さまざまな企業にインタビューし、新しい働き方や若手社員活躍の秘訣に迫るこの企画。今回は国際物流デジタルプラットフォーム「Giho」を開発・運営するWillbox株式会社にインタビューを行いました。
Willbox株式会社とは
▲Willboxさんが西日本最大の物流総合展「第4回関西物流展」に出展した際の様子
Willbox株式会社は、神奈川県横浜市にオフィスを構えるスタートアップ企業です。同社が開発した国際物流デジタルプラットフォーム「Giho」は、新しい物流スキームとして物流業界に革新をもたらしています。
会社名 | Willbox株式会社 |
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住所 | 神奈川県横浜市中区山下町223-1 NU関内ビル5階 ※2023年秋に、横浜高速鉄道「みなとみらい駅」の駅ビルへ移転予定 |
事業内容 | 国際物流デジタルプラットフォームの開発・販売 |
設立 | 2019年(平成30年)11月19日 |
公式ページ | https://willbox.jp/ |
今回お話を伺ったのは、代表の神一誠さんと、Willbox株式会社唯一の新卒社員として活躍を続けるマネージャーの王哲瑋さん。Willbox株式会社の成長の秘訣や、若手社員が活躍できる背景、そして求める人材などについて詳しくお聞きしました。
国際物流業界での経験をもとに開発した「Giho」で国際物流のDX化を推進
▲Willboxさんのメインプロダクトである国際物流プラットフォーム「Giho」(サービスサイトから引用)
編集部
はじめに、Willboxさんの事業内容や強みについてお聞かせいただけますでしょうか?
神さん
Willboxは、「Made in Japanを再定義する」をビジョンとして掲げている通り、「国際物流をより最適に、よりスマートに。」することを目的に2019年に立ち上げたスタートアップ企業です。
弊社のプロダクトである「Giho」は、主に工業製品を海外に送りたい荷主企業様と物流事業者様をマッチングして直接つなぐという、業界初の国際物流マーケットプレイスです。また、見積もり依頼から物流の手配、案件管理まで一貫して管理できるという国際物流プラットフォームでもあります。物流のDX化により多くの課題の解決に寄与するものとして、2020年の運用開始後、多くの企業様に導入いただいています。
我々の事業の強みは、マッチングする物流事業者様から大きく後押ししていただいている、という部分にあると思います。我々の事業には物流事業者様のご協力が必要不可欠なのですが、現状160社以上にご協力いただいています。これは業界を変革していこうというスタートアップ企業にとって、ものすごい追い風です。
編集部
160社以上というのはとても多い数字だと思います。そのようにたくさんの物流事業者様から協力が得られる理由は何なのでしょうか?
神さん
我々のビジネスモデル自体、そもそも今の業界の中には存在しなかったものなんです。私は元々、国際物流業界に身を置いていたのですが、そのときから国際物流業界がもっと良くなる仕組みはないか考え続けていました。そして起業するにあたり、このビジネスモデルを考えた、という経緯があります。
そのため、物流事業者の方からすると「待ってました!」というような仕組みなんですね。実際、Gihoをご案内すると、大体98%くらいはご登録いただけます。プロダクト自体に魅力を感じてもらえ、加えて事業のビジョンなどの想いにも共感していただけていることが、さまざまな物流事業者様の協力を得られている理由かなと思います。
編集部
なるほど。国際物流業界の課題を肌で感じていたからこそ、魅力的なプロダクトや共感を呼ぶビジョンが生まれたのですね。
シリーズAで7億円の資金調達に成功!急成長の裏に「信頼」あり
▲会社が成長中につき社員数も増加中のWillboxさん
編集部
さまざまな協力企業様も増え、Willboxさんは今まさに急成長の真っ只中だと思いますが、実際に売上や会社規模はどのように変化していますか?
神さん
売上は昨対比でいうと900%増になっていますね。もちろん、比較しているサービス立ち上げ当初の売上が少なかったということもありますが。人員でいうと1年前は5、6人だったのに対して、今では15人と3倍くらいに増えています。
編集部
すごい数字です!投資家からシリーズAで総額約7億円の資金調達を実施したということもお聞きしましたが、Willboxさんのどのような部分が評価されたとお考えでしょうか?
神さん
投資家さんによって見るポイントは違いますが、先ほど申し上げたように、スタートアップ企業でありながら多くの物流事業者様から既に協力があることが理由としては大きいと思います。
というのも、国際物流業界には特有の空気感があって、デジタルの力で産業構造に変革をもたらすためには、業界の大きなサポートが必要なんです。そのため、そこを既にクリアしているというのは最も大きなポイントだったと思います。
もう1つ、Willboxは事業計画に絶対にコミットし、投資家さんとの約束を守ってきたという点もあります。良く言わせてもらうなら、ストイックな会社ということですね。
スタートアップ企業はなかなか計画通りの数字とはならない会社も多いのですが、我々は「Get things done:何が何でもやる」という文化ですので、その結果として約束を守ることができたというところはかなり評価していただいたと思います。
編集部
Willboxさんが計画通りの数字をやり遂げた理由は何でしょうか?
神さん
やはりそれは社員の頑張りがあってこそだと思います。例えば今日参加している王もそうですが、「このくらいの数字を売ってきてほしい」という目標に対して、必ず達成してくれるんですね。
ただし、「数字だけを達成すれば良い」という考えではなく、お客様としっかり向き合い、お客様の課題を解消しようという姿勢を持っています。その愚直に向き合う姿勢と、業界・現場から必要とされていたプロダクトという部分が合わさって、お客様の利用が広まっていっているのではないかと思っています。
編集部
「お客様のために」という本質を見失わずに取り組むことで、結果的に会社としての信頼や売り上げにつながっているんですね。
新卒入社3年目で海外展開プロジェクトのマネージャーに抜擢。活躍する若手社員たち
▲Willbox唯一の新卒社員として活躍する王さん(右)
編集部
Willboxさんでは若い社員さんも多く活躍していらっしゃいますよね。Willboxさんで実際に若手社員の方が活躍されたエピソードなどがあれば教えてください。
神さん
今回参加している王は唯一新卒入社で弊社に入社した社員なのですが、実は2回も応募してきているんですよ。1回目は「新卒採用はしていないので」とお断りしたのですが、諦めずに2回目も応募してきたツワモノです(笑)。
セールスチームに配属されてからずっと頑張ってきて、トップセールスにまで成長しました。その後、新卒3年目で海外展開プロジェクトのマネージャーに最短・最年少で昇格しています。
編集部
王さんが活躍されている背景として、会社のサポート体制などがあれば教えてください。
王さん
私が入社したときにはまだ少ない人員数でしたが、チーム全体にすごく熱量がありました。毎朝の朝礼で数字の報告や1日の活動予定を報告し、密にコミュニケーションを取りながら進めていましたね。
日々ロールプレイングなど、営業についてのサポートを受けることができていました。それに加えて、セールスチームとオペレーションチームとの社内連携がすごく取れていたということも大きいポイントでした。自部署であるセールスチームだけではなく、会社全体からサポートを受けられたことが、自分自身の成長につながったと思います。
現在では海外展開プロジェクトを任せていただいているので、中国語、日本語、英語といった言語のスキルを活かしながら海外市場の開拓には積極的に関わっていきたいですね。
編集部
人数が少ない中でもきちんとサポートが受けられる環境があったのですね。ただサポートを受けるだけでなく、王さん自身の熱意や積極性があるからこそ成長につながっているのだと感じました。
王さんの他にも、若手社員の活躍エピソードがございましたら教えてください。
神さん
新しく神戸市に設置した事業所の責任者を入社1年目の若手社員に任せています。その社員は物流業界や商社といった貿易に関わるバックグラウンドを持ち、しかも元々はWillboxのサービスを利用するお客様で、弊社にほれ込んで入社したという経緯を持っています。
その社員はずっとセールスの部署でやってきたのですが、神戸の事業所を設立するにあたり真っ先に手を挙げてくれました。会社のために行くという決断をしてくれたので、責任者として抜擢しました。
若手社員活躍の秘訣は「成長のためにチャンスを与えること」
編集部
今お話しいただいたような若手社員の方が活躍できる秘訣は何なのでしょうか?
神さん
Willboxでは「成長のためにチャンスを与える文化」がとても強いからではないでしょうか。やりたいという希望がある人に、チャンスを与えられる会社だと思います。
ここ1年で人員が増えているため、もちろん社歴が浅い社員が多いのですが、Willboxでは入社年次などは関係ありません。もちろん実績を積む必要はありますが、どんどん挑戦できる環境があるのが、若手社員であっても活躍できている秘訣だと思います。
編集部
確かにお話いただいた若手社員の方の活躍エピソードでも、会社が手厚くサポートするだけでなく、自発的な挑戦の姿勢があるからこそ輝くことができているのだと感じました。社員を信頼して任せる風土があることが、それを可能にしているのですね。
社内の状況はできる限り共有し、当事者意識を育む
▲「All hands MTG」の様子
編集部
社内カルチャーのお話も伺えればと思います。「All hands MTG(オールハンズミーティング)」を定期的に開催されているとのことですが、これはどのようなミーティングなのでしょうか?
神さん
「All hands MTG」は週に一度、月曜日の朝一番に実施しています。内容としては、一週間であったことのチームごとの報告ですね。我々は「ギネス」という行動目標のようなものを設定しているのですが、その達成状況を報告する時間になっています。
もちろん数字が上がっていなければそれを追求するような厳しい面もありますし、他のチームから質問が飛ぶこともあり、議論が生まれる場となっています。
また、ミーティングの最後には私の方から資金の調達状況も共有し、どのくらい集まっているか、達成できそうかということは社員全員が知っているという状況をつくってきました。金額の状況だけでなく、株主の方やVCさんとのディスカッションの状況も含めて共有していました。そうすることで社員が当事者意識を持つことができるのではないかと思っています。
また、ミーティングとは別でSlackというコミュニケーションツールを使って、各チームの数字の状況を毎日共有しています。できる限り社内状況をオープンにしていこうという方向でこのような取り組みを行っています。
編集部
会社を自分事として捉えられるよう、資金調達や社内の状況をオープンに共有されているのですね。それを受けて社員の方が「自分は何をやるべきなのか」を主体的に考えられる取り組みだと感じました。
「社員を下の名前で呼ぶ」人と人との距離が近い雰囲気が魅力
▲距離が近いフランクなコミュニケーションが魅力
編集部
社内の雰囲気についてもお伺いしたいと思います。新卒で入社された王さんから見て、Willboxさんはどのような雰囲気だと感じていますか?
王さん
スタートアップ企業としてすごく早い段階で会社のカルチャーが形成されているなと感じました。具体的に言うと、入社した段階で既に行動指針が「Will」として明確に示されていたのが印象的でしたね。
また、私は学生時代に2年間インターンシップとして大手物流会社で働いていたのですが、そこでは業務内でのコミュニケーションしかありませんでした。しかしWillboxでは人対人の関係性が深いなと感じます。
たとえ上長とも、週に1回の頻度で1on1ミーティングを行っています。また月に1度、評価とは別で人事と面談の機会があります。そこでは今のキャリア上の悩みなどがあればすぐに相談することができます。人と人との距離が近いという環境が、私にとっては魅力的ですね。
神さん
確かに王の言う通り、人と人との距離感が近いかもしれないですね。私も社員の皆のことは下の名前で呼ぶようにしていますし、全体的にフランクな雰囲気があると思います。
▲少ない人数の時から明文化されていたWillboxさんのバリュー「Will」(公式サイトから引用)
採用では「誠実」「オーナーシップ」を重視
編集部
採用についてもお伺いします。Willboxさんが求める人材像を教えていただけますでしょうか。
王さん
Willboxの採用のポイントとして、大きく2つを見ています。「誠実であること」、そして「オーナーシップを持って取り組めるか」ということです。投資家さんからの評価ポイントのところでもお話しした通り、誠実に事業に向き合うことで信頼を得ることができ、オーナーシップを持ってやってきたからこそ計画も達成できたのだと思っています。そのため、この2点は必ず見るポイントです。
また、「世の中に価値を提供したい」という意思を持った方にも多く入社してもらっています。弊社でも掲げているビジョンを重要視しているため、そこに向かって自走できる文化をこれまでつくってきました。ぜひビジョンに共感し、自走できる方に来ていただければと思っています。
編集部
これからのWillboxさんの成長に欠かせない人材を採用するために、明確な採用のポイントをお持ちなんですね。ビジョンに共感し、主体的に成長できる人が活躍できる会社だと感じました
記事に登場いただいた王さんのインタビューはWantedlyに紹介されています。HPや採用ページとあわせてご覧ください。
本日はありがとうございました!
■取材協力
Willbox株式会社:https://willbox.jp/
採用ページ:https://willbox.jp/careers
Wantedly:https://www.wantedly.com/companies/company_8200863/post_articles/346905