
編集部の加藤です!
パソコンひとつで世界中どこでも働けるWebデザイナー(ウェブデザイナー)は、手に職がつく仕事として人気上昇中です。
未経験でWebデザイナーに興味があっても、パソコンの知識やスキルに不安があり、二の足を踏んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Webデザイナーに必要なスキルや仕事内容を紹介します。派遣の時給相場なども紹介するので、未経験でWebデザイナーになりたい人は必見です。
Webデザイナーの仕事内容

簡単にwebデザイナーの仕事内容について紹介します!
Webデザイナーは、「デザイナー」と呼ばれる職業のうち、WebページやWebサイトのデザインを専門とするデザイナーです。
Webデザイナーの仕事内容を、次の一覧で確認しましょう。
ヒアリング | 最初に行うのは、Webページのコンセプトや目的などのヒアリングです。納品物の概要以外に、納期や予算などもこの段階でクライアントとすり合わせます。 ヒアリングは、WebデザイナーではなくWebディレクターが行うのが一般的です。しかし、案件によってはWebデザイナーが同席します。 |
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要件整理 | ヒアリング内容に従って、作成するWebサイトのターゲットやWebサイトの目的などを整理します。 同じ商品でも、ターゲット層が異なれば作成するWebページのコンセプトが180度異なることも少なくありません。 要件整理で全体の方向性を定めるので、重要度の高い作業といえるでしょう。 |
ワイヤーフレームの作成 | 次に行うのは、Webページの骨組みにあたるワイヤーフレームの作成です。ボタンや画像の大きさ、位置などをざっくり描き、レイアウトや構成を決めます。 制作するWebページの大まかなイメージが決まるのは、この工程です。ここで具体的なイメージが定まっているほど、あとの作業が進めやすくなります。 |
デザイン制作 | ワイヤーフレームに従って、グラフィックソフトを使ったWebページのデザインを制作します。納品するWebページと同じ見た目になるようにデザインしましょう。 クライアントと相談し、お互いのイメージをすり合わせながらデザイン案を決定するのが一般的です。 |
コーディング | デザインした通りのWebページを、プログラミングで構築します。用いるプログラミング言語は、JavaScriptやHTML、CSSです。 パソコンやスマートフォンなどの端末でWebページの表示を確認しながら、ミリ単位でボタンや画像などの配置を調整します。ここでもクライアントとやり取りし、OKが出るまで修正を繰り返さなくてはいけません。 |
サポート | 納品後も、Webページの更新作業や運営サポートをWebデザイナーが行う場合があります。 |
Webデザイナーとグラッフィクデザイナーの仕事内容の違い

Webデザイナーと名前が似ている仕事に、グラフィックデザイナーがあります。これらの仕事内容はどう違うのでしょうか。
簡単に違いをまとめました。
webデザイナー | グラフィックデザイナー |
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両者の大きな違いとしてあげられるのは、デザインする媒体です。WebデザイナーがWebページをデザインする仕事なのに対して、グラフィックデザイナーは雑誌広告や看板などの印刷物をデザインします。
Webデザイナーにプログラミングの知識が必要なのも、大きな違いといえるでしょう。
他にも、Webデザイナーは「RGB」と呼ばれる色の表現方法についての知識も求められます。
RGBとは、三原色を適当な割合で混ぜると白くなる表現法で、絵の具やインクなど現実の色の混ぜ方とは違う理論です。そのため、慣れないうちは色の使い方に戸惑うかもしれません。
Webデザインにはどの端末でも見やすいデザインが求められるので、フォントなどの自由度は低いといえるでしょう。
また、Webデザイナーは「Photoshop(フォトショップ)」メイン、グラフィックデザイナーは「Illustrator(イラストレーター)」がメインと、使用ソフトは異なります。
Webデザイナーの1日のスケジュール、流れ
Webデザイナーとして働いている派遣社員は、どのような1日を過ごしているのでしょうか。
今回は、22歳で未経験からWebデザイナーになった人の、ある1日のスケジュールを紹介します。
10:00|出勤 | パソコンを起動し、メールチェックなどをします。 |
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11:00|部署内ミーティング | 自分の仕事の進捗を報告します。 新案件発生時にディスカッションをするのも、この時間です。 |
12:00|業務開始 | デザイン作業やコーディングが主な業務です。 パソコンやスマートフォンなど、複数の環境で動作確認をします。 |
14:00|昼食 | 基本的には食堂で食べます。 納期直前などはビルの下にあるコンビニでおにぎりやパンを買って、デスクで食べながら仕事をするのも珍しくありません。 |
15:00|業務再開 | 基本的には、午前中の業務の続きをします。 クライアントとの打ち合わせが入るのも、午後が多いです。 |
21:00|退勤 | 定時は19:00ですが、残業前提で仕事を組まれるので残業しています。 忙しいときは日を跨ぐこともあり、平均退勤時間は21:00ごろです。 |
Webデザイナーに必要なスキルとあると有利な資格

webデザイナーに必要なスキルと有利な資格に就いて紹介します!
Webデザイナーとして働くうえで必要なスキルや、あると有利な資格には、どのようなものがあるのでしょうか。
実際にWebデザイナーとして働く人の意見を紹介します。
webデザイナーになる時に必要なスキル

働くうえでWebデザイナーに必要なスキルとして、次のものがあります。
- Webページ制作についての基本的な知識やスキル
- Adobeソフトについてのスキル
- コミュニケーション能力やクライアントのニーズを的確に引き出すスキル
これらのスキルの具体的な内容について、順番に紹介しましょう。
Webページ制作についての基本的な知識やスキル
最も多くの人があげたのは、Webページ制作についての基本的な知識やスキルです。
Webページ制作をするうえで求められる知識やスキルは、多岐にわたります。プログラミング言語やデザインはもちろん、Webサイトの集客に必要なマーケティングやSEOなど、あげればきりがありません。
最初からすべての知識を身に着けるのは困難なので、プログラミング言語など実用度の高いものから学び、徐々に使えるスキルを増やすのがおすすめです。
Adobeソフトについてのスキル
Adobeソフトについてのスキルは、Webデザイナーとして働くうえで欠かせません。
主に利用するのはPhotoshopです。しかし、Illustratorや他のソフトを使う機会もあります。
たとえば、テキストエディタ「Dreamweaver」(ドリームウィーバー)や、UI/UXデザインに使う「Adobe XD」(エックスディ)もWebデザイナーなら使う機会があるでしょう。
個人のパソコンで導入するにはやや高額ですが、Webデザイナーを目指すのであれば、Photoshopだけでも就職前に導入するのがおすすめです。
コミュニケーション能力やクライアントのニーズを的確に引き出すスキル
パソコンと向き合う時間が長いと思われがちなWebデザイナーですが、打ち合わせやヒアリングなど、対人業務も多くあります。社内外の人と接する機会が多いので、コミュニケーション能力はWebデザイナーに必須のスキルです。
最初のヒアリングは主にWebディレクターの仕事ですが、そのあとの各工程での確認依頼や修正後の連絡はWebデザイナーが行います。
そのため、忙しい合間を縫ってくれるクライアントの手を煩わせないためにも、少ない回数で的確にニーズを把握するスキルも必要でしょう。
webデザイナーになる時にあると有利な資格

働くうえでWebデザイナーとして有利な資格として、次のものがあります。
- Webクリエイター能力認定試験
- ウェブデザイン技能検定
- HTML5プロフェッショナル認定資格
これらの資格がどんな資格なのか、順番に紹介しましょう。
Webクリエイター能力認定試験
「Webクリエイター能力認定試験」は、サーティファイ Web利用・技術認定委員会が主催する、民間の資格試験です。実技だけの「スタンダード」と、実技と知識を問う「エキスパート」の2段階があります。
この試験における実技は、配布された問題や素材データに基づくコーディングです。
非常に実践的な試験内容なので、就職前にこの資格を持っていれば、Webデザイナーとして働くための努力は派遣先に伝わります。
Webデザイナーとして働く具体的なイメージを掴むためにも、おすすめの資格です。
ウェブデザイン技能検定
「ウェブデザイン技能検定」は、厚生労働省の認定を受けた国家資格です。
試験は2級以下が年4回、1級が学科と実技それぞれ年1回受験できます。1級の実技試験は、学科試験の合格者しか受験できません。
3級は比較的易しいので、未経験でWebデザイナーを目指す人でも受けやすいです。
3級から学科と実技両方を受験するので、試験勉強を通じて知識と技術をバランスよく身に着けられます。
HTML5プロフェッショナル認定資格
「HTML5プロフェッショナル認定資格」は、HTML5はもちろん、CSS3やJavaScriptといった最新のマークアップに関する認定資格です。
上記の2資格と違い、Webデザインの知識は必要ありません。HTML5のコンテンツ作成能力を問うので、求められるスキルはプログラミング寄りといえるでしょう。
レベル2は、レベル1の難化版や応用版ではありません。レベル1では静的なWebページの作成技術が問われ、レベル2では動的なWebアプリケーションの作成技術が問われます。
ちなみに、レベル2の試験に合格しても、レベル1に受からなければレベル2の資格保有者として認定されません。そのため、先にレベル2の受験を検討している方は要注意です。
webデザイナーになるメリット・デメリット


webデザイナーになる時のメリット・デメリットに就いて紹介します!
Webデザイナーとして働くメリットやデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
現職Webデザイナーのリアルな声を、ひとつひとつ紹介しましょう。
Webデザイナーのメリット・やりがい

Webデザイナー働くうえでのメリットややりがいとして、次のものがあります。
- 自分で制作したWebページが世界中に広まる
- 専門職なので、技術があれば高収入を得られる
- フリーランスに転身する人もいて、多様な働き方が認められている
なぜこれらのメリットややりがいがあるのか、順番に紹介しましょう。
自分で制作したWebページが世界中に広まる
自分で作ったWebページが世界中に広まるのは、Webデザイナーの大きなやりがいといえます。
デザインしたものを多くの人に見てもらえるのは、グラフィックデザイナーなど、他のデザイナーも共通です。しかし、Webデザイナーの制作物はWebページなので、作成したWebページによっては世界中で見られます。
なかには、「SNSで共有すると海外の友達から反応をもらえる」という意見もありました。
未経験でも働きやすく、技術があれば高収入を得られる
IT業界は人手不足です。そのため、Webデザイナーは未経験でも転職しやすい職業として知られています。
もちろん、未経験でもHTMLやCSSなどのプログラミング言語や、Adobeソフトなどの最低限の知識は必要です。
とはいえ、なかには40代からWebデザイナーとしてのキャリアを始める人もいるなど、広く門戸が開かれています。
また、Webデザイナーは専門職なので、技術さえあれば若くても高収入を得られる職業です。
20代で年収1000万円を超える人もいて、努力次第で自分の価値を高められるのもWebデザイナーの魅力といえるでしょう。
フリーランスに転身する人もいて、多様な働き方が認められている
Webデザイナーは、パソコンさえあれば場所を選ばず働けます。そのため、リモートワークを認める企業も多くあり、多様な働き方が可能です。
最初は正社員や派遣社員としてオフィスに出勤するスタイルで働き始め、少しずつリモートワークを増やしたり、最終的にはフリーランスに転身したりする人もいます。
特にフリーランスになると田舎や海外に移住する人もいて、ライフスタイルを自由に構築可能です。
Webデザイナーのデメリット・大変なこと

Webデザイナー働くうえでのデメリットや大変なこととして、次のものがあります。
- ドライアイや肩こりに悩まされる
- 不具合への対応など、納品後も細かな対応に応じなくてはいけない
- 常に時間に追われ、残業も多い
なぜこれらのデメリットや大変なことがあるのか、順番に紹介しましょう。
ドライアイや肩こりに悩まされる
デメリットや大変なこととしてWebデザイナーから多くあがったのは、ドライアイや肩こりに悩まされるとの意見です。
Webデザイナーはコーディングでエラーを探すときやデザインをミリ単位で調整するときなど、長時間パソコンを見続けることも多く、目薬が手放せない人が多くいました。
また、仕事中は座りっぱなしになることもあるので、肩こりがひどくなったとの声も少なくありません。
不具合への対応など、納品後も細かな対応に応じなくてはいけない
Webデザイナーとして働くうえで大変なこととして、納品後の対応をあげる人も多かったです。
印刷物に対するグラフィックデザインと異なり、Webページのデザインは納品して終了ではありません。Webページのリニューアルや更新について対応したり、発生したバグの修正をしたりする必要があります。
特に企業のWebページの場合、Webサイトを利用できない時間の長さは利益の減少に直結するので、素早い対応が必須です。
そのため、定時間際に急ぎの対応依頼が来ると、急な残業になることもあります。
常に時間に追われ、残業も多い
Webデザイナーの大変なこととして、時間に追われるとの意見が多くありました。
ちょっとしたボタンの配置や色の違いなどでWebページの印象が大きく変わるため、Webページの見え方を検討する時間はいくらあっても足りません。
「よりよいWebページを」と思うと切り上げられず、残業がちになってしまいます。
特に大変なのは、実際に制作したWebページをクライアントに見せたあとで大きく方針転換する場合です。方針転換によって納期が延期されたところで、大幅に納期が後ろ倒しになることはそうありません。
そのため、仕事中は常に時間に追われているとの声が多かったです。
webデザイナーの年収、月給、時給相場

仕事内容ややりがいなど以外にも、Webデザイナーの収入が気になる人は多いのではないでしょうか。
今回は、関東地方の派遣求人を例に、Webデザイナーの収入相場を紹介します。
未経験歓迎 | 全体 | 経験必須 | |
---|---|---|---|
時給 | 1,750円 | 1,958円 | 1,934円 |
月給 | 28万0,000円 | 31万3,280円 | 30万9,440円 |
年収 | 336万0,000円 | 375万9,360円 | 371万3,280円 |
※1 2019年12月11日時点での値。
※2 8時間/日、20日/月として計算。
※3 月給×12で計算。諸手当や賞与は含みません。
派遣でWebデザイナーを経験した人の口コミ評判
実際に派遣でWebデザイナーを経験した人の口コミを紹介します。

今の職場の給料は事務員並みですが、研修や手当が手厚く、定時で帰らせてくれます。
Webデザイナーはスキルが身につくし、有効求人倍率が高いので仕事に就きやすいです。
新しいことを学べる楽しさもあるので、ホワイトな職場に就ければいい仕事だと思います

自分が制作したWebサイトやWebページが世に出るのはとても嬉しいです。
自分のWebページがクライアントの売上に繋がったときの達成感は忘れられません。
一般的な職業に比べると給料は高く、将来的に独立可能なのは大きなメリットです

Webデザイナーとして複数企業に派遣された経験があります。
週4日勤務の契約で入った企業では、同時期に入社した正社員の4倍の仕事量をこなしたうえで、彼のミスを修正し、彼の指導役までやらされました。
これは特殊かもしれませんが、職場次第ではストレスがたまります

忙しさはクライアントや派遣先、案件に依存しますが、やりがいを持って仕事に取り組めます。
Webデザイナーの仕事には納品という大きなゴールがあり、その前の各工程も小さなゴールといえます。
ひとつひとつの工程が終わるたびに達成感を得られるので、成長を感じられるでしょう

スキルが身についていないWebデザイナーは、かなり厳しいと思います。
近年は未経験歓迎を謳う企業が増えていますが、未経験者や業歴の浅い経験者を門前払いすることも少なくありません。
未経験の派遣でも、ある程度スキルを身に付けてから転職する方がいいと思います