派遣社員と正社員、それだけを聞くと「当然、正社員の方がいいでしょ」と思いますね。でも実は、派遣社員で働くメリットも非常に大きいのです。ここでは、正社員と派遣社員、それぞれの良さやデメリットについて説明します。
派遣社員と正社員で働くメリットとデメリット

派遣社員と正社員の違いをわかりやすくまとめました。
派遣社員 | 正社員 | |
---|---|---|
給料 | 実力とスキル次第で高い時給に | 会社の規定による |
雇用形態 | 契約により更新 | 無期雇用 |
福利厚生 | 大手派遣会社ならば大企業なみ | 社保加入 福利厚生充実 |
昇給 | 交渉あり 高い時給求人を見つける | 会社による |
有休取得 | あり | あり |
残業 | あり・なしを選べる | 企業の指示に従うのが基本 |
仕事内容 | ・契約時に業務内容を確認 ・契約以外の仕事はしなくてよい ・やりたい仕事を探してもらえる ・長期休暇も仕事の入れ方で確保 |
・基本は企業が決定する ・部署替えあり ・転勤もあり得る |
(1)正社員最大のデメリットは「会社次第」なところ
多くの人が正社員を望みます。しかし、正社員になる最大のデメリットは「勤める会社次第」な点です。つまり給料も上司も人間関係も仕事内容も、基本的に自分で選べません。入社した企業の規模や方針によって決められてしまいます。
大手でも中小企業でも、自分に合った職場でやりたい仕事に就き、満足のいく給料を貰えるのなら最高です。しかし、現実にはほとんどの人が多少の差こそあれ、「勤務先に対する不満」を抱えています。
(2)正社員のメリットは「安定感」
それでも正社員のメリットは「安定感」です。現在では終身雇用が保障されているものでもありません。でも、基本的には無期雇用であり、定年まで無事勤め上げれば生涯賃金も高くなります。
(3)派遣社員のメリットは「働き方を選べる」こと
派遣社員は「自分の希望どおりに」働く事が可能です。例えば、女性の場合には結婚や出産、育児といったライフステージの変化があります。派遣社員であれば、新婚当時は「短時間勤務」で、出産をはさんで数年間お休みをし、保育園に入れなくても幼稚園に預ける時間帯だけを選んで働く、小学生になれば夏休みなどの長期休みには仕事を入れずに子どもと過ごす。派遣なら自分に都合の良い方法で働けます。
残業のある・なしも選べます。期間も自分で自由に設定できます。半年ぎっちり働いて、次の2ヶ月や休んで旅行や趣味に没頭するといった働き方も可能です。
(4)派遣社員のデメリットは「次の仕事があるか」不安な点
派遣社員には「ずっと仕事がある」、正社員のような無期雇用ではありません。ですから「安定性に欠ける」不安はあるでしょう。このデメリットは、複数の派遣会社に登録し解決出来ます。仕事が見つからない=求人がない、のです。いくつかの派遣会社に登録すれば、それだけ求人数も増えます。ブランクをあけることなく、タイミング良く次の仕事を入れていくのも可能です。
こんな人は派遣社員が向いている

では、どんな人が派遣社員に向いているでしょうか。具体的に「○○なアナタ」がなぜ派遣に向いているかを解説していきましょう。
あなたは「派遣社員」の方がいい!
- 「飽きっぽくて仕事が続かない」あなた
- 「育児と仕事の両立に苦労している」あなた
- 「家計が苦しい!パートで働いてる」あなた
- 「職場の人間関係で悩んでいる」あなた
- 「零細企業はウンザリしている」あなた
- 「実は正社員になりたい」あなた
- 「専門スキルがあるのに給料安い」あなた
1:「飽きっぽくて仕事が続かない」あなた
意外と多いのが「社会人になって言いづらいけど、飽きっぽくてどうしても仕事が続かない」人です。親や周囲の人に心配をかけつつ、一生懸命頑張ってみているけど「同じ会社にいると息苦しくなってくる」そんな人こそ「派遣」がベストです。短いサイクルで転職を繰り返すくらいなら、派遣社員として様々な仕事に挑戦してみましょう。
2:「育児と仕事の両立に苦労している」あなた
保活も大変だったのに、その後は時短勤務も終了してしまい「育児と仕事の両立」がうまくいかないママも多いですね。子どもに淋しい思いをさせているのではないか、と悩んでいる人もいます。派遣ならば「週4日」「17時定時終了で残業なし」「夏休みはまるまる仕事を入れない」といったスケジュールで働けます。子育て中にキャリアダウンする心配もなく、子どもとの時間を確保しながら、仕事を続けられるでしょう。
3:「家計が苦しい!パートで働いてる」あなた
はっきり言えば、パートより派遣社員になるほうがはるかに稼げます。同じ事務職でもパートなら1000円の時給が、派遣ならば1300円、1400円と高くなります。さらに派遣会社のスキルアップ講座を利用して実力をつければ、時給1500円以上の仕事も見つかります。昇給もほとんどないパートよりも高い時給を目指せる派遣が向いています。
4:「職場の人間関係で悩んでいる」あなた
企業の中での上司と部下、同僚同士、派閥やお局様の存在。他にもランチの誘い合い、飲み会が断れない・・・職場の人間関係が煩わしく、大きなストレスとなっている場合には派遣がお勧めです。派遣社員は規定どおりの仕事をし、時間になったら帰宅出来ます。面倒な職場の人間関係に巻き込まれることなく、仕事に集中できます。
5:「零細企業はウンザリしている」あなた
家族経営で職員はたった3人。給料も安いし、刺激のない毎日でスキルアップなど望めない。あるいはワンマン社長の下、サービス残業ばかりのブラック企業で働いている。「本当は社会に名の通った大企業で働いてみたい」そう思っているなら、派遣に登録しましょう。通常では入社が難しい大企業でも、派遣社員を多く採用しています。
6:「実は正社員になりたい」あなた
正社員になりたいけれど、就活で失敗した。復職したいけど、なかなか採用されない。そんな「あなた」も派遣にぜひ登録して下さい。一定期間派遣として働き、その後は双方同意すれば正社員登用という「紹介予定派遣」があります。紹介予定派遣を利用して、上場企業や有名企業の正社員になった人も沢山います。
7:「専門スキルがあるのに給料安い」あなた
特にIT関係やクリエイティブ系、SEやプログラマー、WEBデザイナーなど専門的なスキルがある人。語学力があったり、簿記などの資格を持っている人。勤務先の給料に不満があるなら、派遣になるのもひとつの方法です。専門スキルがある人は特に大都市圏では高い時給の求人になっています。SEなら時給3,000円も珍しくありません。ひとまず、高い時給を得られるうちに稼げるだけ稼ぎ、一定の年齢になったら紹介予定派遣で正社員を目指すのも良い方法です。
派遣から正社員登用という道

「派遣に向いている人」の中で出てきた正社員登用を前提としている〝紹介予定派遣〟をもう少し詳しく見ていきましょう。
紹介予定派遣とは
一定期間(おおむね3ヶ月から半年以内)派遣として働きます。その後、企業と就労者双方が同意したら「正社員登用」となります。
まず派遣として企業で働けるので、実際の業務内容や職場の雰囲気、残業の有無などが確認できます。仕事を体験してから入社するので「会社に入ってみたら、思っていたのと全然違う!」こんなミスマッチがありません。基本的によほど勤務態度が悪くなければ(例えば欠勤や遅刻が多いなど)、企業は正社員として採用します。
派遣社員でずっといるのは不安、という人や中途採用でなかなか正社員になれない人などにも大変人気があります。その為、唯一の難点が「紹介予定派遣の求人が少ない」ことです。また、1人の採用に対して多くの応募があるケースも目立ちます。
そこで複数の派遣会社に登録するのがお勧めです。1社なら紹介予定派遣求人が月に1〜2度しかチャンスがないかもしれませんが、3社なら3倍です。
より条件が良い派遣求人を探すコツ

紹介予定派遣でも「少しでも多くの求人を貰うために」複数の派遣会社に登録することをお勧めしました。これは、紹介予定派遣に限らず、派遣社員として働くなら「基本のコツ」です。
まず、2〜3社の派遣会社に登録をしましょう。
- 求人数が増える
- 同じ仕事でも派遣会社で時給が違うので比較して選べる
- 自分に合った派遣会社や担当者を見つけやすい
正社員より「派遣として働く方が合っている」人は意外と多いものです。
まずはいくつか大手の派遣会社をピックアップし、サイトや派遣会社の口コミをチェックしてみて下さい。登録し、担当者と実際に話してみて、これからの自分にベストなワーキングスタイルを見つけましょう!