運用/保守の仕事とは

エンジニアやプログラマによって構築されたシステムが運用段階に入ったとき、管理・運用・保守の業務が必要とされます。
システムはこの段階にいたるまでにさまざまなテストや評価とを受け改良され、バグなどの修正も行われています。
しかし運用段階という実走に入ってから「システム稼動状態のモニターや記録」「不正アクセスの監視や対策」「サーバメンテナンス」「ソフトの更新とメンテナンス」といった管理・運用・保守が必要となります。
それらを総じて「運用・保守業務」と呼んでいます。
いわゆるCEと言われる業務ですが、様々な研修やOJTを踏まえてコンフィグ(Configuration=設定)の制作や障害への対応を任されたり、SEが提示した要件定義書を元にコンフィグの作成や懸賞などの業務が含まれる場合もあります。
またSEが設計しコンフィグ制作したものを、作業手順書通りに作業するといったCEもあります。ひとことでCEと言っても多くの専門知識を要しないものから、かなり踏み込んだものまで様々です。
会社から求められている仕事の範囲はどこまでなのかをよく確認した上で検討するべきではありますが、募集要項の「応募資格」の覧を見れば自ずと知れるものではあります。
具体的な業務内容の例としては、稼動状態やハードディスクの容量チェックなどの点検、障害発生時の対応と原因追及、システム更新や改修の対応などをこなしつつ、シフト制に依る交代時に滞り無く引き継ぐといった感じが多く見られる流れです。
必要な資格やスキル、経験
パソコンの基本的な操作などは必須としても、求められる仕事内容によって必要とされるスキルが変わってきます。
基本的に変わらず重要とされるものは、トラブルに際し相手に納得出来る説明をしなければならないことから「コミニュケーション能力」と、素早い障害報告書などの提出に必要な「要点を的確につかむ能力」ではないでしょうか。
業務な内容によって個々に必要とされるスキルは、求人などの応募資格の項目に着目すると明らかとなっている場合は多いものです。
・扱っている製品に特化した、例えばベンダー認定資格などは、その製品を利用しているシステムを扱う場においては有効です。知識レベルを証明するといった意味で、基本情報技術者、応用情報技術者、ITマネージャーといった資格は大変注目されます。
・PMPやITILなどの資格も取得に凡庸的な知識を要することから、レベルの評価には加味されます。あくまでも指針といった感じではあるので、そのままの適応に関してはいささか期待できない面もあります。 これらを基本として、システム運用系で求められる可能性が高いスキルとしては以下のとおりです。
・ ITIL Foundation。
大変初歩的ではありますが、システム運用のプロセスが系統だてて説明されています。
上位資格を取ることでシステム提供側に立つ知識と技術を身につけることとなり、後のスキルアップを助ける資格ともなります。
・ CCNAあたりであればベンダー認定資格とは言えかなりのシェアを誇りますので、活用できる場は多いと考えらます。また専門知識を身につけたいという向上心を表すことができる材料でもあります。
しかしながら実践に勝るものはないと言われていることも確かですので、これらの知識の上に経験値を積み自分のものとしてきた過程が一番大切なスキルであるとも言えます。
平均時給
1600円~2100円
求人例
インターネット接続サービ会社
・駅徒歩3分
・時給2100円~
・残業なしシフト制
・週休二日・即日~長期
これからの動向(ニーズなど)

クラウドの出現により、会社単位での運用・管理の体制は大きく変革を迎えます。このクラウドの活用は、会社内でセキュリティを含む運用・保守の業務に当たっていた人件費の削減をもってコストパフォーマンスの最適化を図るという結果を期待させるものです。
となれば当然その業務に当たっていた人材があぶれてゆくことも考えられ、まさに岐路に立たされることになりました。
しかしプライベートクラウドを構築する大会社も多く、この時により専門性を持った人材の確保に乗り出すであろうと考えられます。
また大変革を遂げる時期も間近に迫り、その時まで知識と技術力の向上に精進することで「波にのる」ということが予想できるのではないでしょうか。
求められる人物像
運用・保守業務は平穏無事であることが会社にとっても一番なのですが、「不測の事態」はかなりの頻度で起こりえます。
その時に冷静沈着であり、的確な判断と細に渡る注意力も持ち得た人物が期待される人材ではないでしょか。また実力社会ということから、若くして人を使う立場になるとも考えられます。
その時に必要とされるのは、高いヒューマンスキルです。コーチング研修やPMPなどの勉強はIT業界に限らず幅広い人間関係に応用できることから、「人間力」の高さを求められる現代社会ではかならず役に立つものです。そうすることによって、求められる人物像により近くなってゆくであろうと思われます。
こんな職種にステップアップ
運用保守業務は、高度な専門知識を求められることがあまりない場合も多いため、より高いレベルのSEやPGを目指すための「入門職種」という位置づけとも考えられます。
よって運用保守業務にあたる方々は、スキルアップをしながらSEやPGへの転身を遂げられているようです。