様々な企業に対して、独自の働き方やカルチャーを伺っていくこの企画。今回は、世界中の先端テクノロジーを活用して物流ソリューションの企画・開発・提供を行っているGROUND株式会社を取材させていただきました。
GROUND株式会社とは
人手不足など様々な課題を抱える物流・小売・Eコマース(以下、EC)業界の企業に向けて、AIを活用した自社開発の物流施設統合管理・最適化システム『GWES(ジーダブルイーエス)』を提供。その他にもロボットソリューションの提供・導入・運用支援や物流DXのコンサルティングなど、「すべての人にとって永久に持続可能な物流の未来へ」というビジョンの実現に向けて事業を展開しています。
会社名 | GROUND株式会社 |
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住所 | 東京都江東区青海2-7-4 theSOHO 3F |
事業内容 | テクノロジーを活用した物流ソリューションの企画・開発・提供 |
設立 | 2015年4月10日 |
公式ページ | https://www.groundinc.co.jp |
働き方 | フルリモート フルフレックス |
今回は、自由度の高いフルフレックス&フルリモートの働き方などについて、人事部部長の山本さんにお話を聞かせていただきました。
先端テクノロジーを活かした物流ソリューションを提供
▲GROUND株式会社が開発・提供するGWESの概要図(公式サイトより引用)
編集部
本日はよろしくお願いします。最初に御社の事業内容について教えていただけますか。
山本さん
簡単に概要からお伝えすると、弊社は世界中の先端テクノロジーを活用して様々な物流ソリューションの企画・開発・提供をしている会社です。現在は、大きく分けて4つの事業を展開しています。
1つ目は、倉庫などの物流施設を総合的に管理・統合し、AIで最適化する倉庫実行システム『GWES』を開発・提供する事業です。現代の物流施設には、様々なハードウェア・ソフトウェアが段階的に導入されていますが、多くの場合メーカーが統一されていません。
それが、GWESを導入することで様々なハードウェアやソフトウェアが有する情報やデータを統合管理できるとともに、倉庫内の作業や各種データ、在庫配置状況などの可視化・分析や、AIによる業務の自動化・リソースの最適化も可能になります。
2つ目は、ロボットソリューションの提供・運用支援です。増大傾向にあるEC需要に対応し、物流施設を機動的に運営して作業負荷を軽減するためには、ロボットの活用はとても重要です。弊社は開発こそしておりませんが、グローバルネットワークを活かし、物流施設内のさまざまな作業工程を効率化できるロボットソリューションをラインアップし、保守・運用までをワンストップサービスで提供しています。
3つ目は、物流DXのコンサルティングです。弊社の物流スペシャリストたちが、物流企業様や荷主企業様が抱えるさまざまな課題の解決支援を行い、物流改革の推進に取り組んでいます。
そして4つ目が、次世代型物流施設として独自定義している『HyperWarehouse』に関する事業となります。HyperWarehouseとは、AIやロボットの効果を最大限に発揮するOS(オペレーティングシステム)としてGWESを物流施設の基盤として実装し、テクノロジーの進化に合わせて成長することができる次世代型物流施設のことです。
このような次世代型物流施設の企画から構築支援を行うことにより、AIが高度で複雑な判断をし、ロボットが適応力の高いオペレーションを行い、人がより付加価値の高い役割に注力できる高度な物流施設の環境構築を目指しています。
物流業界の課題を解決し「永久に持続可能な物流」を目指す
▲GROUND株式会社は「すべての人にとって永久に持続可能な物流の未来へ」というビジョンを掲げている(公式サイトから引用)
編集部
物流業界に対して様々なアプローチを行っているのですね。続いて御社のビジョンについても教えていただけますか。
山本さん
弊社は「すべての人にとって永久に持続可能な物流の未来へ」というビジョンを掲げています。
編集部
このビジョンには、どのような想いが込められているのでしょうか。
山本さん
物流が社会インフラとして大事な役割を果たしているのは疑いようがありません。特に近年は、人々の購買行動が急速にオンライン化しています。そのため、多くの注文をスピーディーにさばくなど、高度化する消費者ニーズに対応するサービスを提供し、的確かつ迅速に消費者の手元に届けることが必須になっています。
一方で、物流を支える労働力は世界的に不足しており、高度化・複雑化する注文やサービスにアナログで対応するのが非常に困難になっているのが現実です。
この慢性的な課題に対して、弊社がAIやロボットなどの先端技術を活用したソリューションの開発と提供を行うことで、人々の元に物を届けるという物流インフラを安心、安全、かつ持続可能な形で構築し、人々の生活をより便利により良いものにする未来づくりに寄与したいという想いが込められています。
柔軟に働けるフルリモート&フルフレックス
編集部
ここからは、御社の働き方にフォーカスを当ててお話を伺ってまいります。事前にかなり自由度の高い働き方ができると聞いたのですが、詳しく教えていただけますか。
山本さん
弊社はフルリモートかつフルフレックス制度を導入しています。フルフレックスは、一般的なフレックスタイムと比較して会社の指定するコアタイムがありません。なので、早朝の5時から仕事を始めて14時や15時に退勤するのもいいですし、逆に夕方から22時にかけて働くことも可能です。
編集部
実態としても、みなさん働かれている時間はバラバラなのでしょうか。
山本さん
そうですね。もちろん、社内のミーティングなどで時間を合わせる必要がある時もありますが、弊社の場合は自立自走して働いている社員が多いので、縛りもそこまで強くないのかなと思います。
今後も社員が持続的かつ快適に働ける環境の構築を目指す
編集部
リモートワークについても伺えればと思います。御社では、いつ頃からリモートワークを導入されているのですか。
山本さん
フルリモートになったのは社会情勢の大きな変化があった約3年前からですが、実は以前から弊社はリモートワークを推進していました。オフィスも縮小し、本社にはフリーアドレスのデスクおよび会議室が一つと、都内のサテライトオフィスがあるだけです。
このような経緯からリモートワークが文化として根付いていますし、知見も蓄積されているので、フルリモートになっても会社として機能やスピードを落とさずに事業を運営することができています。
編集部
それでは、今後もフルリモートの形が続いていきそうですか?
山本さん
どちらとも言えません。再び社会情勢が変わろうとしている中で、どういった働き方がGROUNDにとって良いのかはオープンに議論していくべきだと考えています。
ただ、一つ言えるのは、何事も経営陣の一存で物事が決まるわけではないということです。社員一人ひとりの声に耳を傾けて反映させていくというのがGROUNDの風土ですし、その結果、今のフルフレックスかつフルリモートの働き方が生まれています。
今後も会社の成長や事業フェーズの変化、そして事業戦略などを鑑み、社員がより持続的かつ快適に働ける環境を構築できるように最適な選択をしていければと思います。
自分の理想とするワークライフバランスを実現可能
編集部
御社はフルリモートかつ働く時間も人によって異なるということですが、例えば山本さんの場合はどのように1日を過ごされていますか?
山本さん
私は子供が幼稚園生ということもあって、まず朝に幼稚園へ送り届けてから夕方に迎えに行くまで仕事をしています。子供が18時頃に帰ってから20時半頃までは、ご飯や寝かしつけの時間。それが終わって、また業務を開始するというのが基本的な1日の流れです。
編集部
中抜けもできるのですね。それぞれ働いている時間が異なると、自分が勤務外の時間に連絡を求められることはありませんか。
山本さん
もちろんありますが、スケジュールをオープンに共有しているので、事情などを考えて相手のタイミングで対応しようという意識が全社に根付いていると思います。
編集部
ライフスタイルに合わせて働けるということで、ワークライフバランスを重視したいという求職者にも合いそうですね。
山本さん
はい。それに弊社の場合、プライベートを充実したい方だけでなく、仕事を頑張りたい方ならワークの比重を上げることもできます。つまり、自分が理想とするバランスを構築していくことができるんです。
弊社が推奨している自由な働き方には、各自にその時々の状況におけるベストパフォーマンスを発揮してほしいという考えが根底にあります。
朝会・タウンホールミーティングなど、定期的な交流の機会も
▲3ヶ月に1度のタウンホール・ミーティングでは、活発な質疑応答や意見交換の様子が見られる
編集部
御社にはリモートワークの文化が根付いているというお話もありましたが、社員さん同士のコミュニケーションについては何か工夫などされているのでしょうか。
山本さん
Zoom上で、全社員が参加する週1回の朝会を行っています。それぞれのパーソナリティを知るようなコンテンツや経営陣からのメッセージなどが主な内容です。
弊社は新しい会社で、今後もメンバーを増やしていきますので、新しく入社された方が組織に入り込みやすくなるためにも、全員の顔を見る機会を積極的に設けています。
編集部
パーソナリティを知るコンテンツというのは具体的に何をされているのですか。
山本さん
現在行っていることでいうと、各自の出身、趣味、バックグラウンドなど、メンバーからメンバーへリレー形式でその人に聞きたいテーマを伝え、発表しています。
編集部
リレー形式でお互いを紹介し合っていくのですね。実際にお話をする際は、決まった流れなどがあるのでしょうか。
山本さん
特に決められた流れや既定のフォーマットなどはありません。写真や動画を多用するメンバーもいますし、そこも人柄が表れる部分ですね。フルリモートで雑談の機会も少ない中で、朝会はみんなの仕事以外の一面を垣間見ることができる貴重な機会になっています。
社員一人ひとりの理解や意見を大切にしてくれる
編集部
オンライン上では週1回の朝会で顔を合わせるということですが、対面で交流する機会はほとんどないのですか?
山本さん
いえ、3ヶ月に一度、クォーターごとに全社員が集まるタウンホールミーティング(対話集会)の機会を設けています。ここでは各部門の振り返りや次クォーターの方針・目標の発表の他、懇親をしたり様々なテーマでのグループワークやディスカッションを行ったりしています。
編集部
とても充実した内容ですね。まず各部門の振り返りや方針・目標の発表というのは、部門長からの情報共有というイメージですか?
山本さん
それがメインですが、発表した後は挙手制で誰でも聞きたいことを聞くことができる2ウェイのコミュニケーション形態をとっています。これもフルリモートに関連しているのですが、各部門の現在地や抱えている課題などをしっかり理解してもらうというのも、この会を開催する目的の一つです。
編集部
グループワークやディスカッションについても伺えればと思いますが、こちらはテーマなども含めてどのように進めていますか。
山本さん
毎回テーマは異なりますが、前回は「朝会のあり方」についてディスカッションしました。ファシリテーターなどは事務局側で用意せず、メンバーをランダムに複数のグループに分け、そのグループでそれぞれ進め方を決めて自主的に意見や回答を出し合ってもらっています。
編集部
先ほど、「社員一人ひとりの声に耳を傾けて反映させていく」というお話がありましたが、このディスカッションもその一環ということになるのでしょうか。
山本さん
はい、まさにそうですね。
自分の考えを“いつでも誰にでも”伝えられる環境
▲宮田社長をはじめ3名の取締役とは誰でも気軽に話をすることができる
編集部
会社の風土についても教えてください。山本さんから見て、御社が他の会社と比べて特徴的だと思う部分はありますか?
山本さん
ポジションに関わらず、誰もが自分の考えや意見を発信できる環境が挙げられます。それはつまり、経営陣との距離が近いということです。弊社の常勤取締役は3名いるのですが、メンバーとの距離がとても近く、「いつでも議論してきてください」というスタンスで、横に座って気軽に話しかけられる雰囲気があるんです。
編集部
取締役クラスとも気軽に話せるというのは素晴らしいですね。現在のリモート環境下においては、どのような場面で経営陣とコミュニケーションを取れるのでしょうか。
山本さん
業務上の相談はもちろんですが、業務以外でも、例えば朝会でのマネジメントスピーチがあります。CEOの宮田を含めた取締役3名が、それぞれの視点でトピックを決め、考えや気になっている点を伝えたり読んでいる本を紹介してくれたりします。もちろん、ここで質問することも可能です。他にも、タウンホールミーティングの懇親中にメンバーと話す姿をよく見かけます。
あと、私も入社して驚いたのですが、社員全員に貸与している携帯電話でクイックに話すこともできるんです。
編集部
営業職など業務で必要な方だけでなく、全員に携帯電話が貸与されているんですね!
山本さん
そうなんです。普通は社外のクライアント等と連絡を取るために貸与している会社が多いと思うのですが、弊社は社員とのコミュニケーションを取る目的で全員に携帯電話を貸与しています。社長を含めた全社員の番号が公開されているので、直接話したい場面では、誰に対しても電話ができる状態です。
古いようで新しい携帯電話によるコミュニケーション
編集部
携帯電話はリモートワークが始まる以前から貸与していたのですか?
山本さん
いえ、全社員へ貸与されるようになったのが2021年くらいなので、リモートワークがメインの働き方になってからです。社員間のコミュニケーションが希薄化するのを懸念していたのもありますし、Slackなどのチャットツールでは長文のやり取りが大変だという意見もあって貸与されるようになりました。
編集部
そのような経緯があったのですね。最近ではバーチャルオフィスを入れる企業もあるそうですが、御社の場合は携帯電話の方が合っているということなのでしょうか。
山本さん
バーチャルオフィスは一見すると楽しそうに見えるんですけど、経営側に管理されているという印象を与えてしまう可能性があるのかなと思います。特に弊社はエンジニアが多いですし、導入するテクノロジーがどのような機能を持っていて、会社がどのような目的で使うのかに敏感です。後は、フルフレックスで働く時間がバラバラなのもありますね。
そのような点を踏まえつつ、物理的に離れてしまった距離を縮めるという意味でも、携帯電話の貸与は古いようで新しいソリューションだと感じています。ただし、これが根本的な解決ではないですし、この携帯貸与にかわる方法も検討したいと考えています。
事業には様々な国籍のメンバーが参加
編集部
会社の風土について補足などはありますか?
山本さん
弊社は多様性という面でも特徴があって、約40名中7名が海外のメンバーなんです(2023年3月13日時点)。
編集部
約2割もいらっしゃるんですね。彼らは海外から御社の事業に参加されているということでしょうか。
山本さん
そうですね。海外在住のメンバーもいますし、他にもアジア圏を中心に様々な国籍のメンバーがいます。
山本さんから求職者へのメッセージ
編集部
それでは最後に、今回のインタビューを通じて御社に興味を持った求職者へメッセージをいただけますでしょうか。
山本さん
自らの求められる役割を理解し、いかに実現できるかを考えて自立・自走できる方にジョインしていただきたいです。それに加えて、人をリスペクトする姿勢も重視しています。誰も一人で仕事をすることはできませんので、みんなで会社を前に進めていくという意識を持っていただきたいです。
また、今後は事業規模を拡大していきたいと考えています。そのため、今回のインタビューでお話しした“経営陣との距離の近さ”というのも今のフェーズでジョインするメリットです。経営陣が何を考えて戦略を決めるのかを間近で見ることもできますし、自分の意見を伝えることもできます。特に20代や30代の方にとって、大きな経験になるはずです。
編集部
自由度の高い働き方ができるGROUND様では、仕事を自分事ととらえて主体的に動ける人がフィットするといえそうですね。まさに成長中のフェーズですので、経営陣含めフラットな文化の中で変化を体験していけるというのも大きな特徴だと感じました。
本日はありがとうございました!
■取材協力
GROUND株式会社:https://www.groundinc.co.jp
採用ページ:https://www.groundinc.co.jp/careers