技術者の育成とM&Aで社会を支えるマイスターエンジニアリンググループで、若手が成長できる理由とは

特色ある事業や、若手が育ち活躍する職場環境を紹介する本企画。今回は、国内の様々なメーカーや生活インフラを担う企業への技術者派遣や技術提供、コンサルティングを行う、マイスターエンジニアリンググループにお話を伺いました。

「2030年クライシス」に立ち向かうマイスターエンジニアリング

マイスターエンジニアリンググループは、様々な領域の技術を持つエンジニアを抱え、メンテナンスや開発設計を中心とした技術サービスを提供しています。提供先としては、自動車や半導体、食品メーカーの製造現場や、プラント、道路・電気などのインフラ領域が中心です。

同社が指摘する「2030年クライシス」とは、人口減少や技術職の担い手不足が進む中、鉄道などの交通網や電気・ガスなど生活に欠かせないインフラのメンテナンスを行う人材不足が、将来的に深刻になる恐れを予測したものです。政府の統計データや報告書、関連団体の推計から、同社が独自に調査を行っており、マスコミに採り上げられるなど業界から注目を集めています。

この「2030年クライシス」を回避するため、マイスターエンジニアリンググループは、技術者の育成や事業承継による廃業危機企業のグループ化、DX化の推進を経営戦略として掲げ取り組んでいます。

会社名 マイスターエンジニアリンググループ
住所 東京都千代田区丸の内1-7-12
サピアタワー15階
事業内容 ・半導体製造装置、各種メカトロ機器及び建築設備のメンテナンス&エンジニアリング
・施工技術者の育成
・コンサルティング 等
設立 1974年6月
公式ページ https://www.mystar.co.jp/

今回は、グループの本体である株式会社マイスターエンジニアリングの人財開発部 部長である秋元章吾さんに、事業の特徴や若手の育成、採用のポイントなどについて、お話を聞かせていただきました。

本日お話を伺った方
株式会社マイスターエンジニアリングの人財開発部で部長を務める秋元章吾さん

株式会社マイスターエンジニアリング
人財開発部部長

秋元 章吾さん

適材適所の技術サポートであらゆる産業を支える

株式会社マイスターエンジニアリングのメンバー2人がオフィスで並んで立っている様子

編集部

マイスターエンジニアリンググループの事業の特徴をお聞かせください。

秋元さん

まず製造業向けの技術パートナー事業がございます。正社員として雇用している技術者を、製造や開発の現場に派遣して、メーカーのメンテナンスや開発業務を支援しています。

現在私たちが得意としているのは、工場の設備や病院の医療機器、半導体製造装置の機械設計やメンテナンス、自動車に組み込まれるプログラム開発などで、様々なエンジニアが活躍しています。

お客様は様々な業界にいらっしゃいます。私たちはそれぞれの課題に対して、お客様に寄り添い、適切な技術を提供できる体制を整えています。短期的なサポートではなく、5年、10年という長いスパンで関わらせていただき、当社のエンジニアにも安定した就業機会を提供しています。

編集部

長くお付き合いをされていくというのは、技術を求めるメーカー側にとっても、マイスターエンジニアリングさんのエンジニアの皆様にとっても、安心できる関係ですね。ほかにも製造業向けの領域で強みにされている分野はあるのでしょうか。

秋元さん

自動化された製造現場をサポートする領域で、自社開発の装置を提供しています。具体的にいうと、AIを活用した画像検査装置です。この装置で、部品の傷を発見したり、加工食品への異物混入を防いだりしています。

ラインに流れてくる商品の欠陥を見抜く作業は、人の目だけに頼ると、疲れるし大変なんですよね。それを画像検査として自動化する設備を、お客様のニーズに合わせて開発しています。

編集部

先進的な技術を取り入れた開発もされているのですね。幅広い分野の課題解決に向き合えるマイスターエンジニアリンググループには、様々なノウハウを持った人材がいらっしゃるのだと分かりました。

「超重要インフラ」のメンテナンスに対応する技術力を強化し事業を拡大

編集部

マイスターエンジニアリンググループでその他に注力されている事業を教えていただけますか。

秋元さん

私たちは、電気や土木など世の中の経済活動や日常生活を支えるインフラを「超重要インフラ」として位置づけており、このような超重要インフラを守っていくためのメンテナンス・工事サービスを提供しています。

例えば土木領域では電線の地中化に関わる工事、電気領域では鉄道の受変電設備のメンテナンス、このほか、建物の防災設備のメンテナンスや、石油化学プラント領域の工事・メンテナンス等に注力しており、弊社、グループ各社が持つノウハウ・専門技術を元に質の高い技術サービスを提供しています。

編集部

人々の生活に深く関わる様々なインフラを支えてくださっているのですね。

秋元さん

私たちは、メンテナンスが必要なインフラや設備が増えていくのに対して、それに対応できる技術者の減少を危惧する「2030年クライシス」を声高に叫んでいます。

変電所、道路、橋梁、鉄道などに必要な補修が、人手が回らなくて追い付かないというような事態を避けるため、事業を拡大しています。

編集部

どのように事業を拡大されているのでしょうか。

秋元さん

ハイレベルな技術を、より多くの現場へ提供できるように、質と量にこだわって技術者を確保しようとしています。

「2030年クライシス」という社会課題に対して積極的にM&Aを進めており、現在は様々なノウハウを持つ17の企業が、私たちのグループになりました(2024年1月時点)。今後も、年間5~6社を新しい仲間として迎えるスピード感で、M&Aを進めていく考えです。

M&A、DX化、技術者の育成、を経営戦略に掲げた第2の創業期

ガラス張りで室内の様子が見える株式会社マイスターエンジニアリングの社長室
▲社長室は全面ガラス張りになっており、経営陣とスタッフの距離の近さが伺える

編集部

マイスターエンジニアリンググループは、第2の創業期として新たな経営戦略を掲げられているのですね。

秋元さん

2017年から代表取締役をはじめとする経営陣の刷新が進み「技術で、社会を支える」というミッションに共感するメンバーが次々とジョインしました。そして、M&A、DX化、技術者の採用と育成の3つを経営戦略として掲げ「2030年クライシス」を回避しようとしています。

また、私たちの事業である社会インフラの課題解決や技術者の育成は、数年単位の長期的な時間軸で見守っていく必要があるため、2020年には株式を非公開としました。上場時は短期目線での株主ファーストの経営が求められますが、非公開化したことで長期視点・社員ファーストの経営を追求することができています。

編集部

マイスターエンジニアリンググループが活発に行っていらっしゃるM&Aについて、特徴的なことがあれば教えていただけますか。

秋元さん

私たちは、優れた技術を持ちながら、後継者がいないことによって廃業危機にある企業を対象に、M&Aによる事業の継承をしています。

メンテナンスの業界では、独立して事業を立ち上げた中小規模のオーナー企業が多く、そのオーナーの高齢化が進んでおり、後継者がいないときに「廃業を選択するしかない」というケースが少なからずあります。それだと、人員や技術といったかけがえのない財産がなくなってしまいますよね。そのような場合に事業承継をしていこうというのが、私たちのM&Aです。

編集部

M&Aによりマイスターエンジニアリンググループの一員となった企業は、どのような立ち位置となるのでしょうか。

秋元さん

私たちのグループになった企業とは、従属関係ではなく「一緒に成長を歩んでいきましょう」というスタイルで、プラットフォームを共有する仲間のような立ち位置になります。

グループ企業の総務、経理などのバックオフィス業務やIT技術の導入、若手技術者の採用・育成は、本体の管理部門がサポートします。私たちの管理部門は、一般的にイメージされる受け身的な業務ばかりではなく、自社はもちろんグループ企業内の業務効率化や意識改善など、攻めのアドバイスや改善策の実行を担っています。

例えば、経理や総務などの業務負担を軽減するための支援や、DX化を進めるためのデジタル環境の整備などを私たちに任せていただいています。採用では年間約300人を採用し、グループ企業へ人材面での支援を行っています。

編集部

マイスターエンジニアリンググループは、M&A後のグループ会社がそれぞれ現場の業務に集中し、生産性を上げられるような、総合的な支援をしていらっしゃるのですね。

課題をクリアしながら確実に成長。管理部門で活躍する20代・30代

株式会社マイスターエンジニアリングのメンバー2人がデスクで業務に取り組んでいる様子

編集部

マイスターエンジニアリンググループの管理部門で活躍されている方の年代をお教えください。

秋元さん

管理部門は80名前後で構成されている組織で、20代から30代の人材が多く活躍しています。40代から50代の勤続年数が長いメンバーももちろんいますが、経営陣が刷新された時期から新卒の採用を活発に行っているので、若返りがどんどん進んでいます。

編集部

若手の育成はどのようにされていらっしゃいますか。

秋元さん

座学で、組織の共通認識をインストールしたり、考え方の引き出しを増やす機会として活用しつつ、その定着のためにOJTを重視しています。そういう意味で、一番大事にしているのが「ハイボール課題」への取り組みです。

現状からのスキルアップを目指し「頑張れば何とかできるかもしれない」という少しレベルの高いストレッチ目標に取り組んでもらいます。例えば、新卒3年目の経理を担当するメンバーに、新しいグループ会社の経理実務を任せて、本体とグループ会社の会計の仕組みを、シームレスに繋げられるようにする、というようなものです。

編集部

とても難しい課題に思えますが、新卒3年目の方でも可能なのでしょうか。

秋元さん

可能ですよ。一人ひとりに上司がついて必ずサポートしますし、若手それぞれの能力を考慮して、頑張ればできそうなことに挑戦していただいています。

ほかにも、採用を担当する入社2年目の若手メンバーには、広報ツールや会社パンフレットの企画と製作管理を、プロジェクトマネジメントを含めて任せました。「知識のない領域かもしれないけど、チャレンジしてほしい」と期待を伝えながら、スキルアップを促しています。

編集部

上司がしっかりサポートしてくれる体制が整っていると、難しい課題にもチャレンジしやすいですね。壁にぶつかったときには、すぐに相談できるのですね。

若手一人ひとりを、有名コンサルや大手メーカー出身の先輩・上司がサポート

株式会社マイスターエンジニアリングのオフィス

編集部

ほかに、若手メンバーの成長をフォローする取り組みはございますか。

秋元さん

成長をフォローする位置づけで1on1を行っています。月に1回のペースで、ハイボール課題の進捗や自分自身の成長、新しく課題に感じていることの有無などを内省・共有してもらって、それに対するフィードバックをしています。

毎月の1on1を継続して着実にスキルを積み上げていくのが、若手の成長に良いと考えています。ほかにも、3ヶ月に1回くらいですが、各組織の部長が、問題解決やタスクマネジメントなど様々なテーマを受け持ち、研修を行っています。

当社の部長など管理職は、コンサルティング会社などのプロファームや大手メーカー出身のメンバーで構成されていて、業務上のマネジメントはもちろん、人材の成長支援にも力を発揮しています。

編集部

マイスターエンジニアリンググループが定期的に行う組織の健康度調査で「やりがい」「支援」のスコアが昨年に比べて大きく伸びているのを拝見しました。

秋元さん

1on1やハイボール課題の付与を通して、目標を持って仕事に取り組んでもらえていたり、成長支援をしていたりする結果だと思います。

編集部

社員ファーストを重視して、職場環境や教育の制度を整えていらっしゃったことが、アンケートに反映されているのでしょうね。

福利厚生充実。月2万円+水道光熱費で東京での一人暮らしができる

編集部

マイスターエンジニアリンググループには、どのような福利厚生があるのでしょうか。

秋元さん

伊藤忠連合保険組合と提携しており、利用が割引になる宿泊施設が全国にあります。また、新卒や若手のメンバーに喜ばれている独身寮制度があります。家賃の上限はありますが、自己負担月2万円のみで住めるという制度です。

編集部

それはすごいですね。物価が高くなっている中で、固定費を縮小できるのはとてもありがたい制度だと思います。

秋元さん

最大90万円の返済が不要になる奨学金貸付制度や、子育て世代のための手当や休暇、長期勤続の祝い金などもあります。

編集部

若手の頃も、ベテランになっても、会社から暮らしを支えるサポートがあるというのは、とても魅力的ですね。

主体性を重視。目標を持って自分から行動できる方と働きたい

株式会社マイスターエンジニアリングの執務室でメンバーが仕事をしている様子

編集部

マイスターエンジニアリンググループでは、人材の採用予定はあるのでしょうか。

秋元さん

エンジニアの採用はもちろんですが、総務、経理、採用、人事、情報システム、業務管理、経営企画など、マイスターエンジニアリンググループの中枢となる管理部門での採用も積極的に実施しています。

編集部

管理部門で活躍できるのはどのような方でしょうか。

秋元さん

仕事を自分で管理し進めていこうとする、オーナーシップのある方が活躍できると思います。一人で抱え込むのではなく、同僚や上司を巻き込みながらより良い結果を出そうとする方、主体性を持って「自分で何か付加価値を生みだしたい」という思いを持って行動する方には、刺激的な業務・環境ではないかと思います。

私たちは新人に塊で課題を持って仕事に取り組むことや、その結果として成長することを求めます。焦らなくても大丈夫ですから、3年、5年、10年と中長期的な視野で伸び続けていきたいと考えている方が、ご応募くださると嬉しいですね。

我々は様々な学びや気付きを得られる環境を用意し、若手がチャレンジする過程を全力でサポートします。

編集部

先輩たちは、どのような雰囲気で若手のメンバーをサポートしていますか。

秋元さん

一言でいうと「風通しが良い」雰囲気が浸透しています。最近、管理職以上の役員も含めて360度フィードバックを行いましたが、メンバーのあちこちから率直な意見がズバズバと上がっていました。フィードバックに参加するメンバー全員が「下からも意見が出せる雰囲気をつくろう」と思っているのを実感しました。

入社してくれたメンバーには部下、上司など関係なく、対等にコミュニケーションができる環境で、成長していってほしいと思っています。将来的にはプロジェクトを引っ張れるようなリーダーシップや、グループ経営を成功させる鍵となるようなマネジメント力を身につけてもらえるといいですね。

編集部

インタビューを通じて、マイスターエンジニアリンググループには若手が成長するための制度・環境が整備されていることが分かりました。先輩たちと「2030年クライシス」に一緒に立ち向かい、生活インフラを守るメンバーとなれば、大きなやりがいを感じられるのではないかと感じました。本日はありがとうございました。

■取材協力
株式会社マイスターエンジニアリング:https://www.mystar.co.jp/
採用ページ:https://www.mystar.co.jp/recruit/