さまざまな企業の新しい働き方や魅力的なカルチャーを紹介するこの企画。今回はオンライン研修やeラーニングなど、ラーニングプラットフォームを展開する株式会社manebiにインタビューを行いました。
株式会社manebiとは
株式会社manebiはHRTechとEdTech領域においてSaaSモデルのプラットフォームを提供する会社です。社員教育・研修のオンライン学習プラットフォーム「playse.(プレース)」と、派遣業界に特化したeラーニングサービス「派遣のミカタ」の事業を展開しています。
会社名 | 株式会社manebi |
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住所 | 東京都豊島区東池袋1-18-1 Hareza Tower20F WeWork 内 |
事業内容 | ラーニングエクスペリエンスプラットフォーム「playse.(プレース)」事業 人材派遣業界特化eラーニング「派遣のミカタ」事業 |
設立 | 2013年8月23日 |
公式ページ | https://manebi.co.jp/ |
2021年には元サッカー日本代表の本田圭佑さん率いるKSK Angel Fund LLCをはじめとする複数の法人や投資家から総額8.2億円の資金調達を達成しており、その事業モデルや、「自分らしく輝くためのプラットフォームをつくる」というビジョンは多くの支持を集めています。
今回はそんな株式会社manebiでのワークライフバランスを実現する働き方や、エンジニアチームのコミュニティ形成の取り組み『カイクラ』をはじめとした独自の社内カルチャーについてお聞きしました。
自分らしく輝くためのラーニングプラットフォームを提供
▲manebiさんの掲げるミッションは「世界縁満(せかいえんまん)」(公式サイトから引用)
編集部
はじめに、manebiさんの事業内容をご説明いただけますか?
岡田さん
manebiは「世界縁満(せかいえんまん)」をミッションに掲げ、一人でも多くの人が自分らしく輝くためのプラットフォームを提供するハートテックカンパニーです。ハートテックとは、人の自律的な成長に寄り添うインフラのことを意味しています。
弊社は企業側からアプローチし、オンライン研修やeラーニングなど、社員教育向けのオンラインシステムの構築・提供を進めています。
具体的には、「playse.(プレース)」と「派遣のミカタ」という2つのプロダクトを軸に事業を展開しています。
「playse.」は企業の採用活動から社員教育、組織づくりのオンライン体制の構築を支援するためのプラットフォームです。5,000以上のeラーニング教材と自社教材、オンライン集合研修を自由に組み合わせることができ、新入社員や管理職に対してキャリアやスキルに合わせた段階的な教育を実施することができます。
「派遣のミカタ」は派遣業界に特化したeラーニングサービスです。eラーニングにより派遣スタッフのキャリア形成をサポートし、日々成長できる環境をご提供しています。
成長を続ける理由は「改良を惜しまない」プロダクトづくり
▲改良を続けるmanebiさんのプロダクト
編集部
大型の資金調達を達成するなど、manebiさんは成長を続けていらっしゃいますよね。競合他社と比べてmanebiさんが選ばれ続ける理由はどういうところにあるのでしょうか。
岡田さん
比較的低価格で高機能、というのがmanebiのプロダクトならではの特徴です。manebiでは現在5,000種類くらいのeラーニングの動画教材があり、それが月額1人あたり500円で見放題となっています。このコストパフォーマンスの良さは他にない強みと言えます。
またカスタマーサクセスが伴走して研修の設計もサポートするなど、手厚い対応を行っていることもmanebiの特徴です。
「playse.」は手頃な金額であることから、「社内で研修をやることになったけれどどうしよう」という場合の導入としてご利用いただくことも多くなっています。そこでご利用いただいた企業様が「playse.」のファンになっていただく場合も少なくありません。
編集部
競合他社様も多い中で、顧客をファン化するのは難しい面もありますよね。manebiさんではファンづくりのためにどのような工夫をされているのでしょうか。
岡田さん
「顧客から始める」というのがmanebiのポリシーです。リリースするだけでは駄目で、お客様がどう感じているのかをアンケートやヒアリングによって常に情報収集し、プロダクトに反映させています。それと同時に、我々自身も実際にmanebiのプロダクトを使用し、課題を抽出しながら磨き上げていっています。
編集部
お客様の声に耳を傾けるだけでなく、自社でも活用することでプロダクトの改善サイクルを常に回しているのですね。改良を惜しまない姿勢がファン構築につながっているということが良く伝わりました。
子育て中の社員も多数。当たり前に助け合える環境がある
編集部
manebiさんでのワークライフバランスの取り組みについてお伺いします。子育てをしながらmanebiで働いているという社員さんのWantedlyでの記事を拝見しましたが(※)、現在は社内で子育て中の方はどのくらいいらっしゃいますか?
岡田さん
社内では3分の1くらいですね。私自身もパパなんですよ。社内では子育てしながら働くことに対する理解は根付いていると思います。子どものお迎えで少し業務を抜ける、ということも自然に受け入れられています。
飯田さん
本当に、社員みんながそれを当たり前に思う空気が醸成されていますね。何しろ弊社のCEO自身が男性で育児休業を取得していますので。
部署内の会議をリモートで行うと、普通にお子さんが登場したりします。それを不快に思う人は1人もおらず、むしろちょっと盛り上がったりもします。社内イベントに家族で参加する人もたくさんいますね。
それは相互理解にもつながっているのかなと思います。「まだお子さんがこんなに小さいと大変だよな」など、実際に見ることで実感できますよね。お互いの状況がわかることで、助け合える環境が形成されているのではないでしょうか。
岡田さん
「ワーク・ライフ・バランス」と言葉では言いますが、仕事と生活は実際は一体となっていますよね。だから企業はそれをきちんと理解し、個々のライフスタイルに合わせていかないといけないと思っています。「今日子どものお迎えに行きたいです」という希望に対して「会議があるから駄目だよ」と言っているようでは、価値観がどんどん革新されている社会に企業として対応できていないということになりますよね。
manebiのミッション「世界縁満」の通り、個が満たされていないと仕事をしても意味がないのではないか、と考えています。manebiで働いてもらっている以上、「生まれ変わってもこの会社に入りたい」と思ってもらえるような会社にしていけたらと思っています。
編集部
「生まれ変わっても入りたい会社」という、社員にとって本当に良い会社を目指されているのですね。その想いが浸透しているからこそ、社員の方が自発的に助け合う環境をつくることができているのだと感じました。
※子育て中の社員さんへのインタビュー記事はこちら
リモートワークが多い中でも、フランクなコミュニケーションがさかん
▲社員同士の仲が良く、有志メンバーで登山をしたことも
編集部
続いてmanebiさんでの働き方についてお聞きします。現在はリモートワークが主流なのでしょうか?
飯田さん
manebiでは基本的に働き方は各自の判断に任せているため、部署によっては出社しているところもあります。ただし現在は8~9割はリモートワークとなっていますね。
編集部
なるほど。リモートワークを行う社員が多くなると社内でのコミュニケーションが取りづらくなる部分もあるかと思います。manebiさんでは社内でのコミュニケ―ション支援としてどのような取り組みを行っていますか?
飯田さん
メインのコミュニケーションツールはSlackを使っており、そこでは業務的な話だけでなく雑談チャンネルを作って誰もが参加できるようにしています。CEOからパート社員の方、派遣社員の方、業務委託の方まで本当に誰もが参加できる雑談チャンネルです。
自分の趣味や旅行の話、会社での飲み会の写真などがどんどん上がっていますよ。仕事とプライベートと、良い意味で境目なくコミュニケーションできているのではないかと思います。
編集部
CEOが雑談チャンネルにいるというのは面白いですね!
岡田さん
そうなんです。その雑談チャンネルではCEOから社員全員にバースデーメッセージを送っているんですよ。一人ひとりに丁寧にメッセージを送って、みんなが続いてお祝いしていくような流れになっています。役職などに関係なくみんなでコミュニケーションを図っていこうという雰囲気づくりを、CEOが率先して行っているからこそ、皆が「フランクに話して良いんだな」と思えているのでしょうね。
▲Slackの雑談チャンネルに送られたCEOからのバースデーメッセージ
岡田さん
リモートワークを行うことで、コミュニケーションに対する皆の意識が変わってきたと感じています。これまではたまたま隣にいた人と話す、というようにコミュニケーションを強く意識することはなかったと思いますが、リモートワークとなることで、自分からどうコミュニケーションを取るかということを一人ひとりが考える新しいスタイルになってきました。それがmanebiではうまく機能しているなと感じます。
編集部
社員の方一人ひとりがコミュニケーションに対する意識を高く持ち、さらにそれを会社として促進するような機会や場を提供しているんですね。リモートワークでもmanebiさんが会社全体で良いコミュニケーションが取れている理由がわかりました。
『カイクラ』がめざすテクノロジードリブンな組織づくり
▲カイクラで使用された実際のプレゼン資料。イラストも交えてわかりやすく作成されている
編集部
manebiさんで行っている特徴的な取り組みとして、開発部で行われている『カイクラ』がありますよね。この『カイクラ』はどういう取り組みなのかご説明いただけますでしょうか。
岡田さん
カイクラは正式名称を「プロダクト開発部クラブ」と言います。manebiの開発部のコミュニティ形成のための取り組みです。
もともと開発部には海外のメンバーがいたことから、世の中にリモートワークが浸透する以前からリモートの取り組みを進めていました。しかし開発の作業をし始めると、やはり自分の作業に集中してしまい、なかなか周りとのコミュニケーションを取るのが難しいんです。それが自身の成長や可能性を広げることの妨げになっているのではないかと課題となっていました。
そこで開発部同士の交流や勉強の機会を広げるために、「技術交流クラブ」というのを発足し、お互いの技術を教え合うようになりました。これがカイクラの始まりです。
今では技術的なことを教え合う場としてだけでなく、広く開発部同士のコミュニケ―ションを図る場として定着しています。個人の知識や技術の向上とともに組織力を高め、テクノロジードリブンな組織を構築するのが目標です。
編集部
カイクラはどの程度の頻度で行われているのでしょうか。
岡田さん
月に1回、丸一日使って行っています。技術的な知識交流では1人30分くらい使ってプレゼンテーションをします。例えばフロントエンドとバックエンドの歴史や技術の違いや、ChatGPTなど新しい知識などについて教え合っていますね。
技術的な情報だけでなく「お気に入りツール自慢」としておすすめのハンディクリーナーやキーボードなど、ちょっとした情報交換も行っています。また「みんちゃれ」として個人で設定したチャレンジをシェアしたり、さらにはチームごとの業務内容やセキュリティの事故件数などについても情報共有しています。
開発部内でも情報が行き届かないことも多いため、カイクラを通じてあらゆる情報交換を行っています。あまり固い雰囲気ではなく、冗談も交えながら交流できるような場となっていますね。
編集部
先ほどご説明いただいたようにフランクな雰囲気でのコミュニケーションが根付いているのですね。日常的なコミュニケーションだけでなく、カイクラのようにしっかりと場を設けて交流できる機会をつくることで、技術力や組織力の向上につながっていることが良くわかりました。
社員の成長を重要視。空いた時間は自分の成長のために使えることも
編集部
Wantedlyに掲載されているエンジニアの社員さんへのインタビュー記事(※)も拝見したのですが、「手が空いた時間を自分のスキルアップに使って良いと言ってもらえたことが嬉しかった」という内容が印象的でした。manebiさんの社員の方の教育へのお考えをお聞かせいただけますか?
岡田さん
たとえ忙しくても、社員の教育を大切にして、成長できる環境づくりをしていきたいと考えています。というのも、会社が与えられる仕事というのは限られているんですね。技術面でも、決まった技術を使って仕事をしてもらうのが当たり前になってしまいます。
manebiのメンバーはそれに対して120%の仕事内容で応えてくれています。そのうえで手が空いた時間があるのであれば、その時間は会社の業務ではなく自分の成長のために費やしてもらいたいと思っています。
仕事の場というのは、仕事以外で学んだことや培った知識を披露するステージだと思うんです。だからこそ、「仕事以外でどんどん学べ、自分で自分を拡張しなさい」というのが私の考え方です。
※エンジニアの社員さんへのインタビュー記事はこちら
manebiが求める人材は「自分も相手も大切にできる人」
編集部
最後に、採用に関してお話をお聞かせください。manebiさんが求めるのはどのような人材でしょうか?
飯田さん
manebiは「自分が何をしたいか、どうなりたいか」を考えられる人が集まっている会社です。そしてそれを周囲に表現すれば、どうサポートしていくかを会社全体で考えてくれる環境があります。
例えば先ほどお話ししたように、子育てしながら働いている社員であれば子どもが最優先になるのは当たり前という空気が浸透していますし、それを助け合える環境が整っています。そして助けてもらったら、それを別の機会に返していく、それを皆で行っているのがmanebiだと思います。
だからこそ、自分を大切にし、自分を好きになりたいと考えている人に来てもらいたいですし、助け合える環境を一緒に創り上げていける人が望ましいなと思います。
編集部
岡田さんはいかがでしょうか。
岡田さん
そうですね。我々は自分を大切にし、かつ相手を大切にするという精神で仕事をしています。そして人に何かを提供したい、届けたいという人たちの集まりでもあります。
仲間とともに研鑽し、世の中を少しでも良くしたいという想いに共感してくれる方と一緒に働きたいと思っています。
編集部
お話しいただいた内容の端々から、manebiさんには一人ひとりを尊重し、協力し合える社内カルチャーがあることが伝わりました。manebiさんのミッションである「世界縁満」をまさに体現している会社だと思います。
本日はお忙しい中、ありがとうございました!
記事内で紹介した社員インタビューはWantedlyにて紹介されています。HPや採用ページとあわせてご覧ください。
■取材協力
株式会社manebi:https://manebi.co.jp/
採用ページ:https://manebi.co.jp/career/
Wantedly:https://www.wantedly.com/companies/manebi/stories