Priv Techのフルリモートワークが支える日本のプライバシーテック領域

企業の新しい働き方や将来の展望、採用で求める人物像などをお伝えしていくこの企画。今回はインターネットやデジタルマーケティングにおけるプライバシーテック領域をリードするPriv Tech(プライブテック)株式会社にインタビューをさせていただきました。

Priv Tech株式会社とは

Priv Tech株式会社は、インターネットやデジタルマーケティングにおける個人のプライバシーを保護するためのツールや、プライバシー規制対策コンサルティングサービスを提供するプライバシーテック(※)領域のリーディングカンパニーです。
(※)プライバシーテック:個人のプライバシーを保護するためのテクノロジー

個人データを活用したサービスが急速に拡大したことにより、ショッピングからクレジットカード決済まで、インターネット上で完結できるようになりました。

これにより、私たちの暮らしはとても便利になりましたが、その手軽さと引き換えに個人情報の取得・分析が容易になったことで個人情報の悪用のリスクが高まっているのも事実です。

欧米と比較し、遅れを取っていた日本のブライバシーテック領域ですが、2020年6月に改正個人情報保護法が国会で可決・成立したことを機に、プライバシー保護の動きが強まっています。

会社名 Priv Tech株式会社(プライブテックカブシキガイシャ)
住所 東京都港区愛宕2-5-1 愛宕グリーンヒルズMORIタワー34階
事業内容 プライバシーテック事業
設立 2020年3月2日
公式ページ https://privtech.co.jp/
働き方 フルリモート
スーパーフレックス

これからのデジタル社会において、私たちが安心して情報を得るためのテクノロジーを提供するPriv Techでは、“ユーザーの「プライバシー」を守り、企業とユーザーの架け橋に。”をミッションに掲げ、インターネット社会を再構築し、ユーザーファーストな世界を創りあげようとしています。

今回は代表取締役の中道さんに、プライバシーテックの重要性や、Priv Techのコアタイムやオフィスを設けない自由な働き方などについてお聞きしました。

本日お話を伺った方
Priv Tech株式会社 代表取締役 中道 大輔さん

Priv Tech株式会社
代表取締役

中道 大輔さん

今後さらに拡大する「プライバシーテック」の第一人者

Priv Tech株式会社のメッセージ
▲“ユーザーの「プライバシー」を守り、企業とユーザーの架け橋に。”を掲げているPriv Tech株式会社(公式サイトから引用)

編集部

最初に、Priv Techさんの事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか。

中道さん

私たちが事業のターゲットとしているのは、インターネットやデジタルマーケティングにおける“プライバシー保護”です。

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、個人のプライバシーを保護する「プライバシーテック」というテクノロジーの領域があります。企業による個人データの適切な活用と、個人情報の保護を両立するために必要不可欠な技術として、ここ数年、日本でも注目が集まっています。

仕組み的な話をすると、WebサイトやWebサーバーにアクセスした人の情報をブラウザに一時的に保存するためのCookieという仕組みがあります。Webサイトによっては詳細な個人情報が記録されてしまうことがあり、セキュリティリスクの一つになっているため注意が必要です。

こうした背景から、Cookieの使い方によってはユーザーから同意を取るといった対応が必要になってきており、それに対応していただくためのSaaS(※)ツールの提供や、プライバシー規制対策のコンサルティングを主な事業としています。
(※)SaaS:クラウドサービスとして提供されるソフトウェア

Priv Tech株式会社の「Trust 360」の概要説明
▲デジタルマーケティングの推進とプライバシーの尊重”を両立させる同意管理プラットフォーム「Trust 360」を主軸に、日本におけるプライバシーテック市場を牽引

編集部

なるほど。2022年4月に施行された改正個人情報保護法では、Cookieによって取得される情報は個人関連情報として新たに定義され、Web担当者は施策を講じなければなりませんよね。これに伴い、日本におけるプライバシーテック市場にも大きな変化をもたらすのではないでしょうか。

中道さん

プライバシーテックの日本市場は現在、約400億円ぐらいのポテンシャルがあるといった数字が出ています。Cookieの規制が強化されるようになると、2029年までに現状の約10倍、4,000億円くらいの規模感になるのではと見込んでいます。

編集部

かなり大きな市場になることが予想されますが、そもそも中道さんがプライバシーテック領域のビジネスに着目したのは何がきっかけなのでしょう。

私は、Yahoo!やSoftBankという日本を代表するプラットフォーマーで、広告プラットフォームの立ち上げやデータビジネス関連のビジネス・ディベロップメントに従事していた経緯があります。

この時、個人情報の保護においては企業として法律は守っていたけれど、果たしてユーザーのプライバシーをしっかり考えたサービス設計ができていたかというと今でも疑念があります。

また、欧米に比べてプライバシーに対する意識が低い日本を、そのままプライバシー後進国にしてしまった一端を担ってしまったという思いから、Priv Techを立ち上げました。

編集部

日本が個人のプライバシー領域に関して遅れを取っている原因は、決して中道さんお一人の責任ではないかと思いますが、Priv Techの飛躍にはそういった過去の経験が少なからず関係していたのですね。

プライバシー保護分野における、世界と日本の“架け橋”に

編集部

日本のプライバシーテック領域を牽引するPriv Techさんですが、海外事業責任者の役職を新設された背景についてもお聞かせください。

中道さん

日本では最近になってやっと消費者のプライバシー保護を目的とした法整備が進みましたが、海外に目を向けると、2018年にGDPR(一般データ保護規則)が、2020年にはCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法、2023年1月1日より改正法であるCPRAが施行)がすでに施行されています。

また、中国やシンガポール、インドなどアジア圏においてもその国独自のプライバシー関連法が制定されつつあります。このような状況の中、海外事業を展開する日本企業や、日本進出を模索する海外企業にとって、国ごとに異なるプライバシー関連の法令に対応するのはかなり難しいと言えます。

国内外の企業のプライバシー関連法対応をサポートすることは、日本におけるプライバシー領域をリードする当社の使命と考え、海外事業責任者の役職を新設しました。

編集部

“ユーザーの「プライバシー」を守り、企業とユーザーの架け橋に。”というメッセージを掲げるPriv Techさんは、プライバシー保護の分野において世界と日本のあいだの“架け橋”にもなっていくんですね。

プロフェッショナル集団による結果重視の働き方

Priv Tech株式会社が採用しているバーチャルオフィス「oVice」
▲フルリモートワークを導入しているPriv Techでは、コミュニケーションツールとしてバーチャルオフィス「oVice」を使用している

編集部

現在、Priv Techさんは10名のメンバーが在籍されているそうですが、勤務時間や勤務場所などはどのようになっていますか?

中道さん

オフィスは東京都港区にありますが、メンバー全員、フルリモートで仕事をしています。居住地も限定していないので、関東、名古屋、大阪、岐阜、宮崎でそれぞれ業務にあたっています。私自身は東京と宮崎に拠点を持っていて、このインタビューも宮崎で受けています。

編集部

フルリモートとなると、メンバー同士のコミュニケーションはどのように図られているのでしょう。

中道さん

毎週月曜に全社定例会議を行っているのと、四半期に1回のペースで全メンバーが顔を合わせるようにしています。普段顔を合わせることが少ないので、実際に会うときは一泊して、夜はお酒を飲むこともありますね。前回は名古屋、その前は熱海に集まりました。

日々の業務ではSlackやバーチャルオフィスツール「oVice」を使ってコミュニケーションを図っていて、仕事の話以外にも「ランチは何を食べるんですか?」といったような、自由に話しかけられるコミュニケーションは取れていると感じます。

編集部

フルリモートを採用している企業の中には、定期的な報告を義務付けていることもあるようですが、Priv Techさんではそのようなルールを設けていらっしゃいますか?

中道さん

一切設けていません。プロセスではなく結果に重きを置いているので、コアタイムも設けていません。当社のメンバーは雇用関係はあるものの、一人ひとりが個人事業主というマインドを持ったプロフェッショナル集団です。

基本的にはルールは設けず、自主性に任せていますが、自主性は信頼の上に成り立つもの。信頼関係重視でやっていきたいと考えています。

また、コアタイムを設けないのは、さまざまな雇用形態があることにも関係しています。正社員のほか、契約社員や海外在住の業務委託の方もいるので、時差の関係上、物理的にコアタイムを設けるのが難しい面があるんです。「契約の範囲内で自由にやってください」というスタンスなので、働く時間も副業に関しても個人の意志を尊重しています。

編集部

一人ひとりがプロ意識を持って業務にあたっているからこそ、コアタイムを設けないフルリモートでも、結果が出せるということですね。

ベストパフォーマンスを出せる環境ならどこでもOK!

宮崎でサーフィンを楽しむPriv Tech株式会社代表取締役の中道さん
▲東京と宮崎に拠点を持つ中道さん。宮崎では仕事の合間に趣味のサーフィンを楽しんでいる

編集部

東京と宮崎という2つの拠点を持つ中道さんですが、東京と比較して宮崎での暮らしはいかがですか?

中道さん

仕事をするにも生活するにも、最高の環境です。私が住む地区は徒歩圏内に海や川があり、趣味の釣りやサーフィンを思い立ったらすぐに楽しむことができます。飲食店や娯楽施設も少ないので、遊ぶ場所が良い意味で少なく、オンとオフを上手に切り替えながら仕事に集中できるのも魅力です。

編集部

すごくあこがれるワークスタイルです!代表の中道さんが実践されているように、現メンバーやこれからPriv Techさんへのジョインを検討している方にも、地方在住を推奨されているのでしょうか。

中道さん

先ほど申し上げた通り、フルリモートなので東京でも地方でも、ベストなパフォーマンスが出せる環境であればどこで仕事をしていただいても構いません。

東京在住のメンバーは花粉症に苦しんでいるようで、「仕事に影響するのなら花粉の少ない地域に移住をすればいいのに」と話しているところです(笑)。もちろん、海外移住も可能なので、海外でも国内同様の福利厚生などが提供できるような体制を整えていく方針です。

編集部

働く場所に関連してお聞きしたいのですが、コワーキングスペースやシェアオフィスなどを自宅と別に借りて仕事をすることは可能ですか?

中道さん

もちろん可能です。むしろ推奨しています。僕も宮崎と東京に自宅以外のコワーキングスペースを借りていて、メンバーの中にも自宅の近くに仕事用のスペースを借りている方がいます。

家族がいたり、子供が小さいとなかなか仕事に集中できないことってありますよね。反対に、自宅が好きで仕事になんら支障はないというメンバーもいるので、自分にとってベストな環境を選んでもらっています。

プライバシーテック領域の重要性を理解し、事業に共感したメンバーが活躍中

編集部

Priv Techさんで現在ご活躍中のメンバーは、どのような性格の方が多いのでしょうか。また、中道さんから見て、社内はどのような雰囲気ですか?

中道さん

先ほども申し上げた通り個人事業主のマインドで仕事をしているので、クールな性格のメンバーが多いように思います。馴れ合いを嫌うので、やるべきこと、やってもらうことに対しての指示は的確です。そういった意味ではクレバーな人材がそろっていると思います。

とはいえ、決して個人プレーが多いということではなく、目標に向かって進もうとするチーム感があるのが当社の強みです。

編集部

メンバーのバックボーンについてもお聞きしたいのですが、どんなキャリアをお持ちの方が入社されているのか紹介いただけますか?

中道さん

もともとSaaSのマーケティングなどを通して縁があった方もいますが、それ以外はTwitterなどSNSを通じて連絡を下さった方がほとんどです。当社が発信するプライバシーテック領域の重要性を理解し、共感した方がジョインされるといったケースが多いですね。

また、かなり遅れをとっている日本のプライバシーテック領域をリードする当社には、すでに「勝ち筋」が見えていることに将来性を感じて入社された方もいます。拡大している市場に対して、私たちPriv Techが働きかけていく工程は、かなりエキサイティングな経験になるのではないかと思います。

編集部

先ほど人事評価についてはお聞きしましたが、報酬やインセティブについても教えていただけますか?

中道さん

成果を正当に評価し、報酬やインセンティブという観点から見てもしっかり公平に社員に還元する考え方が軸としてあります。業務内容は相当ハードルが高いと思われますが、それに見合った報酬を受け取ることで、やりがいを持って働ける環境だと思います。

編集部

結果を正当に評価し、それに見合った報酬を得られることで、モチベーションアップにもつながるというわけですね。クールでクレバーなプロ集団が作られる理由が理解できたような気がします。

自分なりの武器を持ち、急成長するスピードについてこれる方を歓迎

Priv Tech株式会社代表取締役の中道さん

編集部

今後、確実に拡大するプライバシーテック市場ですが、Priv Techさんとしても業務拡大を視野に入れているのでしょうか。

中道さん

おっしゃる通りです。現在、積極的に採用活動をしています。ただし、募集職種はデジタルトラスト(※)と直接リンクする技術や知識を持った方に限定されるため、採用ハードルが高い実情があります。
(※)デジタルトラスト:組織がデータや個人情報を保護・保管し、セキュリティを守る能力に対する信頼度を測る尺度

加えて、私たちがやりたいことやミッションに共感できることはもちろんですが、リモートワークやコアタイムを設けないスーパーフレックスといった働き方なので、プログラミングやエクセルの使い方などを一から教えることは難しいという現実があり、新卒の方には厳しい面があります。

ただ、プライバシーテック領域は法律にも関係するので、現在活躍している若手にも法学部出身者がいます。エンジニアも同様に、プライバシーテック領域でやっていくための軸となる武器があれば、ビジネス経験が浅い方でもチャンスはあると思います。

編集部

社会人経験があり、エンジニアとしてのスキルはあったとしても、採用ではプライバシーテック領域で活躍できる自分なりの武器の有無やその内容を重視するというわけですね。

中道さん

そうですね。あとは個人の属性になるのですが、フルリモートでも主体性を持って働けるといった、自己管理ができることは必須です。指示待ちではなく自身で判断して行動し、問題に直面した際も自分で調べたり、聞いたりするといった、能動的な働き方ができることも必須条件となるでしょう。

編集部

若い世代の中には、これからスキルを身につけ、どんどん成長していきたいと意気込んでいる方も多いと思います。そのような方がPriv Techさんに入社されましたら、どのようなキャリアを描けるでしょうか。

中道さん

プライバシーテック領域の市場は確実に拡大しており、それに伴い当社の業績も伸びています。市場がかなり急成長中で、弊社も昨年対比では500%増というスピード感です。この成長速度についてくることができれば、自ずと成長できるはずです。

編集部

今後、確実に拡大するプライバシーテック領域の最前線で働くことの意義、自主性を持ったリモートワークがもたらす生産性の高さを教えていただきました。

今回は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

■取材協力
Priv Tech株式会社:https://privtech.co.jp/
採用ページ:https://www.wantedly.com/companies/company_7904064