30代の未経験転職を成功させるコツ|仕事探しのポイントと手順

30代の方なら、自分のキャリアについて一度は悩んだことがあるのではないでしょうか?

「いろいろと経験したからこそ、今の仕事は自分に合っていないのがよくわかった」
「でも、30代で未経験職種にチャレンジするなんて無謀かな」

このように、転職したくてもなかなか踏み出せない方も多いでしょう。

最近では、30代で未経験職種に転職する人が珍しくなくなってきました。一方で、やはり20代に比べると未経験転職のハードルは高く、入念な準備が必要です。

30代でジョブチェンジをしたいなら、転職エージェントを活用しましょう。30代の未経験転職には、20代のポテンシャル採用と異なる注意点が多数あります。

そのため、転職支援のプロの力を借り、転職の成功率を上げる取り組みが必須です。

30代の未経験転職ならではの注意点をおさえて、転職を成功させるためのポイントを解説します。

30代で未経験転職の可能性は広がっている

30代で未経験転職する方は増加傾向にあり、転職後の満足度も高いことがわかっています。

転職エージェントのdodaを運営するパーソルキャリア株式会社によると、転職全体の中で異業種転職が占める割合は6割を超えています。

また、異業種転職者のうち35.4%が30代であり、コロナ前と比べて30代の異業種転職者の割合は増加しています。

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(出典:doda「異業種転職を受け入れる可能性の高い業種は?【最新調査】」

また、株式会社ビズヒッツの調査によると、30代で未経験転職をした人のうち82.4%が転職して「よかった」「どちらかといえばよかった」と回答しています。

過半数の未経験転職者が、自分の転職をポジティブに捉えているのです。

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(出典:PR TIMES 株式会社ビズヒッツ「30代で未経験の仕事に転職した理由ランキング|男女205人アンケート調査」

これらの調査結果から、30代で未経験職種に挑戦する方の割合は増加しており、満足度も高いことがわかります。年齢を理由に未経験転職を諦める必要はありません。

30代でジョブチェンジしたいならプロの支援が必須

30代でジョブチェンジしたいならプロの支援が必須

30代の未経験転職は、以前に比べて可能性が大きくなっています。一方で、20代のポテンシャル採用とは異なる難しさがあるのも事実です。

人材を採用する企業の立場から見れば、30代の転職者には即戦力としての活躍を期待しています。

未経験の仕事に挑戦するなら、業務自体の経験はなくてもすぐにキャッチアップして貢献できるだけの実力があることをアピールする必要あります。

転職市場で評価される自分の強みを見つけ、効果的にアピールするために、転職エージェントを活用しましょう。

未経験転職に関するアドバイスを受けたり、希望に合った求人を紹介してもらったりと、メリットがたくさんあります。

ここからは、30代の未経験転職におすすめの転職エージェントを3つに厳選して紹介します。

オススメ1|リクルートエージェント

リクルートエージェントは、株式会社リクルートホールディングスが運営する転職支援実績No.1の転職エージェントサービスです。

特徴 ・年間登録者数約125万人
・公開求人数366,338件(2023年3月)
・非公開求人数268,587件(2023年3月)
・全国の幅広い業界・業種の求人を取り扱う
良い点 ・多数の求人から自分に合ったものを紹介してもらえる
・3か月以内の転職を目指せる
・多様なセミナー・イベントに参加して知識向上を図れる
注意点 ・サポート期間は原則3か月

数多くの求人を見て転職の選択肢を広げたい、ダラダラと活動せず3か月で集中して転職先を決めたい方は、リクルートエージェントがおすすめです。

オススメ2|doda

パーソルキャリア株式会社が運営するdodaは、転職サイトと合わせてエージェントサービスも展開しています。

特徴 ・会員数708万人
・求人数228,193件(非公開求人含む、2023年3月)
・全国の幅広い業界・業種の求人を取り扱う
良い点 ・転職サイト、スカウトサービスも同時利用できる
・キャリアアドバイザーから丁寧なサポートを受けられる
・多様なセミナー・イベントに参加して知識向上を図れる
注意点 ・特定の業界に特化した支援は受けにくい

dadaは転職サポート期間に制限がないため、まだ転職するか迷っている方、自分のペースで焦らず転職活動を進めたい方におすすめです。

オススメ3|エン エージェント

エン エージェントは、企業の口コミプラットホーム「ライトハウス」で有名なエン・ジャパン株式会社が運営する転職エージェントサービスです。

特徴 ・公開求人数6,290件(2023年2月)
・非公開求人数約15,000件
・性格価値観診断テスト「3E-p」によるサポート
良い点 ・エン エージェントが独自に扱う求人に出会える
・性格価値観診断テストで自身のキャリアの志向がわかる
注意点 ・取り扱い求人数が多くない
・面談場所が東京・名古屋・大阪・福岡の4拠点のみ

取り扱い求人数が多くないものの、企業の採用選考でよく用いられる3Eテストを受けられるのは大きな強みです。求人数の多いリクルートエージェントやdodaと併用して活用すれば、転職活動の支援の幅が広がるでしょう。

【パターン別】30代・未経験でジョブチェンジを成功させるポイント

【パターン別】30代・未経験でジョブチェンジを成功させるポイント

一般的に「未経験転職」は、新しい職種にチャレンジすることをいいます。実際には、業界・業種のいずれか、または両方を変える以下3つのパターンがあります。

  • 同じ業界で職種を変える
  • 同じ職種で業界を変える
  • 業界・職種を変える

    30代の未経験転職の場合、これまでの強みを軸に活動の領域を変える(=キャリアをピボットする)のが正攻法です。

    自身の強みや経験を生かすためには、業界・業種のいずれかは経験のある仕事を選ぶことをおすすめします。

    3種類の未経験転職について、抑えるべきポイントを確認しましょう。

    パターン1|同じ業界で職種を変える

    職種が変わっても、同じ業界であれば経験や知識を活かせるので採用確率が高まります。

    同じ業界を違う立場から見ることで、1つの職種しか経験のない人より活躍の幅が広がる可能性もあるでしょう。

    具体的には、以下のような職種変更です。

    【同じ業界で職種を変える例】
    • 建築業界の設計経験を生かして、建設コンサルタントになる
    • 介護業界の施設長経験を生かして、福祉会社の採用担当になる

    選考通過率を上げるポイントは、業界経験で得た学びや強みを適切にアピールすること、業種変更する明確な理由を伝えることです。「建築業界ならではの○○を知ったからこそ、コンサルタントに挑戦したい」など、ストーリーをもって強みと志望動機を語れるようにしましょう。

    パターン2|同じ職種で業界を変える

    業界が変わっても、職種ごとに共通したノウハウやポイントが多いものです。

    業界を変える転職は、これまでの職種経験を十分にアピールできるため、成功率の高い未経験転職のパターンといえます。

    自分が所属していた業界では当たり前の手法でも他の業界でなじみのない場合があり、適切にアピールすることで他者との差別化も図れます。

    【同じ職種で業界を変える例】
    • 製薬業界の人事部から、IT業界の人事部へ
    • MRから、老人ホームの施設営業へ

    未経験業界の転職成功率を上げるポイントは、職種共通の課題に関する実績をアピールすることです。「人事として何ができたか」「営業としての実績はどの程度か」を、具体的に語れるように準備してください。

    パターン3|業界・職種を変える

    これまで経験した業界・職種から離れて、まったく未経験の分野にチャレンジする方もいます。

    他の未経験転職パターンよりも難易度は上がりますが、自身の経験や強み活かせる仕事を選ぶことで、大きくキャリアアップできる可能性もあります。

    【業界・職種を変える例】
    • 企画経営室での経験を生かして、経営コンサルタントに転職する
    • 広報の経験をしかして、webマーケターに転職する

    業界・業種ともに未経験の場合こそ、応募求人に生かせる具体的な強みや経験をアピールしてください。新しい挑戦を前向きに捉える姿勢や理解力の早さなどを感じてもらえるよう、面接中の立ち振る舞いを意識してください。

    30代の未経験転職で失敗しないための注意点

    30代の未経験転職で失敗しないための注意点

    30代の未経験転職には、20代のポテンシャル採用と異なる注意点が複数あります。30代だからこそおさえておきたい、未経験転職の注意点と対策を解説します。

    注意点1|できれば在職中に転職活動を完了させる

    30代の未経験転職は、20代よりもハードルが高いために転職期間が長引く可能性があります。

    離職してから転職活動を始めると、想定以上にキャリアの空白期間が延び、収入が不安定になる危険性もあるのです。現職中に転職活動を始め、退職前に次の転職先を決定させましょう。

    現職中の転職活動の負荷を減らし、短期で転職先を決定するためにも、転職エージェントの活用が有効です。

    注意点2|複数の転職エージェントを活用する

    未経験転職は、当然ながら経験を生かした転職よりハードルが上がります。複数の転職エージェントに登録し、応募する企業数を増やしましょう。

    転職エージェントによっては、登録を断られたり、あまり求人を紹介してもらえなかったりする可能性もあります。1つの転職エージェントに頼るのはリスクが高いため、同時に2,3社を併用するのがおすすめです。

    注意点3|転職先の昇給制度を確認する

    未経験転職の場合、現在より年収が下がる可能性があります。株式会社ビズヒッツの調査では、30代で未経験転職をした方のうち51.2%が、年収が「下がった」と答えています。

    注意点3|転職先の昇給制度を確認する
    (出典:PR TIMES 株式会社ビズヒッツ「30代で未経験の仕事に転職した理由ランキング|男女205人アンケート調査」

    「入社後に活躍すれば給与がアップすると期待していたのに、実はなかなか昇給できない環境だった」という事例もあるため、転職先の昇給制度は必ず確認しておきましょう。

    転職エージェントを通じて昇給制度や実績を確認するほか、上場企業であればIR情報として公開している場合もあるためチェックしてください

    30代の未経験転職でよくある疑問

    30代の未経験転職でよくある疑問

    最後に、30代の未経験転職でよくある疑問に回答します。以前よりチャンスが広がっているとはいえ、30代の未経験転職に不安を抱えている方は多いでしょう。

    疑問を解決して、前向きな気持ちで転職活動に臨んでください。

    疑問1|「35歳転職限界説」は本当?

    一昔前までは、35歳以上の転職は困難だといわれていました。しかし、「人生100年時代」の現在、35歳以上の未経験転職は珍しいものではなくなってきています。

    ただし年齢が上がるほど未経験転職が難しくなるのも事実です。企業の立場では、柔軟性が高く、長く勤めてもらえる可能性の高い若年者の採用ニーズが高いからです。

    逆をいえば、年齢が上がっても柔軟性があって長く企業に貢献できる人材は、ミドル層でも未経験採用される可能性があります。単なるポテンシャル枠ではなく、これまでに社会人実績を積み重ねた戦力として認識してもらえるよう、戦略的にアピールすることが大切です。

    疑問2|30代でも比較的採用されやすい業界や職種は?

    人手不足が顕著や急成長している業界・職種は、30代で未経験可の求人が多い傾向にあります。具体的には、以下の業界・業種です。

    【未経験採用に積極的な業界】
    • 建築
    • 物流
    • 医療・介護
    • IT
    • 宿泊・飲食
    【未経験採用が多い職種】
    • 介護士
    • ドライバー
    • ITエンジニア
    • 営業
    • 接客スタッフ

    いくら未経験歓迎の求人でも自分自身の熱量がないと採用につながらないため、自分の強みを生かせる仕事、挑戦したいと思える仕事を選んでください。

    疑問3|資格を取得すれば採用される確率が上がる?

    資格があると多少採用に有利になる可能性はありますが、採用の決定打になる可能性は高くないでしょう。30代は即戦力としての活躍を期待されているため、知識よりも経験値を求められる傾向にあるからです。

    一方で、資格取得に向けた向上心や確かな知識はアピールポイントになり得ます。また、副業で実績を積み、経験値としてアピールすることも可能です。資格取得だけにこだわらず、転職エージェントと相談しながら転職で有利になる活動を選びましょう。

    30代の未経験転職は「ゼロからの再スタート」ではなく「経験を軸足にした横展開」に

    30代の未経験転職は「ゼロからの再スタート」ではなく「経験を軸足にした横展開」に

    個人の働き方や企業の人材に対する価値観の変化などから、30代の未経験転職のハードルは以前より下がっています。年齢を理由に転職を諦める必要はありません。

    30代の未経験転職を成功させるためには、これまでの経験を生かしたキャリアの横展開が効果的です。実務経験に基づく強みや学びを整理し、適切に企業にアピールすることが成功のカギとなるでしょう。

    一方で、自分の強みを客観的に捉えたり、数多くある求人の中から最適な仕事を見つけ出すのは難しく、時間もかかるものです。実績豊富な転職エージェントを活用して、効率的・効果的に転職活動を進めてください。

    自分のキャリアをうまく横展開できれば、未経験でも条件維持・アップできる可能性もあります。より良い条件で転職するためにも、プロのアドバイスを積極的に活用しましょう。