新しい働き方を取り入れていたり、独自のカルチャーを持っている企業にインタビューし、その内側に迫っていくこの企画。今回は、住宅のIoT化(※)を進めスマートライフを実現するためのサービスを提供する株式会社リンクジャパンにお話を伺いました。
(※)IoT:「Internet of Things」の略で、さまざまなものがインターネットに接続して相互に作用できる状態を指す。
株式会社リンクジャパンとは
株式会社リンクジャパンは、IoTプラットフォームに関する製品・サービスを提供している企業です。まだIoTが広く知られていなかった2014年に、国内初のIoTスマートホーム専門企業として設立されました。サービスの提供先は一般の住宅や病院、介護施設など多岐に渡ります。
会社名 | 株式会社リンクジャパン |
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住所 | 東京都港区芝4-7-1 西山ビル6/7F |
事業内容 | ・IoTプラットフォーム事業に関わる全ての製品・サービスの提供 ・アプリケーション・クラウド・IoT通信モジュール・LPWA技術関連製品の開発と提供 ・ビッグデータとAI活用を前提としたスマートライフサービス、見守りサービスの開発 |
設立 | 2014年8月 |
公式ホームページ | https://linkjapan.co.jp/ |
働き方 | フレックス(コアタイムあり) |
また、リンクジャパンは事業を通してSDGsの取り組みを続けているのも特徴です。今回は、そういった社会貢献のほか、働き方やカルチャー、採用などのトピックについて、広報担当を務める衞藤さんにお話を伺いました。
「HomeLink」をベースにスマートホーム関連の事業を展開
▲リンクジャパンさんの提供アプリ「HomeLink」は、直感的に操作できるUIが特徴
編集部
まず、リンクジャパンさんの事業内容について教えていただけますか?
衞藤さん
私たちは、IoTとスマートホームのパイオニアとして、さまざまなサービスを提供することで住宅のあらゆる部分をリンクさせて快適に過ごしていただくための「ホームプラットフォーム」を提供しています。
その中で事業領域を大きく分けると、スマートホーム事業の「eLife(イーライフ)」、ヘルスケア事業の「eMamo(イーマモ)」、他社製品との連携が可能な「アライアンス」の3つとなります。
編集部
その中でもメインとなるのはどの事業なのでしょうか。
衞藤さん
メインはスマートホーム事業である「eLife」です。eLife含め、すべてのサービスは「HomeLink」というアプリがベースになっています。HomeLinkから家電や照明などの電化製品をすべてスマホや音声で操作することができ、操作の自動化や子どもの見守りなども可能なので、非常に快適に生活していただけます。
リンクジャパンが設立された2014年には、IoTやAIのサービスはまだ普及していませんでした。しかし近年ではIoT化が急速に進んでおり、それに伴ってリンクジャパンの業務も拡大しています。不動産会社様は、自社の物件を売るために「水回りが綺麗」「駅から近い」などの特長に加えて、スマートホームも目玉商品としてアピールしています。
リンクジャパンとしては、実際に住んでいる方に「スマートホームがあって良かった」と思っていただくことが目標ですね。
編集部
スマートホームのようなサービスがついている物件はまだめずらしいかと思いますし、入居する方にとってもすごく魅力的に感じられそうです。
高齢者のヘルスケアや、他社の家電との連携サービスも
▲高齢者のヘルスケアのためのサービス「eMamo」(公式サイトから引用)。
編集部
おっしゃった事業の2つ目「eMamo(イーマモ)」は、どのようなものでしょうか。
衞藤さん
eMamoは、ヘルスケア関連の製品・サービスを一本化するプラットフォームです。主に高齢者の在宅ケアやオンライン診療、介護施設・病院のDX化支援において利用されています。
機能のひとつとして、スマートナースコールの「eBell」という機能があります。これは配線工事が不要でどこにでも簡単に設置でき、ワンタッチでスマホを通してビデオ通話ができるというものです。通常だと高齢者がいる施設の夜間の見守りでは人員を配置しなければいけませんが、こちらを活用すれば介護士さんなどの負担を減らすことができます。
編集部
自宅だけではなく、医療・介護の現場でも利用されているんですね。これから介護される方も増えてくるかと思いますので、さらに活用されるケースは増えそうだと感じました。
衞藤さん
3つ目のアライアンスは、先ほどご説明しましたHomeLinkのアプリを使っていただくことで、他社様のサービスや製品を使えるようになるというものです。
例えばエアコンとスマートロックが異なる企業様のものだとしても、HomeLinkと連携することで、まとめて管理・操作できるようになります。そのために、大手の家電メーカー様などいろいろな企業と提携させていただいています。
編集部
ありがとうございます。企業様向けのサービスについてもお教えいただけますでしょうか。
衞藤さん
たとえば、ハウスメーカー様や工務店様には、他社様の高品質低価格な蓄電池、ソーラーパネル、EV充電器、HEMS、弊社のIoT製品を一括提供をし、コストを抑えるだけでなく、機器間のシームレスな連携を進めております。設置設定や説明、サポートは弊社が対応させていただきます。
代理店やパートナー様には、複雑な各種技術とシステム、製品を一括供給しますので、開発費用や管理費用を大幅に削減することができます。また、勉強会やサポートも積極的に行い、共に事業拡大を実現します。
エネルギーマネジメントを通してSDGsに取り組む
編集部
リンクジャパンさんでは、SDGsにも取り組んでいらっしゃると伺いました。具体的な取り組みについてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?
衞藤さん
弊社は、主にエネルギーマネジメントサービス「eNe(エネ)」を通じてカーボンニュートラルの実現を目指しています。「eNe」とは、IoT技術であらゆるエネルギー機器をリンクし、AIによるホームエネルギーの最適制御(次世代HEMS)や、電力需給に合わせた一括制御(VPP/DR)を実現するプラットフォームです。
これにより、持続可能な開発目標の目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」の達成に貢献できると考えています。
他にも、スマートホームサービス「eLife」を通じた目標11「住み続けられるまちづくりを」の達成、オンライン診療との連携やヘルスケアサービス「eMamo」を通じた目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成にも貢献します。
編集部
リンクジャパンさんの高い技術力を活かしたサービスで、さまざまな目標達成に取り組まれているんですね。
ピークをずらす技術で電力不足の解決も
編集部
その他には、リンクジャパンさんによるSDGsに関連した取り組みはあるでしょうか。
衞藤さん
同じくSDGsの観点から、電力会社様とも協業させていただいています。これは「スマートデマンドレスポンス」という技術を介して、日本の電力不足問題に対してアプローチをしていくというものです。
具体的には、各家庭のエネルギー源をクラウドでリンクし、AI×IoTで最適制御を行います。アプリ通知などのより効率的なDRシステムの提供と、インセンティブ付与の仕組みを取り入れることも進めております。
家庭内でエネルギー比率が高いエアコン、給湯器、蓄電池などの各種家電や住宅設備を全て統合アプリ「HomeLink」で連携することで、AIによる自動節電を実現します。
編集部
事業を通して電力不足などの課題解決に取り組まれているんですね。特に若い世代は学生時代からSDGsに関する授業を受けていますので、リンクジャパンさんの理念や技術に興味を持つ方も多いと思います。
各自が能力を発揮できる適材適所での働き方
編集部
御社のウェブサイトに「モットーは適材適所」と記載されているのを拝見しました。これはどういったことなのか、具体例がありましたら合わせてお聞きしたいです。
衞藤さん
一例を挙げると、リンクジャパンには前職で数年営業をしていたものの、現在人事担当になっている男性がいます。たまたま人事担当がいなかったというのもありますが、人当たりの良さからも適任だと判断し任命しています。
また、営業職で入社しましたが事務能力も高かった女性社員がいて、ご自身も「事務の方が適任なのではないか」と感じていたようで、現在事務に移動し活躍している事例もあります。大手企業だと「営業を3年間やってから部署移動が可能になった」というケースもあるかと思いますが、弊社ではそのようなことは一切ありません。
編集部
その他に、働き方に関する特徴はあるでしょうか。
衞藤さん
リンクジャパンはベンチャー企業ですので、仕事をしながら構築していくフェーズが多いんです。ある程度自由度が高く、自分のやりたいことと会社が求めていることを考えて、フレキシブルに実行していくという雰囲気はありますね。
また、副業を推奨しているというわけではないのですが、週末は栃木で農家をしていて、平日は東京に戻ってきて広報の業務をしているという男性もいます。個人の事情や希望にあわせて、柔軟に働ける会社だと思います。
若手が活躍。社長との距離が近く、直接の提案も可能
▲株式会社リンクジャパン社長の河千泰進一さん。会社は2023年で9年目を迎える。
編集部
リンクジャパンさんの組織としての特徴はあるでしょうか。
衞藤さん
東京・福岡の2拠点で、20代〜30代の若手が活躍していますね。未経験から入社した人にもどんどんアドバイスしてサポートしていく体制ができているので、働きやすい環境だと思います。
そういった環境は、経営陣との距離が近いのも影響しているかもしれません。毎週水曜日に社長を交えた営業マーケティング会議を行っていて、「こんなことをやりたい」という提案があれば議題に載せることができるため、社員が直接プレゼンする機会が多いです。
この場を通して社長の河千泰も社員のことを把握できますし、軽い面談の機会も設けてくれます。話し合った結果として、社員がやりたいことと適している業務が一致することも多いです。
編集部
社長自ら社員と話して「どの仕事を任せるか」などを考えてくれるということでしょうか?
衞藤さん
そうですね。ただ、社長との1on1と聞いて想像するような堅いものではないんです。フラットな感じで、社長から声をかけてもらって急に始まったり、自分から「社長、いいですか?」とお願いする人もいますので、状況に応じて行うという形ですね。社長を含め経営陣と話す機会は定期的にも突発的にもありますので、距離は非常に近いと感じます。
編集部
業務時間以外でのコミュニケーションという点ではいかがでしょうか。
衞藤さん
社長の発案で食事会が開催されることもありますね。お子さんがいる社員のことも考えて「出席が難しい人は教えてください」と必ず伝えてくれますし、部署を越えたコミュニケーションも取ることができるので、みんな楽しんでいます。
編集部
フラットかつ自由度が高いことがわかります。リンクジャパンの社内が良い雰囲気であることが伝わってきます!
異業種からでも問題なし。大切なのは仕事へのモチベーション
編集部
リンクジャパンさんが大事にされている理念について、ご説明いただいてよろしいでしょうか?
衞藤さん
私たちは「価値あるモノを創造し、価値あるサービスを提供する」という企業理念を掲げています。時代の最先端をいくような技術でも、あまりに高価では感動もなにもありませんし、複雑なものでは、より快適な暮らしを提供することはできません。
シンプルかつ時代の半歩先をいく「あったらいいな」を提供しつづける組織をこれからも目指していきたいと思っております。
編集部
最後に、リンクジャパンさんに興味を持っていただいた方に、メッセージをいただけますでしょうか。
衞藤さん
弊社には、前職がホテルマンや教師など、別業種にいた方も多く活躍しています。経歴はあまり関係ないため、モチベーションを高く持って自分のスキルや市場価値を上げていきたいと思っている方は、フィットしていただけると思います。
カジュアル面談も可能ですので、少しでも興味がありましたらぜひご応募ください。
編集部
IoTやAIといった最先端のテクノロジーに関わり、社会貢献につながる仕事をしたい方。そして別業種からであってもポジティブにチャレンジできる方は、リンクジャパンにマッチしているのではないかと思います。本日はありがとうございました。
■取材協力
株式会社リンクジャパン:https://linkjapan.co.jp/
採用ページ:https://linkjapan.co.jp/recruit/