
編集部の加藤です!
今回は派遣の労務の仕事内容や必要なスキル、実際に働いた人からの口コミなど、詳しく紹介していきます。
労務の仕事内容と1日のスケジュール

労務の一日のスケジュールを一挙公開します!
派遣社員として労務のお仕事する場合には、所属する部署によって若干仕事の中身が変わりますが、基本的には従業員の「給与」や「勤怠」に関わるお仕事になります。
労務は、会社の中でも重要な「給与」や「社会保険」、「労働法規」の知識も深めることができるお仕事なので、正社員登用や転職のチャンスも高まります。
それでは、労務のお仕事の詳しい中身を見ていきましょう。
労務の1日のスケジュール、流れ
ある労務の派遣経験者の1日のスケジュールを紹介します。
基本的にはその日の業務指示を社員から受けてお仕事開始です。
9:00 | メールの確認を行い、当日の仕事(年金、勤怠など)に関して社員から指示を受けます。 その後、管理表に記載のある業務を順番に処理していきます。 |
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12:00 | 昼休み。社員や他の派遣社員と一緒にランチに行きます。 |
13:00 | 午前中の業務の続きや、数字を扱う資料(労務費分析等の作業)作成を実施。 |
15:00 | グループミーティングに参加します。スケジュール共有や仕事の割り振りなども話します。 |
16:00 | 新たに指示を受けた仕事を追加で行います。 |
17:30 | 当日の業務の確認と報告をします。 「どこまで仕事が終わったか?」「問題点や改善点はないか?」といった内容です。 |
18:00 | 残業の指示がなければ速やかに退社します。 |
労務の1日のお仕事の流れはイメージできたでしょうか?
労務の派遣で行う具体的なお仕事は以下のようなものがあります。所属する部署によっては行わない業務もあるので、参考にご利用ください。
労務の仕事内容
お仕事 | お仕事の詳細 |
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メール・電話連絡 |
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勤怠管理 |
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給与の計算 |
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福利厚生の 対応 |
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保険関係の 手続き |
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安全衛生管理 |
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労務に必要なスキルとあると有利な資格

ここでは労務になるためのスキルと資格について紹介します!
労務は「勤怠管理」や「給与計算」など、従業員が働く上で重要な数字に関わるお仕事が多くあります。
労働法規に関わるような仕事もあるので、働くだけで総務や人事にも関わるような専門的な知識を身につけることができます。
また、労務に関連する専門的な資格を取得すれば、派遣職であっても社内での評価はグンと上がります。
必要なスキル
労務の仕事には法律に関わるような仕事もあって「難しそう」と思うかもしれません。
しかしご心配なく! 仕事のやり方は就労してから覚えることができます。
労務のお仕事で学んだことは、また別のお仕事にも活かせるので、働きながら労務に必要なスキルを磨きましょう。
ここでは、労務に必要なスキルを紹介します。
- 事務・パソコンスキル
- コミュニケーションスキル
- 給与計算の基本知識
- 勤怠管理の基本知識(36協定など)
- 「働き方改革」など労務に関わる国の取り組みの知識
事務・パソコンスキル
労務のお仕事は、書類やパソコンを使った仕事が多くあります。
そのため、基本的な事務処理能力や「Microsoft Office(特にWordとExcel)」などのパソコンスキルが必要となります。
コミュニケーションスキル
他の業種と同様に、労務のお仕事も「ホウレンソウ」が重要となります。
勤怠関係や社員の労務上のトラブルが予想される場合は、上司に情報共有を行って相談しなければいけません。
また、社員から年金や福利厚生などの問い合わせが来る場合もあるので、コミュニケーションスキルも重要なのです。
給与計算の基本知識
給与計算は、派遣で労務として働く上で最も関わりの深いお仕事です。
会社によって給与計算のフォーマットやシステムが違う場合もあります。
しかし、給与計算の基本的なスキルを持っていれば、どの企業でも活躍することができます。
勤怠管理の基本知識(36協定など)
勤怠管理は非常に重要です。
過度な時間外労働は、社員の精神的・肉体的な病気の原因にもなります。
また、「36協定」や「労働基準法」に抵触するような時間外勤務がある場合は、労基署から注意勧告を受けることもあります。
労務として働いていく中で自然と知識を深められますが、勤務時間が危険な領域にあることに気づくことも重要なスキルです。
「働き方改革」など労務に関わる国の取り組みの知識
2019年4月から「働き方改革」が施行されましたが、労務に関わる大きな変更点が3つあります。
- 【1】時間外労働の上限規制の導入(原則として月45時間年360時間)
- 【2】年次有給休暇の確実な取得(年5日の取得義務)
- 【3】正規・非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の禁止(同一労働同一賃金)
こういった労働関連法案の理解を深めておくと、社内でのお仕事もスムーズに進めることができます。
仕事に関わる大きな制度変更は、ニュースでも分かりやすく解説されます。
労務として働く場合は、ちょっとアンテナを張っておきましょう。
あると有利な資格
労務のお仕事は、労働法規に関わることから社員のお金に関わることまで、専門的で幅広い分野を経験できます。
ここでは、労務として働いていく上で、社内での評価が上がる有利な以下の5つの資格について紹介します。
- 社会保険労務士(社労士)
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- 年金アドバイザー
- 給与計算実務能力検定
- メンタルヘルスマネジメント検定
社会保険労務士(社労士)
言わずと知れた、労務に関する最難関の国家資格です。
社会保険全般や労働法・労災法まで、労務管理に必須の法律知識も備わっているスペシャリストと認められる資格です。
厚生労働省によると、国家資格の中でも合格率は低く、2018年の合格率はなんと「6.3%」。
過去10年間の最低合格率は平成27年度の2.7%です。
総務や人事担当などにも求められる資格で、ファイナンシャルプランナーなどの資格と組み合わせれば、正社員登用はもちろん独立開業も可能な資格です。
社労士は難易度がかなり高い資格なので、「年金アドバイザー」や「ビジネス実務法務検定」といった関連資格から段階的に取得していきましょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)
金融系や保険業の資格というイメージが強いファイナンシャルプランナー(以下FP)ですが、社員の給与や社会保険に関わる労務にも役立つ資格です。
社労士は労務の「法律面」に関する専門家としての評価が高い資格ですが、FPは社会保険分野の「お金」について詳しい知識を学ぶことができます。
日本FP協会によると実務に直結するレベルである「FP2級」の合格率は40%程度で、国家資格ほどの難易度ではないので取得を目指してみましょう。
年金アドバイザー
労務のお仕事には、厚生年金に関わるお仕事もあります。
年金アドバイザーは金融系の資格として知られていますが、年金を扱う労務にとっても役立つ資格です。
年金の制度は、受給開始年齢や受給額の変更が以前に比べて変化しており、今後も年金制度の変更が予想されます。
年金についての詳しい知識を持ち、社員に対して年金の仕組みを説明できる立場である年金アドバイザーは、労務としての評価も高まります。
2級まで頑張って取得すれば、社労士の勉強にも活かせます。
給与計算実務能力検定
労務のお仕事の中でも最も重要な、「給与計算業務」に関わる知識と実務能力を証明するための資格です。
実務能力開発支援協会によると、試験は1級と2級があり、「2級」は労務にとって基本的な給与計算と給与明細の作成に関する能力を求められ、合格率は70%前後です。
「1級」になると税務や労働法に関する知識を求められ、社会保険などを含めた複雑な給与計算の実務能力があることを証明できます。
給与計算実務能力検定の1級を持っていれば、給与計算業務ではリーダー格として認めてもらえます。
メンタルヘルスマネジメント検定
労務のお仕事には勤怠管理はもちろん、社員の健康管理も求められる場合があります。
メンタルヘルスマネジメント検定は、社員の心のケアに関する知識を持っている証明になります。
メンタルヘルスマネジメント検定は、1種から3種まであります。3種は「セルフケア」、2種は管理職層に必要な「ラインによるケア」、1種は社内全体のメンタルヘルスを統括できるレベルの知識があることを証明できます。
メンタルヘルス・マネジメント検定試験によると、1種は合格率が10〜20%程度ですが、2,3種は60%以上の合格率です。
2種と3種を同時に取得しておくと、派遣職の労務担当としても一目置かれる存在となれるでしょう。
労務に就くメリット・デメリット

ここでは労務に就くメリットやデメリットについて紹介します!
派遣であっても、労務職は、従業員の生活に関わる重要な数字を扱う非常に責任あるお仕事です。
お仕事をしながら専門的な知識も学んでいく必要があるため、労務職ならではのメリットやデメリットがあります。
労務のメリット・やりがい
労務職を経験することで得られるメリットや、労務職のやりがいは以下のようなものがあります。
- 事務やパソコンのスキルが向上する
- 会社や従業員にとって大事な責任あるデータを扱える
- 会社のお金に関する知識を学ぶことができる
事務処理能力やパソコンスキルを高められる
労務の代表的な仕事である「給与計算」は、会社のシステムを利用する場合もあれば、Excelシート上で計算を行う場合もあります。
ExcelやAccessのマクロの作成や、VLOOKUPなどの関数を駆使して作業の効率化を図ることでパソコンのスキルも上達します。
また、社会保険や福利厚生の各種手続きなども行う必要があるので、事務処理能力も高まります。
給与や保険など責任のある業務を行うことができる
給与や社会保険に関わる業務は、どこの会社でも必ずある責任ある業務であり、これらのスキルを磨けることは大きなメリットです。
労務のお仕事は経験がないと雇ってもらえないことも多く、経験を積むことで正社員登用や転職が有利になることもあります。
社内のお金にまつわる知識を深めることができる
労務の仕事は社員の報酬に関わることが多く、社内のこと(役員体制や給与情報等)がよくわかるようになります。
また、厚生年金や各種手当ての知識も豊富に学ぶことができます。
労務のデメリット・大変なこと
労務職を経験することによるデメリットや、労務職を行っていて大変なことは以下のようなものがあります。
- 「勤怠管理」「給与計算」などミスが許されない仕事が多い
- ほぼ自席でひたすらパソコンと向き合った仕事になる
- 同じ仕事の繰り返しになりやすい
社員の給与などお金に関わることなのでミスが許されない
労務で扱う数字は、従業員の生活に関わる給料や、退職後の人生に関わる年金といったものを扱います。
そのため、各種の数値計算のミスや、手続き書類の不備などは許されません。
書類やパソコンと一日中向き合うことが多い
労務のお仕事は、基本的にパソコンを使用した計算や書類作成、社会保険に関わる書類手続きなどがメインです。
それらの業務を従業員全体に対して行うため、ほぼパソコンや書類と睨めっこになります。
ルーチンワークになりやすい
労務のお仕事は、労務に関連する計算や手続きなど、基本的に同じことの繰り返しです。
毎日のルーチンワークに飽きてきたり、変化が少ないため自身のスキルアップや成長を感じにくい側面もあります。
労務の年収、月給、時給相場

最も気になるであろう労務の平均時給などを紹介します。
関東全域での平均時給から、月給や年収を計算した結果は以下の通りです。 関東全域での労務派遣職の平均時給は1,712円でした。1日8時間勤務で20日間の勤務の場合、平均月給は273,920円となります。
ここから平均年収を計算すると、おおよそ329万円近くになります。 ちなみに、東京23区内の平均時給は1,750円です。
あくまで関東全域の労務派遣求人の一部のデータですが、「OA事務」の平均時給が1,565円、「営業事務」の平均時給が1,575円なので、比較的時給が高い事務職であることがわかります。
派遣で労務を経験した人の口コミ評判

最後に労務で働いたことの口コミについて紹介します!

労務に携わることで、以下のようないろいろな知識を身につけることができた。
給与計算、給与・賞与支払に関する経理処理、年末調整、勤怠管理、入退職に関わる事務手続き、社会保険手続き、社内規定の知識

給与計算作業の効率化のために、エクセルの関数などを検索したり独学で勉強したりしました。
「Microsoft Office」のスキルは結構付いたと思います。

お金に関わることなので、相手が派遣であっても関係なく厳しいクレームも多いです。
何かミスをしてしまった時の金額も大きいので、社員への細かな確認作業は必須です。

PCなどの基本操作はどこへ行っても活かせるし、給与計算などを早く正確に処理するように心がけて働くのは楽しい。

細かい計算などが苦手な人でも、給与計算などは慣れてできるようになる。
作業を効率化して、月収アップにつなぐことができる。

営業などのように外で働く仕事ではないので、基本的には社内だけで業務を行えるのが労務職のメリットです。

決まっている作業しかないので、疲れやすく仕事がなかなか終わらない時もある。
根気よく作業する力が必要で、突然仕事が増える時など、何事にも動じないことが重要だと感じた。

給与計算や社会保険の手続きなどを理解するのに苦労した。
わからないことは積極的に社員さんに確認しましょう。慣れてしまえば仕事も早く終わります。

年末調整など、年に数回はまとまって忙しくなる時があります。
経理の方との連携が必要な時もあって、なかなか休みを取りくくなる時もあります。

一般事務のお仕事よりも責任ある仕事を任せられるので、やりがいを感じます。
転職する時にも、労務として経験した給与処理や勤怠管理などの知識は評価されると感じています。