
編集部の石崎です。
転職活動を効率的に進めたい方は、「転職するまでにかかる平均期間」を押さえておくことをおすすめします。
期間の目安やスケジュールを事前に把握しておくことで、転職活動を始めるベストタイミングを見極めやすくなるためです。
そこで、今回は転職活動の期間に関するアンケートデータをもとに、目安にしたい活動期間やタイミング、スケジュールの流れをまとめました。
さらには早く転職を成功させるポイントや、転職活動が長引いてしまう場合の原因と対処法についても詳しく解説していきます。
転職活動の期間は「1〜2ヶ月以内」が3割で最多

転職経験のある方(245名)を対象に実施した独自のアンケートによると、転職活動にかかった期間で最も多いのは「1〜2ヶ月以内」が3割でした。
また、「1ヶ月未満」と「3〜4ヶ月」を合わせると、約7割の方が「4ヶ月以内」に内定を獲得していることがわかりました。
【「転職活動にかかった期間は?」のアンケート結果(2021年4月23日実施)】※割合の多い順にランキング
1~2ヶ月 | 34.38% |
---|---|
3~4ヶ月 | 22.27% |
1ヶ月未満 | 19.53% |
5~6ヶ月 | 13.67% |
11~12ヶ月 | 4.30% |
7~8ヶ月 | 3.13% |
13ヶ月以上 | 1.56% |
9~10ヶ月 | 1.17% |
上記のように短期間で転職を成功させている方が多い理由としては、近年において「転職エージェント経由で転職するケースが多い」点が挙げられます。
転職エージェントを利用すると求人探し~内定までのスケジュールを効率的に進めやすい傾向があり、数週間で転職先が決まるといった事例も少なくありません。
ただし、転職するまでの期間は個人差が大きく、転職希望者の年齢や希望条件などによって左右されます。
なかには応募先を見つけるまでに1年以上の期間を費やすケースも見られるため、上記のデータはあくまで目安として押さえておくとよいでしょう。
転職活動期間の本音は「3〜6ヶ月」|5ヶ月以上かけてじっくり転職活動したい人が3割
ちなみに、上記と同じ転職経験者(245名)に「転職活動に必要だと思う期間は?」とうかがったところ、先述の「実際にかかった期間」のアンケートとは少々異なる結果となりました。
【「転職活動に必要だと思う期間は?」のアンケート結果(2021年4月23日実施)】
※割合の多い順にランキング
3~4ヶ月 | 31.70% |
---|---|
1~2ヶ月 | 28.50% |
5~6ヶ月 | 22.80% |
1ヶ月未満 | 7.30% |
11~12ヶ月 | 4.90% |
7~8ヶ月 | 2.40% |
13ヶ月以上 | 1.60% |
9~10ヶ月 | 0.80% |
「転職活動にかかった期間は?」のアンケート結果と比較すると、「1~2ヶ月」や「1ヶ月未満」の割合が小さい結果となりました。
逆に「3~4ヶ月」や「5~6ヶ月」の割合が大きく、5ヶ月以上が約3割を占めています。
以上のことから、とにかく早く転職先を決めたいというよりも、ある程度じっくりと時間をかけて転職活動を進めていきたいと考える方が多い印象です。
転職は企業調査や自己分析といった「準備期間」をきちんと設けることが大切なので、そういった下準備をしっかりと行いたい方ほど余裕を持ったスケジュールで転職活動期間を見ておくことをおすすめします。
転職のタイミングは在職中が7割|離職後は焦る可能性があるので注意


できるだけ在籍中に転職活動をすることをお勧めします。
転職までにかかる期間の目安を踏まえたうえで検討したい点が、「転職活動を始める時期」についてです。
大まかなタイミングとしては「在職中」と「離職後」の2択ですが、特に初めて転職する場合は「いつから転職活動を始めようか」と迷うこともあるかもしれません。
ちなみに転職経験のある方(245名)を対象に実施したアンケートにおいては、在職中に転職活動を始めた方が68.3%、離職後に始めた方が21.7%でした。
ただし、「在職中」と「離職後」のどちらにもメリット・デメリットがあるため、以下でご紹介する内容を参考にしながらご自身に合うタイミングを見極めることが大切です。
在職中に転職活動をするメリット・デメリット
まずは、在職中に転職活動を行う場合の主なメリット・デメリットを見ていきましょう。
在職中に転職活動をするメリット
- 経済的な不安がない
- 焦らずに転職活動を進められる
- ブランクなく次の仕事に就ける
在職中の転職活動における最も大きなメリットは、安定した収入があるため経済面の不安がないことです。
貯金のことを考慮して「早く転職先を見つけないと…」と焦ることなく、精神的に余裕を持って転職活動を進められます。
また、転職までのブランクがない(失業期間がない)ことで、選考に有利である点も注目したい魅力です。
ブランクがあることによって「なぜ退職したのか」と疑問を持たれることがなく、「現職にも意欲的に取り組んでいるものの、魅力ある御社にてさらなるステップアップを目指したい」というような前向きな姿勢をアピールできます。
在職中に転職活動するデメリット
- 現職との両立が大変
- 転職活動する時間が限られる
在職中に転職活動するデメリットとしては、現職と転職活動とを並行して行うことで忙しくなる点が挙げられます。
現職の合間やプライベートの時間に活動を進めていく必要があるため、思うように選考が進まない可能性もあるでしょう。
特に大きな仕事を抱えている時期、あるいは繁忙期においては、必然的に活動には集中できなくなります。
場合によってはダラダラと長引く恐れもあるため、転職活動を始めるタイミングは事前にしっかりと見極めることが重要です。
離職後に転職活動をするメリット・デメリット
一方で、離職後に転職活動を行うメリット・デメリットは以下の通りです。
離職後に転職活動するメリット
- 転職活動にじっくりと時間をかけられる
- ほかのことに気を遣うことなく、活動に集中できる
離職後に転職活動する魅力は、やはり時間に余裕があることです。
応募先の選定や書類作成、面接対策など、活動におけるさまざまなステップを慎重に進められます。
活動スケジュールも自由に立てられるため、たとえば複数企業との面接を同日に設定することも可能です。
また、この日は活動に専念し、この日はゆっくりと休むというように、メリハリのある生活をしやすくなります。
離職後に転職活動するデメリット
- 転職するまで収入がない
- 無職の期間が長いと、企業に悪い印象を与える傾向がある
離職後に転職活動をする最大のデメリットは、毎月の収入が途絶えることです。
活動が長引けば長引くほど生活が苦しくなるため、場合によっては転職先を妥協してしまい満足の転職ができない恐れもあります。
ちなみに失業期間中は「失業保険」が適用されますが、申請をしてもすぐに受け取れるわけではありません。
転職活動中の生活費はもちろん活動にかかる経費なども考慮すると、ある程度の貯蓄がなければ離職後に活動するリスクは大きいと言えます。
さらに注意したい点が、離職期間が長いと選考の際に不利になる可能性があることです。
面接時には「なぜブランク期間があるのか」について聞かれるケースが多く、転職先が決まらずに活動が長引いてしまうとあまり良い印象は持たれないでしょう。
以上のように「在職中」にも「離職後」にもそれぞれ異なるメリット・デメリットがありますが、離職後に転職活動を行うデメリットの大きさを考慮すると「在職中に活動を始める」ことをおすすめします。
もしも「今の会社をすぐに辞めたい」と思っても、上記で挙げた内容を踏まえたうえで冷静に今後のプランを検討するほうが得策です。
転職活動の流れとスケジュール|準備〜採用までにかかる期間


ざっくりでいいので、スケジュール感を捉えるようにしましょう!
転職活動の期間やタイミングのイメージができたら、転職活動の流れをもとにしながら具体的なスケジュールを立ててみましょう。
効率的に転職するためには「いつまでに転職する」と目標を掲げることがポイントで、準備~採用までの各ステップにかける期間を明確にしたうえで逆算して活動スケジュールを立てることが重要です。
そこで、以下では一般的な転職活動の流れを解説しながら、それぞれのステップにおける期間の目安についてまとめました。
ぜひ参考にしながら、目標達成のために必要な活動期間や活動を始めるタイミングを見極めてみてください。
【ステップ1】なぜ転職したいのか、転職先の希望や条件の整理(1~2週間程度)
転職を決意したら、初めの1~2週間で「転職したい理由」の深堀りや希望条件の整理を行いましょう。
退職を決めた理由は何か、転職先で何を実現したいのかなどを明確にすることで、満足の転職を遂げるための希望条件が自然と見えてきます。
【ステップ2】自己分析・エントリーシートの作成(1~2週間程度)
次に、じっくりと「自己分析」を行います。
その際はノートなどにご自身の強みや弱み、所有している資格、実績について書き出して可視化させることで、アピールポイントや転職の方向性がスムーズに定まります。
この自己分析を怠ると途中で転職の目的を見失いやすくなり、希望条件がブレたり、妥協して転職先を決めたりなどのリスクがあるため注意しましょう。
可能であれば【ステップ1】と同様に1~2週間程度かけて自分自身と向き合い、転職先へのアピールの仕方を定めてからエントリーシートを準備することをおすすめします。
【ステップ3】転職先を探す(2週間~1ヶ月程度)
続いては、いよいよ転職先を探し始めます。
求人情報をこまめにチェックし、ステップ1・2で明確にした希望条件やご自身の適性にマッチする求人をリストアップしていきましょう。
ちなみに、求人情報は転職エージェントや転職サイト、ハローワーク、求人情報誌などで収集できます。
気軽に利用できるツールとしては転職サイトや求人情報誌がおすすめですが、どちらも自分主体で活動を進めていくため応募先の選定に時間がかかりやすい点に注意が必要です。
もしも応募先の情報収集や選定を効率的に行いたい場合には、キャリアアドバイザーによる親身なサポートを受けられる転職エージェントを利用されるとよいでしょう。
また、地域に密着した仕事に就きたいとお考えなら、地元企業とのつながりが深いハローワークを活用するのもおすすめの方法です。
【ステップ4】面接(2ヶ月程度)
志望企業が決まったら、応募→選考へと進みます。その際は1社ずつ応募するのではなく、同時に複数の企業へ応募するほうが効率的です。
実際に転職経験者(245名)を対象として実施した「採用されるまでに応募した会社数」に関する独自のアンケート調査結果を見ても、75%以上の方が複数の企業への応募を経て内定に至っていることがわかります。
【「採用されるまでに応募した会社数は?」のアンケート結果(2021年4月23日実施)】※割合の多い順にランキング
6社以上 | 29.55% |
---|---|
1社 | 23.89% |
3社 | 17.81% |
2社 | 17.00% |
5社 | 7.69% |
4社 | 4.05% |
複数の企業へ同時に応募することにより、転職活動が長引くリスクをぐんと軽減できます。
また、ほかの企業と比較検討できる点も大きなメリットで、活動を進めるなかでご自身に最適な企業を見つけやすくなるでしょう。
ただし、同時に応募すると選考も同時に進んでいくため、面接などのスケジュール管理が難しくなる点に注意が必要です。
やみくもに応募するのではなく、ご自身がしっかりと管理できる範囲内で応募・選考に臨みましょう。
【ステップ5】内定・退職(1ヶ月半~2ヶ月程度)
企業から内定をもらったら、内定の承諾、あるいは辞退の意思表示を行いましょう。
そして、在職中に活動をしている場合には退職の申し出や手続き、引き継ぎといったステップへと進みます。
内定~退職までの期間は人それぞれですが、目安としては1ヶ月半~2ヶ月程度を見ておくとよいでしょう。
事前に引き継ぎの流れをシミュレーションしたり、書類を用意したりなど、しっかりと準備しておくことがスムーズに退職するポイントです。
早く転職先を決めたい方におすすめしたい方法3選


できるだけ早く転職先が見つかる方法をお伝えします。
ここまで一般的な転職活動のステップと期間をご紹介しましたが、「できれば1ヶ月程度で転職先を決めたい」など短期間での転職を希望する方もいるかもしれません。
そこで、以下では早く転職するためのコツを3つご紹介します。
複数の転職エージェント・転職サイトに登録する
まずおすすめしたい方法が、複数の転職エージェント・転職サイトに登録することです。
サービスによって所有している求人情報やサポート内容が異なるため、複数のサービスを活用することでご自身に合った転職先を見つけやすくなります。
面接回数が少ない企業を選ぶ
面接回数が少ない企業に応募することも、早期に転職先を決めるために有効な方法です。
なかには転職希望者の負担を減らすために「面接は1回のみ」としている企業も存在するので、求人情報に記載されている面接回数にも注目しながら応募を進めてみてはいかがでしょうか。
職種や業種の幅を広げてみる
職種や業種をピンポイントで限定せず、視野を広げて求人情報をチェックすることもおすすめの方法です。
選択肢が多いほうが条件に合う求人を見つけやすくなり、早い段階で応募や選考、内定へと進める可能性が高まります。
転職活動期間が長引く原因とは?対処法もチェック


注意点を押さえておけば、転職活動も長引かずに終わらせることも可能です。
上記では早く転職するコツをご紹介しましたが、短期間での転職を目指して活動を行っていても「思うように転職活動が進まない」「なぜ早く転職先が決まらないのかわからない」と不安になることもあるかもしれません。
以下では転職活動期間が長引く場合の主な原因と対処法をご紹介するので、上手くいかずに悩んだときはぜひ参考にしてみてください。
転職理由や方向性が定まっていない
たとえば「とにかく早く今の会社を辞めたい」「現職とは別の仕事がしたい」といったあいまいな理由で転職活動を行っても、企業とのニーズがなかなかマッチせずに活動が長引く傾向があります。
ぜひ改めて自己分析を行ってご自身の魅力を見つめ直し、「どのような職種や業種、企業なら自分の個性や能力を活かせるか」を考えながら前向きな姿勢で応募先企業の選定を行ってみましょう。
目標に合ったスケジュールが設定されていない
スムーズな転職には「いつまでに転職を成功させたい」と明確なゴールを決めることが大切で、無計画のまま活動を進めるとダラダラと長引く恐れがあります。
先述の「転職活動の流れとスケジュール」の項目を参考にし、いつまでに何をやるべきかが明確にわかるような細かなスケジュールを立てることが大切です。
応募先企業に合った自己アピールができていない
いくら上手に自己アピールを行っても、それが志望企業のニーズにマッチしていなければなかなか内定にはつながりません。
企業は「自社に貢献し、活躍してくれる人材」を求めているため、ご自身に合っていない企業ばかりに応募していないかどうかを今一度振り返ってみましょう。
また、志望企業に「この人材が欲しい」と思ってもらうためには、企業研究を念入りに行うことも重要なポイントです。
企業のホームページなどで事業の方向性や求められている人材を見定め、ご自身との接点を見つけたうえで応募書類の作成時や面接時にアピールするようにしましょう。
転職活動期間の目安を知り、スケジュールを入念に立てることから始めよう

転職活動にかかる期間は人それぞれですが、平均的な期間を知ることで転職を始めるタイミングを見極めやすくなります。
また、あらかじめ転職活動の流れを押さえておくことで、ひとつひとつの活動を効率的に進めていけるでしょう。
もしも短期間で転職を決めたい場合には、複数の転職サイト・エージェントを利用する、面接回数の少ない企業を選ぶなどの工夫をすることをおすすめします。
ぜひここでご紹介した内容を参考に、まずは転職活動のスケジュールを入念に立てることから始めてみてください。