
3,000人以上の面接を担当してきた採用人事の池田です。
面接の後にお礼のメールを送った方が良いのか送らない方がいいのか、また送った方が良い場合はどんなメールを送ればいいのか、迷ってしまいますよね。
結論を言うと、「送るべき」です。
面接官によって感じる差はあれど、お礼メールが来る方が印象が良いです。
誰かと飲みに行った後、「今日は楽しかったね、ありがとう。」とLINEが来て、嫌な気持ちにはなりませんよね。「いい奴だな」と思うんじゃないでしょうか。それと同じです。
もちろん、一番大事なのは面接の内容なので、送っても何の加点にもならないことも多々あります。ただ、送ることで減点になることはまずありません。
この記事に例文も用意してあります。悩んでいる暇があったら、サッと作ってすぐに送ってください。
面接後のお礼メール例文
お礼メールで大切なことは、以下の5つです。
- いつ、何の面接をした誰なのかきちんと名乗る
- 感謝の気持ちを伝える
- 面接の感想を伝える
- 意欲が高まった旨を伝える
- ビジネスメールのマナーに気をつける
お礼メールだからと言って、本当にお礼だけで済ませてしまうと送る意味が薄く、採用担当者にとってもただ返信の手間がかかるだけになってしまいます。
採用担当者の対応や、仕事内容、社風など、面接で良いなと思ったところを伝えると好印象につながります。求職者が思っている以上に採用担当者側は、求職者の入社の熱意を見ています。
では、上記でお伝えした盛り込むべき内容と注意点をふまえて、以下にお礼メールの例文を記載します。
件名:元の件名そのまま
株式会社××
△△部
●様
お世話になっております。
本日○時より面接をしていただきました、○○と申します。
本日はお忙しい中面接をしていただき、誠にありがとうございました。
●様のお話を伺い、改めて貴社商品のすばらしさを感じるとともに、
それを支える社員のみなさまの仕事への真摯な取り組みを伺い、
貴社に入社し、自分もその一員として貢献したいという思いが一層強くなりました。
まずは面接のお礼を申し上げたく、ご連絡させていただきました。
末筆ながら貴社の益々のご発展とご活躍をお祈り申し上げます。
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氏名:○○○○
住所:郵便番号■■■-■■■■
△△県△△市△△ △-△-△(建物名)
電話番号:×××-××××-××××
メール:●●@●●●●
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上記はあくまで例の一つです。特に面接の感想部分は自分が感じた先方の良いところを素直に書きましょう。
面接後のお礼メールのNGポイント
お礼メールの注意点は、下記になります。
- 誤字脱字
- コピペだとわかる内容
- 内容が薄い
- 言い訳がましい内容
誤字脱字は印象が悪いので、しっかり文面を確認する時間が取れないようなら送らない方がいいでしょう。コピペだとわかるような形式的な内容や、お礼だけなど内容が薄いメールも、志望度が低いととられかねません。「面接ではうまく答えられませんでしたが、あの質問については…」など、言い訳がましいと感じさせるような言い回しもNGです。
多くの方の悩みはすでに解決しているかと思いますが、それでもまだ面接後のメールを送るか悩んでいる方に向けて、もう少し詳しい情報をお伝えしていきます。
IT企業で採用人事を務める傍ら、転職支援サービスの専門家としても活動中。人事歴は10年で、採用数は累計300名以上、面接数は3,000人を超える。
面接後のお礼メールが選考にプラスになると回答した採用担当が48%
面接後のお礼メールを受け取る採用担当はどのように考えているか、アンケートを実施しました。
【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:人事職として中途採用の経験がある方
アンケート母数:男女67名
実施日:2023年5月22日〜5月28日
調査実施主体:ミライのお仕事
調査会社:株式会社ネクストレベル
編集部で企業の採用担当者に取ったアンケートによると、お礼メールが有利に働くことが多いという回答が約半数に上り、一番多い答えとなりました。やっぱり私と同じ感覚の人が多いみたいですね。
面接後のお礼メールが好印象と回答した採用担当の声
そこで、有利に働くことが多いと答えた人の理由を聞きました。
「社会人としての礼儀を感じることができる」
「ひとへの気遣いを忘れない人は成長するバッファが大きいと感じる」
「気遣いが感じられて、有利に働きます。ただ、文面が意味不明だったり誤字脱字があると考えてしまいます」
採用活動では、面接や、その前後のメールのやりとりなど、限られた時間の中で求職者のポテンシャルやスキルを見抜くことになります。
社会人としての礼儀があるか、相手への気遣いができるのかどうか、採用担当者によってはそれがメールのやりとりにも現れると考える方が半数近くいます。
この結果を見ても、面接の後のお礼メールはできるだけ送るべきです。
お礼メールがあってもなくても変わらないと回答した採用担当の意見
一方で、どちらでもないと答えた人の理由も聞いてみました。
「熱意は伝わるが、すでに面接で面接官の合意で合否判断がなされることが多いため、覆ることは少ないです。」
「印象がいいのは間違いないが、それで合否に関わるのかは別。」
「お礼メールが送れる=「仕事ができる」と言うわけではないから」
どちらでもないという回答ではありますが、メールを送ることで、企業側は「この人の熱意は伝わる」と、少なからず印象が良くなると感じる方が多いようです。
一方で、合否を覆すほどではないという意見や、お礼メールが送れる=「仕事ができる」と言うわけではないというシビアな意見もあります。
マイナスの印象をもたれるわけではないので、送っておいた方が無難です。
お礼メール反対派と回答した採用担当の意見
少数派ですが、不利に働くと答えた人もいます。不利に働くと答えた人の理由は、以下の通りです。
「選考だけでも手が取られるのに、わざわざメールを返さないといけないので、送ってこられた方は相手の時間を奪うという認識ができない方、相手のことを考えられない方だと思われるからです。」
「誤字脱字等があると印象悪くなる」
中には、お礼メールを送られることを手間だと考える方もいるようです。多忙そうな担当者の場合や、事務的でテキパキとした対応の担当者の場合は、送らない方がいい可能性もあります。
「誤字脱字等があると印象悪くなる」というのはもっともな意見ですので、送る際は誤字脱字がないかダブルチェックするといいでしょう。
私の意見としては、6.0%という数字にビビって送らないのはナンセンスだと思います。約5割の確率で有利に働くのにもったいないです。
面接後のお礼メールを送る人は少数派なので、送らなくてもマイナスにはならない
【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート
調査対象:転職経験のある方
アンケート母数:男女201名
実施日:2023年5月22日〜5月25日
調査実施主体:ミライのお仕事
調査会社:株式会社ネクストレベル
お礼メールを送る人は少数派だったということがわかりました。他の人との差をつけられるポイントと考えることもできますし、送らなくても合否に大きな影響は出ないとも言えます。
志望度が高く、より印象を高めたい、熱い気持ちを伝えたいならば送る。そうではなければ、送らないと企業ごとに使い分けをするのが良いかもしれません。
面接後のお礼メールを送るメリット
それでは、お礼メールを送るメリットを3つ紹介します。
ただし、多くの場合において、面接の場で選考は終了しているので、メリットはあれど、合否を覆すほどのものではないことも留意しておいてください。
入社したいという熱意が伝わる
基本的にメールを送るというのは面倒な作業です。お礼メールは必須ではないからこそ、それをあえて送るというのは丁寧な対応であり、志望度が高いということが伝わりやすくなります。
企業側からするとモチベーション高く仕事をしてくれる人を採用したいわけですから、こちらの志望度の高さを伝えるのは大切なことです。
人への気遣いができる人だとアピールができる
自分が面接官だったとしたら、面接をしてもらって当たり前と考えるような人よりも、時間をとってもらったことに対して感謝の気持ちを持てる人と一緒に働きたいと思いますよね。メールを送ることで、感謝の気持ちが伝わり、気遣いのできる人だと思ってもらいやすくなります。
特に外部の顧客とのやり取りが多い職種だと気遣いは大事とされます。
メールのやりとりは面接時間以外でアピールできる限られた機会なので、有効に活用しましょう。
面接で伝えきれなかったことを伝えられる
また、面接で伝えきれなかったことを伝えられるというメリットもあります。
面接では緊張していて言い忘れてしまった、熱意の高さが伝わっていない気がする、といった場合に、補足的に説明することができます。
ただし、あくまで大事なのは面接において自分を出し切ることです。言い訳がましく聞こえてしまうこともあるので、言い回しには注意しましょう。
面接後のお礼メールを送るデメリット
では逆に、お礼メールを送るデメリットはあるのでしょうか?
レアケースではありますが、デメリットを3つ紹介します。
メリット同様、多くの場合において、面接の場で選考は終了しています。デメリットはあれど、お礼メールを理由に落とされるなんてことは無いと考えて良いでしょう。
対応が煩わしいと担当者に思われる
日々採用業務で忙しい中で、面接後にもメールが来たら、「返信しないと」と思って、面倒だと思われる可能性があります。
基本的には良く思ってくれるケースの方が多いですが、担当者が特に多忙そうな場合は、メールを避けた方がいいかもしれません。
内容が稚拙だと減点になる
メール文に誤字脱字があったり、内容が稚拙だと減点対象になる可能性があります。何度も読み返しをして、内容を確認しましょう。
せっかく送っても、コピペということが伝わると誠意が裏目に出てしまいます。文面はアレンジしたり、間違っても他の企業の宛名をそのまま送らないようにしましょう。
メールの作成に時間がかかる
転職活動は時間の有効活用が大事です。他にも何社か受けている場合は、そちらの面接対策や自己分析などに優先的に時間を使うべきです。
メールの内容を熟考して時間を使いすぎてしまうのはコスパが悪いので、もし時間がかかりすぎるようなら無理に送らなくてもいいでしょう。
面接後のお礼メールに関するQ&A
以下では、お礼メールに関するQ&Aをまとめましたのでご参考ください。
お礼メールはいつまでに送るべき?
メールは基本的に早いにこしたことはありません。できれば面接が終わってメールが送れる状況になった時点で送るというのが一番スムーズで、当日中の連絡が望ましいですが、翌日ぐらいまでなら問題ありません。
それより遅いと、「忘れていたのかな?」「なぜ今更送ってきたんだろう?」など、担当者が疑問に思い、逆に印象が良くありません。
そのような場合は、いっそ送らない方がいいでしょう。
面接が複数回ある場合は、毎回送るべき?
面接が複数回ある場合、面接の内容や面接担当者も変わることが普通なので、毎回送っても問題ありません。
しかし、メールを読むのは一人の採用担当者である場合が多いため、同じような内容で何度も送ってしまうと、しつこいと感じさせてしまう恐れがあります。
メールを送ることが目的なのではなく、感謝や熱意を伝えることが目的なので、事務的な内容になるようなら送らなくてもいいでしょう。
お礼メールは誰に送ればいい?
面接は現場の方や社長など複数の方が出てこられる場合がありますが、基本的には面接日程などのやり取りをしている採用担当者でOKです。
ただし、面接官の連絡先を知っている場合は直接送っても構いません。
連絡先はわからないけれど面接が盛り上がった、長時間に及んだ場合などは、採用担当者へのメールに「●様にもくれぐれもよろしくお伝えください。」と添えておいてもいいでしょう。