30万)
  • 休日
  • 試用期間(有無、期間、試用期間中の労働条件)
  • 退職金や福利厚生の内容
  • 入社日(例:2024年4月1日入社予定)

内定通知書のフォーマットは企業ごとに異なり、詳しい労働条件が記載されていない場合があります。不明点や疑問点があれば、内定承諾前に必ずキャリアアドバイザーに確認してください。変更希望があれば、キャリアアドバイザーから企業へ交渉することができます。

転職エージェントを活用するためのポイント

転職を成功させるために、転職エージェントをうまく活用するためのポイントを5つ紹介します。

ポイント1|複数の転職エージェントを試してみる

転職エージェントの利用は基本的に無料で、解約してもペナルティはありません。お試しと思って、最初は複数の転職エージェントやサービスを併用してみましょう。実際に使ってみて合わないと感じれば、解約するだけです。併用する際には、特徴の異なるサービスを利用するようにしてください。

【転職エージェントの併用例】

  • 総合型エージェント+職種特化型エージェント
  • 総合型エージェント+年齢別の特化型エージェント
  • 両面型エージェント+片手型エージェント

特徴の異なる転職エージェントを5、6社試してみて、最終的には2社程度に絞り込むと良いでしょう。英会話教室やジムなどと契約する場合、最初に無料体験を利用して検討しますが、それと同じ感覚で、転職エージェントも複数社使ってみて、自分に合うものを選んでください。

ポイント2|キャリアアドバイザーに退職理由や転職状況を正直に話す

担当のキャリアアドバイザーと強固な信頼関係を築くために、退職理由や転職活動の状況は、正直に伝えてください。キャリアアドバイザーが正確な情報を把握していないと、企業に誤った情報が伝わったり、選考スケジュールに不都合が生じる可能性があります。

求職者がネガティブに捉えがちな以下のような情報も、キャリアアドバイザーには正直に話しましょう。

  • 休職期間や無職の期間とその理由
  • 各社の退職理由
  • 応募している企業の数や状況

採用担当としてキャリアアドバイザーから直接聞いた求職者情報と、面接時に本人から聞いた情報がまったく異なることが稀にあります。理由はどうあれ企業サイドからすると不安要素になるので、キャリアアドバイザーに話す内容と自分で企業に伝える内容は、一致させるようにしてください。

ポイント3|キャリアアドバイザーへの要望や不満も率直に伝える

キャリアアドバイザーのサポートに対する要望や不満も、率直に伝えてください。自分の希望をきちんと伝えられない場合、キャリアアドバイザーにとって良いと思われる求人を無理に勧められたり、対応にストレスを感じて転職活動自体が嫌になってしまう可能性があります

サポートに関して、以下の点を明確に伝えましょう。

  • 連絡の頻度や方法、時間帯
  • 理想の条件と、妥協したくない最低限の条件
  • 希望と異なる求人を紹介されたときのフィードバック(何が、どのように希望と異なるか)

求職者が希望と異なる企業に転職して早期離職した場合、転職エージェントは企業に紹介フィーの一部を返還する場合がほとんどです。転職エージェントにとっても求職者が長く勤められる企業を紹介することが重要なので、遠慮せずに要望を伝えてください。

ポイント4|キャリアアドバイザーに対して転職活動に前向きな姿勢を見せる

キャリアアドバイザーは同時に複数の求職者を担当しているため、より積極的に自分の支援をしてもらえるよう、転職活動への前向きな姿勢を示すようにしましょう

転職エージェントは、求職者の採用決定時に初めて企業から報酬を得られる成果報酬型のビジネスです。転職する意欲が高い人を優先するのは、当然のことといえます。

以下のようなNG行動を避け、積極性をアピールするとよいでしょう。

【転職エージェントとの付き合い方NG例】

  • キャリアアドバイザーの連絡に対する返信が遅い/ない
  • 転職エージェントの専用アプリなどにログインしていない
  • キャリアアドバイザーに要望を具体的に伝えない

キャリアアドバイザーとしても、より良い転職に向けて真摯に取り組んでいる人ほど応援したくなるものです。前向きな姿勢を行動で示しましょう。

ポイント5|転職エージェントが持っている情報を積極的に引き出す

転職エージェントは、応募先企業の内情などを詳しく把握している可能性があります。企業選びや選考通過率アップの材料として、転職エージェントが持っている情報を積極的に引き出してください。特に、両面型の転職エージェントは企業との強固なコネクションを持っている傾向が強く、内情をよく把握している可能性があります。自分から積極的に質問して、企業情報を入手しましょう

【転職エージェントだからこそ知り得る情報】

  • 最近力を入れている事業や新しいプロジェクト
  • 経営者や採用担当の人柄
  • 社風や従業員の雰囲気
  • 現在の採用状況
  • 過去の採用者の傾向
  • 面接内容や選考で重視していること

両面型の転職エージェントの場合、頻繁に企業を訪問して最新の状況を把握する傾向があります。また、採用担当側も会社にマッチする人材を紹介してもらえるよう転職エージェントと密なコミュニケーションを心掛けています。転職エージェントだからこそ知り得る情報を把握している可能性があるので、積極的に話を聞き出してください。

こんな転職エージェントには要注意!すぐに利用を中止すべきエージェントの特徴

利用すべきではない転職エージェントの特徴をまとめました。当てはまる場合は、利用を中止すべきです。

特徴1|キャリアアドバイザーが話を聞かない、一方的な意見を押し付けられる

自分の意図を汲み取ってくれないキャリアアドバイザーは、求職者の希望よりも「早く転職させること」に注力している可能性があります。

求職者側から丁寧に要望を伝えたり、フィードバックをしたりしているにもかかわらず、一方的に合わない求人を大量に紹介するキャリアアドバイザーは、すぐに交代してもらいましょう。

特徴2|キャリアアドバイザーからの連絡が遅い、雑な対応をされる

連絡や返信が遅いキャリアアドバイザーは、担当者数が多すぎてフォローの手が回っていない可能性あります。

また、対応が雑なキャリアアドバイザーは、大切な面接日程の調整をミスしたり、連絡漏れしたりして、せっかくの転職の機会を失うリスクがあります。求職者本人に非はなくても、企業サイドからすると「縁がないのかな」と感じてしまうことがあるため、当たり前の対応がきちんとできないと感じる担当者は、すぐに交代してもらいましょう。

特徴3|内定を辞退させてくれない

「キャリアアドバイザーから内定辞退はできないと言われた」という口コミが稀に見られますが、これは完全にアウトです。新卒就職でも中途転職でも、内定辞退ができない状況はあり得ません。

早く転職先を決めてサポートを終えたい、企業側に説明するのが面倒など、キャリアアドバイザー側の自分本位な理由で「できない」と伝えている可能性があります。早々に担当を変えるか、転職エージェント自体の契約を終了してください。