様々な企業の取り組みや新しい働き方をお伝えしていくこの企画。今回は、フィットネス業界やスクール業界など、月額制の店舗に特化した会員管理・予約・決済システム「hacomono」を提供するスタートアップ企業、株式会社hacomonoさんにお話を伺いました。
株式会社hacomonoとは
株式会社hacomonoは、フィットネスクラブをはじめとしたウェルネス産業向けのオールインワン基幹システム「hacomono」を開発・販売を行っているIT企業です。「hacomono」は2019年3月の発売以来、その操作性の高さや業務効率化の効果から、業界大手企業を含む多くの店舗や施設に続々と導入されています。
会社名 | 株式会社hacomono |
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住所 | 東京都渋谷区神宮前2丁目34番17号 住友不動産原宿ビル5F |
事業内容 | 月額制店舗のための会員管理・予約・決済システム「hacomono」の開発・販売 |
設立 | 2013年7月 |
公式ページ | https://www.hacomono.jp/ |
hacomonoさんでは「ウェルネス産業を、新次元へ。」というミッションを掲げ、超高齢化社会や医療費・介護費の増大といった日本が抱える社会課題解決に向けて創業当時から事業を進めています。今回は、そんなhacomonoさんでの働き方や社内の雰囲気などについて、広報の友行さんにお話を聞かせていただきました。
ウェルネス系の店舗にサービス提供。データ分析による導入後のフォローも特徴
編集部
まずは御社のサービスについて、どんな特徴があるのか教えていただけますでしょうか?
友行さん
弊社が提供しているサービス「hacomono」は、フィットネスクラブやインドアゴルフなどを中心とした月額制店舗のためのオールインワン基幹システムになります。業界特化のSaaSシステムで、現在2,400店舗を超える店舗に導入いただいております。(2023年1月現在)
「hacomono」を導入すると、店舗のお客さまは、入会から決済、レッスン予約、チェックインまでスマホ一つで完結させることができます。さらに、店頭のセルフレジと連携することで、スタッフがいなくとも、飲料やレンタルウェアなどをQRコード決済で購入することができます。
店舗にとっては、キャッシュレス決済が普及している現在、QRコード決済を可能とすることで店舗の売り上げを増やし、加えて会員のデータの分析ができるようになります。弊社のシステムを使っていただくことで、無人化・省人化、会員データの管理が簡単にできるため導入が加速しています。
編集部
他にも他社との違いや優位性があれば教えていただけますか?
友行さん
システムを導入いただいた後も、徹底したサポートを行うことは特徴といえると思います。実際、運用して得られたデータを弊社で分析し、お客様の売上が高まるようにフィードバックを繰り返しています。
例えば、システムを導入することで、予約が少ない時間帯と多い時間帯が可視化されます。そうすれば予約の多い時間帯にレッスンを増やすなどの提案もできるため、結果的に会員数を増やすことが可能となります。
このように導入後もデータ分析等で伴走させていただき、お客様の収益を伸ばしていけるようコミットすることに関してが、他社と異なる点だと思っています。
また、お客様からは「UIやUXが優れていて見やすい」とのお声をいただいています。「hacomono」は、店舗側と会員側のどちらも使用するものとなりますので、操作性の高さを追求した設計をしております。またデザイン性にもこだわっており、洗練されたスタイリッシュなデザインを気に入って「hacomono」をお選びいただいたケースもあります。
編集部
単にシステムを導入して終わりではなく、導入後のデータ分析などで売上を伸ばしていくサポートも「hacomono」というサービスの特徴なんですね。一過性のお付き合いではなく、クライアントに密接に関わってサービスの効果を実証していけるのは、開発側としてもすごくやりがいがあるでしょうね。
非接触で手続き可能。時代にマッチしたシステム
▲入会から決済までオンラインで完結できる「hacomono」は、様々な店舗や施設に導入されている。
編集部
サービス導入数が増え続けている理由として、「hacomono」の認知度自体が広がっているということもあると思いますが、他に何かきっかけや理由があれば教えていただけますか?
友行さん
やはり社会情勢が変化し、「非接触」が重要なキーワードとなったことが大きいです。今まではアナログでもいいと考えていた店舗さんも、デジタルに移行しようと意識が変わってきたという点がまずあります。
「hacomono」は非接触かつスタッフと対面せずに手続きが可能になりますので、導入していただけるケースが増えているのだと思います。
また、リモートワークを導入する企業が増えたことで、運動不足を気にされる方が増えたことも要因の一つだと考えられます。その影響でインドアゴルフのニーズが急激に高まっていますし、いわゆるコンビニ感覚で利用できるジムもどんどん拡大していますので、それらの店舗に導入していただけるケースも増えています。
編集部
今までは専用の申込書に記入したり、スタッフが接客するなど、どうしても接触が避けられないシーンも多かったかと思いますが、「hacomono」ならスマホから入会などの手続きやチェックインができるというわけですね。近年の運動に関する意識の高まりも相まって、まさに時代とマッチしたサービスだといえるのですね。
創業当時から社会課題解決型企業としてSDGsに合致していた
▲hacomonoさんのサステナビリティビジョン(公式サイトから引用)
編集部
hacomonoさんは、2022年8月にサステナビリティビジョンを発表されたと伺いました。会社としてSDGsに取り組み始めたきっかけや背景を教えてください。
友行さん
このサステナビリティビジョンでは、「ウェルネス産業の⼒で、社会もウェルネスに。」という目標を掲げています。持続可能な開発目標(SDGs)を支援し、事業および組織でサステナビリティに向き合い、ウェルネス⼈⼝の拡⼤や社会課題の解決に貢献していこうとするものです。
hacomonoさんのサステナビリティビジョンの詳細:https://recruit.hacomono.jp/sustainability
弊社はもともと、2013年の創業当時から社会課題解決型企業として様々な取り組みを行ってきました。これまでの社会的な取り組みを整理し言語化したものが、今回公開したサスティナビリティビジョンになります。そのため、特別にSDGsに合わせて作成したわけではありません。
弊社が取り組む社会課題は日本の「超高齢化社会」ですが、それを今すぐ解決できるわけではありません。解決に導くには、やはり「ウェルネス」の力が大事だと考えています。弊社はウェルネス産業の未来を広げていくことを使命としており、そこに対しての想いはとても強くあります。その想いや行ってきた取り組みが、SDGsに深く関係していたのです。
自らの行動が社会貢献につながるイベント「RUN for」の開催
▲「RUN for」はサステナビリティビジョンを社員に体現してもらうために企画された。2021年から続く継続的な取り組みでもある。
編集部
SDGsに関連する取り組みとしては、どのようなものがあるのですか?
友行さん
取り組みの一つとして、先日「RUN for」という社内イベントを実施しました。このイベントは、社員が1ヶ月間のランニングで消費したカロリーを計測し、200kcalごとに開発途上国の子どもに給食10食分を寄付するという企画です。
取り組み中は、社員それぞれが自分のペース・タイミングで走り、スマホなどで測った走行距離や消費カロリー数をSlackの専用チャンネルに投稿していました。走っている時の風景なども載せてもらうようにしていたので、地方在住のメンバーや海外出張中の役員が投稿するなど色々な景色を楽しめたりもしていたんです。
最終的に、寄付給食数は10,920食、寄付金額は218,400円という結果になりました。2022年が2回目の開催となりましたが、前回よりも走行距離も寄付金額も大きくアップしました。
「RUN for」に関する詳細情報はこちらからご覧いただけます。
プレスリリース:https://www.hacomono.jp/news/20221219/
note:https://note.com/hacomono_inc/n/n24d10897a4fe
友行さん
サステナビリティビジョンはただ形としてあるものではなく、社員全員に体現して欲しいと願っています。「RUN for」もそのための取っ掛かりとして企画しました。
任意参加にも関わらず各社員が頑張って取り組んでくれましたし、社内の一体感も高まりました。やはり自分の行動が社会貢献につながるので、世界的な課題に対して当事者意識が醸成され、さらに「社会的に意味のある会社で働いているのだ」ということで仕事のモチベーションも上がるようです。
弊社は、フルリモートワークのため、どうしても運動不足になったり、社員同士のコミュニケーションの機会が減ってしまいがちです。そういった点でも、この「RUN for」を開催したメリットは大きかったと思います。
編集部
自分の行動が社会貢献に繋がるということでモチベーションも上がりますし、社員の皆さんの運動不足解消にもなるので、まさに一挙両得ですね。
社員のヘルスケアを増進させる制度を整備
編集部
その他には、SDGsに関連した取り組みをされているのでしょうか。
友行さん
SDGsの目標の一つに「すべての人に健康と福祉を」というものがありますが、弊社では提携しているパーソナルトレーニングを毎月会社負担で受講できたり、会社の中にワークアウトルームが設置されており、ストレングス・カーディオマシンなど、10台のマシンやプロテインサーバーがあったりと、社員のヘルスケアを増進させる独自の制度が多くあります。
▲オフィスのワークアウトルーム。働きながらスポーツや健康への関心が高まる職場。
友行さん
また、弊社にはなんとコンディショニングトレーナーがいるんです。青山学院大学駅伝チームのフィジカルトレーナーなどを務める中野ジェームズ修一氏をお迎えして定期的にオンラインセミナーを開き、食事・栄養・睡眠に関する座学から、トレーニングやストレッチなどの実技まで幅広く学んでいます。
中野氏には、「RUN for」の実施にあたっても、ランニング知識を高めるため、靴の選び方から食事のタイミングまでいろいろなアドバイスをいただきました。今後も、継続的に社員と世界の健康を目指しながら、SDGsに貢献できる取り組みをしていきたいと考えています。
編集部
hacomonoさんは事業内容と関連してヘルスケア関連の取り組みを多数実施されています。その取り組みにより社員の健康意識が高まるとともに、SDGsの目標を実現することにも繋がるというわけですね。
リモートワークでも全社で意思・情報を共有できる仕組み
編集部
hacomonoさんでは、実際にどういった働き方をされているのでしょうか?
友行さん
全職種でフルリモートワークを実施しており、北海道から九州まで全国各地に社員がいます。もちろん出社しても問題はないので、各自が業務などにあわせて自由に出社しています。オフィスは2022年8月に新しい場所に移転していて、ワークスペースなど十分な広さを確保しています。
比率としてはもちろんリモートが多いですが、私もオフィスで取材がある時は出社していますし、地方在住のメンバーがグループでディスカッションしたいからと出張扱いで出社するケースもあります。
お客様とのやりとりもオンラインでのミーティングが基本になります。ただ、実際に店舗を見ないとわからないこともあるので、見学させてもらうこともあります。また、業界を知るという意味合いも込めて、新しく入った社員が店舗を訪れるケースもありますね。
時にはプライベートな相談もできるコミュニケーション環境
編集部
リモートワークとなると、社員さん同士のコミュニケーションや、社員さんの声を聞くのが難しくなる部分もあると思います。そういった点で何か工夫されているところなどあるのでしょうか?
友行さん
週1回、全員参加のオンラインミーティングを必ず実施しています。そこでは全社の重要指標や導入事例のほか、ナレッジの共有を行います。また弊社はスタートアップのため毎月新しいメンバーが入社していますので、そこで紹介する機会を作っています。
また、弊社ではコミュニケーションツールとしてSlackやNotionなどを活用しており、情報共有をしながら業務を進めています。仕事以外の雑談でコミュニケーションを図ることもありますね。Slackでは、ゲームや筋トレなど様々なチャンネルがあり、各々自由に参加しています。
例えば私が参加している子育てチャンネルでは、新米パパからの「地域の回覧板を回す時はどうすればいいのか」という質問に対して、先輩たちがコメントやアドバイスをしたりということがあります。こうした仕事以外でのやり取りは癒されますし、実際に会ったことはない社員同士でも、Slackを通じて十分にコミュニケーションを取れていると感じますね。
編集部
リモートワークでも、社員間のコミュニケーションは問題なくできているということですね。
友行さん
そうですね。あとは代表やCXOも含めた全メンバーが、業務終了時に日報を提出し共有することを習慣化しています。日報は情報共有や自己の振り返りに役立ちますし、習慣化することで仕事のリズムが作られます。独自のオリジナルツールを導入していて、コメントやスタンプでリアクションすることもできます。
また、日報にはその日の進捗や課題の共有の他にも、今日の運動の内容などを記載する項目もあります。運動の欄があるのは弊社独自だと思いますが(笑)。こうしたプライベートな内容もあることが、コミュニケーションの起点にもなっています。
編集部
リモートワークの方が多い環境でも、コミュニケーションを活性化させるための多くの工夫をされているんですね。特に、Slackの雑談中心のチャンネルや日報を共有する仕組みは、入社されてすぐの社員にとっても「チームメンバーにこんな一面があるんだ」と知ることができ、打ち解けるきっかけにもなりそうです。
育児中など、ライフスタイルに合わせて長期的に働ける環境を整備
編集部
その他に、働き方に関して特徴的な制度がありましたら教えてください。
友行さん
新しいものだと、弊社は2022年10月からフルフレックス制度を導入しました。私も子どもがいて、保護者会の時間だけ抜けたり、お迎えに行くために早めに切り上げたりしているのですが、とても助かっていますね。
弊社は子育てをしている社員が多く、育児に積極的に参加している男性社員も多いです。男女問わず、仕事と育児を両立させるにあたって非常に重要な制度だと思います。
また、「友達との予定があるから早く上がる」という活用をしてもいいですし、北国の社員だと「雪かきをするために、遅く仕事を開始する」というケースもあります。社員一人ひとりがライフスタイルに合わせて勤務できるのは、働く上でとても良いことだと感じています。
編集部
制度があるだけではなく、社員の皆さんが実際に活用されて、それを受け入れる環境が整えられているのですね。社員さんが安心して長く働くことができるような環境だと感じました。
求めるのは「共感度が高く」「変化に適応できる」人物
編集部
最後に、採用についてお話を伺えればと思います。応募者は「hacomonoさんではどんな人が働いているのか」を知りたいと思うのですが、率直にお聞かせいただけますか?
友行さん
私の印象では「チームで働くのが好きな人」、そして「社会貢献がしたい、社会課題を解決したい人」が多いです。また、自分が何のために働くのかを考えて「こういうことがしたいから入りたい」という将来のビジョンを持っている方が多く在籍しています。
編集部
hacomonoさんで活躍できるのはどんな人でしょうか。
友行さん
弊社のミッション・ビジョン・バリューへの共感度が高い方や、リーダーシップのある方、他者へのリスペクトがある方は弊社にフィットすると思います。また、スキル面やカルチャー面がマッチするかという点と、弊社が成長中のスタートアップなので変化に適応できるかという点は重視しています。
あとは、代表の蓮田(代表取締役の蓮田健一さん)が「短期的な売上だけで判断しない」という考え方を持っているので、物事を長期的に考えられる人は向いていると思います。
求職中の方、読者へのメッセージ
編集部
求職者の方やこの記事を読まれている方にメッセージをお願いします。
友行さん
弊社は2022年11月度の「働きがい認定企業」(※)に選出されました。「この会社は地域・社会に貢献している」「経営・管理者層の言行が一致している」「福利厚生・メリットが充実している」「仕事に行くことが楽しみである」「長期勤続意向がある」という5点において、当社の働きがいが特に高いと評価されたんです。
(※)アンケート調査の結果に基づき、一定水準を超えた企業を1年間「働きがいのある会社」として、GPTWジャパンが正式に認定するもの
hacomonoが大切にしている価値基準であるバリューや、新しく作成したサステナビリティビジョンを名ばかりのものにせず体現するための取り組みが、社員の「働きがい」につながっていると実感しております。ウェルネスの力をもって日本の抱える社会課題解決に貢献するためにも、今後も社員の働きがいの醸成を推進していきます。「働きがいのある会社で働きたい」「社会貢献につながる仕事がしたい」という方にはぴったりではないでしょうか。
弊社はウェルネス産業に関わる企業ですが、私も入社前は全く運動をしていませんでした。弊社で働くうちに健康に対して関心を抱くようになり、意識も変わってきますので安心してください。
またウェルネスに業界を絞っているからこそ、業界についての知識や経験を積んでいくことができますし、クライアントとも深く付き合うことができるのは非常に面白い部分だと思います。少しでも弊社に興味がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!
編集部
本日はありがとうございました!
■取材協力
株式会社hacomono:https://www.hacomono.jp/
採用ページ:https://recruit.hacomono.jp/