テキストコミュニケーション力・チャット力向上のための5つのポイント

近年、テレワークが新しい働き方として定着した結果、テキストチャットがコミュニケーションの中心になっている会社がますます増えてきています。

自分のタイミングで作業ができて気楽だと言われる反面、「意見が伝えにくい」「相手の言っていることを理解するのが難しい」という悩みの声もあるのが現状です。

この記事では、チャットやメールで無駄なく円滑なコミュニケーションができるようになるためのポイントを解説していきます。

テキストコミュニケーションにはスキルが必要

プライベートでメールやチャットに慣れている人は、「テキストコミュニケーションのスキル」という部分にピンとこないかもしれません。しかし、仕事としてテキストコミュニケーションをとるからには、気を付けなくてはいけないポイントがいくつか存在しています。

対面のコミュニケーションと比較しながら、メリット・デメリットをきちんと把握して使いこなしていきましょう。

メリット デメリット
対面コミュニケーション ・声のトーン、ジェスチャー、顔の表情等、言葉以外の情報量が多い
・聞いてわからなかった場合、すぐ聞き返して会話のキャッチボールがしやすい
・瞬時にリアクションしないといけない
・言った/言わないの問題が起きやすい
テキストコミュニケーション ・相手の発言に対して、熟考してから返事をすることができる
・記録として残り、あとで見返すことができる
・顔の表情や声のトーン等がわからない
・相手の言いたいことを理解できなかった場合、何度も聞き返しにくい

このように、テキストコミュニケーションは、対面コミュニケーションには無いメリットがある一方で、「表情や声のトーンがわかりづらい」「内容を聞き返すことが難しい」といったデメリットがあります。

対面コミュニケーションでは、相手の話が理解できなかった場合にすぐ対応することができます。互いのリアクションを細かく確認することができ、気になる部分で逐一聞き返しながら言葉を重ねていくことができます。

その点テキストコミュニケーションでは、表情や声から相手の反応を見ることができず、細かい言葉のキャッチボールをすることも難しくなります

重要な話題でテキストコミュニケーションを行う際は、要点をきちんとまとめて一度で相手に伝えるスキルが必要です。これは対面の場合とは全く異なるスキルのため、対面ではコミュニケーション力が高い人も、テキストではそうでないケースも考えられます。

テキストコミュニケーションがうまくいかない場合、予期せぬトラブルが発生する可能性もあります。不毛な誤解や行き違いを無くし、双方が信頼し合えるコミュニケーションを目指しましょう。

テキストコミュニケーションのポイント5つ

ここからは、テキストコミュニケーションを行う際に注意したいポイントについて、具体例とともに見ていきましょう。今回は5つに絞ってご紹介していきます。

書く目的を明確にする

書く目的を明確にする文章を書くときには必ず何らかの目的があります。タイトルや本文の冒頭で、「報告・連絡」「依頼」「提案」「相談」「質問」…などの内容がわかるようにしておきましょう。相手はその内容を確認して、どのくらい急いで対応すべきなのかを判断します。

さらに本文へつなげる際には、もう一段回深堀りして考えることが大事になってきます。

例えばメールの目的が「依頼」であれば、「依頼内容を伝えること」ではなく「依頼を受諾・対応してもらうこと」が真の目的です。同じくメールの目的が「相談」であれば、「相談内容を伝えること」ではなく「相談に対して的確なアドバイスや意見をもらうこと」が真の目的です。

文章のポイント 真の目的のための、文章のポイント
依頼 依頼内容がきちんと書けているか この文章を読んで快諾してもらえるか
相談 相談内容がきちんと書けているか この文章を読んで、欲しい意見やアドバイスがもらえるか

このように、文章を送った上で自分がどのような結果を得たいのかに気を付けて文章を作成するようにしましょう。

例えば、「来週水曜に使う会議資料を用意してほしい」と伝えるシチュエーションについて考えてみましょう。

BAD 来週水曜の営業定例会議で使う資料について、急ぎで用意が必要なので、作成をお願いします。
GOOD <資料作成依頼>
・内容:来週水曜の営業定例会議で使う資料の作成
・期限:来週月曜13:00
・補足:今回は営業部長の事前確認が必要なため、タイトなスケジュールになっています。

以前Aさんに作成をお願いしたときも高いクオリティーで非常に助けられましたので、ぜひ今回もAさんに依頼したいですm(_ _)m

依頼内容を伝えるだけであれば、上記の「BAD」の文章でも十分です。しかし、その内容を相手に伝えた上で了承・対応してもらうには不十分ではないでしょうか。

「BAD」の例では、「なぜ急ぎなのか?」「急ぎっていつまで?」「自分以外には頼めないのか?」など疑問が浮かぶのではないでしょうか。この疑問を返して、それにさらに返信をもらい…とやっていては、余分な時間や手間がかかることになります。

このような不要なやり取りを極力抑えるために、「GOOD」の例では事情を簡潔に提示しました。さらにAさんでなくてはいけない理由なども添えて依頼をしています。

「自分がこの連絡を受け取ったらどう考えるか」という視点も合わせて考えると、GOODのように文章をうまく組み立てることができます。相手も一度で内容を理解し、快諾しやすくなります。

目的をはっきりさせ、読む人の立場を考えた文章を書くことで、目的を果たす文章を書くことができるはずです。

結論や目的を最初に書く

結論や目的を最初に書く伝わりやすい文章を書くためには、すぐに目的や結論がわかる文章を書くことが大切です。

最後まで読まないと結論がわからない文章は読みづらく、相手のストレスになってしまうためです。

例えば、以下の文章を読んでみましょう。

BAD 今後20代向けのブランドイメージを強化していきたい中で、商品Aは30代40代の購入が少ない一方、20代からの多くの支持を受けています。また、クリスマスシーズンに向けて売上が伸びることが予想されます。一方、商品Bは、年間を通じて一定の売上はありますが20代にはあまり刺さっていないようです。商品Bの広告費を削減してもいいと思います。もうすぐクリスマス商戦を迎えますし、商品Aの広告費を増やすべきです。

この文章で伝えたい結論は、「商品Bの広告費を削減して商品Aの広告費を増やすべき」ですね。最後まで読んで、ようやく結論が理解できます。

この結論を理解するまでは、内容が頭に残りづらかったのではないでしょうか。最終的な結論がわからないままでは、文章の進む先がわからず、読む人が迷子になってしまいます

また、途中でわかりにくさを感じると、続きを読む気が失せてしまう可能性もあります。これでは、前半に書かれていた大事な情報がうまく伝わりません。

文章を書く際は、最初に結論や目的を書き、幹→枝→葉という順番で伝えるように心がけましょう。また、幹から枝葉へ細かい流れを作る際には、箇条書きを有効活用していくのがおすすめです。

以上のポイントを踏まえ、先ほどの文章を以下のように修正してみましょう。

GOOD 商品Bの広告費を削減して、商品Aの広告費を増やすべきです。

(1)まず、商品A、Bにはこのような特徴があります。
●商品A:
 ・20代からの支持が多い
 ・クリスマスシーズンに売上が伸びることが予想される
●商品B:
 ・20代の購入が少ない

(2)その上で、私たちが置かれた状況としては、
 ・もう少しでクリスマス商戦を迎える
 ・20代向けブランドのイメージを強化したい

(1)(2)を踏まえると、20代ブランドのイメージが強化でき、クリスマス商戦で売上が期待できる商品Aに広告費を回すべきです。

「GOOD」の文章では冒頭で結論を述べ、その理由を説明するために「商品の特徴」と「自分たちの状況」の2点を説明しています。番号や箇条書きを活用することで、より読みやすい文章になりました。

またこのように順序立てて多くの情報を書き連ねる際は、適度に行間を開けて読みやすくする工夫も大切です。最後にはまとめとして、はじめと同じ結論を繰り返しましょう。

言葉足らずを避ける

言葉足らずを避ける

テキストコミュニケーションでは「言葉足らず」になりやすい側面も持っています。

送られてきた文章の趣旨が分からないと、それだけで相手のストレスになってしまいます。さらに、わからない部分を質問してやり取りするために無駄な時間も発生します。

言葉足らずがこのような悪循環を生まないためにも、まずは「5W1H」に抜けが無いか確認することを心がけましょう。

自分が「暗黙の了解」と考えていても、相手がそうとは限りません。当然と思えるような細かいことほど、案外伝わっていないものですから、きちんと明記するようにしましょう。

ここでも以下のような具体例を見ていきましょう。AさんからBさんへ、資料の添付されたメッセージが届いたと考えてください。

BAD 添付したこの資料、確認してもらってOKだったら提出しておいてください。

一見、やってほしいことが明記された文章に思えるかもしれません。ですが受け取ったBさんは、このような疑問を持つのではないでしょうか。

  • 確認をするのは自分なのか?(Who
  • 資料の何を確認すればいいのか?(What
  • どこに提出すればいいのか?(Where
  • いつまでに確認・提出すればいいのか?(When

    Aさんは、「言わなくてもわかるだろう」と考えて送っているかもしれません。しかしBさんはこの文面では分からないことが多く、結局細かく聞き返すことになってしまいました。

    また手間がかかるだけでなく、Bさんにとっては「こんな適当な文章を送ってきて…」というストレスの原因にもなりかねません。

    チャットやメールを送る際には必ず5W1Hがそろっているかチェックし、一度にすべての情報が伝わるような文章を心がけましょう。

    では先ほどのメールの場合、どのような情報を盛り込むべきだったのでしょうか。

    • Who:Bさんが確認する
    • What:データが最新の情報になっているか確認
    • When:今日の18時までに提出
    • Where:経理部のCさんへ提出
    • Why:X社へ請求書を送るため
    • How:Bさんの持っているデータベースと照らし合わせて確認

    5W1Hがチェックできたら、なるべくわかりやすい文章の形に直して送信しましょう。上記の内容を整理し、AさんがBさんに送ったメールがこちらです。

    BAD 添付したこの資料、Bさんが持ってるデータベースと照らし合わせて、データが最新の情報になっているか自分で確認してください。
    OKだったら、今日の18時までに経理部のCさんに提出しておいてください。X社へ請求書を送るために必要になります。

    ここまで詳細に書くと、もしかするとBさんにとっては「そこまで言われなくてもわかる」という内容も含まれているかもしれません。

    ですがテキストコミュニケーションにおいては、例えわかりきっていることであっても、丁寧に情報を明記する方が無難です。円滑なコミュニケーションを行うためにも、充実したわかりやすい文章を書くことを心がけましょう。

    即レスは大事だけど、送信前の読み返しはマスト

    即レスは大事だけど、送信前の読み返しはマストテキストコミュニケーションを行う際にも、対面のようにテンポよく返事を送ることは重要です。

    ただし速さばかりを意識すると、内容に不備が出てしまう可能性もあります。自分が送る内容は必ず読み返して、きちんと相手に伝わる文章になっているか確認するようにしましょう。

    またイラっとする文章をもらい、カッとなって勢いで返信してしまうことも厳禁です。内容も整理できないことが多いため、後悔してしまう場合もあります。

    なるべく早いレスポンスを心がける際は、以下のようにわかりやすいチェックリストを参考にして、サッと内容を確認してみるのもおすすめです。

    13のチェックリスト
    □ このチャットルームで間違いないか
    □ 宛先、メンション先が正しいか
    □ 必要なファイルは添付したか
    □ 必要な情報が抜け落ちていないか
    □ 主語、述語、目的語が省略されていないか
    □ 5W1Hが抜け落ちていないか
    □ てにをは正しく使われているか
    □ 行間や改行等、視覚的にわかりやすいか
    □ 誤字脱字はないか
    □ 相手の立場に立ったとき、話の内容を理解できるか
    □ 不快にさせないか、失礼になっていないか
    □ 相手の質問に答えているか
    □ 感情に身を任せて書いていないか

    テキストだけに頼らないことも大事

    テキストだけに頼らないことも大事ここまで、テキストコミュニケーションのポイント・コツについて解説してきました。オフィスに直接集まる機会の少ないテレワークでは、つい手軽なテキストばかりに頼りきりになってしまうかもしれません。

    しかし、テレワーク中でも、必要に応じて、音声通話やビデオ通話、対面でのコミュニケーションを使い分けるようにしましょう。

    例えば以下のような場合は、テキストではなく音声や対面でのコミュニケーションが適しています

    • ディスカッションを行うとき
    • 緊急時の連絡
    • ネガティブな連絡

      上の2つは、「こまめな会話のキャッチボールが必要」「その場ですぐに返答が必要」といった状況です。

      またネガティブな内容の場合には、文章のみだと感情が伝わりづらく、必要以上に相手にストレスを与えてしまう可能性があります。

      テキストばかりにとらわれず、柔軟にやり取りすることで円滑なコミュニケーションを心がけましょう。

      まとめ

      今回紹介してきたように、テキストコミュニケーションを円滑に進めるためにはいくつかのポイントが存在しています。5つのポイントはそれぞれ、場面に合わせて使い分けることが大切です。

      しかしすべてに共通して言えるのは、「相手の立場に立って考える」ということです。

      自分の書いた文章を相手の立場で見返し、どう思われるかを考えつつ文章を作れば、おのずとテキストコミュニケーションのスキルも上がっていくはずです。