フルリモートで国内各地からジョイン。AIプロダクト開発会社ルビスが躍進する理由

フレキシブルな働き方をしている企業や、急成長中の企業の魅力をお届けするこの企画。今回は、ニーズが高まるAI業界において、いち早くスライド資料作成サポートのサービスを開発し急成長を遂げている、AIプロダクト開発会社「株式会社ルビス」へお話を伺いました。

株式会社ルビスとは

「株式会社ルビス」は、スライド資料の作成をサポートするAIプロダクト『イルシル(Elucile)』の開発・提供を手掛ける企業です。2021年の提供以降、多くのビジネスパーソンの業務効率化をサポートしてきました。

今後もイルシルの開発・運用を展開していくことで、人材不足や労働生産性などの経営課題を解決に導くだけでなく、将来的には教育格差をはじめとする社会問題の解決にも挑もうしています。

会社名 株式会社ルビス
住所 東京都渋谷区東1-26-20
東京建物東渋谷ビル6F
事業内容 ソフトウェアの開発・運用
主に『イルシル(Elucile)』の開発・提供
設立 2021年3月15日
公式ページ https://lubis.super.site/
働き方 ・フルリモートワーク(オフィス勤務も可)
・フルフレックス

株式会社ルビスでは、国内各地から多様なメンバーがジョインして活躍しています。そこで今回は、代表取締役の宮﨑有貴さんに、フルリモート・フルフレックス制を導入した経緯や働き方の魅力について伺いました。その他、成長を遂げる理由や会社のカルチャー、採用についてもお話しいただいています。

本日お話を伺った方
株式会社ルビスの代表取締役の宮﨑有貴さん

株式会社ルビス
代表取締役

宮﨑有貴さん

目指すは「情報格差のない社会」の実現

株式会社ルビスのミッション
▲「すべての場所に光を届ける」をビジョンに掲げ、企業の課題や社会問題の解決を目指す(公式サイトから引用)

編集部

はじめに、ルビスさんの事業内容やビジョンについてお聞かせください。

宮﨑さん

ルビスは自動で資料作成を行うAIプロダクト『イルシル』の開発を行うスタートアップです。業務効率化や生産性向上といった経営課題をサポートしています。

社名の「ルビス」には、深い底・闇を表す「Abyss(アビス)」と、光を意味する「Luminous(ルミナス)」を掛け合わせていて、”光が入らない場所へ光を与える・光り輝ける会社になろう”という思いが込めてられているのですが、ビジョンも社名の通り「全ての人に光を届ける」ことを掲げています。

「全ての人に光を届ける」とは、誰でも知りたい情報にアクセスできるオープンな世界の実現です。その実現のために、経営課題だけでなく社会問題の解決にも挑みたいと考えています。

編集部

例えばどのような社会問題の解決へ挑戦する予定でしょうか。

宮﨑さん

まず考えているのが、教育問題ですね。私自身が教育に興味があって、大学時代は教育関連の授業を受ける他に、学業と並行して教育系のスタートアップで働いていました。この学びの中で教育の可能性をすごく感じたんですよ。

当時は、貴重な情報や有益な情報は人生を豊かにすると実感していて、毎年100~200冊の本を読んでいました。でも、次第にネット上にわかりやすくて有益な情報が溢れてほしいと思うようになってきたんです。

そこで気づいたのが、難しい情報をわかりやすく伝えるというニーズの高まりでした。情報系のYouTubeやインフルエンサーの配信でも、噛み砕いて情報を発信している動画は再生回数が多いですよね。本が苦手な人でも抵抗なくアクセスするようすを見て、情報の門戸が開かれてきたと確信しました。

そこで、難しい情報を簡潔なものに変換できるプロダクトがあれば情報格差を緩和できると思い、『イルシル』を開発したという流れです。

AIで簡単にスライドを作成できる『イルシル』がメインプロダクト

株式会社ルビスが開発したAIプロダクトのイルシル
▲スライド資料の作成をサポートするAIプロダクト『イルシル』

編集部

ルビスさんのメインプロジェクトである『イルシル』は、どのようなサービスなのでしょうか。

宮﨑さん

イルシルは、キーワードや文章を入力するとスライド資料が作成できるAIプロダクトです。名前の由来は、英語で”改名する・難しいことをわかりやすく説明する”を意味する「Elucidate(イルシデート)」からきているのですが、この名の通り、使いやすさとわかりやすく伝えることを意識して開発しています。

パワーポイントでも今後似たような機能が導入されるようですが、イルシルは創業当時からビジネスシーンの実用性を重視している点が強みです。

例えば、デザイン性が高すぎるスライドは、ビジネスシーンでは使いづらいですよね。そういった点を改善するために他社のサービスなども試しながらブラッシュアップを繰り返して、ビジネスに馴染むデザインかつ、ユーザーの要望がしっかり反映されるサービスに仕上げました。

ただ文章を出力できるだけでなく、読み手が理解しやすい形式でスライド資料を出力できるように、プレゼン用・サービス紹介用・採用資料用など、用途に応じた750種類以上のデザインを用意しています(2023年5月時点)。

また、ユーザーの要望に沿ったデザインのテンプレートを提案する機能の特許も取得したので、今後はさらに手の込んだテンプレートなどを増やして、バリエーションを充実させる予定です。

株式会社ルビスが開発したイルシルに搭載されたデザインの一例
▲『イルシル』に搭載されているスライド資料のデザインの一例

お得な料金プランや作業の効率化が好評の理由

編集部

イルシルが広く受け入れられている理由としては、他にはどのようなものがありますか?

宮﨑さん

料金プランも特徴的だと思います。イルシルでは、本格的なスライド作成が可能な「Proプラン」(1,680円/月)と、複数名で共有するシーンを想定した「Teamプラン」(9,800円/月)の2つの有料プランを用意しています。

料金はワークスペースごとに発生するため、Teamプランで何人追加しても料金は変わりません。そのためコスト面で言えば、複数人の利用や規模が大きい企業などで使いやすいサービスだといえます。

株式会社ルビスのイルシルで完成したスライド資料
▲『イルシル』を使用して作成したスライド資料の一例

編集部

イルシルを利用されている方の反応はいかがでしょうか。

宮﨑さん

嬉しいことに、資料作成が苦手な方やパワーポイントが不得意な方から「資料作成の時間を短縮できた」「デザインを最初から考えなくて済む」と喜ばれています。

2023年5月にAI機能を追加したので、サポートできる範囲が広がってさらに用途の幅が広がると思います。例えば、今まではキーワードからスライドを生成する方法が主流でしたが、これからは、Googleドキュメントやワードの情報から生成したり、内容に合う画像を提案したりすることが可能です。

株式会社ルビスのイルシルのAI生成画面
▲イルシルのAI生成画面。資料作成に必要な項目を入力する

株式会社ルビスのイルシルの構成作成画面
▲構成の作成画面。希望するイメージや資料用途を参考に構成が作られる

株式会社ルビスのイルシルの構成作成完了画面
▲構成の作成が完了。デザインや文章力に不安がある方も簡単に作成可能

イルシルのトライアル利用者数は約1年間で6倍に増加

編集部

ルビスさんは2021年の創業とまだ新しい企業ですが、今までの道のりやこれまでの成長をどのように感じていますか?

宮﨑さん

現在コアメンバーも増えてきており、まさに伸びている最中だと実感していますね。創業当初は自分を含めて3名で進めていたのですが、徐々にインフラを担当できるようなエンジニアの方や実力のあるデザイナーの方が加わり、着実に人材リソースが充実してきました。

2022年は開発がメインだったので売上はかなり少なく、赤字を出しながら開発し続けている状態でしたが、2022年の10月頃からお客様の反応が徐々に変わってきました。2022年1月時点と2023年4月時点のイルシルのトライアルの数を比較すると、6倍ほど増えています。

他にもいろいろな数字が、数倍単位で伸びてきているような状況です。

編集部

お問い合わせの件数も増えていると伺いました。

宮﨑さん

そうですね。お問い合わせの件数は、2022年3月頃から急に伸びています。便利な機能があるものの、慣れるまでに時間がかかるという点が課題でしたが、ChatGPTによって利用のハードルが下がったこともあり、イルシルの良さが伝わり始めていますね。

とはいえ、トライアルの数が増加した一番の要因は、開発当初から”AIに頼らなくても簡単にスライドを作れるサービス”を意識してきたことに尽きると思います。日本だけでなく海外にもユーザーがいるので、今後もより多くのビジネスパーソンをサポートしていきたいですね。

編集部

時代のニーズを先読みして、使いやすいプロダクト開発にこだわり続けた結果が、ルビスさんの躍進につながっていると感じます。

柔軟な働き方が可能。メンバーは日本全国から勤務

株式会社ルビスの社員がリモートワークで働くようす
▲時間・場所を問わないフレキシブルな働き方。多彩なツールを活用してコミュニケーションを促進

編集部

ルビスさんでは、どのような働き方を取り入れているのでしょうか。

宮﨑さん

ルビスの基本のワークスタイルは、フルフレックス・フルリモートです。例えば、開発チームの場合は、進捗報告や共有事項の伝達などのために10:00からミーティングを行いますが、それ以外の勤務時間は深夜でも構いません。13:00〜18:00のコアタイムのどこかで稼働ができれば、自由な時間帯で働けますし場所も自由です。

編集部

フルリモートの働き方を採用した狙いは何でしょうか?

宮﨑さん

スタートアップなので人材リソースの確保が必要だからです。採用の幅を広げるために東京に限らず、国内どこからでもジョインできる体制にしてますね。例えば九州の方、高知県や香川県在住の方もいますし、北海道への移住を検討しているデザイナーもいますよ。

香川県在住の方は、前職は別の仕事をされており、引越しに伴う転職でジョインいただきました。「地方ではスタートアップに関われる機会があまりない」とのことで、喜んでもらえましたね。

あと、創業初期から名古屋で働いているエンジニアリーダーもいます。フルリモートだと対面の機会が多くないので、定期的に東京で飲み会のお誘いをしています。エンジニアという仕事は集中力が必要なので、時間や場所に縛られないルビスの勤務体系は、作業効率やパフォーマンスの向上につながると思います。

バーチャルオフィスなどのツールでコミュニケーションを促進

編集部

フルリモートだとコミュニケーションが難しそうですが、どのような工夫をされているのでしょうか。

宮﨑さん

オンラインだと必然的にコミュニケーションが減るので、気を使っている点ではありますね。ルビスでは基本的にビジネスチャットツール「Slack」を使っていますが、「Gather」というバーチャルオフィスも導入して、その中でミーティングの予定や個々の行動などを把握しています。

あとは、情報共有がスムーズな「Notion」に、事業計画やプレゼン資料などをスライド化してまとめています。プロダクト開発後は使用後の感想・改善点なども共有します。

編集部

多様なツールの活用はコミュニケーションの活性化はもちろん、作業効率の向上にも役立ちそうですね。他にはどのような取り組みをされていますか?

宮﨑さん

週一で「ライトニングトーク」という短めのプレゼン大会を行っています。ルビスは資料作成サービスを提供する会社なので、お客様の目線に立って短時間で大量の資料をスライドで作っています。

開発にあたってはお客様の声を一番大事にしているのですが、ライトニングトークなどで出た改善のアイデアを、作業に反映させることも少なくありません。

編集部

「ライトニングトーク」で意見を出し合うことで、より良いサービスを提供したいという一体感が生まれて、さらにモチベーションが上がりそうですね。

環境の要は「主体性・スピード感・安全性」

編集部

社内の環境作りにおいて、ルビスさんが心掛けていることを教えてください。

宮﨑さん

2023年度末からさらに採用を強化する予定なので、今はその準備として迅速に社内情報を共有できる体制や、主体性を持って行動できるような土壌作りに取り組んでいます。

あと、みなさんデュアルディスプレイで作業しているので、少しでも費用の負担を減らせるようにディスプレイをプレゼントしていますね。

リモートワークを導入していることから、情報漏えいなどを懸念される方もいるかもしれませんが、当然ながら安全性を担保するためのセキュリティ対策も意識しています。フリーWi-Fiの使用禁止といったセキュリティルールの策定やウィルス対策ソフトの導入など、情報セキュリティマネジメントも厳重に行っています。

20代、30代が活躍。フラットでオープンなカルチャー

株式会社ルビスのリモートワークで働くメンバーたち
▲リモートワークで働くメンバーたち。自由度が高い働き方でライフワークバランスを実現

編集部

ルビスさんにジョインされたメンバーは、どのような思いを持ってチームの一員となったのでしょうか?

宮﨑さん

基本的には、ビジョンに共感して加わってくれたメンバーが多いと感じます。

ただ、当初はプロダクトも未完成の状態だったので、スタートアップならではの不安を感じていたと思うんですよ。パワーポイントやGoogleのスライドが存在する中で、あえて資料作成関連のプロジェクトに挑む企業ってないじゃないですか。だから、勝算があるのか気になっている方が多いという印象でしたね。

実際にイルシルを利用してメリットを実感したり、お客様からフィードバックをいただく機会も増えたりしたことで、ビジョンを実現できるという確信を持ってくれたのかなと感じます。

編集部

メンバー全員がプロダクトに手応えを感じているのですね。ルビスさんで働くメンバーの特徴があれば教えてください。

宮﨑さん

20代、30代の割合が高めですね。私も含めニコニコ動画などを見て育ってきた方が多いようで、社内の雑談チャンネルやSlackでは、懐かしいインターネットミーム(ネット上の流行ネタ)が使われているのをよく見かけます。

なので、情報を発信するのが得意な方や創造力が高い方、ユーモアセンスがある方が多いのかなと思っています。

ユーザー目線で課題を解決できる方を歓迎

株式会社ルビスの代表取締役の宮﨑さん
▲「より良いサービスを提供するには、経験による気づきが欠かせない」と話す宮﨑さん

編集部

ルビスさんでは今後も採用を強化するということですが、どのような方を歓迎したいですか?

宮﨑さん

まず、技術面で言えば、デザイナーとエンジニアが不足しているので経験者が来てくれたら嬉しいですね。ルビスではJavaScriptライブラリの「React(リアクト)」を使っているので、Reactの経験がある方を歓迎したいです。

それと、現状は資料作成をサポートするプロダクトの開発がメインですが、今後はウェブサイトの制作も可能にしたいと考えているので、そういった点からもエンジニアがいると助かります。

デザイナーに関しては、資料作成の経験やAIの知識がなくても問題ありません。テンプレート作成に必要なデータがそろっていますし、ルビスのCTO(最高技術責任者)は大学時代からAIの研究を行ってきた者なので、入社後に情報などを共有させていただきます。

編集部

スキル面以外では、どのような方に来ていただきたいですか?

宮﨑さん

資料作成で困った経験がある方に、お力を貸していただきたいですね。お客様の目線に立って『イルシル』のブラッシュアップを手伝ってほしいです。

そして、ルビスが掲げる「すべての場所に光を届ける」というビジョンに共感して、一緒に社会問題の解決に取り組んでくれる熱意のある方を歓迎しています。

編集部

最後に求職者の方へ、ルビスさんのアピールポイントをお伝えください。

宮﨑さん

Googleの検索履歴や閲覧数からわかるように、AI業界自体の需要が高まっているので、ルビスでは会社や自己の成長を日々実感できます。

また、基本の勤務体系がフルリモート・フルフレックス制なので、集中力を要するクリエイターにフィットする働き方だと思いますね。遠方から出社してもらう機会も少なく自由度が高いので、ライフワークバランスが実現しやすいですよ。

興味をお持ちの方は、私のTwitterのDMでも大丈夫ですので、ぜひお問い合わせください。

■宮﨑さんのTwitter(宮﨑有貴@株式会社ルビス)はこちら
https://twitter.com/yukke06242525

編集部

創業から情報格差のない社会の実現を目指し、「わかりやすい情報」という時代のニーズにいち早く対応してきた姿勢が、ルビスさんが躍進を続ける理由だと感じました。

また、コミュニケーションの活性化やセキュリティ対策に力を入れ、メンバーに快適なリモートワークの環境を提供していることがわかりました。

本日は取材にご協力いただき、ありがとうございました。

■取材協力
株式会社ルビス:https://lubis.super.site/
採用ページ:https://boiled-range-4d2.notion.site/Recruit-6404e1b861694f909b4cc296b9282b76