
編集部の石崎です!
今回、現在フロントエンジニアとして活躍中のOさんにインタビューをしました!
新卒で求人広告の新規開拓営業をしていたOさん。
1年間独学・スクールでの学習を経て自社、受託系のシステム開発会社への転職に成功しフロントエンジニアとして活躍しています。
簡単にOさんのプロフィールをまとめました。
<プロフィール>
ステータス | 31歳・男性・1人暮らし |
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前職 | 受託製造のメーカーで約1年間営業 |
領域/仕事内容 | フロントエンドエンジニア フロント及びクライエント対応 |
就職・転職活動・転職後までの成長・歩み

就職活動 | 大学では社会学を専攻 求人広告の新規開拓営業になった |
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転職1年前 | 独学を開始 アプリで言語習得に励むも、 スクールに通い始める |
転職5ヶ月前 | オリジナルアプリの制作開始 |
転職2ヶ月前 | スクールの転職サポートを受けつつ 転職エージェント・サイトに登録 |
転職1ヶ月前 | 30件にエントリー 1社から内定を受ける |

まず、就職してから現在のフロントエンジニアに転職するまでの歩みを、詳しく教えてください。
就職活動では提案型の営業職に就くことを目的にしていた
大学では社会学を専攻していました。
就活では、サービスや製品の優位性依存せず、提案力を身につけたかったので、提案型の営業職に就くことを目標に取り組んでいました。
結果的に求人広告の新規開拓営業として働き始めることになります。

転職すると決めてからはどういった流れで転職に至るのでしょうか?
転職1年前:独学を開始しアプリで言語習得に励むも、スクールに通い始める
転職する1年前から、プロゲートというアプリで言語習得に励みました。
のちにスクールに通うことになるのですが、スクールで使う基礎知識を養うことができたのは独学のおかげだと思っています。
しかし、独学のみだと転職する為に何をどれだけ学べば良いか分かりませんでした。
そんな中日々情報収集していく中でスクールがあることを知り、通い始めました。
スクール選びは、モチベーションの維持のしやすさで選ぶのがおすすめ

エンジニアを育成するスクールというと、何社かあると思うのですが、選定基準はありましたか?
正直、スクールの知名度で選びました。各スクールを調べていると、そこまでサービス内容に差があるとは思わなかったからです。
とはいえ、モチベーションが維持しやすいスクールを選んだ方がいいとは思います。
私が通っていたスクールは周囲の進捗を把握できる場所でした。
結果的に「ライバルに負けないように」と努力し続けられることができたのは、当時通っていたスクールの環境のおかげです。

スクールではどんなことを学んだんですか?
主に以下を学びました。
- マークアップ
- Ruby on Rails
- jQuery
- Mysql
- AWS
- Git
スクールは営業職として働きながら夜間に通っていたので、勉強時間の確保に苦労しました。
平日の夜の数時間と、週末しかPCを開いて作業ができなかったので、その時間に確実に作業できるよう、勤務中や移動時間に調べ物を全て済ませていました。
スクールはカリキュラム通りに知識をつけられるため、独学よりも効率的だった

Oさんは、スクールに通う前に独学をされていましたが、スクールに通ったことで、どういったメリットを感じましたか?
独学だと、各言語について自分で学ぶ目的を見つける必要があります。
また、何をどこまで学ぶべきかの判断も難しいです。
しかしスクールには、カリキュラムがあるので「次に何やろうと考える必要なく、課題をこなすだけで実務に必要な知識をつけていける」のがとてもよかったです。
転職5ヶ月前:周囲との差別化のためにオリジナルアプリを制作し始める
スクールでのカリキュラムは、約半年で終えることができました。
実はカリキュラム終了後、スクールのサポートを受けて転職活動に挑もうと思っていましたが、新型コロナウイルスの影響があり、転職活動を先延ばしにすることに決めたんです。
その後5ヶ月後に転職先が決まることになるのですが、それまでは、周囲との差別化を図りたいという意図で、オリジナルアプリの制作をしていました。
カリキュラムでは学ばなかった技術も盛り込んで、dockerやVue.js、firebaseなどを独学で勉強してアプリ制作に使用していました。スクールの先生からフィードバックももらえていたので、とても助かりました。

転職活動延期中も、ご自身で制作活動を行なっていたんですね...!
新型コロナウイルスの影響でやむなく転職活動を延期されたとのことですが、転職活動を本格的に始動したのはいつころですか?
転職2ヶ月前:スクールの転職サポートを受けつつ転職エージェント・サイトに登録
無事転職先が決まる約2ヶ月前に、スクールの転職サポートを受けることを決めました。
具体的には以下のようなサポートをしていただきました。
- 職務経歴書の作成・添削
- 面接対策
また、転職エージェントは「リクルートエージェント」に、転職サイトは「Green」「find job」「wantedly」に登録をしました。
転職1ヶ月前:30件にエントリー。1社から内定を受ける

ちなみに転職活動では何社にエントリーされたんですか?
約30件ほど応募しました。ライバルが多かったので、書類を差別化したり、オリジナルアプリをアピールしたりした結果、1社から内定をいただくことができました。

求人をチェックする際は、何か心がけていたポイントはありますか?
当時勉強していた「Rails」が使える職場に優先的にエントリーしていました。
あとは、「未経験可」などの初心者でも応募できそうな会社にも積極的に応募していましたね。
なぜ新卒・未経験でフロントエンジニアになることを目指したのか


Oさんは、営業職からエンジニアに転職していらっしゃいますよね。
なぜ、未経験からフロントエンジニアに転職することを選んだのか教えてください。
エンジニア職を希望した理由としては、世の中で需要があるスキルを習得したいと考えたからです。
会社の存続可能性は自分ではコントロールできるものではありません。
しかし、仮に会社が潰れてしまったとして、その時自分にスキルがあれば、継続して収入を得られやすいと考え転職しようと思いました。
また、将来フリーランスになるという選択肢も持っていたので、個人的に案件を得られやすいと思っていたエンジニアを選んだという側面もあります。

なかでも、フロントエンジニアを選んだのには理由があるのですか?
実はフロントエンジニアにこだわって転職活動をしていたわけではありませんでした。
今所属している会社が、少人数の”技術屋”のような会社だったので「スキルを得られる環境がありそうだ」と入社を志望しました。
実際、最近注目されているReactという言語をはじめ、幅広い知識・言語を身につけることができています。
確実にスキルを身につけながら、働けているのは転職したおかげです。
新卒・未経験でエンジニアになるために転職活動で工夫したこと


全くの未経験でエンジニアに転職すると決めたとのことですが、気になって調べたことやどうやって就職先を探したのか教えてください。
個人的に、同時期に転職活動をしている仲間から得られる情報は非常に重要だと思いました。
なかでも私が工夫したことは以下の3点です。
- ライバルが少なそうな転職サイトに登録した
- ネットに掲載されていない情報を面接で入手するよう心がけた
- アプリ作成やgitの更新を継続していたことをアピールした
ライバルが少なそうな転職サイトに登録した
転職サイトに関しては、「IT業界への応募者(ライバル)が多い」という情報を友人から聞き、当時比較的ライバルが少ないと言われていた「find job」を使っていました。

実際に、「find job」と他の転職エージェント・サイトに違いはありましたか?
ライバルが少ないという情報は、人づてに聞いたので確かではありませんが、「find job」に限ってはレスポンスが非常に早かったです。遅くても2〜3日で返信を頂けていました。
他のエージェントやサイトは、1〜2週間での返事だったので、そういう意味では「find job」以外のサービスはライバルが多く、情報をスムーズに取得しにくかったのかもしれません。
実際に私は「find job」経由で転職できましたし、個人の経験では、ライバルが少ない媒体を使うことは戦略としてありだと思います。
ネットに掲載されていない情報を面接で入手するよう心がけた
あとは、志望する会社が小さい場合、ネットで収集できる情報が限られているので、面接で聞きたいことを網羅できるように準備しました。

具体的にはどんな質問を用意していたんですか?
主には、「給与」「副業の可否」「平均年齢」「使用言語」をきくようにしていました。

なぜそれらの質問を用意していたのですか?
「給与」を聞く理由は、内定をもらえた時に家賃補助など交渉できそうか、など事前に確認をする為です。「副業の可否」は、もともと副業ありきで考えていたので、副業NGの会社には行かないつもりでした。
ネットに副業の可否が掲載されていない場合には、面接で聞くようにしていました。
「平均年齢」は同世代の質問を聞きやすい人がいそうか確認したかったので、質問していました。
会社にもよると思いますが、エンジニアはわからないことがあれば自分で調べて実行するのが一般的だと思います。自分で調べてもわからないことがある場合には、同僚に質問するほかありません。
特に、未経験からの転職の場合、質問がしにくい環境では成長しにくいと思っていました。
「使用言語」については求人の内容と差がないか、複数の言語を言われる場合は「どの言語がメインか」も確認していました。
現在主流では無いレガシーな言語を使う会社は避けたかったからです。
これらを面接で聞けたおかげで、内定を頂いた時に承諾するべきか否かの判断基準が持てました。
アプリ作成やgitの更新を継続していたことをアピールした
あとは噂レベルですが、エンジニアはライバルが多く、特に未経験は不利になることがあると聞いたことがあります。
実際に私のスクールでも、毎週のように数十人単位で受講者が入ってきていたので、転職でも競争率が高くなることを想定していました。
そこで個人的には、オリジナルアプリを作成したり、毎日gitを更新し続けたりと、高い評価につなげられるように工夫していました。

オリジナルアプリや、更新し続けたGitは具体的にどのようにアピールしたのですか?
履歴書の資格などを書く欄に、あえてURLを貼っていました。実際にGitを毎日更新し続けていることを評価頂けたので、内定につながったと思っています。
フロントエンジニアの1日ってどんな感じ?


エンジニアというと、一日中パソコンに向き合って、誰とも話さないようなイメージを持つ方も多いと思います。実際のところどうなのか教えてください。
間違ってはいないです。自分のタスクを処理することが主な仕事になるのでパソコンに向かう時間は長いです。
1日のスケジュール
9時半~10時 | SNSチェック ニュースチェック メールチェック タスク整理 |
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10時~19時 | 業務 |
19時〜19時半 | 報告事項があればまとめて連絡 |

朝に行うSNSチェックやニュースチェックでは、具体的にどのような情報を収集されていますか?
IT関係の情報と大手のニュースサイトなどを見て社会全体の情報を集めています。IT系の情報は自分が使用している言語のアップデート情報や周辺のツールに関する情報などを流し見しています。
また、Qiiteのような投稿型のサイトなどもよくチェックしています。効率化を図れる情報など得られれば、業務に活かせるためです。

10時~19時は業務時間とのことですが、休憩のタイミングは自由に取れるものですか?
基本的にどのタイミングで休憩取ろうが個人の自由です。なのでストレスなく働けています。
たまに外に散歩しにいったり、近くのカフェで作業したりと、環境を変えることもできるので、息抜きしながら仕事ができていますよ。

今は新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が推奨されていますが、Oさんの働き方はどう変わりましたか?
フルリモート勤務に変わりました。2週間に1度の定例会議があり、その際は出社するか、もしくはzoomでの参加になります。

ちなみに残業はあるのでしょうか?
残業は1日に1~2時間ぐらいです。休日業務も基本的にありませんね。

なるほど。想像よりも少ないみたいですね!
就職・転職先の給料、報酬

年収 | 月収 | 賞与 (年2回) |
|
---|---|---|---|
転職前 | 380万円 | 25万円 | 35万円 |
転職後 | 400万円 | 27万円 | 40万円 |

続いて、フロントエンジニアに転職する前と転職した後の給与について教えていただけますか?
未経験から転職をしましたが、前職の求人広告の営業よりも年収は上がっています。要因は、前職より労働時間が増えているためです。時間にすると平均2〜3時間でしょうか。
エンジニアになりたい!という気持ちが強かったので、勤務時間や給与については、全く気にしていませんでした。そのため、今の年収(400万円)には不満はありません。
むしろ、「未経験からの転職なのに年収400万円は高くて魅力的だ」と思ったくらいです。
フロントエンジニアに必要なスキル・資格・スタンス


未経験からフロントエンジニアになってわかった、事前に勉強しておいた方がいい言語やスキル・スタントがあれば教えてください。
技術面はそれほど重要ではないと感じています。会社に入れば必然的に、その会社で必要なことを覚えることになるからです。
個人的には技術よりも、仕事のスタンスが重要だと思っています。
- 「継続してアウトプットするスキル」
- 「行動する前に具体化するスキル」
- 「技術の変化を把握し学習を続けるスキル」
- 「周囲の確認を取りながら確実に仕事をこなすスキル」
特に、上記の4つは重要だと感じています。
継続してアウトプットする力
私が転職することができたのは、継続してアウトプットする習慣があったことが大きかったと思います。
例えば、転職活動の直前に技術系のサイトに1、2記事投稿することで、実力をアピールする方法がありますが、実はこれは評価されにくいです。
私自身、実際にエンジニアとして働いてみて「インプット・アウトプットを継続する力」が現場には求められているスキルだと改めて感じています。
そのため、技術系のサイトへの投稿をアピールしたいなら、1、2記事ではなく、連続30日継続して行い、継続してアウトプットできる力をアピール方がはるかに評価されやすいと思います。
行動する前に具体化するスキル
また、行動する前に具体化するスキルも重要だと思います。
エンジニアは、何らかの機能追加があった際、社内外限らず事細かく指示をもらえることが少ない傾向にあります。
そのため、コードを書き始める前に、自分なりのイメージをノートに書いて、認識にズレがないか確認する作業が必要です。
手を動かすことも重要ですが、要求に対して相違がないかを確認することもエンジニアの仕事のうちなので、日頃から行動する前に具体化する習慣を付けておくと仕事がしやすいと思います。
技術の変化を把握し学習を続けるスキル
また、幅広い技術を習得したいと考えている人にも、エンジニアは向いていると思います。
技術の移り変わりが早く、同じ言語でも日々進化しているため、勉強しただけ技術を習得しやすいからです。
また、フロントエンジニアの場合、バックエンドの知識も必要です。
ひとつの分野だけでなく、複合的に技術を取り入れ、仕事に活かせられる人は、フロントエンジニアの仕事に向いていると思います。
周囲の確認を取りながら確実に仕事をこなすスキル
特に、今のご時世では、周囲の確認を取りながら確実に仕事をこなすスキルも必要です。
リモート環境がスタンダードになっている会社が多いので、遠慮して質問ができないと仕事が進まない状況に陥りかねません。
そのため、少し細かいかなと思うようなことも、周りの確認を取りながら進めることを意識した方が良いです。
分からないことがあっても、先輩に聞けば解決できるので問題ありません。
「わからないことを明確にし、周囲に質問をして解決していく」こういった姿勢も必要だと思います。
フロントエンジニアならではのやりがいや大変なこととは?

やりがい | 周囲からフィードバックをもらえる |
---|---|
大変なこと | 市場価値を保ち続けるために 勉強時間の確保が必要 |

Oさんにとって、フロントエンジニアの楽しさ・やりがいはなんですか?
楽しさ・やりがい:「周囲からのフィードバック」
フロントエンジニアはクライアントが触る部分を手がけるので、制作物に対するフィードバックが早いです。フィードバック内容が良いものだとやはり嬉しいですね。

何か印象に残っている出来事はありますか?
以前、納品先の社内で初期運用時に指摘を受けていたUIがありました。
UIとはサイトの見た目や、使いやすさのことを言い、例えばボタンの配置や操作の導線改善のことと思ってもらえるとイメージしやすいと思います。
UIを改善したところ、すぐにクライアントから「よくなった!」というフィードバックをいただき、やりがいを感じたという経験があります。
これはクライアントが触る部分を手がけるフロントエンジニアならではの喜びかもしれません。また、自分が手を動かすことでクライアントの反応が変わっていくのがわかるので、達成感も得られています。
大変なこと:勉強時間の確保が必要

逆にフロントエンジニアならではの辛さや不満があれば教えてください。
勉強時間の確保が必要なのが大変なことでしょうか。
エンジニアという職種は、最新の技術を習得していける反面、変化が早いぶん習得した技術が陳腐化してしまうというリスクがあると思っています。
これは個人的な意見ですが、仕事関係なく積極的に新しいフレームワークを試していかないと、市場価値は下がりやすいと思っています。
そのため、仕事以外の時間も、エンジニアの市場価値を高めるために「最新技術の情報収集」「最新技術の習得」などに費やすことになります。
私の場合、フリーランスや副業といった働き方をすることで、市場価値を保ちたい・安定した収入を得たいと思っているので、自ずと勉強時間を確保できていると思っています。
今後はフリーランスも視野に入れて仕事内外で活動をしていきたい

Oさんとしては、今後どのようなキャリアを歩んでいきたいと思っていらっしゃいますか?
フリーランスや副業で収入を得られるように、技術を習得していきたいと思っています。仕事ではもちろん、仕事以外の時間でもスキルアップできる環境に身を置いていくつもりです。

具体的にはどういった活動をしていく予定でしょうか?
実は現在、企業で働きながら個人的にあるプロジェクトに参加したり、wordpressでブログを運営したりしています。
仕事で使用する言語のほかに、laravel・firebaseといった言語にも触れられるので、将来の仕事に役立てられると思っています。
今は、プロジェクトから報酬が発生しているわけではないですし、どのようにフリーランスになるのかなど、具体的なビジョンはありません。
しかし、転職活動から今まで続けている、インプットとアウトプットの繰り返しをして、フロント・バック関係なく、スキルアップしていきたいです。
最後にフロントエンジニアに転職を考えている方へアドバイス

最後に、最後にフロントエンジニアに転職を考えている方へアドバイスをいただけますでしょうか。
フロントエンジニアになろうと考えているのであれば、学習しながら「何をしている時が楽しいか」を考えてみるのがいいと思います。
それがエラーを解消した時の達成感な人もいれば、マークアップしながら徐々に形になるのが好きな人もいると思います。
早めに自分のモチベーションになるものを見つけると、エンジニアという仕事はとても楽しく思えるはずです。
私自身、新しく習得した技術で課題を解決できることが楽しくて、時間を忘れてコーディングしている時がよくあります。
逆に楽しさを見つけられなかったり、もしくは気付けなかった人の多くがプログラミングを挫折しているのかなと個人的には思います。
挫折しそうな時もあるかと思いますが、「楽しさ」に気づけていると自然と困難な壁も乗り越えられると思いますので、是非自分なりの楽しみを見つけてみてください。